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聴覚障害者留学

 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子などをお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。


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2008年3月 生活記録(1期生 池上 真) [2008年04月13日(日)]
□ はじめに

 今週の初めあたりから桜が咲き始めて今ではもう満開になり、ギャローデットのキャンパスにおいてもあちこちで桜がきれいに咲いている。同時に、ここ数日は気温も上がり、まさに春を感じさせる陽気が続いている。やはり、桜はいつ見てもきれいで、心を癒してくれるものである。

□ インターンシップ 

 3月の半ばに、1週間ほどの春休みがあったが、すべての日々をインターンシップに費やした。これまでの生活記録においても記したが、今学期は、様々な障がいを併せ持つろう重複障がい者の社会的自立と就労の促進を図るために設立されたDeaf-REACHというところで実習をさせていただいている。
 Deaf-REACHは、現在、様々な障がいを併せ持つろう重複障がい者を対象としたプログラムが5つ提供されており、自分はその中の1つのCommunity Support Providers (CSP) のチームの一員として実習を行っている。現在、CSPにはディレクターを含む3人の常勤スタッフがいるが、それに加えて、自分を含む5人の実習生も常勤スタッフの指導の下、日々、ソーシャルワーカーやメンタルヘルスカウンセラーに求められるスキルを身につけるため、日々、研鑽を積んでいる。CSPの目的は、精神障がいや知的障がいのあるろう者が生活していく上で必要なサービスを確実に受けることができるように支援することである。具体的には、たとえば、利用者が毎日服用している薬がもうすぐなくなるので新しい処方箋を書いてもらうためにDeaf-REACHの近くにある精神科医に診察の予約を入れたり、社会保障身体障害保険(Social Security Disability Insurance)に関する諸々の手続きを行うために社会保障庁(Social Security Administration)に照会したりするなど、主にケースマネジメントの業務を行っている。その際の連絡手段は、ビデオフォン(Videophone)か電話リレーサービス(Deaf-REACHでは、i711)を使用している。たまに、それらを利用できないときは、TTYを使っている。仕事を通じて覚える英語も多く、ためになる。電話リレーサービスでは、いちいち辞書で単語の意味を調べたり、逆に自分が使いたい単語を探したりする時間がなく、リアルタイムにやり取りをしなければならないため、とっさの英語のフレーズを覚えるのにとてもいい訓練になっている。その他にも、利用者の医療保険に関する手続きにも携わるなど、アメリカの社会保障制度について、クラスではなかなか深く学べない、実に多くのことを学んでいる。
 また、今年の2月の半ばごろ、Deaf-REACHにおいて、HIV/エイズへの取り組みが再開され、そのディレクターによれば、今後、HIV/エイズの現状を知ってもらうとともに、HIV/エイズの感染拡大を防ぐため、ろう学校やろう者のためのプログラムがある一般の学校、そして、手話通訳者を養成するためのプログラムがある一般の大学などに赴き、講演会やワークショップなどを設けたりする予定であるという。この取り組みは、ワシントンDCだけでなく、その近郊にあるメリーランドやヴァージニア、ペンシルバニア、ニューヨークなども視野に入れているという。

□ 今後について

 4月は、ファイナルペーパーやプレゼンテーションが控えているので、健康に留意しつつ、がんばっていきたいと思っている。インターンシップも4月で最後になるので、引き続き多くのことを学んでいきたい。
2008年3月生活記録(岡田) [2008年04月13日(日)]
中間テスト

Deaf Educationの授業で中間テストがあった。内容は前半が授業で扱った内容の選択問題、後半がエッセイであった。秋学期に同じ先生の授業を受けたが、そのときはエッセイに何を書けばいいのかわからなかったり、ポイントとなる部分がわからないままなんとなく書いていたが、今回は英語の授業で知ったエッセイの書き方を活かして何とか思っていることを書けた。

しかし、まだまだ語彙力が足りなかったり、すぐに文章が浮かんでこなかったりと、最後は時間切れになってしまい、根本的な実力が不足していることを痛感させられた。わかってはいても、他のクラスメイトがすらすらと書いて、どんどん退出していくのは少々つらいものがある。

ただ、結果としてはクラスで2位の成績だった。特にエッセイの部分で「これは良く書けた方かな」と感じた設問に満点がつけられたことは学習の成果が感じられたので嬉しく思った。このクラスはろう学生向けのコースと、一般に履修可能なコースが一緒になっている関係で、アメリカ人の健聴者が半分以上を占めている。その中でこの結果を得られたことは良かったのではないかと思う。

とはいえ、依然としてリーディングはすべて消化できていないし、読んでも記憶に定着しているとは到底言いがたいレベルである。今回はそれを暗記やポイントをつかんだ勉強でカバーできたが、まだまだ基礎が足りなすぎる。(多分アメリカ人の中学生レベルではないかと思う。)事実、周りが全員健聴者で通訳を利用しているメインストリームのクラスでは、落ちこぼれという状況で、行くのが嫌になるときもある。これは英語だけではなくて、ASLも不十分なためにクラス内のコミュニケーションに確信が持てないままというのも関係はしているが、いずれにしてもメインストリームでやっていくには、これっぽっちの自信もないのが現状である。

今学期はもう残り1ヶ月しかないが、チューターもつけることができたので、残りの期間とサマースクールで少しでも土台を引き上げていければいいなと思う。



大学院へ向けて

秋学期からの大学院入学に向けて、Special Projectの時間を利用して入学手続きを少しずつ進めている。何から何まで、右も左もわからない中で、メンターの先生と1対1で進めることができるのは本当に心強い。

大きな問題としてはやはり英語である。ホームページなどの情報では、英語に関する入学条件として、アメリカでB.A.を取っていること、アメリカの大学で60単位以上取得していることなどがあげられている。それに当てはまらない留学生はTOEFLを受けなければならないが、現在のコンピュータテストはろう者にはかなり不利な内容である。

しかし、直接受け入れ先のデパートメントとコンタクトを取って、日本での学歴やアメリカで学んでいる理由、英語力の現状を説明してみると、中には大学院入学までに特定の科目を履修できていれば、テストは必須ではないと言われる場合もあり、かなり柔軟な対応がある。

逆に言えば、それが手続きの煩雑さや曖昧さにつながっていることもあり、時には前に言ったことと違うことを言われたり、かなりイライラが溜まる要因でもあり、なかなか解決できないと思えば、カウンセラーが相手先と話してみるとあっさりとクリアできたりと、常に落ち着かず、ストレスがなくなることはない状況である。まずは今月までにアプリケーションを全て終わらせたい。