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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2012年1月生活記録 第4期生 武田太一[2012年02月09日(木)]


○冬休み
年末から1月上旬にかけて日本に一時帰国していた。一時帰国している間は日本食を堪能しすぎたせいか、ボストンに戻ってきてからしばらくの間はハンバーガーやピザなどを食べたいと思わなかった。そのぶん自炊する割合が増えてきて、経済面でむしろ助かっているぐらいである。

○春学期
この春学期は5クラスを受講しており、それぞれのクラスは以下のとおりである。

DE555 Literacy skills in Deaf child / 聾児の読み書き能力
アメリカ手話と英語は別の言語体系という前提の上で、聾児にどのように英語を教えるかそのアプローチについて学ぶクラスである。アメリカ手話は聾児にとって視覚的なものであり、何かを得ること、自分が考えていることを他の人と共有すること、他の人とコミュニケーションがとれること、自分にとっての言葉として感じられるものとして認識されている。その上で英語を獲得するということはバイリンガルになるわけであり、認識能力が上がる、友達の輪が広がる、仕事に有利になる、成績が向上するなどの成果が出るようになる。英語を教えるにあたってどのアプローチが適しているのか、今後議論を重ねていく予定である。

SE534 Classroom and Behavior Management / 教室と行動管理
教員は自分の教室において生徒たちの行動管理が重要になる。生徒が何らか問題がある行動を起こした場合は、どのように対応するか考えなければいけない。例えば、席に座らない、講義中におしゃべりする、先生の話を聞かない、先生と目を合わせない、他の生徒を叩く、貧乏ゆすりをする、突然独り言を言う、などの行動が現れることがある。これらの行動をどう分析して解決するか、応用行動分析(ABA)について学ぶ。また、アメリカの法律に個別障害者教育法(Individuals with disabilities Education Act: IDEA)があり、この法のもとで個々の生徒に適した個別教育プラン(Individualized Education Program: IEP)を立てる必要があり、そのIEPフォームの書き方についてもこのクラスで学んでいる。

DE576 Advanced Language and the Deaf / 応用言語と聾
教室において聾児にとって言語が果たす役割と、バイリンガルアプローチがもたらす成果について考えるクラスである。世界中の聾児のうちの80%が満足のいく教育を受けられないという現実の中で、いかに聾児が遅れをとっているか考えた上で、教員たちに出来ることは何か考えなければならない。最初の数回のクラスはメインストリームプログラム(インテグレーション)について議論を行なっている。詳しい報告は次回の生活記録で出来たらと思う。

DE693 ASL6 / アメリカ手話6
教育現場でアメリカ手話を使うことを想定した上で、手話表現について練習するクラスである。小学校レベルにおける「時事問題」「地理学」「社会」「理科」「算数/数学」の科目の手話表現について他の受講生と共に議論をしたりしている。

DE574 Pre-practicum / プレ実習
聾学校において合計75時間の実習が義務づけられており、ボストン大学の近くにあるホーレスマン聾学校に週3回通っている。自分が担当しているクラスは中学部の重複クラスであり、5人の生徒が在籍している。それぞれがもつ言語スキルや社会スキルは様々であり、個々にあった教育アプローチが必要となっている。他の国から最近アメリカに移り、ホーレスマン聾学校に入るまでは手話や他の言語も習得してこなかったという生徒たちもいる。彼らに対して手話も英語も中学生であるにもかかわらず、幼稚園レベルで教えているという現実ではあるが、毎日少しずつ学んでいっている彼らを励みに聾学校での実習を堪能している。

○今後の予定
2月から学内で新しいバイトが始まり、プレ実習が終わるまではかなりハードなスケジュールとなっており、体力的にも精神的にも大変ではあるが、この1ヶ月間何とか乗り切りたいと思う。

※動画と写真は後日アップする予定です

2012年1月生活記録(4期生 川上恵)[2012年02月06日(月)]




