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聴覚障害者留学

 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子などをお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。


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2007年10月 生活記録(第2期生 高山 亨太) [2007年10月30日(火)]
10月生活記録
1.インターンシップ
インターンシップにも慣れ、現場での実体験を通じて、学ぶことの楽しさを実感するのと同時に日々を追う事に仕事も多くなり、忙しくなってきた。インターンシップ先は、9月の生活日記でも述べた通り、Child and Family Services Agency (CFDA)で、週2日(火・木)のみであるが、限られた時間の中で、スピードを要求される多くの仕事をこなさなければならない状況であり、いかに効率よく仕事をこなすかタイムマネジメント能力がここでも求められている。1日中、手話通訳がGallaudet Universityより、派遣されており、会議や手話のできない職員との会談などでは、手話通訳を通じて、会話を理解することができている。会議があるときには、第2の手話通訳派遣をGallaudet Universityに依頼することで、手話通訳者の負担を減らし、さらに効率よく会議の内容を理解することができる。さらに手話通訳とともにインターンシップしていることで、周りのソーシャルワーカーに手話や聴覚障害に興味を持ってもらえたり、ろう者や難聴者のケースについて相談、一緒に家庭訪問するようになってきた。CFSAに2000人ほどのソーシャルワーカーがいる中で、ろうのソーシャルワーカーは2名、手話のできる聴者のソーシャルワーカー(高山の指導者)の3名しかいないため、ろう者、難聴者の利用者にとってはサービスにアクセスしづらい状況になっており、多くの課題を残している。
10月中旬には、一ヶ月ほどかかったトレーニングプログラムが終了し、10月の終わりから4つのケースを担当するようになった。4つのケースはすべてろう・難聴者が関わっているケースであり、これから来年の5月までどう関わっていくか、どう支援していくのか指導者の指導の下に取り組んでいきたい。
午前中は、主に家庭訪問や学校訪問のための連絡や書類処理、裁判に関わる書類報告、ケース会議などのデスクワークが中心であるが、午後からは、家庭訪問や学校訪問などの体力的にきついスケジュールが待ちかまえている。アメリカでは、車を持っていないので、バスやメトロを活用しながら、移動するので思ったよりも大変な状況であり、インターンシップの終了時間が夜の8時になることも珍しくない(勤務開始は、主に朝10時から)。火曜日と木曜日の夜は、かなり疲れて、すぐに寝床についてしまうことも多い。さらに毎週末の日曜日までにその週のインターンシップのまとめを記録しなければならず、常に気を抜けない状況である。
風邪などに注意しながら、多くのことを学んでいきたいと思っている。
2.ギャローデット大学での出来事
9月の終わりや10月は、ギャローデット大学で3度の爆弾設置予告やろう学校高等部の寮で起きた学生による黒人学生への差別事件などの暗いニュースが相次いだ。特に差別事件については、アメリカの全米レベルのTV放送局であるCNNがトップニュースで取り上げ、学長がテレビに出演し、状況を説明するなど大学幹部陣も総出で様々な局面での対応に追われていた。
10月中旬の週末には、ホームカミングといって同窓会と文化祭を合わせたようなイベントが開催され、多くの卒業生や現役学生が集い、アメリカンフットボールを観覧したり、模擬店などで賑わっていた。
2007年10月 生活記録(1期生 池上 真) [2007年10月28日(日)]
□ ホームカミング(Homecoming)

 先週末、ギャローデット大学では、ホームカミング(Homecoming)という行事があった。ホームカミングとは、日本でいう文化祭のようなものであるが、日本と異なるのが、多くの卒業生が一堂に会するという点である。昨年は、新学長選出に対する抗議運動のため中止となり、一昨年は、あいにくの雨天のため、ほとんどのブースが建物の中へ移動され、そのおかげでキャンパスは閑散としているのに、建物の中は人々でごった返し、ホームカミングが行われているという感じがしなかった。今年は、透き通った青空が広がり、白髪のおじいさん、おばあさんも見かけるほどで、ホームカミングの意義やギャローデット大学の長い歴史の重みを感じた週末でもあった。

