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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2016年6月生活記録 第9期生 福田桂[2016年07月27日(Wed)]

サマークラスを終えて、旅立ち。

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【写真】春学期に続けて私の通訳として活躍してくださったジェニファーさん(右)
(彼女はJASS設立時、最初のASL講師です(たまに日本のことを話しています))

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【写真】ワシントンDCを去る前夜 
第9期生瀧澤さん(左)と第7期生中川さん(中)と私。(夜遅くまで語り合った)


 旅立ちの日。

 東海岸から西海岸へ移動し、カリフォルニア(ナパ)で盲ろう者キャンプに4日間参加した。
ライトハウスの施設に来たのは2回目ですが、キャンプに参加したのは初めてです。
当初はボランティアの機会を頂く予定でしたが、主催者の意向で、参加者の皆さんと交流を楽しんだ。また、そのなかで旧友との再会や新しい出会いもあった。

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【写真】看板(看板の前にベンチがある)

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【写真】Choiさんと私
(オーロニ大学で大変世話になったライトハウスの盲ろう者プログラムスペシャリスト)

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【写真】パーティーにて
(左から私、南部カリフォルニア盲ろう者協会会長、北部カリフォルニア盲ろう者協会会長)

 オーロニ大学時代、盲ろう者通訳クラスを指導してくださったバピン先生がいるバークレーのオフィスへ。
 先生は昨年の秋に来日し、次回もカリフォルニアで会いましょうとの約束が実現した。
2時間わたり会話し、彼は盲ろう者向けテクノロジー機器の専門家なので、オフィスにある様々の種類のブレイルセンスを紹介してもらった。

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【写真】バピン先生と私
(写真の上に先生の大好きな航空機が飾っている。)


◆ 番外編 ◆ ボストンへ行ってきた

 ボストン市内にあるDEAF Incに盲ろう者へのサービスがあり、
「盲ろう者コミュニティアクセスネットワーク(http://www.deafinconline.org/services/dbcan/)」。ここは、盲ろう成人を中心としたコミュニケーション訓練を提供し、45時間の研修を行っている。

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【写真】DEAF Incのオフィスの前(看板の右側に「サポート」のASLが表現)
職員と訪問者と一緒に撮影(全員盲ろう)

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【写真】マサチューセッツ交通局の地下鉄の点字路線図
(日本にも欲しいですね...)

パーキンス盲学校と学習センター訪問

 6月は盲ろう者啓発月間です。

 パーキンス盲学校は、ヘレン・ケラー女史の母校で、最初の盲ろう学生として入学されたローラ・ブリッジマン女史も同様である。学校には、盲ろうのプログラムがあり、ヘレン・ケラーとローラの歴史に関連する写真や当時使っていた品物等が保管されている場所へ案内してもらった。

 ヘレン・ケラーはサリバン女史の指導によって、彼女の手を水に注ぎながら感触を覚えさせ、指文字を習得したことは有名ですが。
 ローラ・ブリッジマン女史については、初代校長のハウ博士が触手話を用いてローラを指導したことが、記録されていた。ローラは裁縫が得意で、卒業後は裁縫を指導されたそうです。また、サリバン女史は弱視で、本校在学中、ローラに手話を教わったとされている。ローラが50代のとき、ヘレン・ケラーと対面したが、お互いのコミュニケーションはうまくいかなかったという。当時、ヘレン・ケラーは自身が思春期だったともあり、後になって当時の様子を振り返って、彼女も同じ盲ろうの状態であると知った。

 パーキンス盲学校の後は、車で30分程度、森林の中を通り抜いて、学習センター(ボストンのろう学校)で盲ろう児との交流に参加した。
彼らは全員、弱視で盲ろうの状態を自覚し始め、全員が精神不安定を抱える人達で、一緒に外出したが、うまく会話がはかどらないまま解散してしまった。
(白杖使用のアドバイスをし、興味を持ってくれたことは嬉しかった!)

