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聴覚障害者留学

 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子などをお届けするものです。
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2008年 1月生活記録 富田 望 [2008年01月21日(月)]
新年の挨拶
 月並みながら、明けましておめでとうございます。謹賀新年、本年も宜しくお願い致します。こっちでは新年早々、二日から電車・バスなどの交通機関が通常時間で運営していました。今朝、起きた時には、半径3メートル先が見えないほどの凄い霧が霞んでいて、本格的な冬の訪れを感じました。これから3月までは雨期間でストームと呼ばれる大雨が降ります。さて、私のアメリカの初新年といえば、ハワイで友人達と共に心身ともにリラックスした休日を過ごしてきました。日本ではクリスマスを恋人と過ごし、新年を家族と共に過ごすというのが一般的だそうですが、日本ではその反対です。日本が欧米流クリスマスに強く影響を受けている割に、クリスマスに対する概念が全然違うというのが、面白いと思った今日この頃でした。冬休みも存分に堪能したことだし、新たな気持ちでスイッチを切り変えていきたいとおもいます。

特別英語クラスについて
 1月8日から2週間、特例として特別英語クラスを設けてもらえることになり、受講してきました。私にとってこの2週間はとても有意義的な時間でした。生徒の数が少ないので、やはり分からないところがその場で消化されるというのが一番の強みでしょうか。その場で訂正されると不思議と印象に残るもので、最近では英作文をつくる楽しみといいますか、自分の「伝えたいことを伝えられる事の楽しさ」を知りつつあります。英語クラスの具体的な内容としては、英作文の強化、文法構成、ボキャブラリーの増加、それぞれ各一時間で、計3時間の講習で、加えて山ほど出される宿題があります。あっという間の講習でしたが、今の自分の英語の実力、弱点を知るのに有意義的な2週間だったと感じています。

読書の大切さ
 かつて“There is no royal road to learning”(学問に王道なし)と言ったのはユークリッドだったか、昔の偉人達は実に上手な言い回しをしたものです。皆もご存知の通り、英語を問わず、言語習得が一日そこらの短時間で身に付くようなものではなく、日々の積み重ねによって、上達していくものであることはいうまでもありません。そして、その習得過程には、知識として養われるべき言語についての知識(knowledge of language)だけでなく、実際の言語使用(language use)が必要不可欠であり、聾者であるが故に、未発達になりがちな文法能力、社会言語能力、談話能力、方略能力などがそれによって補えるということを、最近身にしみて感じています。読書は私の英語勉強過程に大きな役割を果たしているだけでなく、歴史、文化、背景などの多大な情報を、私の周りにあふれている「読み物」を通して、語りかけてきます。健常者と比べて、情報が限定されがちな聾者にとって、その情報が豊かな生活していくのに価値のあるもの、必要不可欠なものであることはいうまでもありません。
 先ほど、読書は大事だと偉そうなことを書いてしまいましたが、私自身、どのように読書を通して英語勉強するべきだとか、具体的な指導方法というか、理論としてうんぬん云うつもりはありません。しかし、読書が言語習得過程に大きな役割を果たしていることは、自身の経験を通しても、そう感じています。また、ただ読書をすればいいというのではなく、その読書にはその人に合った過程と活動が要求されるとも思っています。自身の勉強過程を通して、読書が英語習得にあたって、どれほどの重要性を持つのか教育的観点から見ていけたらと思います。

実りある一年に
 渡米してから、もう半年になろうとしています。最初の半年は生活や、環境を落ち着かせるのに精一杯でしたが、これからは本腰を入れ、志望している院入学にむけて精一杯勉強していきたいとおもっています。長くなってしまいましたが、これを今年最初の報告書として締めくくらせて頂きます。皆さん、これからも宜しくお願い致します。