 そして、今年のホームカミングで僕は初めて、手巻き寿司作りに挑戦した。日本の友人より「一緒に作ろうよ!」と声がかかり、どんな感じで作るのか大変興味があったので、迷いなく進んで参加した。材料はホームカミングが行われる一週間前の週末に買い揃え、当日は朝の7時に集合した。声をかけてくれた日本の友人に手巻き寿司の作り方を教えてもらいながら、ハワイから来た学生と共に手巻き寿司作りに挑んだ。思ったよりも簡単に、そして楽しく作れたので、今度家でも作ってみようという気になった。手巻き寿司の具は、きゅうりとアボカドとかにかま。個人的にはさっぱりした味でおいしいと思ったが、果たしてアメリカ人の口に合うのか…。売店は11時よりスタートしたが、思ったよりも好評を博し、一時間も経たないうちに「完売」となった。友人と「一本あたり4ドルにすればよかったね!(実際は3ドルで売った)」と話したが、充実感を感じ、自分家での寿司パーティーも満更でもないと思ったものである。

□ インターンシップとアメリカ社会

 在籍しているギャローデット大学大学院ソーシャルワーク学部のカリキュラムの中にインターンシップのプログラムがあり、それを修了させることが、ほかのクラスの履修と同様、卒業の条件となっている。そこで僕は、この9月から毎週火曜日と木曜日に、AJE(Advocacy for Justice and Education)という非営利の団体でインターンシップを行っている。そこでは、経済的に低い立場にある人たちの、人間として生きる権利を擁護するため、社会福祉の制度に関する情報を提供したり、雇用機会を斡旋したりしている。これまで、主に2人のケースマネージャーに就きながら、利用者の家におけるアセスメントの手法を学んできたが、それ以外にも、日本にはなかなか伝わってこないアメリカ社会の一面(貧富の格差が大きい)を知り、色々と考えさせられる日々である。

□ 今後について

 11月は、感謝祭(第4木曜日)の前後に最終プロジェクトを幾つか控えているが、何とか無事に乗り切れるようにがんばっていきたい。なお、感謝祭の予定はまだ決まっていないが、最終プロジェクトに響かない程度に小旅行でもできたらいいなと思っているところである。
第1回留学奨学生帰国報告会 [2007年10月23日(火)]
第1回留学奨学生帰国報告会

2004年に本事業がスタートし、1期生2名、2期生3名、3期生3名の計8名がアメリカに留学してきました。留学奨学生は、自らの目標に向かい、日々勉学に励み、さまざまな国の人との交流など日本では味わうことの出来ない数多くの貴重な体験を重ねています。

今年、本事業始まって以来8名の内の2名が留学を終えて帰国し、初めての帰国報告会を開催することとなりました。2名の奨学生がアメリカで学び、経験したとても貴重な体験談などを話していただく予定です。

これから留学をする/希望している方、アメリカの状況を知りたい方など、この機会をお見逃しなく!!


日 時:2007年11月3日(土・祝) 午後2時〜午後5時半(終了予定)

場 所:日本財団ビル・2F会議室     港区赤坂1−2−2(最寄駅:銀座線虎ノ門駅、銀座線/南北線溜池山王駅、丸の内線/千代田線国会議事堂前駅)
会場案内URL:http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html

報告者: 太田琢磨氏(第1期奨学生) / 春日幸三氏(第2期奨学生)

参加費: 無料

参加申込締切日: 11月1日(木)            
             *資料および座席数準備の関係で、事前予約者を優先しますが、
             当日参加も可能です。

事前予約先: 日本ASL協会 (本事業実施団体)                                                                本事業専用Email : ryugaku@npojass.org / FAX : 03-3264-8977









            
            
9月生活記録 富田 望 [2007年10月17日(水)]
9月生活記録                    富田 望
 最初の月が過ぎ、9月はクラスの登録、オリエンテーション、入学式と本格的な学校生活のスタートを切りました。クラスが始まってから、毎日があっという間に過ぎていきます。今までの生活から報告させて頂きますと、Ohlone大学の聾/難聴/盲聾学生のためのセンター、サービスに支えられているところが大きいなと思っています。ここでは、インターナショナル聾学生に対応出来る多彩なプログラムと設備、人材が用意されているだけでなく、それに加えて、地域との強い関わりがあり、毎週のdeaf eventがあり、聾学生同士のみの交流に限らず健常学生、教員や地域の人達が交流出来るところ、その滑路油の役目を果たしていると言っても良いと思います。