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【写真】ローラ・ブリッジマン(左)とヘレン・ケラーの紹介。
左側は、ローラの写真と当時使用していた裁縫道具、銅像。
右側は、ヘレン・ケラーの写真やサリバン先生と過ごした時代の写真。

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【写真】タッチ式の巨大触地球儀
(ヘレン・ケラーとローラ・ブリッジマンは地球儀を触りながら世界地図を覚えた)

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【写真】学習センターの立看板

 7月1日、またワシントン州のシアトルへ移動し、2回の訪問を重ね、リアルの盲ろう者コミュニティを視察してきた。その結果、希望していた研修先が決まり、7月から2ヶ月間の研修(実習)をする予定です。
2016年5月生活記録 第9期生 福田桂[2016年07月27日(Wed)]

別れと新たな挑戦。

 春学期の後、卒業式まで一週間、空きがあるので、盲ろう者と一緒にピクニックに出掛けたり、パーティーをしたりして過ごした。
 また、ワシントンDCを離れる友達がいたり、私も寮を出て一時期、キャンパス外に住むなどで、お互い引っ越しの手伝いをしたりした。毎日のように一緒に過ごしてきた人達なので、別れる時は、やはり寂しい気持ちになった。私もまもなく、ここを離れることになる。

 ギャロデット大学の盲ろう学生は大学、大学院を卒業された。間が悪い私は、彼らの卒業式を見届けず、シカゴへ行ってしまった。


Tactile Mind

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【写真】理事会の前に撮影したTM チームメンバーと学生たち
(右の女性研究者除く、全員盲ろう)

 ギャロデット大学に本部を置く盲ろう関連の研究ネットッワーク「Tactile Mind(以下TM、タクタイル・マインド)」がある。
盲ろうのコミュニティを始め、プロ・タクタイル手話の開発など、盲ろうのリーダー達と研究者が進めている。

 卒業式の前日に、本学の理事会で、継続的な支援とネットワークの必要性をTMチームの研究者がプレゼンをする為、盲ろう学生とOBが集結し、一緒に出席した。内容については、いくつかの課題が残ったが、学長がプロ・タクタイルの関心を持っていただいたことが印象的でした。

 去る6月2日、TMチームの代表者としてJelica Nuccio氏(*DeafBlindのリーダー)と研究者 Clifton Langdon博士がホワイトハウスでプレゼンをされたとのニュースが、ギャロデット大学のホームページに掲載された。

Gallaudet University - News
「Tactile Mind gives presentation at White House」
http://www.gallaudet.edu/news/tactile-mind-at-white-house.html

 ソーシャルワーク学部での優等学位生達が、ギャロデット大学における盲ろう啓発のために作成したビデオを紹介する。この動画、私も出演している。
(入学する盲ろう学生の為、理解とコミュニティを広めて行くことが、私たちの願い)


DeafBlind Awareness (3分8秒)


シカゴへ視察旅行

 盲ろうの友人がシカゴのライトハウスに勤めているので、週末に盲ろう者のイベントがあると情報を頂いたので、シカゴのライトハウスに行った。
シカゴは盲ろうの団体がなく、定期的に盲人と集まっている。今回は、食事会を開いた。
日本もろうベースの盲ろう者と盲ベースの盲ろう者と一緒に活動をしており、似ている点があるので身近に感じた。

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【写真】ライトハウス内の売店の入り口付近。カーペットにライトハウスのロゴがある(写真の中央)。
カーペットの上には入り口のドアで、ドアを通り過ぎると売店がある。売店には視覚障がい者向けの商品が多く揃っている。

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【写真】子供向けのおもちゃ。すべての商品に点字が付いている。

おまけ
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【写真】シカゴ名物の極厚ピザ。
空港で食べたピザは、厚さ2cmくらいの深型のプライパンのような感じの生地。
その上にたっぷりのチーズとソースをのせて、牛肉を丸めたようなものをのせている。


サマークラス(履修クラス ECO 201 - Introduction to Macroeconomics)

 DCに戻ると、すぐに3週間に及ぶマークラスが始まった。

 クラスでは、経済学入門を選択した。経済学入門を選択した理由は、、、
実は、ビザの関係で、サマークラスを受講しなければ7月中、強制送還!!!

