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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2011年1月生活記録 (第5期生 川俣郁美)[2011年02月16日(Wed)]
 1月17日に日本からワシントンDCに戻り、次の日の18日から春学期が始まった。が、雪の影響で学校開始が2時間遅れた。次の週にも雪が降り、クラスが何回か休講になったりと、いきなり遅れをとったスタートであった。 初めの二週間は、シラバスの説明などであまり忙しくなかったので、 友人達とつもる話をしたり、食事をしたりして、久しぶりの再会を楽しんだ。

◆◇Sophomore -- 2年生◇◆◇
 去年アカデミックアドバイザーと今学期に受けるクラスの相談をしていた時に、「あなたは来学期から Sophomore(2年生)になるのね、おめでとう。」と言われた。去年9月に入学したばかりなのになんでもう2年生?と思ったが、なるほど、アメリカは学年制ではなく単位制なのである。つまり、在学年数で自分の学年が決まるのではなく、今までに取得した単位数で自分の地位が決まるのだ。1年生をFreshman(フレッシュマン)、2年生をSophomore(ソフィモア)、 3年生をJunior(ジュニア)、 4年生をSenior(シニア)と呼ぶ。 私の場合、1年間オーロニ大学で取った単位のいくつかは単位互換が認められたため、昨学期に取得した単位とあわせると、2年生ということになるのだ。ソフィモアになったからと言って変わった事は特にないが、ジュニアをめざして頑張っていきたい。

※アカデミックアドバイザーとは
大学生活を円滑に送るためのサポートをしてくれるアドバイザー。入学時に学生全員にアドバイザーが割り当てられ、1年ー2年次はアドバイザーと相談しながらクラスを決める。専攻が決まると、その専攻科のアドバイザーに変わる。クラス登録の相談や、必須科目を取っているかの確認、4年間のプランの相談、など、学業面の相談だけではなく生活面の相談もできる。大学にはキャリア支援室や健康支援室など様々な相談窓口があるので、こうした機関の利用の仕方を教えてくれる。


◆◇春学期履修クラス◇◆◇
今学期受ているクラスは以下の通りである。

- Introduction to Integrated Learning/総合学習入門
 一般教養課程のひとつ。総合学習入門はクラスごとにテーマが異なり、私は「文化学とアメリカ政治学」を選んだ。ワシントンDCの色々な顔を、文化面と政治面から分析•発見していくクラス。アメリカ政治についての知識はまだ乏しいので、このクラスでいろいろ吸収していきたい。

- Introduction to Psychology/心理学入門
 心理学入門クラスを取るのは2回目である。オーロニ大学で秋学期に受けた時に、成績が良くなかったので再履修することにした。やはり受けるのは2回目なので先生の言っている事が頭に入ってきやすい。少人数クラスなので質問がしやすいのも良い。

- The Field of Social Work/社会福祉学入門
 やっと今学期から社会福祉のクラスをとることができた。 このクラスでは、社会福祉の歴史や、 アメリカの社会福祉制度、社会福祉士の活動分野、 などといった社会福祉の基礎を学ぶ。

- Child Welfare/児童福祉学
 こちらも社会福祉学入門に続き、専攻科目である。児童福祉の中でも特に児童虐待に関する事を学んで行く。虐待の形態や、虐待の要因(社会的•文化的•個人的•家族的)、また児童虐待に対する政策や社会福祉士の役割などを学ぶ。今月は児童福祉の歴史を中心に学んだ。


 今学期は昨学期と比べてゆったりしたクラススケジュールとなっているが、気を抜かずにしっかり勉学に励みつつ、自分の時間が増えた分、時間を有効に活用して、無駄のない生活を送りたい。

2011年 1月 生活報告 (富田)[2011年02月16日(Wed)]
追加したクラス
 前月の報告では5つのクラスを取る事になったと報告したが、後になってLIN 745 Language and Culture in Deaf Communityを追加することになり、これで合計6つのクラスである。

