リンク アンド モチベーションのグループ企業である
リンクインベスターリレーションズの社内勉強会に
お招きいただき、CSRと、そのコミュニケーションの進化や
今後のポイントについて、お話しする機会をいただきました。
会議室がいっぱいになるぐらい、たくさんの方が、とても熱心にお聞きくださり、
その全員から、翌日にご感想のコメントをいただきました。
お話しする側としては、とてもうれしい限りでした。
そこで2つ、ご質問をいただきました。
とても重要なご質問なので、この場で公開してお答えしますね。
> CSRレポートの提案時には、いつもレポートの編集軸に悩みます。
> ステークホルダー別で切っている企業が多数を占めますが、
> やはりこれが一番伝わりやすいのでしょうか??いいえ。
ステークホルダーは、組織が「どのような人たちと接しているか」、
正確に言えば「利害を共有しているか」を整理するために例示されて
いるに過ぎず、読者の属性・特性の一つの切り口にすぎません。
「会社・商品(製品・サービス)から、近いか・遠いか?」と、
「会社・商品に対する関心・理解が、深いか・浅いか?」という、
2つの距離感を軸にとると、「消費者」「NPO」「取引先」などは、
実に広く分散してしまいます。
その反面、格付機関や私どものような「オタク」的なNPOは、
「近く深い」ゾーンで重なります。
レポートがコミュニケーションの道具である以上、対象や場面に
応じたつくりにするのが当然。
「近く深い」と「遠く浅い」という両極端と、その間、という
3つのパターンで想定するのが、基本です。
(この点については、近いうちに、環境gooの連載で必ずご紹介します。)
> ◆企業とNPO/NGOの結びつき。
> 今後、この動きは活発になっていくのではないかと考えております。
> NPO/NGOが熟知している現場を知らない企業
> 解決策を知っていても資金のないNPO/NGO
> そんな2つの組織の結びつきが強くなるのではないかと思っております。
> 今後、このように結びつきが強くなっていく中で
> 企業が意識しなければいけない点はどういった点だと思いますか。会社の内部で方針を決めた後に、団体にコンタクトをとる(&業務を頼む)
のではなく、ISO26000での「エンゲージメント」の定義にもあるように、
中期的な方針など、重要な決定を行う前に、NPOなどと協議の場を設け、
その提案・意見を踏まえた判断を行うことです。
画期的な新商品をつくり続けるには、社内だけじゃ絶対無理で、
取引先にも、初期構想の段階から相談しますよね。
それと同じぐらい、深く広い視野を共有しないと、相手の力を最大限に
引き出すことは、できません。