今月の生活記録は履修クラスについて報告したい。今学期は5つのクラスを履修している。まず、法律通訳のディスコースクラス(Interpreter Legal Discourse)は主に裁判に関わる通訳、メンタルヘルス通訳のディスコースクラス (Interpreter Mental Health Discourse)は精神保健に関する通訳、今年から新設された盲ろう通訳(Deaf-Blind Interpreting), 実習(Professional Practice I )の場合、実際に通訳の経験をするのではなくギャロデット大学内の聴者通訳とろう通訳の現場を観察したり、クラスで通訳現場での状況判断などについて議論する内容である。リサーチ方法(Research Methods in Interpretation)は、2年生になると自分の決めたテーマで研究をすることになることから、そのリサーチのステップ方法について学ぶことを目的としている。今学期は、法律やメンタルヘルスのように専門分野を学ぶ事になるのだが、将来は役に立つ内容なのでこの機会に色々学んでいきたい。次回の生活記録は、前回のように各クラスについて報告したい。
2011年12月生活記録(4期生川上恵)[2012年01月20日(金)]



新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いします。

今月の生活報告は、前学期でまだ報告をしていなかった残りのクラスについてまとめてお話したい。そのクラスはFundamentals of interpreting (通訳の基礎)とStructure of Language for interpreters : American Sign language and English(アメリカ手話と英語の構造)である。まず、前者のクラスについてお話ししたい。このクラスは、自己分析に多くの時間を要した。最初あたりのクラスで教授から自分の好きなテーマを選び、二つの言語を使ってプレセンテーションをする機会が与えられた。聴者のクラスメートは、第一言語である英語とアメリカ手話を使うことになったが、私の場合、寿司の歴史というテーマを第一言語の日本手話とアメリカ手話を使ってプレゼンテーションすることにした。日本手話の場合は、日本人にお願いしてプレゼンテーションに参加してもらった。そこで気づいたのが、同じテーマと内容にも関わらず、アメリカ人に対してのアメリカ手話と日本人に対しての日本手話の説明方法が異なるという点だ。それについて分析する方法を学んだ。また翻訳についても基礎が身に付いた上で、アメリカ文化と黒人文化を二つ持ったろう者ナレーターのDVDから翻訳する課題があった。他のクラスメートはアメリカ手話から英語に翻訳することになったのだが、私の場合特別に許可をもらい日本手話へ訳することになった。が、予想以上に大変な作業だった。ナレーターは、私が真似できないほどユーモアがあり、どうやって翻訳すればよいのかと悩んだ。しかし、いい経験になったと思う。後者のクラスについて、その教授はろう両親を持つコーダであり、アメリカ手話と英語の特質をよく知っているのもあって、わかりやすい授業だった。例えば英語の場合、実際にテキストなどに記載されている文法について、話し言葉になるとテキストに従った文法を用いているか、アメリカ手話も同じだろうか、という比較する研究をした。また、CLやロールシフトなどが含まれたDepicting verbという言語学に関することも学んだ。

春学期は、5つのクラスを履修することになり具体的な内容については次の生活記録について報告したい。
2011年12月生活記録 (第5期生 川俣郁美)[2012年01月17日(火)]

☆アンデス山脈☆

 ずいぶんと遅い挨拶となりましたが、あけましておめでとうございます。今年は皆様にとって穏やかで明るい年になりますよう 、心よりお祈り申し上げます。

◆◇ソーシャルワーク援助演習◇◆◇
 ソーシャルワーク演習のクラスでは、一人のクライアントを対象に援助演習を行い、最終レポートを作成した。内容は、@クライアントの情報収集、Aミクロ・メゾ・マクロ問題・ニーズの把握、B具体的な援助プランの作成、C実際に援助、D援助効果評価・援助評価である。
 面接の様子をビデオに録画し、見直すことで、面接の時には気づかなかった点や、自分が面接時に使ったテクニックを自己分析することができた。クライアントの話を傾聴しているという態度を示すために相づちをうっていたつもりだったのに、ビデオを見てみると、 顔が無表情だったり、相づちの回数が少なかったり、クライアントとの会話に沈黙を置かないように、次々話そうとしている自分がいた(沈黙はクライアントが何か重要な事を言おうとしている前兆かもしれない)。
 クライアントに関する情報をしっかり収集・分析し、クライアントのニーズを把握し、そして、クライアントのニーズに応じた対応を瞬時にするのはとても難しい。まだまだ経験が必要だが、今回の演習を通して自分の弱点を把握する事ができた。克服できるよう、これからも練習を重ねていきたい。


