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川北秀人on人・組織・地球

「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に、市民団体(NPO)・社会事業家(ソーシャル・アントレプレナー)や社会責任(CSR)志向の企業のマネジメントの支援や、市民・企業・行政の協働の支援などに奔走する、IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者の毎日の、ほんの一部をご紹介します。


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地域づくりに関するご質問にお答えします [2017年04月18日(Tue)]
各地にお招きいただき、いただいた時間内で、ご要望いただいた
項目を可能な限り簡潔にお伝えするよう努力していますが、
それでも、3時間いただいても「時間が足りない」という
ご指摘を頂戴します。力不足をお詫びします。。

つい先日も、私の話の後、「感じたこと」「すぐにしなきゃ、
できると思うこと」「今後進めていくうえでの不安・疑問」に
ついて、各自でお書きいただいた後に、4・5人ずつで共有して
いただいたのですが、「どうしてもこれは確認してほしい!」と、
改めてご質問をいただきました。以下、いただいたご質問と
回答を共に紹介いたします。

Q1:当地は地域性なのか、封建的で閉鎖的なので、
 何とかするには難しいと思う。自治会にも協力してもらいたいが
 無関心。打開する良い方法は?
Q2:前例がないことを推し進めるための発想力と実行する
 ための方法は?


A1&A2:「封建的で閉鎖的」でない、民主的で開放的な
 地域の方が、よっぽど珍しいですよね。
 自治とは、自分(たち)で決めて、自分(たち)で担う、
 ということ。日本では、本当にありがたい・すばらしいことに、
 担う力は十分にある方たちが、地域にも、企業にも、行政にも
 たくさんいらっしゃいます。
 ところが、最大の問題は、決める力が弱いこと。
 「これまでどおり」という、延長線上や前例踏襲は、
 これまでのふりかえり、つまり、経緯や実績とともに課題の
 確認も、また、今後の見通しや、それに求められる対応の
 検討も、とりわけ、これまでどおり続けることによるリスクや
 不備の検討が、行われないことが最大の問題です。

 「そんな(=これまでしてない新しい)ことはせんでえぇ」と
 おっしゃるのは、状況が正確にわかっていらっしゃらないから、
 ですよね。体調や健康の管理も同じで、だからこそ、検査や
 健康診断を行って、データを集め、「相場」や「拡がり」を
 把握するとともに、その方の値や傾向をお教えすることで、
 改善に向けた判断と行動に結び付けていくしか、ないと思います。
 具体的には、各地域の人口構成のこれまで10年とこれから
 10年の推移をお示ししたうえで、行事・会議・組織の棚卸しと
 中学生以上の全住民調査を行っていただくことから、ですね。

Q3:人口構成分布で右下に位置する地域はどうすれば良い?

A3:既に高齢化率が高く、18歳未満の同居世帯比率が低い
 地域の自治会長・町内会長さんたちにお話を伺うと、
 「今後、人口が減ることはあっても、増えることはない。
  なので、新しいことをしなくてもいいなら、続けられる。」
 とおっしゃる方も少なくありません。
 住民の方々の「いのちとくらしを守る」ことが自治会・町内会や
 地域運営組織の基本的な役割である以上、高齢化率が高い地域に
 おける最重要課題は、健康づくりと、買物や通院をはじめとする
 移動の支援ですよね。それをしっかり行われたうえで、子どもを
 増やすのであれば、移住・定住の受け入れに力を入れる、という
 ことになりますよね。

Q4:ボランティア活動を地域経営にシフトする考え方がわからない。
 どのようにしていけばいいのか?


A4:厳密に言えば「行事から事業へ」、「役から経営へ」と
 申し上げていますが、上述A2の通り、地域運営組織の基本的な
 役割が「いのちとくらしを守る」ことであれば、イベントを
 通じて交流することで助け合いの機運を醸成する段階から、
 見守りや買物・通院の支援といったくらしを支えるサービスへと
 進化が求められるのは必然だと考えます。
 その進化の必要性を共有するためには、上述A1&A2のように、
 「人口構成のこれまでとこれから」をまとめ、「中学生以上の
 全住民調査」を行うこと、実際の現場づくりという意味では、
 先駆的に取り組んでいらっしゃる地域を視察したり、教えて
 もらったり、場合によっては一緒に実施してもらったり、
 といった体制づくりを進めていただくことになりますね。

Q5:これからの自治会運営のノウハウは?