Deaf Welcomeday (Sep 13th)
 学生生活にも序々に慣れてきた頃、聾の学生だけのWelcomedayがあるということで、参加してきました。ピザとドリンクが無料で食べられるということもあって、健常学生も混じっての交流会でした。近くに広い広場があって、机と椅子を設置しSorenson Video Relay Service(VRS)の会社の方や、DCARA(Deaf Counseling Advocacy&Referral Agency)等の聾団体のスタッフの方々が並んで座って新入聾学生に対して説明をしていました。大学という高等教育機関の場所にこのような壟団体、福祉団体がわざわざオフィスを設定する辺り、日本ではちょっと考えられないことですが、ここでは普通のこととして行われているように感じました。またOhlone大学の新入学聾学生へ出来るだけ良い情報をながせるようにという趣旨も込められていると思います。とはいっても、スタッフ、彼ら自身もピザを食べたりして楽しんでいたところ、うーん、さすがAmerican cultureだと印象に残ったこの日でした。


クラスについて
 今回はクラス4つを取る事に決めました。クラスの様子についてはまた10月の記録に載せたいと思います。とりあえずクラスの名前を報告させていただきます。

ASL103A-01 Principles of ASL
ASL-158-01 Classifiers in ASL
DEAF-172A English Composition Techniques
DEAF-173A Reading Techniques

特に英語のクラスは参考になるところがたくさんあります。自身の英語勉強も大変ですが、絶えず精進の精神を忘れずやっていきたいとおもっています。
第4期留学奨学生決定 [2007年10月15日(月)]
第4期留学奨学生決定

 第一次書類選考および第二次面接選考の厳正なる選考を経て、今年度/第4期留学奨学生に下記の3名が選出されました。

  川上 恵 さん

武田 太一さん

 福永 梢さん


 上記3名につきましては、日本ASL協会のホームページ にて、近日中にプロフィールなどをご覧いただけます。


事業責任者 野崎

2007年9月生活記録 【第2期生 谷口】 [2007年10月15日(月)]
9月になり、私の2年目のアメリカ留学生活が始まった。アメリカ人の学生達に囲まれながら講義を受けることは私にとって初めてであり、9月上旬は不安感とドキドキ感が混じった状態で今学期に受講する講義を選択してきた。

■IIP(International Internship Program)

自分の受講したい講義を自由に選べることがIIPの特徴であり、私は今学期からIIP学生として以下のクラスに出席している。

<今学期の受講講義>
*Monday
 ・Intercultural communication(11:00-11:50)
 ・English 102(13:00-13:50)
 ・Intro to Education(15:00-16:20)
*Tuesday
 ・Deaf culture(11:00-12:20)
 ・ASL/English bilingual Education 2(13:00-15:50)
*Wednesday
 ・Intercultural communication(11:00-11:50)
 ・English 102(13:00-13:50)
 ・Intro to Education(15:00-16:20)
*Thursday
 ・Deaf culture(11:00-12:20)
 ・Foundation of Literacy teaching and learning (13:00-15:50)
*Friday
 ・Intercultural communication(11:00-11:50)
 ・English 102(13:00-13:50)

“Intercultural communication”は、異文化におけるコミュニケーションの講義で、「文化そしてコミュニケーションとは何か」から始めている。
“Deaf culture”はろう文化に関する講義で、最近は「Audismをどう定義づけるか」という討論を行った。
“ASL/English bilingual Education 2”はサマークラスで受講した講義の続きで、バイリンガルろう教育の応用クラスである。
“English 102”は、英語の講義で特にreadingに重点を置いている。
“Intro to Education”は教育学を初めて学ぶ者に対する講義で、”Foundation of Literacy teaching and learning”は子どもたちの読み書きをどう伸ばしていくかという講義である。特にその講義に出席している中で、これまで英語教育の疑問に関してもやもやしてきたものがだんだんと薄れてきていると感じた。