◆◇ことば遊びから学ぶ、言語の魅力◇◆◇
 ことば遊びのクラスでは、アメリカ手話ゲーム創作 をした。英語や日本語のことば遊びは山ほどあるが、手話を使ったことば遊びはまだ数少ない。そこで、自分たちで創作しようと言う事になった。簡単そうだが、いざ作ろうとなると、 なかなか案が出てこらず、苦戦した。私たちのグループが考えたゲームは以下の通りである。

@親を一人決め、残りは2〜3人のチームに別れる。
A親、各チームは白紙とペンを用意する。
B親は手形をひとつ選ぶ。
C親と各チームは、お題の手形を使った手話単語をできるだけリストアップする。制限時間は1分間。
D各チームにリストアップした手話単語を言ってもらい、それぞれを板書する。
E親は、自分がリストアップした手話単語を言い、各チームは親が言った手話単語と同じ手話単語があれば線を引いて消す。
F親がリストアップした手話単語をすべて良い終えた後、各チームは親がリストアップしなかった手話単語を数える。
Gもっとも数多くの手話単語が残っていたチームが勝ち。

 私が初めて、手話を使ったことば遊びゲームにであったのはアメリカに来てからである。家に友人を招いてパーティをした時、アメリカ人の友人が「Handshape game (手形ゲーム)をしよう!」と言い出した。これは、まず円になって座り、最初の人がお題(手形)を決め、 右回り(左でも可)にそのお題の手形を使った手話単語を言っていく。既出した手話単語を言ったり、行き詰まったり、間違った手話単語を言ったらアウト。最後まで残った人が勝ち、というゲームである。今まで、手話を使ったことば遊びをした事がなかった私には衝撃であった。
 聞けば、手話を使ったことば遊びは他にも沢山あるらしい。私のように、手話を使ったことば遊びを知らない人はどれだけいるのだろうか。ことば遊びゲームは語彙力や発想力を伸ばすことができるし、手話の 魅力を再発見したり、豊かなコミュニケーションを促進することもできる 。インターネットに投稿したり、ろう・難聴のこどもの集まりや パーティの時などに使ったりして、多くの人と情報を共有し、もっと手話遊びが普及すれば、このクラスを通して強く感じた。


◆◇秋学期を振り返って◇◆◇
 秋学期は、新しいことを学ぶことの他に、それを活かすために学んだ事を応用・実践したり、新しく創作したり、またそこから新しいことを学んだり、多くのことにチャレンジすることができた。そして、学問の楽しさ・面白さを感じずにはいられない秋学期であった。こういうチャンスに恵まれ、とてもうれしく思う。
 今年も精一杯精進していきますで、引き続き、変わらぬご支援・ご指導をよろしくお願いいたします。
2011年12月生活記録 第7期生 川口聖[2012年01月16日(月)]
寒中お見舞い申し上げます。
皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。旧年中は大変お世話になりありがとうございました。本年も変わらぬご支援・ご応援を賜りたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。
こちらオーロニ(Ohlone)では、例年になく、昼間に10分程歩いただけで汗かいてしまうほどの温暖な日が続いている。



(「年越し花火」サンフランシスコ市内にて)

☆秋学期を振り返って
英語クラス(リーディング&ライティング)においては、日本語で思ったことを英文で書いたり、英文を日本語で理解することが多くて、時間がかかりすぎている。また、ASLクラスにおいては、表語文字である漢字の文化の影響を受けている日本手語とは違って、表音文字であるアルファベットの文化の影響を受けているASLのためなのか、Fingerspelling(指文字)を使うことが、日本手語より多いような気がして、その読み取りになかなか慣れない状態が続いている。やはり、アメリカ文化と日本文化、英語と日本語、ASLと日本手語というそれぞれの関係が、磁針のN極とS極の関係のように、全く逆方向の関係になっているためなのか、生まれながら日本人である私にとっては、慣れるまでの時間がかかりすぎている感じがしている。