EDU 793 Internship at ELIについて

 春学期開始、早々、第二週間目から始まったEnglish Language Institute(ELI)でのインターンも、三週間目である。 現時点でELIの下でやっている仕事といっても、色々ある。正式にインターンの時間、つまりはco-teacherとしての勤務が実習の時間に数えられるのが月曜日、水曜日、金曜日の朝九時から十二時のELI 203-01:Writing and Grammar Level 3クラスである。Co-assistant teacherの役割といってもweekly report、planの作成、教材作り、またclass observationなどを含む仕事などがある。今学期はとくにtutorial centerを中心としたELI学生への支援に力を入れており、私自身も火曜日と木曜日の午後を担当することになった。その他にも金曜日の午後からはteacher meeting, professional developmentなどの会議に参加せねばならず、学校の宿題だけにとどまらず、インターンの仕事と前回よりも忙しないスケジュールになってしまった。三週間の間だけでも、学んだことは多く、今回改めて感じたことや、実感したことをプログにアップしていきたいとおもう。

EDU 713 Language Acquisition & Cognitive Development
 このクラスは、前クラスEDU707 The structures and Application of ASL and English in the classroomに続いたものであり、健常者の言語習得領域、または認知発達のプロセスとろう者、または難聴者のコミュニケーション発達、体から表現される言語、または言語への知識において、様々なセオリーや、貢献してきた研究者の理論的枠組みを学ぶ。


LIN 510 Frist Language and second language

 このクラスは、いかに第一言語と第二言語習得過程が異なっているのかを言語学から探るものである。もっと具体的な内容には、幼児期間の後の児童の第一言語習得(L1)と第二言語習得(L2)に集中することによって、母語の言語習得とは何かを考えるとあり、まずは、第一言語の言語習得過程において、音声言語/手話音声学、または形態素、統語論、語用論の分野から、マイルストーンセオリーのセオリーの重要性を熟慮するとある。次にはろう者、難聴児の言語習得において、どういった要因がそれぞれの児童の言語習得に影響を与えるのかを学ぶ予定となっている。

バレンタインデー
春学期がはじまってもう早、一ヶ月、あっという間である。時間がたつのは本当にはやい。これだから「今週はがんばったから、ほんのちょっとだけ、ほんのちょっとだけ」とのんびりしていると、あっという間に、追いつかれてしまうので、あまり油断はできない。

ブライベ−トでちょっと嬉しかったことといえば、バレンタインデーにいつもTutorしている生徒から「先生、いつもありがとう。」と、カードとチョコレートをいただいた事である。生徒からもらうとは全然予想していなかったので、気がついたら目頭が熱くなっていた(笑)。生徒たちを頑張れ!頑張れと励ましているつもりが、自分が励まされている。生徒たちからまなぶことは本当にたくさんある。



2011年1月生活記録 4期生 川上恵[2011年02月14日(Mon)]










「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」留学奨学生同窓会について[2011年02月12日(Sat)]
「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」留学奨学生同窓会についてのお知らせ

第4回帰国報告会でも報告されましたが、「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」留学奨学生同窓会が設立され、今後もこのブログにて同窓会からのお知らせや帰国した奨学生の状況報告も掲載していきますので、よろしくお願いいたします。

現在の役員体制は、下記の通りです。
まだまだ少ないメンバーでの運営ですが、応援よろしくお願いいたします。

役員(2010年年度〜2012年度)
代表:春日幸三(第2期生)
副代表:高山亨太(第2期生)
事務局:池上真(第1期生)
総務:太田琢磨(第1期生)

会員:谷口恵美(第2期生)
会員:岡田孝和(第3期生)
会員:菅野奈津美(第3期生)

副代表 高山
2011年1月生活記録 第4期生 武田太一[2011年02月10日(Thu)]




○日本での冬休み
 春学期が始まる直前まで、冬休みを利用して日本に一時帰国していた。一時帰国の間は、多くの友人・知人たちと語らい合ったり、日本料理を堪能したりなど心身ともにリフレッシュすることができた。改めて日本の良さ、完全帰国後に日本でやりたいこと・やるべきことなど自分の未来予想図がだいぶ明確に描かれてきたと思える冬休みであった。ボストンに戻ると、雪国が待っていた。


大阪のたこ焼きOK



○春学期
 アメリカに戻った次の日に春学期が始まった。しかし、時差ぼけ・風邪・講義室が分からないと三段重ねで講義に遅れてしまい、大変申し訳なかった。今後はスケジュール調整を無理のない範囲でやりたいと思う瞬間であった。体力が回復するのに時間がかかってしまったが、ようやく体が適応してくるにつれ大学に行くのも苦痛ではなくなってきた。ただ、雪道が厄介なため早く春が訪れてほしいと願っている。ところで、この春学期は4クラスを受講している。詳細を下に述べる。