しかし、ギャローデット大学の講義は今まで1年間学んできたELIと大きく異なり、講義は迅速に進み、そして私以外はほとんどアメリカ人という理由もあり特にクラスメイトとの討論でのASLの速度が非常に早い。特にFinger spellingを使用しているためにそれを読み取ることが困難である。これは他の留学生にも頻繁に起こりうる問題なので、私はTutorセンターに通って予習・復習を行うことが日課となった。

■ELISO

今年の5月にELIを卒業し今学期からIIP学生となったが、今まで通りELISOをサポートして約60人以上に渡る留学生たちとの交流も広げていきたいと思い、アルゼンチン出身の学生と共に企画係として活動し始めた。来月はハローウィーンで、只今それを企画中である。
Posted by 谷口恵美(第2期) at 09:05 | 奨学生生活記録 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
2007年9月 生活記録(1期生 池上 真) [2007年10月14日(日)]
 大学院のクラスが開始してから一ヶ月が経過した。これまでの大学院における学生生活の感想はといえば、とにかくホームワークの量が多いということである。大学院だから当たり前なのかもしれないが、ひとつのクラスでも落第したら、進級あるいは卒業に響くので、そうならないようにと、毎日丹念にホームワークの内容や締切日を確認しては、勉学にいそしむ日々を送っている。先月末、続く睡眠不足が影響してか、体調を崩してしまった。運が良かったことに、その日は金曜日の夜だったので、大事を取って横になり、来る日曜日までには回復したが、時間の管理だけではなく、健康管理にも気を配る必要があると痛感した。それ以来、可能な限り、睡眠時間は最低6時間はとるように心がけている。

 大学院のクラスを受講してみての感想はといえば、ディスカッションが中心であり、どの学生も積極的にディスカッションに参加するということが挙げられる。もともと大勢のグループで行動することが苦手な僕は、ディスカッション中、たとえ自分の意見や考えが頭に思い浮かんでも、ついつい聞き手に回ってしまう。もし誰かに「What do you think about this?(これについて、君はどう思うかい?)」と聞かれれば、こちらとしては答えやすいのだが、ここはアメリカ。自分から積極的に挙手して、自分の考えや意見を述べるのがアメリカのやりかた、スタイルである。また、アメリカに来て2年が経ち、日常生活レベルの会話は何とか理解できるようになったのだが、指文字の読み取りには一苦労している。指文字が多く使われるのは、もともとアメリカ手話独自の特徴のひとつなのか、それとも時代の変化が背景にあるのか、あるいは「大学vという環境にいるからなのか。もともと自分の言語ではないけれども、自分とは違う世代の人たちや地方に住んでいる人たちにも会ってみたい。

 これまでの2年間と異なり、今度は「卒業」という明確な目標が出来たので、以前と比べて精神的に余裕が生まれてきたように思う。日本の大学時代のときとは異なる新たな専門分野の世界に一歩を踏み出した気分である。大学院に入る前までソーシャルワークを学んだことが一切ないため、新しい専門用語に出会うたび、「(これは)日本で言う、何に当てはまるのか?」と思いながら、アメリカのソーシャルワークの歴史やシステム、問題点などを学んでいる。

 10月は中間試験があり秋学期の中でももっとも忙しい時期である。先日、ひとつのクラスの中間試験を終えたばかりだが、来週も大きなレポートの提出が控えているので、気を引き締めてがんばっていきたいと思っている。
第1期太田奨学生帰国報告 [2007年10月13日(土)]
第1期太田奨学生帰国報告

去る8月25日に1年半の留学を終えて帰国した太田奨学生が、10月5日に助成元である日本財団に帰国報告を行いました。



左より→日本財団笹川会長、太田奨学生、当協会大杉常務、日本財団大野常務理事、同財団国際協力グループ石井チームリーダ(敬称略)


留学報告会は、11月3日(土) 午後2時〜4時半 で東京赤坂の日本財団ビルにて行う予定です。詳細につきましては近々ご案内いたします。

先週は、第4期生の第2次選考会もあり大変あわただしい週でした。タイムリーのブログ投稿が間に合わずに申し訳ありませんでした。


事業責任者 野崎





9月生活記録(3期生 岡田孝和) [2007年10月06日(土)]
 学期開始から早くも一ヶ月がたった。最近では8月の日差しが嘘のように涼しくなってきており、朝夜は寒いといっていいほど冷えむが、青い空の下で生活できるのはやはり気持ちの良いものである。学期が始まってすぐはまだ状況が安定していないこともあって課題に追われたり、逆に突然暇になってしまうなど落ち着かない状態だったが、カウンセラーや先生と相談しながらクラスを調整し、現在ではだいぶ生活のリズムは落ち着いてきた。