しかし、私は、夏にはかねてからの計画があり、受講できるクラスを選択した。
日本の盲ろうの友人から「将来、盲ろうと国際関係に携わって」と頼まれ、それに近いクラスを考え、苦手分野の経済学を選んだ。

最初は左も右もわからず、頭がパニックの状態でした。
授業については、インフレと雇用、消費、国民所得、金利など含めたマクロ経済などの概要を学び、基本的な経済学を学んだ。また、授業後、クイズ問題をオンラインで回答するのでした。そのなかでクラスメートと励まし合い助け合ったことは、留学最後に良い思い出になった。

《参考》
*DeafBlind = アメリカ人なので個人の権利を尊重している。
「盲ろう」と呼称するのは日本だけです。
2016年6月生活記録 第10期生 山本綾乃[2016年07月20日(Wed)]
が故郷、鶴舞う形の群馬県!

現在、私は群馬大学でゼミ教授のお手伝いをさせて頂いたり、
群馬県児童クラブきらきらの活動に参加し、ろう児とかかわっています。

また神奈川県立川崎ろう学校、群馬大学、前橋国際大学でミニ講演をしました。ろう学校の生徒たちやろう教育に興味のある学生さんを前に、群馬大学やギャロデット大学の体験をお話させて頂きました。高校生、大学生、ろう者、聴者関係なく、みなさんが私の話に耳を傾けてくれ、嬉しかったです。私が中学生の時、高山亨太氏のアメリカ体験談を聞き、留学を目指し始めたのと同様に、私の体験談が少しでも誰かの希望と勇気になれたら幸いです。


聴覚障害のある子どもが放課後を過ごすための児童クラブ”NPO法人 きらきら”の活動に参加しています。
この団体は、日本財団のご支援を頂きながら活動しています。
保護者を中心とした理事のほか、地域のろう者、手話通訳士等々、さまざまな立場の人がこの立ち上げ委員会にアドバイザーとして加わり、熱意ある活動を経て、2015年1月にNPO取得、2016年4月には県内初の聴覚に特化した事業所「聴覚障害児児童クラブきらきら」を開所しました。
私は大学時代より保護者やろう当事者を中心に、ろう児のための活動を少しずつ行ってきました。子どもたちもみな成長し、さらににぎやかな活動へと発展していました。これからの活動にも携わっていきたいと強く思いました。
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以下新聞でご紹介されました。
毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160420/ddl/k10/040/005000c
朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASJ5S5QC7J5SUHNB013.html


最後に、私の地元である群馬県のろう教育の現状を少しお話したいと思います。
群馬県では、平成27年3月に議員提案により「群馬県手話言語条例」が制定され、平成27年4月1日に施行されました。(http://www.pref.gunma.jp/02/d4200266.html)
前橋市では平成27年12月9日に公布され、平成28年4月1日に施行されました。
詳しくは、群馬大学の金澤貴之教授のコラムをご覧ください。
(http://kanazawalab.txt-nifty.com/blog/2015/03/post-aecb.html)

群馬県立聾学校も、さらに手話を取り入れた教育に努めて下さっています。

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(群馬県・前橋市の手話言語条例制定の様子:ホームページより)

この夏は日本の地で様々な情報を収集し、秋からの勉学に役立てたいと思います。
2016年6月生活記録 第9期生 瀧澤泉[2016年07月19日(Tue)]
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実習現場にて(USICD)


1) EDU 665 Children’s Literature (児童文学)
2) IDP780 (Online): Supervised Practicum for Master of Arts Degree in International Development
(大学院国際開発学部の指示下実習科目)


EDU 665 Children’s Literature (児童文学)
5月16日〜6月9日(4週間の集中講義)
前回は多少に本について紹介しましたが、今回はグループプレゼン、批判レポート、読み聞かせ練習などアクティブ的な事を中心に行っていました。