雪で埋まった自転車困った
※注 自分のではありません苦笑


・小学校算数
  Elementary Math 2

・アメリカ手話4
  American Sign Language 4

・アメリカ手話構造
  ASL Structure

・言語獲得
  Language Acquisition

○小学校算数
 秋学期から継続して受講している講義である。担当教員が交代し、生徒数も前回は15人ぐらいだったのに対し、6人と半分以下に減った。それでも講義内容は面白く、算数・数学好きであった自分にとっては楽しく受けている講義の1つである。今は三角形や四角形などの図形を習っている段階であり、鋭角・直角・鈍角など小学校や中学校の授業を思い出しながら受講している。日本語であればすんなり答えられる問題ばかりなのだが、英語だとやっぱり答えられない。講義のたびに算数に関わる英単語も覚えていき、毎週のように出る宿題をこなしていく。秋学期での経験が活かされているので、講義や宿題に対する苦痛がほとんどないのが良いところであるが、今後も油断しないようにしていきたい。

○アメリカ手話4
 ろう教育コースの必須講義としてアメリカ手話1〜6があり、自分は5から受講すれば良いとお墨付きをもらっているのだが、復習として4を受講することにした。受講生は同じろう教育コースの人もいれば、ろう者学コースや選択外国語として受講しているなど大まかに3つのグループに分かれている。このクラスでは宿題として自分のアメリカ手話動画を撮影したり、手話に関するイベントに参加するなど義務づけられているが、他の生徒と共に切磋琢磨しながら取り組んでいきたい。

○アメリカ手話構造
 講義名からして当たり前かもしれないが、講師がアメリカ手話を使って進めている。これまで他の講義では手話通訳を介して受講していたので、話を理解するのに精一杯であったが、ここではすんなり頭の中に入ってくることができるのが嬉しい。講師自身は聴者であるが、通訳者としての活動もあり、ボストン大学にて言語学を専攻していた方である。
手話は物体の形や様子をそのまま描いたようなアイコン的なものなのか、表現そのものに意味が含まれている任意的なものなのか議論を交わしたり、音声言語に音素があるように、手話はどのような要素に分かれるのかなどを学ぶ。例えばアメリカ手話は手型、動き、手の平の向き、位置の4つに分けられると提唱されたが、それだけではアメリカ手話の構造を述べるには不完全であるため、さらにどのような要素が必要になってくるか考えたりする。秋学期で学んだ言語学入門とつながる部分も多くあるので、講義で学んだことを思い出すのも必死である。

○言語獲得
 秋学期の言語学入門に引き続き、必須講義となっている講義である。講師が外国人で、英語は第二言語であり、ろう児の言語習得についての研究経験もあり、イスラエル手話が出来るのこと。親近感は持てるのだが、大学の講義でろう学生を受け持つのは初めてであり、いろいろと試行錯誤しながら講義を進めているところである。
子どもたちは音素やリズムを赤ちゃんの時にどのように理解しつつ、言語を習得していくのか。例えば“DOG(犬)”という単語であれば、“D-O-G”のように3つのリズムがあるということを覚えて、次に“D”“O”“G”という音素を理解して発音できるようになるという流れがあったりする。これはあくまでも聴児の例であり、ろう児だとどのような流れで手話を習得していくのか、今後ろう学校で生徒を観察する課題があるので、楽しみである。

○冬のボストン
 先述したように、雪国と化したボストン。雪警報が出るたびに車を移動させたり、講義が休講になるなどトラブルが続出しやすい。家の暖房代もかなり高くついてしまうので、早く春が訪れてきて欲しいものである。


大学付近雪


2011年1月生活記録 (第4期生 福永梢)[2011年02月06日(Sun)]

