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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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2018年5月生活記録 【第13期生 橋本重人】[2018年06月07日(Thu)]
 こんにちは、日本では梅雨入りしていて、蒸し暑くなっている頃でしょうか。ここでは全く雨が降りません。そのためか、先日まで緑色だったオーロニ大学の後景となる丘全体が、すっかり黄色に覆われています。秋学期からここを去る私は「もう緑色の丘は見られないのか」と寂しく感じます。

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(丘の上を散策した時の写真)

さて、春学期のクラスを全てパスすることができました。心からホッとしています。ということでオーロニ大学での回想を二回に分けて書きたいと思います。今回は、受講した3クラスの感想を書きます。

1.Grammar(文法クラス)
秋学期より続けての受講でした。担当の先生は丁寧に学生一人ひとりの答案用紙を添削をしてくださいました。秋学期では基本的な文法を学びましたが、春学期はさらに細かく、私の苦手分野である助動詞の使い分けについて学ぶことができました。日本にいた時には曖昧に理解していたことも、このクラスを通して学び、理解を深めることができました。アットホームな雰囲気で、受講生同士の関係も良いのが印象的でした。クラスを休んだりすると会った時に必ず「今日のクラスいなかったよね。大丈夫?」と気にかけてくれました。私にとって、リラックスしながら学ぶことのできたクラスでした。

2.Reading & Writing(読解・記述クラス)
読解と記述を学ぶクラスです。この春学期で一番苦労し、毎回緊張しながら受講したクラスでした。課題でのエッセーを書くにあたって意識するようになったことは、自分の意見を書くだけではなく、論述の根拠を文献やインターネット等から探して引用したり、文章を組み合わせて読み手が読みやすいかどうかを何回も推敲しながら作成することでした。担当のマーガレット先生は本当に厳しい方で、国際ろう学生であろうと他の聴学生であろうとその指導はまったくの平等でした。最初は、融通の効かない先生だなぁと苦い思いもしましたが、受講した5ヶ月で読解、記述ともに力がついてきたと感じている今、その先生に感謝でいっぱいです。
このクラスを受講したろう学生は同期の山田さんと私の二人だけでした。お互い情報交換したり、ポイントにズレがないかどうかを確認したりしました。長年ろう学生を指導している先生が言うには、やはりメインストリームクラスにいるろう学生はろう学生同士助け合いが多いそうです。山田さんはライバルであり、よき仲間でもありました。

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(左から私、担当のマーガレット先生、手話通訳のアンバーさん、同期の山田さん、手話通訳のバンスさん)特に、通訳のアンバーさんは本当に表情がとても豊かな方です。演劇の経験があると聞いたときはとても納得しました。

3.Deaf History(ろう歴史クラス)
毎週木曜の夜6時から9時10分までのクラスでした。担当がフリーモントろう学校の高等部で、実際に歴史を指導しているろうの先生です。秋学期のDeaf Cultureクラスや春学期の他のクラスで度々アメリカの歴史的人物や出来事を聞く機会があったのですが、それぞれを深く知ることはできませんでした。しかし、このクラスを通してそれぞれの出来事の理由、経過、結果を丁寧に学ぶことができました。例えば、「アメリカ手話の語幹は一般的に言われているようなフランス手話だけではない。他の国の手話からの影響もあり、全部で4種類の手話からアメリカ手話ができた」などです。また、アメリカのろう文化やろう運動の歴史についても知ることができ、とても充実したクラスでした。

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(担当のベア先生と。フリーモント聾学校の歴史博物館にて。)

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