グループプレゼン
 グループの中のパナマ出身の女性がレズビアンやゲイ達について辛い経験話をクラス内にシェアしていました。パナマ女性がLGBTの人々をサポートしたい気持ちが強いためパナマと日本の「家族」はどんな感じか説明し、クラスメイトたちが児童になったつもりでアクティブしながら学ぶというプログラムを作りあげました。まず、プログラム内容を作りあげる前に日本とパナマの「家族」に関する絵本を10冊集めようと努力したのですが、日本の方は見つけたにもかかわらずにパナマの絵本はなかなか見つからなかったのです。テーマを少しだけ変えて異国の家族にしましたが、ゲイとレズビアン家族がアメリカ以外に見つからなかったということも含めて内容が段々難しくなるはめになったのです。挑戦的でしたが、クラス内に日本の家族とはどんな感じか説明し、他の国と比べてみて議論しあう内容にしました。

批判レポート
 今回選んだテーマは身体障がい者の差別についてリサーチし、一部をクラス内にグループプレゼンと似たような内容でアクティブしながら「身体障がい」について教育する経験をしました。
私が選んだ10冊の絵本はどれも奥深く、著者の経験話の絵本が多かったのです。特に私が重度障がいに関する絵本を探りましたが、世界中に知られている盲ろう女性、ヘレン・レラーの絵本しか見つかりませんでした。全体的に重度障がい者のことを気づかない人がいるかもしれません。そのため、私が出した案はそれぞれ学生がいろんな身体障がい者になって、一日の生活を日記に書いてもらって経験について話してもらい、最終的にどんな気持ちかを議論しあうアクティブをする計画を立てました。時間が足りなく、まとめて説明して終えました…泣 ですが、とても良い経験をいただきました。

印象に残った絵本は「Emmanuel’s Dream」(エマニュエルの夢) 著者: Laurie Ann Thompson (ローリー・アン・トンプソン) とSean Qualls (ショーン・クオルズ)アフリカ西部にあるガーナで生まれた肢体不自由(片足)を持つ少年がいました。しかし、父親は息子を見て衝撃を受け、母親と息子を置いて出て行ったのです。母親はシングルマザーとして息子を強く支え、息子が自立に生活できるようになり明るく成長していったのですが、ある日母親の重い病気でお金のない中息子はどう支えたら良いか考えました。600キロメートル位のレースを自転車で走り、母親のために優勝を得ようとしたのです。結果的に目標をやり遂げなかったのですが、周囲の人が少年に注目し、大勢の人が少年を励ますようになったのです。“disability is not inability” 「障がいは不可能ではない」と少年は気づき、同じ障がいを持つ人々も支えたいと伝えるために懸命に活動していると描かれてありました。そのような絵本を日本に置きたいものですね。

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読み聞かせ練習
 クラスメイトが全員で6人いるので6ジャンルを選び、個人それぞれに12種類の読み聞かせスキルを自分のジャンル絵本に合った本を使って読み聞かせを行ったのです。自分が選んだジャンルはContemporary Realistic Fiction(現代フィクション)のため、私の一番お気に入りの日本絵本家である酒井駒子が描いた絵本「ぼく おかあさんのこと…」(英語版)を見つけたので喜んで、お話をしました。意外と緊張して話を飛ばしてしまった時がありましたが、幸いにクラスメイトたちから良いアドバイスをもらい、これからのために練習するのに良い勉強になりました。

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お気に入りの絵本の一部
リズム感があって可愛いらしい


IDP780 (Online): Supervised Practicum for Master of Arts Degree in International Development (大学院国際開発学部の指示下実習科目)

 ワシントンD.C.州内にあるUnited States International Council on Disabilities (USICD) (障がいに関する米国国際協議会)で6月13日(月)から実習をし始めました。

まず、
1)研究するスキルを高める
2)身体障がい者に関する権利を学ぶ
3)プロジェクトの進行方法を知る
などを中心に実習を受けることになりました。

USICDにろう者が一人、他に注意欠陥多動性障がい(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)(ADHD)を持つ人、肢体不自由、盲者など職員3人、自分も含めて実習生2人とともに働いています。職員ろう者一人が管理者として、自分に様々な仕事を与え、自分の不足な部分を解決方法を教えてくれます。
 その団体は主に障害者の権利に関する条件(略称:障害者権利条約)(Convention on the Right of Persons with Disabilities “CRPD”)について調査した結果、国ごとに政府たちや人民の理解が足りなく、方向の曲がりくねりの核心を分析して解決方法を探ります。
 身体障がい者に関するデータも非常に少なく、見えない差別の壁をなくすために情報交換するように様々な身体障がい者たちと交流したり、講演会に参加する様子がよく見かけられます。
 始まってからまだ3週間しか経っておらず、聴者とのコミュニケーションも卒業した大学以来久々であり、筆談での会話のため不慣れの状態で苦労していますが、職員たちは穏やかに積極的に対応してくださるので励まされます。