("MOZZERIA"ろうオーナー経営のピザレストラン)

☆春学期の抱負
昨年は、アメリカ生活に慣れる、1クラスだけでもdropout(落第)しないなどのプレッシャーがあって、まわりについていくだけの感じになってしまった。これからは、様々な工夫をしながら、英語やASLをそのまま理解したり、発想したりできるよう、また全てのクラスに好成績を収めるようがんばることを集中していきたい。


(カリフォルニアにお城?!"Hearst Castle")
2011年12月生活記録 (第4期生 福永 梢)[2011年12月31日(土)]
 2011年もいよいよ今日で終わりを迎え、年末のご挨拶をさせていただく時期となりました。今年は公私ともに新地開拓した1年間でした。特に勉学面では、生涯発達論で更年期・高齢期について初めて勉強したことが一番大きかったです。新しいことに臨みながらも無事一年過ごせましたのも、みなさまの多大な支援のおかげです。来年もよろしくお願い致します。よいお年をお過ごし下さい。


***゚ ゚* 「すべての生徒」への責任 *゚ ゚***

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 少年Mは荒れた家庭に育った。日々暴力を振るわれるストレスから非行に走り、学校では問題児として扱われていた。一方、少年Kは明るく前向きで、ゲイであることをみんなに話していた。KはMに恋をし、みんなの前でもそれをアピールしていた。女性を恋愛対象とするMは拒むが、Kはめげなかった。ある日、いつも通りの教室で少年MはKの頭に銃を二発放つ。教室内で悲鳴が上がる中、少年Kはそのまま帰らぬ人となった。
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 スクールカウンセリング入門クラスで、実際にアメリカの中学校で起きたこの事件を題材にして、どう対処するか提案レポートを書くことになった。家庭の問題、性的好みの違い、学校への銃の持ち込み―――深刻な問題が3つ関わっている時点でかなり複雑なケースだ。さらにスクールカウンセラーに求められる役割と責任が重なって、長いこと悩んだ。

 例えば、この事件はゲイ・レズビアンへの差別の表れだとも言われている。スクールカウンセラーはゲイ・レズビアンへの理解を深めるよう働きかけるべきかもしれない。仮にそうとする場合、「この対策によって、ゲイ・レズビアンの生徒が学校生活を送りやすくなる」ことをある程度保証しなければならない。余計に特別視されたり、最悪の場合いじめにつながったりしないか。異性が好きな生徒が自分の問題じゃないからと関心を示さないことはないか。効果ある対策を打ち立てるために、前もって生徒本人、保護者や教師から情報を集めて、ニーズをしっかり把握することが必要となる。よかれと思って何かやるのは無責任で、失敗したとき一番とばっちりを食らうのは生徒であることを頭に入れておかねばならなかった。それに、恋人同士でさえ公の前で積極的にアプローチされることを好まない人もいる。好きでもない人から、何度断っても言い寄られたら精神的に参る人もいる。散々悩んだ結果、性的好みや性的アイデンティティについては、人種、宗教、出身地、能力(学識、芸術、スポーツなど)、障がいなどいろいろある自己ラベルの1つとして取り扱うことにした。

(1)自分の中にある偏見や差別意識を自覚すること。
(2)「自分につけたアイデンティティ/自己ラベルを人から否定されたり非難されたりすること、隠したり嘘をついたりすることは苦しくて悲しいことである」と学ぶこと。
(3)感情的に相手を責めたり傷付けたりする方法のほかに、「私はあなたの○○によって傷付いた」「私は悲しい」「私は怒っている」など、「私は〜」文を使う方法もあることを知って身につけること。

を主な目標とした心理的教育プログラムを提案した。
 米国スクールカウンセラー協会(American School Counselor Association)は、「すべての生徒を擁護する」ことをスクールカウンセラーの最大義務の1つとして定めている。ろう・難聴の子どもについて言えば、ろう、難聴、聴こえる子ども全員をかばいまもり、それぞれが学校生活に適応できるようサポートするということだ。スクールカウンセラーとして、公平を保つ役割と責任を改めて考えさせられた。