●Deaf Culture

 火曜・木曜の週2日行われる。内容としては言葉で表すのは難しいが、毎回あるトピックを取り上げながら、クラスメイトそれぞれの経験を出し合ったりして、Deafとしての自分自身の意識を整理していく感じである。Deafはこうあるべきで、こういう歴史がある!と一方的に進めるのではなく、メインストリーム育ちや、中途失聴など様々なバックグラウンドを引き出しながら、またDeaf Cultureのプラス面マイナス面まできちんと整理しながら進めるので、いろいろと自分で考えさせられる部分もあり、毎回楽しみな授業である。この授業は、健聴者をターゲットにしたクラスが火曜日の夜に設定されているので、こちらにも参加させていただいている。意識や考え方の違いなどもわかり、大変面白い授業である。

 私は大学のときは通訳やノートテイクをつけたことがなく、それらを利用したのはディスカッションが中心の大学院になってからである。大学では友達にノートを借りて授業内容を想像し、試験は図書館で関連する本を読んで何とかクリアしてきた。そのため大学での4年間で教わったものはまったく記憶に残っていない。今アメリカでこのようにクラスに参加して、「ふつうの」講義を受けるのは初めての経験といっても良いかもしれない。単純に感慨深いものがある。そして特に教育や歴史について話題になる機会があるのだが、そんなときに「あー大学の4年間がもったいない〜」と悔やんでいる。(教育学部歴史学出身です)


●Special Project

 留学目的であるSpecial Projectも少しずつ進んできた。当初は軌道に乗るまでは大変かと予想していたが、指導教授であるDr.Holcomb先生、Deaf CenterのDeanのMr.Joeをはじめ多くの方々のバックアップのおかげで、予想以上にスムーズに進んでいる。

 週に一度教授とミーティングをし、一週間で体験したことや見聞したことを元に日米のサービスの違いなどを話し合ったりしながら少しずつ進めている。今月はStudent Service Management Team Meetingなどに参加したり、キーパーソンに会ってインタビューをした。10月からより多くのキーパーソンに会い、他大学(San Francisco State University, University of California Berkeleyなど)や他機関にも行く予定である。現時点で、週に2回は何かしらのインタビューやミーティングが入っているのでかなり忙しくなると思われる。

 今学期は広く浅くいろいろなものを見ながら、また日本にいたときに知りたかったことなどにあたりながら、アメリカのサービスを知ることを目標にしている。留学目的は「大学における障害学生サービスをもっと深く知ること」であるが、どのような切り口で切り込んでいくか、どんな手段で学ぶか(reserchや、shorttimeまたはfull semester のinternshipなど)など、様々なやり方があるので、それを決めるためにも、まずはいろいろと知りたいと思う。


●言語の壁

 周りの方々のバックアップもあり、生活にはそれほど困らなくなってきたが、言語の壁を痛感じている。現在の生活は、まずはASLと英語の習得に集中して少しずつ勉強していくというよりもむしろ、インタビューがあったり、会議に参加したり、メインストリームのクラスに参加して普通に英語で話されているレベルに身をおいたりと、むしろ「言葉」を知っていて当たり前であることが求められている。

 そこで自分の考えや言いたいことを、正確にピンポイントに伝えられないことや、内容を理解しきれないことが精神的にきつい。より深くかかわりたい、話されている情報は全部知りたい!と思えば思うほど言語の壁を痛感する。自分がやらせていただけることや求めるレベルに対してASLや英語の上達スピードが追いついていなく、バランスが非常に悪いと感じている。

 実はASLは自分に適当なレベルのクラスがDeaf Cultureと重なってしまい、1つ下のレベルのクラスを履修しているという事情もある。こういう事情も汲んでいただき、10月からはASLにtutorをつけてもらえることになったので、少しでも早くバランスを取れるように努めていきたい。


