2019年2月生活記録 第10期生 辻功一[2019年03月08日(Fri)]
こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。
早いもので最後の学期も残り3ヶ月となりました。
今学期は教室で受けるクラスはBADM495の1クラスしかなく、1日の大半をChico Startという起業支援NPOのオフィスで過ごしています。
<Chico Startオフィス風景>
BADM 495 (Applied Strategic Decision Making)
「戦略的意思決定」
課題第一弾はこれまでに習った管理フレームワークを使用してAmazonの経営を分析し、改善すべき箇所を提案するというものでした。
おなじみSWOTを使った状況分析、STEEPでの環境分析、財務分析、競合分析とポジショニング、顧客分析とペルソナマッピング、業界の見通しとFlexons、VRINによるリソース分析など、アマゾン内部から外部一通り分析を行いました。
話は逸れますが、アメリカにはBest Buyという家電量販店(日本でのヤマダ電機みたいなポジショニング)があります。Amazonの躍進でBest Buyは破産したシアーズと同じ運命を辿りかけていたのですが、近年息を吹き返して売上高や株価が上昇しています。
なぜ復活できたのか調べてみると、なかなか面白い物語があります。
2012年、前CEOが辞任した当時は会社の雰囲気も最悪で、従業員のモチベーションも全く無い状態でした。多くの顧客はBest Buyで欲しい商品を実物チェックした後、Amazonでオンライン購入するといったことを繰り返してました。たしかにヤマダ電機もそんな感じでしたねー。
2012年にCEOに就任したHubert Jolyは最初に何をしたのかというと、数ヶ月Best Buyの各店舗で実際に働いたんですね。現場で働き、従業員と直接対話をして問題点を把握したわけです。
そしてそれらの対策を行うのと同時に、従業員割引プログラムを復活させ、従業員の研修に多額の投資をしました。これによって78%の従業員がBest Buyで働くことを友人に勧めるようになったそうです。
研修を受けたプロフェッショナルな従業員たちは、売り上げを追うのではなく、顧客との長期にわたる関係を築くことを意識して顧客に誠実なアドバイスすることを心がけたそうです。給与システムも売り上げノルマ形式ではなく年俸制にして、従業員にプレッシャーをかけないようにしました。家庭訪問し家電についてアドバイスするサービスも人気を博しました。
そうして、Best Buyは「小売業の黙示録」から逃れることに成功したのです。
昔から顧客とのエンゲージメントが重要と言われていますが、それを実現するためには、まず従業員とのエンゲージメントを築き、従業員が楽しくハッピーに仕事ができる環境を作らなければならないという至極当たり前のことをBest Buyは忠実に実現したわけですね。
MGMT 389K (Internship in Entrepreneurship and Small Business Management)
「起業家精神と中小企業管理のインターンシップ」
一応、インターンシップという形なのですが、ほとんど自身の事業計画に時間を費やしています。
Chico Startのオフィスで1日平均5時間位パソコンに向かっているのですが、日本での勤務時代を思い出して懐かしい気分に浸ってます。
以上です。
日本ASL協会から8,188km離れたチコ大学からの報告でした。
ありがとうございました。