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分転換に…
夏学期が終わると本当の夏休みという気分を味わった。折角なのだから、クラスメイトとどこか博物館へ行こうという話を持ち出した時、4月の生活記録で載せたアフガニスタンのろう女性、Saeeda Etebari (サィーダ・エテバリ)が製作したアクセサリーを展示しているThe Freer Gallery of Art/Arthur M. Sackler Gallery (アーサー・M・サックラー・ギャラリー)へ目で見たいと早速久々の外出を楽しみました。


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展示会の空間がとても美しく、アフガニスタンに入った感があり、またそれぞれの作品は見惚れてしまうものばかりでした。未だにも戦争の跡が残りつつ、安全な生活ができない中でろう者として我々がどのようにサポートするべきなのか考えさせてくれました。
それではまた7月に会いましょう。
2016年6月生活記録 第11期生【牧谷 陽平】[2016年07月15日(Fri)]
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高速道路にて。「ありがとう」という出口かと思いました

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Santa Cruzという場所は気温が20度前後で,そこの友人の家に泊まったのですが朝13度で寒く感じました。6月なのに3〜4月並の気温でした。夜は浜辺でBBQをしましたが寒いためみんなこの火にあたっていました

5月までのSpring Semester も終わり,次の大学へ向けて準備をするために Summer Classes は受けませんでした。その代わり,Nancy教授による個別 Tutor を週に2回受けました。1年間勉強してきたことの復習をしました。
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Nancy 教授によるTutorのときに撮った写真。1年間,忙しい中時間を割いていただきありがとうございました。本当に感謝しています


それはさておき,6月の第4週末には,LGBT Pride Parade が San Francisco で開かれているので見に行きました。
金土日と3日間にわたって行われるのですが,"はじっこ"の金と日曜日だけ見に行きました。
金曜日は Lesbian, Transgender の催し物と、パレードがあり,パレードに参列してきました。
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San Francisco のとある公園で開かれたイベント。ステージ下にはきちんとろうのために手話通訳者が設置されていました

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1枚め: 友人とパレードに参列したときの写真
2枚め: パレードの先頭。ピンクと水色はトランスジェンダーの色です
3枚め: パレードの先頭を誘導する,サンフランシスコのケーブルカーにはリーダーが乗っていました。もちろん手話通訳者も乗っていました


Transgender のパレードの動画です

日曜日はLGBT全体のパレードでした。朝の9時から夕方の6時までのパレードでしたが,私は1時間だけしか見ませんでした。
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いろんな団体の人がパレードしていました。ときどき見物客のところにいろんなものを配りに来るので必死に呼んでグッズをゲットしてきました。
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何が配られるかは,近くまで来ないとわからないもんです。
カラフルなゴムバンドをゲットしたのはいいのですが,
後者のものは夜の営みに使うものでした

Civic Center(市役所)のところの特別エリアはよりディープな世界でした。このブログには載せられない写真ばかりです。いつかどこかで私に会ったら,見せてくださいと声をかけてください。

◆今回のひとこと(アメリカの交通事情3)◆
アメリカの高速道路はとてつもなく広い。片道4〜6車線のところも当たり前にあるのだ。高速道路を運転していると不可解なことに気づく。左端から2,3番目のレーンを走って車線変更はしていないのに、気が付くと一番左のレーンを走っているのだ。この謎は引き続き解明していくことにする
2016年6月生活記録 第10期生 辻功一[2016年07月15日(Fri)]