***゚ ゚* トリビア:異文化コミュニケーション編 *゚ ゚***

 多文化カウンセリングクラスも終盤にさしかかり、ようやくカウンセリングを専門的に学ぶ手前まで来た。日常生活にも使えそうな豆知識をいくつか紹介する。

❑個人主義はアメリカに独特の文化である。他の国のほとんどは日本と同じ集団主義を重んじている。
❑支援をするとき、欧米、特にアメリカでは「何をするか」を大事にし、それ以外の国は大半が「どのように支援するか」を大事にする。
❑誰かとコミュニケーションをとるとき、人は内容を正確に伝えようとして言葉をつかう。実際、やりとりのうち言葉が占めるのは30〜40%。残りの60〜70%はコミュニケーションのスタイルに左右される。
❑その人の個性は、身ぶりや顔の表情、声/手話のトーンや大きさ、間の置き方などに強く表れる。


2011年11月生活記録 (第5期生 川俣郁美)[2011年12月22日(木)]

紅葉 ギャロデットにて


11月に入り、寒くなってきた。
日本から持ってきたハンテンを引っ張り出し、冷える朝晩はいつもこのハンテンにお世話になる。

◆◇ホームレスチルドレン◇◆◇
アメリカでは、50人に1人の子どもがホームレスらしい。ここでのホームレスとは、具体的には、「家」と呼べる定まった住居がない人のことをいう。 路上生活•車上生活をしている子どもだけではなく、親戚や友人の家を転々としている子どもなども含む。また、ホームレスと聞くと、一人で生活をしているイメージがあるが、ほどんどの子どもは親と一緒にホームレス生活をしている。ホームレスになる理由は、親の失業や、健康問題(病気などで高い医療費が払えず、家を引き払うハメに)、自然災害、アルコール・薬物依存、また親の離婚など様々である。

50人に1人という数字に驚いた。1クラスに1人いるかいないかの割合である。そういえば、以前何人かの友人の家に遊びに行った時、友人の家族の他に、他の家族(父子または母子)が居候していたことがあった。アメリカは、障がい者に対する権利保障は日本よりも進んでいるが、社会保障制度は日本の方がしっかりしていると思う。


 ◆◇多様化した家族構成◇◆◇
ソーシャルワークのクラスで、家族構成の多様性について学んだ。家族には、両親と子どもからなる家族や、シングルマザーやシングルファザーの家族、再婚して義兄弟がいる家族など、様々な家族がいる。といった説明の後で、先生が「あなた達の家族構成は何ですか?」と聞いてきた。

あまりにも立ち入った質問だったので驚いたが、大半の生徒がそれに答えていたのには、さらに驚いた。両親が一度も離婚していない家族は少なく、半分は離婚•再婚していて、両親は未婚と言う生徒や、また、養子だという生徒もいた。アメリカは、人種だけではなく、家族構成も多様化している。


◆◇感謝祭/Thanksgiving◇◆◇
通常、感謝祭は四連休なのだが、今年のギャロ大は七連休であった。私はというと、友人等とボストンとバーモント州へ行ってきた。ボストンでは、4期生の武田さんにボストン大学とハーバード大学を案内していただいた。バーモントではスノーボードをしたり、美味しい感謝祭料理を味わったりと、いい息抜きができた。

あっと言う間に12月に入り、今学期も残り二週間となった。最後まで気を抜かずに頑張りたい。
2011年11月生活記録 第7期生 川口聖[2011年12月17日(土)]
こちらオーロニ(Ohlone)では、夜間は東京と同じ位に寒いが、昼間はまだ秋の感じで、太陽が近くにあるかのようで、寒い朝に通学するために着たコートを脱がないと、汗びっしょりになってしまうほどの日が続いている。さて、11月生活記録を報告したい。

☆なんとか

(お世話になった教材)


11月末になっても、宿題に追われる日が続いている。あともうすぐ秋学期が終わるかと思えば、あっという間の感じである。毎月1回生活報告するたびに、英語力が伸びたなという実感が少しでも得られるようにしたいと思っているにも関わらず、なんとかという感じのままになっている。秋学期が終わった後、5週間程の冬休みに入るが、TOEFLとGREの受験対策も含めて、じっくりと英語学習を続けていくつもりです。