●日本について

 こちらに来てから、日本のことについてよく意識するようになった。クラスや友人との話題でも、日本のことについて話したり聞かれたりする機会が増えている。たとえば、「何で天皇は男性だけなの?」といったことを聞かれたり、クラスで日本の教育制度について聞かれることもある。
 
 もっと深くたくさんのことを知らなきゃいけないと思うようになったし、知的好奇心が駆り立てられる経験がたくさんできている。おかげで日本のことについてもっと知らなきゃいけないことがはっきりしてきた。異文化というか、他者というか、自分と違うものに直面したときに、自分のことを知る大きなきっかけになるのだなと感じている。アメリカのことに加えて日本のことももっと勉強していきたいと思う。
9月生活記録(第3期生 管野 奈津美) [2007年10月02日(火)]
●はじめに
あっという間に9月が過ぎてしまった。9月はアメリカの生活や授業の雰囲気に慣れるのにせいいっぱいだったが、充実した日々だったと思う。最近は、ASLにも少し慣れてきてクラスメイトとも様々な話題について話せるようになってきた。

●授業
1.English(月〜金 9:00〜10:50)
クラスメイトはインターナショナルの学生が3人、他の学生はアメリカ人である。だが、幼少時代にアメリカに移住したという人もおり、英語が苦手な学生が集まっているようだ。この講義は実用的な読み書きを学ぶというのが目的で、文法は特にやらず、語彙を中心に勉強している。日本ではあまり見かけないような単語がたくさん出てくるので語彙の乏しさを痛感したが、やはり語彙を増やすことが重要だと思い、毎日暗記している。授業も先生の手話がとてもゆっくりでわかりやすく、安心して受けられる授業である。グループワークもあり、クラスメイトとのコミュニケーションにも役立っている。例えば、クラスメイトとパートナーを組んで一緒にグループワークをやったときに、「自分の故郷で多様性を感じた経験はあるか」という問題にクラスメイトは「黒人だけのエリアに住んでいたが、学校に行くと白人のこどもばかりだった」と答えていた。その答えに、アメリカという国の社会的背景を感じることができ、興味深かった。クラスメイトとの交流でアメリカの文化などを学ぶことができ、毎日が新しい発見である。

2.Deaf Studies(火・木 13:00〜14:20)
Deaf history、Deaf cultureなどを学べる講義である。アメリカのろう文化を学びたいと思い、選択した。9月は主にアメリカのDeaf Historyについての授業であった。先生の手話が早くて読み取れない上に授業のスピードが早く、教科書も何十ページか読まないといけないが、教科書を読むのに時間がかかり、追いつかないのでパワーポイントの資料を何回も読み返し、流れをつかんだり要点をまとめたりしてなんとかカバーしている。学期を通して研究テーマを決めて調査し、学期末に発表するという課題が出たので、テーマはDeaf Artに決めた。図書館にいくつか資料があったので、まず、それを全部読めるように専念していきたい。学期の中で一番ハードなクラスになりそうだ。

3.Ceramics(火・木 14:20〜15:50)
陶芸のクラスである。大学時代、専門がクラフト(陶芸)であったので、日本の授業の違いなどを知りたいと思い、選択した。土に触れることは他のクラスがとてもハードなのでいい気分転換になっている。やはり土や道具が全く違うので戸惑うことが多いが、先生やクラスメイトに教えてもらいながら制作している。

●生活
ルームメイトとの共同生活にも慣れてきた。最近はルームメイトと一緒に大好きな映画を見て気分転換したりなど生活を楽しんでいる。図書館で映画のDVDを借りることができるので英語の字幕にチャレンジしているが、スピードが早く、流れは大体わかるが、全部読み取ることができない。早く英語の字幕でも全部理解できるようになりたい。また、英語でメールしあう機会も多くなり、アメリカで生活しているという実感がわいてきた。やはり勉強ばかりの生活&慣れない環境で疲れがたまってきたので、たまに日本人のアパートにお邪魔させてもらって日本食を料理して味わい、リフレッシュしている。気分転換も重要だと感じた。10月は中間テストがあるので、気を引き締めていきたい。