サワディークラップ、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

僕はいま、微笑みの国、タイ王国にいます。

寺院
<オリエンテーションでアメリカの学生たちと>

チコ大学には海外各地で講義を受けられる留学プログラムがあり、この留学を通して講義を受けた場合、一般教養の一部が免除されるというメリットがあります。もちろん、講義は英語とASLで進められ、単位はチコ大学での自分の成績に含まれます。(つまり教室丸ごとタイ王国に移るといったイメージ)
そこで、僕はアジア諸国の聴覚障害者と共に働きたいという自分の目標もあるので、タイ留学を申請しました。しかし、そう事はすんなり運ばず、まず通訳はどうするのか、個人指導のない環境で一般教養の上位クラスを無事履修できるのか、などなど留学担当カウンセラーさんに心配していただき、何度も打ち合わせをしてようやく留学を認めてもらったという経緯がありました。
通訳の件はパソコンを利用した遠隔通訳(VRI)をチコ大学から提供していただけることになりました。

そしてロサンゼルスのタイ王国大使館からタイのVISAを発行していただき、6月22日、無事タイ王国の地に立ちました。
23日から27日はオリエンテーションや寺院巡りをし、28日から講義が始まります。

講義は、経済や仏教、世界のあらゆる問題についてなど、いくつかありますが、まずは経済を受けてみて、教授との相性(好き嫌いの問題ではないですよ)をみて、正式に決めたいと考えています。

ゴールデントライアングル
<メコン川を挟んでタイ王国、ミャンマー、ラオスの3国が隣接しているゴールデン・トライアングル>

初めてのVRI、そしてこれまでのとは異なる環境で若干戸惑うかも知れませんが、まあ、マイペンライ。
ベストを尽くしたいと思います。

以上です。
日本ASL協会から4,400km離れたチェンマイ大学からの報告でした。
ありがとうございました。
今月のコロンブス
微笑みの国はタイ王国よりむしろカリフォルニア?ということを発見
微笑みの国、タイ王国というのはよく聞いていたのですが、誰も特に微笑んだりはしてないです。昔はどうだったのかはわかりませんが、今は経済発展中で微笑むほどの余裕がないのかも?と勝手に想像してます

2016年5月生活記録 第10期生 辻功一[2016年07月15日(Fri)]

こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

太陽から発する光線が日々力強くなってきて、気温と川を流れるシェラネバダ山脈からの雪解け水の冷たさのコントラストがますます大きくなってくるこの季節、生徒たちも卒業や期末テストに向けて急に慌ただしくなってきました。

僕のチコ大学における2学期目は5月19日を以って無事修了しました。

ACCT 201 (Intro to Financial Accounting)
「会計」
とにかくルールが複雑で暗記する量も多く、ましてや英語オンリーなので最初の段階では苦労しましたが、中盤に差し掛かる頃には理論がある程度理解出来るようになり、幾分かは楽になりました。秋学期は一つ上の段階のACCT 202を受講する予定なので、早めに予習をしておこうと心に決めています。

ECON 102 (Principles of Macro Analysis)
「マクロ経済学」
テキストブックでは国や企業単位での経済の動きをややこしい理論や図式に当てはめて解説しているのですが、教授が理路整然と紐解き、時折出題されるクイズを通し実際に計算することによって理解を深めることが出来たと思います。

ENGL 130EI (Academic Writing)
ENGL 030E (Writing Workshop)

「英語」
おそらく今留学を通して最後の英語の講義になります。最終エッセイでは映画「Mandela: Long walk to Freedom」を通して、撮影者の意図を自身の考証と共に解説していくものでした。教授は演技、カメラアングルやサウンドなどを通してマンデラの行為を強調する意図を見出すというような期待をしていたようですが、そこを天邪鬼が通りますよ。(いや、天邪鬼は天邪鬼でグループ内において結構重要な役割があるんですよ。別の見方や批評を提供することによって集団浅慮を防ぐというものです)
大まかにまとめると、たしかにマンデラの成し遂げた偉業は大きいが、南アフリカは未だに深刻な経済格差を抱えている。映画では様々な場面や演技、キャストを通してマンデラの行為を称賛しているが、それは本当に問題の表層的に過ぎず、撮影者はそういった情報操作によって、アパルトヘイトを通して利益を得た(もしくは今も得続けている)人々を視聴者の目から逸らすといった意図を持っていると主張しました。

