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川北秀人on人・組織・地球

「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に、市民団体(NPO)・社会事業家(ソーシャル・アントレプレナー)や社会責任(CSR)志向の企業のマネジメントの支援や、市民・企業・行政の協働の支援などに奔走する、IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者の毎日の、ほんの一部をご紹介します。


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新常態(New Normal)社会を生きる [2016年04月17日(Sun)]
熊本県内をはじめとする各地で被災されたみなさまに、心からお見舞い申し上げます。
折悪しく去る13日早朝から昨晩まで中国本土に出張しており、Gmailとfacebookには
つながらない状況だったため、何のお手伝いもできず、本当に申し訳ない限りです。
今までも、最も多くの方々にとって、生命にかかわる重大な局面である初動段階での
お手伝いができておらず、またしても忸怩たる思いでおりますが、しかし、それを
補うために、今回も長期的にお手伝いしたいと思います。どうかお許しください。

中国では杭州に2日と上海に1日、それぞれ伺いました。
前回、中国本土に訪れたのは2011年の深圳(シンセン)でしたので、5年ぶり。
いろんなことを学び、気付きましたが、一番大きかったのは、荒々しいほどの
成長や開発がひと段落したという実感でした。
大気汚染も、収まったとまでは言えないものの、悪化は緩やかになっていますし、
環境をはじめとする社会的な問題に関心を持つ人の比率も、高まったと感じました。
確かに、「新常態」(New Normal)と呼ばれる状況へと、変化しつつあります。

世界的に見れば、新常態を迎えているのは、中国の経済でだけではありません。
テロの脅威が身近になり、コミュニケーションは高速かつ個人的・多元的なものとなり、
市場の世界化の進展により所得は向上しても、格差の拡大に歯止めが利かなくなる。
ゆっくり、しかし着実に進む変化の経過を見据えながら、その流れに抗ってでも、
より良い社会づくりを進めることこそ、私たち社会事業家の役割です。

日本においても、人口の4人に1人は65歳以上、7.5人に1人は75歳以上となり、
格差の拡大が世代を超えて及ぶようになり(いわゆる「貧困の世襲」)、
遠くの仲間とは日常的につながっていても、地域内の人「交」密度は保たれず、
税収以上に、未来世代からの借り入れで国家財政をまかなう。

そんな日本の新常態に、今回の熊本での大規模地震災害によって、
「2つ以上の大規模被災地とともに生きる」ことも、加わりました。

21年前の阪神・淡路大震災から5年前の東日本大震災まで、繰り返し襲う
大規模自然災害に、その時々の総力を挙げて、被災された方々の力に
なりたいと願って動き続けてきた私たちにとって、2つ以上の大規模被災地を
支えることは、想定外でもあり、また、その負担を考えれば、決してたやすく
挑めることでもありません。

しかし、私たちは、それを新常態として受け止めるしか、ありません。
NPOや社会事業家のみなさんには、新年度の事業計画に、
2つ以上の大規模被災地を支えるために、資金や人材の提供はもちろん、
日常的な人材育成や連携のしくみづくりなどを、織り込んでください。
また、この機会にぜひ、定款に掲げる組織・事業の項目に、
「被災地・被災者の支援」も加える変更も、ご検討ください。

今回の被災地・被災者支援も、被害が甚大な南阿蘇村の2015年の
高齢者率(予測)は34%、後期高齢者率(同)も19%、
西原村でも高齢者率(同)28%、後期高齢者率(同)15%で、
合わせて千軒以上の住宅再建を要するという、東日本大震災の被災地と
同様の、高齢な被災者のくらしの再建であり、長期化は免れません。

しかし、私たちは、阪神・淡路大震災以降の経験から、学んでいるはずです。
被災者も行政職員も首長も議員も、被災「初体験」者であること。
発災から数日後の避難所では、高齢者・障碍者やその家族をはじめとする
「継続的(=日常的)に支援を要する人々」の比率が、徐々に高まること。
行政サービスの維持・再開、罹災証明の発行から復興計画の立案・実施まで、
行政職員の仕事が信じられないぐらい忙しくなること。
もともと人「交」密度が低い地域では、合意形成が遅れ、復興の進展も
遅れてしまうこと。ときにはその「空気」を破る役割やきっかけも必要なこと。
「住民の希望どおりにする」だけでは、未来に備えられないこと。

だから私たちは、それぞれの強みや経験を最も効果的に、それも継続的に
発揮できるように、長期的な支援ができる体制を、新常態としておかねば
ならないのです。
今回、被災されたみなさまには、お手伝いに伺うのが遅くなってしまうことを
重ねて深くお詫び申し上げるとともに、改めてお約束します。
必ず、しっかりお手伝いします。もう少しだけ、準備させてください。
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