 今年は時差ぼけがなかなか治らなかった。飛行機の中でほとんど眠れず、邦画を4本連続見ていたからかもしれない。日本では日本語字幕付DVDがまだ普及されていないため、ろう・難聴者には洋画好きが多いそうだ。そんな邦画も海外では日本語が外国語となり、英語字幕が大概つく。手話を含め知っている言語が多いことで得することは「多様な考え方に触れることができること」だと考えているが、ある意味今回もこれに当てはまる。そんなこんなで、英語字幕付「海猿」シリーズに、さすがに人前で泣き笑いできず、目と喉の奥で涙と笑いをかみしめた空旅であった。

◆◇ 冬休み Winter Break ◇◆ 

 今回の帰省は大学院入試の準備に加え人と会う予定が多く、いつもより増して本当にあっという間だった。アメリカでも買えるもの、日本でしかできないこと・食べられないものもだいぶわかってきて、より有意義に過ごすことができた。特に魚の塩焼き、ゆずみそ、刺身、白菜と大根の浅漬けがとてもおいしかったり、整体や温泉が気持ちよかったりする辺りでまた1つ年をとったような気もした。さまざまな経験を重ねて、人生の醍醐味を味わいたいものである。


↑静岡県浜名湖のうなぎ丼キラキラ


◆◇ 春学期 Spring Semester ◇◆

 時差ぼけとそれによる体調の崩れを引きずったまま、春学期を迎えてしまった。前学期は心理学の基礎知識の習得に集中した。今学期はアメリカにおける教育システムや関連法律、学校カウンセリングの現状と課題について学ぶ。学校における子どもへの心理的サポートを勉強するにはどうしても教育に関する一般知識が必要となるからである。どちらも学部学生向けのクラスである。
このほか大学院入試と関係して、大学院レベルの心理学研究入門クラスも受ける。さらに課外活動として、ギャロデット大学附属小学校で児童デイケアサービスのボランティアをさせていただくことになった。週に2回2時間ずつのボランティアに加えて、図書館でのアルバイトも続ける。心身の健康に気をつけた生活サイクルを心がけたい(時差ぼけは結局10日間続きました)。

◆◇ 大学院入試に向けて ◇◆

 直前になって話が変わり、TOEFL受験、10つの小論文提出、推薦状の更新と追加をしなければならなくなった。関係者の多大なご協力により、幸いにどれも順調に準備を進めることができている。2月半ばですべて完了する予定なので、悔いのないようベストを尽くしたい。
第4回帰国報告会終了[2011年02月04日(Fri)]
第4回帰国報告会終了


去る1月15日(土)午後1時〜5時30分に日本財団会議室(東京・赤坂)にて今年度の留学完了者である第3期岡田孝和・管野奈津美両奨学生の帰国報告会を行いました。

年明け間もない忙しい時期でしたが、多くの方々にお越しいただきました。

また、今回のこの報告会は、この奨学金で留学を完了した奨学生の "奨学生同窓会" が準備や進行を担当しました。

それぞれの報告の後に岡田・管野の2グループに分かれての参加者との座談会は同窓会の案でとても和やかで盛況でした。

当日出席できなかった、第1期池上奨学生、第3期富田奨学生、第4期川上・福永両奨学生、第6期浜中奨学生からのビデオレターやメッセージもあり、5時間30分があっというまで
した。 
以下当日の画像をお楽しみ下さい。




↓ 岡田奨学生の報告 *下記2枚





↓ 管野奨学生の報告 *下記2枚






↓ 報告会終了後の集合写真

後列左より - 当協会事業担当/根本、春日(2期)、太田(1期)、川口(7期)、武田(4期)、中川(7期)、川俣(5期)、高山(2期)
前列左より - 当協会事業責任者/野崎, 岡田(3期)、日本財団国際協力グループ本事業現担当/横内さん、日本財団同グループ新担当/吉田さん、管野(3期)
*奨学生は「奨学生」省略



本事業も7年目をそろそろ終えますが、7名が留学を完了し "奨学生同窓会" 同窓生も7名となりました。

今までこのブログは渡米前の国内研修の様子や留学中の様子をお知らせしていましたが、今後は留学を終えた同窓生からの帰国後の様子も投稿しますので、今まで以上に盛りだくさんの情報をお知らせできることを嬉しく思っております。

"奨学生同窓会" については、近日中に同窓会より投稿いたします。

今後とも本事業および奨学生たちへのご支援をよろしくお願いします。


事業責任者 野崎