HIST 130 (United States History)
「アメリカ歴史」
全く乗り気でなく、義務の一般教育だからと渋々受けた講義ですが、ここで得た知識が意外と役立つことに気づきましたよ。アメリカ人と会話をしている時に、アメリカの歴史や人名、地名などを知っていると盛り上がるんですね。

MATH 105 (Statistics)
「統計」
会計と同様、僕にとってはややこしい講義でした。ロジックもさることながら、なにより一番大きかったのは、オーバーヘッドプロジェクタ(OHP)を使って教授の手元にあるノートをスクリーンに映し出し、教授が解説しながら計算などを記入するという手法だったということです。手話通訳とスクリーンの両方を同時に見ることは流石に大変でしたね。これはこれで今後の対策を考える上で収穫になったと思います。

さて、既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、夏学期はアメリカ国外で授業を受けることになりました。
より一層、気を引き締めて有意義な時間を過ごしてきたいと思います。


以上です。
日本ASL協会から8,188km離れたチコ大学からの報告でした。
ありがとうございました。

2016年6月生活記録 第11期生 山本芙由美[2016年07月14日(Thu)]
んにちは!第11期生の山本芙由美です。

6月はフリーモントを離れて、友達の暮らすサクラメントに出かけたり、Lake Tahoe(タホ湖)で泳いだりと、アメリカで初めて過ごす夏休みを楽しむことができました。
日本は梅雨の時季ですが、こちらでは雨が降らず、からっとした気候です。湿度もそんなに高くなく、夜は涼しく、過ごしやすい夏です。

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(タホ湖にて。白鳥に寝そべっているのが私です。どこへ行くのでしょう・・・。カリフォルニアならではの澄み切った、きれいな青空です)

NancyのTutorではエッセイの書き方や文法を教わったりして、走馬灯のように過ぎ去った春学期の復習をすることができました。
そして、Ohlone Collegeとも、いよいよお別れとなり、教授が私たちのためにお別れの食事会を設定してくれました。
生活面、学業面で献身的にサポートしてくださったNancy先生、Tom先生、Kendra先生、そして、毎日デフカウンセリングサービスに通い詰めた私に対して、嫌な顔をせず、さまざまなジョークで笑わせてくれたナン先生にはとても感謝しています。
皆さん、とてもあたたかく、時には厳しく指導してくれ、Ohlone Collegeで勉強できてよかった!と思っています。

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そして、6月11日は、私にとって待ちに待った講演会が開催されました。Drago Renteria氏とそのパートナーであるJennifer Mantle氏、お二人による講演会です。タイトルは "The T in LGBT: A Deaf Man's Journey from Female to Male"(LGBTの中のT、ろう男性による"女性から男性"への旅路)です。

スクリーンショット 2016-07-13 21.47.40.png

Drago氏はろう×トランスジェンダー当事者で、ろうLGBTQAコミュニティリーダー、ろうLGBTQAアクティビスト、一方ではフォトジャーナリスト(Drago media)というように多才な方です。また、2015年にはベイエリアを中心としたLGBTIQ活動家を称えるHonor(名誉)も受賞しておられます。
彼は約10年前、サンフランシスコを中心にろうLGBTIQムーブメントを巻き起こし、Castro通りに " The Deaf Gay & Lesbian Center"をを設立しました。
(※トランスジェンダー;transgender 身体の性別とは異なる性別を生きる(生きたいと望む)人たちの総称、性別越境者)

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(かって存在していた " The Deaf Gay & Lesbian Center"の前でDrago Renteria氏と)

しかし、その後、ITなどの普及により、情報発信、相談事業などがネット中心となり、現在、センターそのものは無くなってしまいました。しかし、Facebookなどを中心に情報発信が今でも継続されています。(Deaf Queer Resource Centerのホームページ http://www.deafqueer.org