☆生き生き

(日本では見られないような、CSDの化学教室)


11月11日、フリーモントろう学校(California School for the Deaf - Fremont)で、オープンハウスが行われた。保護者や学校関係者だけでなく、地元の一般校の中学生や高校生らしき少年少女なども多く集まった。乳幼児教室から高校まで約450人の学生が在籍していて、それぞれのクラスが公開されていた。日本の聾学校と同じく、10人以下のクラスばかりで、懐かしく感じられた。しかし、日本の聾学校とは違うなと感じるところがあった。
1)日本では、生徒がいる教室に先生がやってくる感じですが、こちらでは、逆に、先生がいる教室に生徒が集まる感じになっている。そのため、職員室がないようで、先生がいる教室が国語教室、算数教室、アメリカ歴史教室などのように、それぞれの教科に合わせた部屋になっている。
2)日本の聾学校の生徒より、こちらの聾生徒のほうが、コミュニケーションが生き生きとしていると感じられた。口話法という「訓練」をする、親と手語会話ができないなど、コミュニケーションにおける不自由さを常に感じている日本の聾学校の生徒とは違って、こちらでは、コミュニケーションにおける不具合があまりないような感じで、更に、ASLはJSLより、洗練しているかのようで、言葉としての誇りがあるような感じがあるからでしょうか。


☆まろやか

(感謝祭パーティ料理)


感謝祭の日(Thanksgiving Day)、11月第4木曜日に祝日となる、アメリカとカナダ(10月第2月曜日)独自の休日である。いつもお世話になっているところで、初めて参加させていただいた。七面鳥料理、サツマイモ料理、キャセロールなど、アメリカの定番料理をいただいたが、多くの日本人が好むような、まろやか、どろりなどの味覚には程遠かった。
2011年11月生活記録 (第4期生 福永 梢)[2011年12月17日(土)]

  今学期が残り1ヶ月半を切った。クラスメートたちの間で疲労感ムードがただよい始めた。ストレスによる体調不良も珍しくなくなった。学期末まであともう少しだー!と励ましたら、1ヶ月半もあるなんて遠いよ〜もうムリ〜と返されてしまった(笑)。というわけで、「Thanksgiving(感謝祭)まであと○○日!!」がしばらくあいさつがわりになった。


★--- 更年期×中途失聴 ---★

  生涯発達クラスで事例研究レポートを書いた。教授がくれたいくつかの例を基に年齢と性別を決めたら、その年齢によくある問題を考えながら細かい背景(General Background)を自分で設定する。2つ以上の発達理論を使って分析し(Analysis)、見合った対応を提案(Proposed Resolution)、注意事項・課題(Recommendations)を書くのである。私は、更年期に向けて充実していたところ聴こえががくんと落ちた証券キャリアウーマンを事例にした。使った発達段階理論はエリクソン(Erik Erikson)、レヴィンソン(Daniel Levinson)。個人的な意見だが、中途失聴者について考えるときその人の発達段階も考慮するべきだと思う。特に女性の更年期は深刻になることがある。顔がほてる、イライラしやすいなどホルモンの変化の影響を強く受ける上、ジェンダー意識にもさらされるからだ。要はしわやしみが増え、生理が止まり、体型が変わるにつれて「女としての魅力がなくなっていく」自分に自信をなくしやすい。今まで聴こえていたものが聴こえなくなってショックを受けるというシンプルなものではないことを頭に入れて、レポートを書き上げた。