A5:「いのちとくらしを守る」組織として「役から経営へ」と
 進化が求められる以上、その地域の特性を、今後の見通しを含めて
 把握する必要があります。繰り返しになりますが、「人口構成の
 これまでとこれから」をまとめ、「中学生以上の全住民調査」を
 行うこと、そして、各地域のお取り組みを学び合う機会を設ける
 ことが大切です。また、「自治会長・町内会長の引継ぎ帳」を
 つくることも、お勧めしています。

Q6:当市のまちなかは都市化していて、若い世代は地域や
 自治会に対する認識が薄い。その状況の中で、“地域の当事者”を
 増やすために有効なのはどういうことか?

Q7:地域の先輩の方の中に事業や組織の棚卸しを
 嫌がる方が多い。どのように対応すれば良いか?


A6&A7:若い世代の地域への参加を促すにも、また、先輩の
 世代が嫌がっていらっしゃる「棚卸し」を進めるにも、その
 原因や背景として「そんなことをしなくてもいい」という
 お気持ちがあることが挙げられます。
 自発的に続くお取り組みには、まず、必要性の共有が大切で
 あり、そのためには、再三申し上げた通り、「中学生以上の
 全住民調査」が最も有効だと感じます。
 その集計や分析の結果を報告する会合を開催する際に、
 「今後、何を減らし、何を増やしていくか」を話し合うことで、
 参加や協力が広がっていくと期待できます。

 (「継続には楽しさが一番大事」とおっしゃる方もいらっしゃい
 ますが、残念ながら、楽しさだけでは続かない、というのが、
 私自身の経験則です。ただ楽しい(だけ)ことは、どこにも、
 いくらでもあり、それらと、地域や社会のために求められる
 活動とを比べられると、分が悪いのは明白です。)

 「若い世代」をあえて大別するなら、「子育て家庭」と
 「二人ぐらし」、そして「単身世帯」の3つに分かれますね。
 このうち「子育て世代」については、登下校時の見守りなどを
 きっかけとして、地域組織の活動への参加を働きかけることは
 できると考えます(「子は地域の鎹(かすがい)」ですね)。
 単身世帯については、その困りごととして、発熱など、病気や
 けがをした際のくらしが大変、ということが挙げられます。
 そんな際に、地域でどのような助け合いが可能かを、予め
 伝えておくことも大切ですね。

Q8:急ピッチで効果を出すにはどのようなことをすると良いか?
 具体的に何から手をつけたらいいか?(地域の活性化について)


A8:通常は「急ピッチで進めると、不安や反発が出かねない」
 といわれることが多いので、このご質問は珍しいです!
 さて、急ピッチで進めるにせよ、大切なのは、ねらい・意義や
 進め方については、共有の機会を設けておかないと、その後の
 継続を考えた際に、協力はもちろん、人材育成の機会さえも
 逸してしまいかねない、ということです。
 そこでお勧めしたいのは、農産物であれ、自慢のお庭であれ、
 それを地域の内外の方に「買って」(庭なら入場料を)いただく
 力を育てるために、「つくってみる・売ってみる・買ってみる」の
 「てみる」市を開いてみましょう、ということです。

 高齢化率が30%を超えるということは、地域住民の3割以上が
 年金という外貨を稼いでいる、ということ。そのほとんどが
 食品をはじめとする生活必需品・サービスの代金に充てられて
 いることを考えると、それを移動販売や宅配など、地域外の
 事業者さんにだけ担っていただいてお支払いするのは、地域を
 素通りしてしまうという意味で、あまりにもったいないと考えます。

 もうひとつ大切なことは、参加してくださった方などに、
 「参加してよかった」「またやってほしい」「次はこういうことを」
 といったご意見を、アンケートの形で集めておくこと、そして
 当日の様子をたくさん写真に撮り、併せてウェブサイトなどで
 紹介するとともに、地域の方にも、広報誌・回覧板や、公民館
 などでの壁新聞といった形でお伝えすることです。
 「誰かが勝手にやっとる」のではなく、「役に立つことを、
 徐々に拡げていく」という流れを共有しておくことも大切ですね。
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