講演では、Native American (アメリカ先住民族)でトランスジェンダーは"Two sprit people"(ふたつの精神を持った人々)というように霊的な存在として捉えられ、リスペクトされていたというお話から始まりました。トランスジェンダーはひとつの定義として、まとめるのは不可能に近く、常時、異なる性別で生活する人、プライベートな時間や職業的な場面に限定して実践する人がいたりと、実に多種多様です。日本でもそうですが、トランスジェンダーは病理的視点として性同一性障害といった病名もありますが、そうではなく"性を超える人たち" つまり、性別越境者というように、文化的視点に立ったサポートの必要性が述べられていました。

また、LGBTのなかの"T"という立場、その立場というのはLGBTの中でもさらにマイノリティで、ストレートの人たちだけでなく、LGBからも差別を受けるリスクが高いということ、そして、彼ら/彼女らの生き様、LGBとTの異なる問題点、ろう×トランスジェンダーへの支援などを中心にDrago氏のお話は約4時間と続きました。

アメリカと日本、それぞれの国家的、政治的背景などは異なりますが、現在、アメリカでは同性婚が認められたりと世界において前進的です。しかし、先日、フロリダ州Orlandoのクラブで多くのLGBTIQの仲間が殺されました。私自身、今でも悲しみが癒えません。そのような出来事も含めて、アメリカで実際に起こっていることをしっかりと目に焼きついておいて、テロやヘイトから"自分を守る"ということについて考えたいと思っています。


そして、私自身、Drago氏と同じように、ろうLGBTIQについてお話をしたり、活動をしている立場ですが、彼のお話には共感できるものがたくさんありました。Dorago氏に、なぜここまで長く活動を続けられたのですか?と聞くと、彼からの答えはこうでした。「私たちは間違ったことに対して傍観するのか、それとも行動するのか、行動を起こさないと"選択"という権利を得ることができません。行動せずに変化を起こすのは、もはや不可能です」

活動を進めていくほど、悩みが増えて不安になります、ということも伝えると、笑顔でこう話してくれました。「私はあなたと同じ活動家です。しかし、私たちは前に出るのではなく、社会変革のための"仲介"としての役目を持つべきです」

私自身、"仲介"という言葉にハッとしました。その後、何故か気持ちが軽くなりました。そして、私自身、今後進むべき道というものに対してヒントをいただいたような感じがしました。

Drago氏の講演を聴くことで、セクシャリティーに関する専門的な多くの英語、アメリカ手話単語を学ぶことができました。このような経験は次の進学先でも大いに役立ってくれることでしょう。楽しみです。

それでは、また。


第13期留学奨学生、募集開始[2016年07月11日(Mon)]
第13期留学奨学奨学生、募集開始

本日より、今年度の第13期留学奨学生の募集が始まっています。
米国の大学等で学び、日本やアジア諸国の各分野に生かしたい志を持った聴覚障害者を、今年も募集します。

↓応募要項は、この表紙が目印です!
NF13thApplication_P1.jpg

応募締切:9月3日(土)午後6時(当協会必着)

詳細は、
当協会ウエブサイト http://www.npojass.orgにてご確認ください。

たくさんのご応募、お待ちしています。


事業担当 根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 20:07 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
速報! 第13期留学奨学金説明会(東京)のお知らせ[2016年07月07日(Thu)]
第13期留学奨学金説明会(東京)のお知らせ

お待たせしました!
第13期留学奨学生の募集が始まります。

まずは、留学奨学金説明会のお知らせから。
日本財団聴覚障害者海外奨学金事業 第13期生募集に関する説明、および留学奨学生からのミニ留学体験談等を行います。
どんな人が応募できるのかな、奨学金制度って何だろう等少しでもこの事業に関心をお持ちの方、ぜひお越しください。
*今年度、応募要項の一部に変更があります。

日 時:7月24日(日) 午前10時30分〜12時
会 場:日本ASL協会事務所(東京都千代田区飯田橋)
参加費:無料

*留学奨学生による「ミニ留学体験談」もあります
 今年は、一時帰国中の10期生山本綾乃さん(ギャロデット大学大学院在学中)です

IMG_5317.JPG
(ギャロデット大学の仲間たちと。左端が山本10期生)


事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 16:25 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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