★--- 進む多様化の中で---★

  新入院生に必修とされる月1の課外クラス「文化と言語のセミナー(Culture and Language Seminar)」が11月で最後になった。このセミナーは比較的新しいプログラムである。これまでろう社会のシンボルとされてきたギャロデット大学だが、近年多様化が急速に進んでいる。教育、コミュニケーション手段、補聴器・人工内耳を使う/使わないの選択など、さまざまな面で選択肢の幅が広がったことが強く影響しているそうだ。違う専門にいる院生と交流するいい機会でもある。それぞれの専門性がよく出ている意見を聞くこともできるし、専門は違っても取り組みの姿勢が似ているとなんだかつながりを感じることもできる。講義ではろう、難聴、聴こえる人それぞれの立場の解釈があり、勉強になった。講義のあとグループに分かれて話し合いをするのだが、特に手話学習者へのサポートについての議論が興味深かった。ある人は「自分たちの好きなテンポ、言葉で自由に会話ができない。聴こえる人はどこでも会話できるじゃないか。私たちの平和な生活を邪魔しないで」と言い、またある人は「日常的に交流することで手話が伸びる。その交流を拒んでしまったら、手話が中途半端な人が余計に増える。自分たちでろう社会を小さくしてしまっているのでは」と言う。教授によると、社会全体が個人化・多様化してきて、「手話を言語とみなすなら、話し言葉と同じように和製外国語として扱うのが筋なのでは? ろう文化があるというのなら、他の人種・文化の人と同じように障害年金なしにするのが筋なのでは?」という見方も出てきているらしい。

★--- 感謝祭@アーミッシュ村---★

  クラスメイトとのカウントダウンが終わり、いよいよ感謝祭を迎えた。今年は元上司の家族からのお誘いで、ヴァージニア州にあるアーミッシュ村(Amish Village)で過ごした。アーミッシュとは自然を信仰するドイツ系移民の宗教団体で、移民当時と変わらない農耕や牧畜による自給自足生活を保っている。


↑アーミッシュ村の風景(公式HPより転載:http://theamishvillage.net/)


  レストランでは、同じテーブルに座った見知らぬ人たちと同じ盛り皿を共有した。これがみんな家族と見なすアーミッシュ・スタイルなのだが、ふだん個人主義が強い人たちの中にいるのでなんだか新鮮だった。そのあとのぶらり観光では、田んぼと畑が広がる風景にとても癒された。


↑感謝祭のお料理と一緒に。


2011年11月生活記録 (4期生 川上恵)[2011年12月15日(木)]





   今月は、「談話分析」のクラスについて報告したい。このクラスは、社会言語学と深い関わりがある。今学期で学んだ内容は、目の視線、瞬きと手話表現の強弱などの区別、また男女のコミュニケーションの違いについても学んだ。一般的にコミュニケーションの場合、男性の場合は情報を提供するのが、女性の場合、同感を求めたスタイルが見られる。が、ろう者の場合、男女も同じだろうか。実際にキャンパス内の男女二人組を協力してもらって研究した。

   他に、教授の話によればクラスの中での講師の行動に特徴があるそうだ。例えば、ろう講師が日本と米国の違いを説明するときに、右側に立って、アメリカの立場の話をする、そして左側に立って日本の立場の話をする。講師が右側に再び立ったら、生徒は、自動的にアメリカの話に切り替わった事を理解できるので、講師もそのまま、立場を明確にしながら、話を続けられる。後日、同じクラスで盲ろう者通訳専門のろう教授を講師として来て頂いた時に、その教授も左右に移動しながら、ろう者と盲ろう者の立場の違いを説明しており、クラスの教授の話通りに、今回のろう講師も同じ動きをする事に気づき、ろう者の話し方に共通点がある事が分かった。今までは、手話のみに注目し、行動まで気づかなかったので、これからは、改めて手話のみならず行動も含め、全体を注意深く見るようにしたい。

  今学期間、学んで来た事は、すべて、手話通訳として読み取り技術に必要な知識となりえるものであろう。これはアメリカで学んだ事であるが、日本は、日本だけの特徴があると思う。皆さんも、ろう学校、ろう者講演会などで視聴しながら、「そう言えば、同じ行動する人が居たなぁ」「ああ、女性、もしくは男性だけしか使わない表現があるのだろう」などを思い当たることがあると思う。また手話を学んでいる人達も手話のみの学習だけでなく、全体も掴むようにしてみれば手話の魅力を発見すればするほど、学ぶ楽しみが、さらに増してくるであろう。毎日手話を使っている私でも、このクラスを通して奥深い手話の世界については、学ぶ事はまだまだ沢山あると実感した。
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