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 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子などをお届けするものです。
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2008年6月 生活記録(第2期生 高山 亨太)[2008年07月03日(木)]
1.始めに
 6月は、特に大きな予定はなかったが、友人と遊んだり、ドライブに行ったりして夏休みを楽しんだ。しかし、来年の春からの実習先について、大学の実習担当教授との連絡や施設概要についての学習に時間を割いた。また来年以降に母校の博士課程に復学する予定となっているため、来年からの日本での活動再開のための情報収集にも取り組んだ。この留学のテーマである「アメリカにおける聴覚障害児・者に関わる保健・医療・福祉専門職の養成」と博士論文のテーマである「聴覚障害児・者に関わる社会福祉専門職の専門性」は、密接に関係しており、これからの帰国までの1年間が留学のテーマに関わる研究や情報収集、さらに留学成果の結集に向けた取り組みが必要になってくる。帰国後は、講演、ワークショップ、報告書作成などの様々な形で日本の聴覚障害児・者に関わる専門職やろう・難聴当事者との情報共有、議論ができたらと考えている。そのためには、今後の1年間の計画を丹念に練ることが重要となる。以下、簡単に実習予定先の紹介してみたい。

2.Arizona School for the Deaf and the Blind (ASDB) &Community Outreach Program for the Deaf(COPD)
まだ正式に決定したわけではないが、ASDBとCOPD は、春からの実習先の有力候補である。二つとも南部に位置し、インディアンの保護区などで有名なアリゾナ州(Arizona)の準首都でもあるチューソン(Tucson)にある。おそらく、2つの実習先にそれぞれ週2日ほど勤務し、週5日ほどの勤務となる予定で、実習担当教授を中心に調整が進められている。
ASDBは、名前通りに盲ろう学校と直訳できるが、実際には同じ敷地の中に盲学校のキャンパスとろう学校のキャンパスの2つに分かれているだけである。アリゾナ州のろう学校は2つあり、1つが首都であるフェニックス(Phoenix)にあるPhoenix Day School for the Deafと、もう1つがチューソンにあるASDBとなっている。前者が寮を併設しない通学制ろう学校であるのに対して、ASDBは、寮を併設している入寮制のろう学校となっている。そのため、ASDBは、通学できない地域に住むんでいるろう・難聴児や寮生活が適しているろう・難聴児、盲ろう児などが入学して学んでいる。日本の場合、通常のろう学校の寮に住む学生は、週末には実家に帰るのが通例であるが、ASDBの場合には車で10時間かかるような場所に実家がある学生もいるため、毎月の初めの1週間が休みとなっており、1週間家に帰ることが出来るようになっている。もちろん州のバスが学校から実家近くまで送迎してくれるシステムになっているようだ。なお、ASDBは、1912年にアリゾナ州が48番目の州としてアメリカ合衆国に加州したのと同時期に設立された。
一方で、COPD は、Tucson周辺のろう・難聴者のための精神保健センターのようなものであり、近年は、特にアルコール・薬物依存に関する支援に力を入れている。自分の専門が社会福祉と言うよりは臨床心理学に近い精神保健学(メンタルヘルス)、リハビリテーションであるため、ここでの実習は今後の自分の活動に大きな示唆をもたらしてくれると信じている。具体的には、アルコール・薬物に関わりを持つろう・難聴者への支援、情報提供を中心に学ぶことになるだろう。また情報提供の方法として、インターネットという媒体を利用した手話などを使用した視覚的な情報を含めた情報源の開発に関わる予定となっている。

Posted by 高山 亨太 at 16:10 | 奨学生生活記録 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

2008年6月生活記録 (第3期生 管野奈津美)[2008年07月03日(木)]
<始めに>
早いものでもう7月に入った。6月は梅雨がなく、真夏のような暑さが続いたので、週末にDCから車で3時間ほど離れたOcean Cityというメリーランド州にある海水浴場に泳ぎに行き、海水浴を楽しんだ。

<夏休み> 
Gallaudet Universityでは先週学生のサマープログラムが終わり、バイトを除いてほとんどの学生が実家に帰り、現在はサマーキャンプのための小学生から高校生が集まっている。子どもたちが体いっぱい動かしてASLでおしゃべりして廊下を走り回っている光景は微笑ましいものである。
また、友人が一ヶ月海外研修に行くということで、友人の犬を一ヶ月預かった。毎日散歩に行かなくてはならなかったのだが、私のアパートは緑の多い郊外にあり、いいリフレッシュになった。もともと、アメリカの大学生は猫や犬を飼っている人が多く、それに驚いたものである。日本の一人暮らしの大学生で猫や犬を飼っている学生はまれだからである。しかも、道路や公園に、犬の排便の処理するためのポリ袋が無料でとれる箱が設置されており、その下に犬の便専用のゴミ箱があるのでとても散歩しやすかった。アメリカの方がペットを飼いやすい環境が整っていると感じた。

<オフィスアシスタントとしてのバイト>
6月中旬からオフィスアシスタントとしてのバイトを始めた。この秋、マイノリティの学生のためのオフィスを設立するので、その準備に向けて、夏休みの間学生アシスタントが必要ということで応募した。マイノリティというのは少数派という意味で、アメリカにおいてはろう者もマイノリティとして位置づけられるが、ろう者のための大学であるGallaudet Universityにおけるマイノリティは、インターナショナル、アジア系アメリカ人、ヒスパニック系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人(黒人)、ゲイ&レズビアンなどである。教師や職員のほとんどがヨーロピアン系アメリカ人(白人)という大学でマイノリティの学生に対する偏見や差別が少なからず、存在している。マイノリティの学生に対するサービスは他の大学ではもう何年も前から始まっており、1980年代から始めた大学もあり、GallaudetUniversityは遅れている方である。その事情から、マイノリティの学生アシスタント自らプロジェクトを進めてもらうという方法をとったようだ。私はインターナショナルの学生としてプロジェクトに加わっている。様々なマイノリティの団体から学生がプロジェクトに参加しており、オフィス設立に向けて、どのようなプログラムが必要なのか日々議論し合っている。私自身、アメリカに来てまだ1年ということもあって、アメリカの大学や教育上のシステム、Gallaudet Universityの組織やプログラムなど、知らないことが多く、議論についていけないときもあるが、とてもいい経験になっている。
私は、アジア圏からの留学生とアジア系アメリカ人の問題について調査し、プレゼンした。主に問題としては、価値観の違いが大きい。アジア圏(特に韓国、中国、日本)の文化は、儒教の影響を深く受けており、「和を敬う=人と争ってはいけない」「年上を敬え」などの価値観があり、アメリカの価値観と正反対といってもよい。そのため、最後まで先生の講義を聴く日本の授業に慣れている学生が留学すると、アメリカの授業のディスカッションに抵抗を感じる、先生に対して意見を積極的に言えないなどの問題が起きている。まだ、授業に毎回参加しているのに、意見を言えないので単位をもらえなかったというケースもあった。
それを踏まえて、しかし、それまで育んできた文化や価値観を捨て去るのは到底難しい。それを踏まえて、自分の価値観を否定的に捉えて捨てるのではなく、肯定的に受け止め、どうやってアメリカのスタイルや価値観に合わせていくか、それを手助けするためのプログラムをどのように進めていくかが課題であろう。プロジェクト期間は後1ヶ月しかないが、どのように展開させていけるのか楽しみである。

Posted by 管野 奈津美 at 14:49 | 奨学生生活記録 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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