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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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留学生活記録 2017年9月 第11期生 <牧谷 陽平>[2017年10月01日(Sun)]
夏休みも終わり、秋がやってきました。しかしまだまだ寒くなるのはあとになりそうです。
9月は10度前後になったり、30度になったりすることもあって、大学のあちこちで体調を崩したりインフルエンザにかかったりする人がいました。
私たちのMSSEにまでインフルエンザにかかった人もでました。しかも彼ら、マスクをせずに大学に来て勉強しているんですよ、、、
アメリカはインフルエンザにかかっても、自己責任になるので、日本みたいに取り繕ってはくれません。先生の中にもインフルエンザを欠席としてみなす人もいます。(ええかげんにせえよ)
なるべく柔軟に関わってくれる先生のクラスを履修することが大事ですね。でも私のクラスはクラスが1つしかないので、先生を選べません。

Temperature.JPG
<アメリカの天気予報です。キャスターが地図のど真ん中にドカドカと割り込んでしまい,
地図が全部見えなくなります。日本と反対ですね>



今学期で、クラスも最後になる(来年の春には教育実習をする)のですが、やり残したことの1つは、聴覚/耳の構造に関することです。

耳が聞こえないことはどういうことだろうか。

2つに分かれますが、伝音性難聴と感音性難聴のふたつあります。前者は骨の部分、後者は神経の部分が何らかの損傷を受けていることです。
例を挙げると、車のハンドルが欠けたり、ブレーキのペダルが曲がってしまって車を走らせることが多少難しくなるのが、伝音性難聴です。
車のハンドルではなく、内部の部品、例えばギアの歯が欠けたり、エンジンの部品が折れてしまったりして、自分でなんとかするのが難しくなるのが、感音性難聴です。
実際の生活では修理屋さんがいるのですが、耳の神経の場合は、神経を復活させる人が現在のところいません。

ろう者に対して、補聴器をつけたり人工内耳をつけたりする人はいるのですが、前者の場合は音がうまくキャッチできて脳に送られたら問題ないのです。しかし後者は音がうまく聞こえても,神経がその音をきちんとキャッチできず,脳に “変な” 音として送られるのです。

でも両者にとって目から入る情報は聞こえる人と同じです。しかし,聞こえる人は情報の90%を耳からキャッチしています。ろうは情報の90%を目からキャッチしています。そのため,ろう者は聞こえる人と異なった方法で日本語を学ばなければいけません。耳から入る情報はもちろん,音声日本語と異なる方法でなければなりません。その方法は,手話言語,または視覚日本語です。聞こえる人と異なる方法で学ぶのですが,そこにはかなり複雑で困難な言語のシステムがあります。それをきちんとろうの子どもたちに獲得させるには手指日本語,いわゆる日本語対応手話では不十分です。「明日 / は / 雨 / だから/ 傘 / を / 持って / 行って / ね」という日本語は,聞こえる子どもたちには19の音声が入りますが,ろうの子どもたちに手指日本語でいうと,彼らには45もの “音声” が入ることになります。これでは脳が疲れてしまい,言語を獲得することができません。そこで書記日本語と手話言語でなるべく情報を正確に,簡潔に伝達することが大事になります。でもその評価方法はどうしたらいいのでしょうか。ろうの子どもたちにある程度言葉を獲得させたのち,下のものを見せます。

LitAssess.PNG


生徒は,ひとつひとつの単語を読みながらそれを手話で表現します。 Get という言葉にはいろいろな意味を含んでいます。手話の表現が一つなら Sight の欄に “1” とかき,3つ手話で表現したら “3” と書きます。それを繰り返していって,単語の語彙数を確認するのです。そして次に文章力です。

LitAssess2.PNG


文章を読んでそれを手話で表現します。文章通り単語をそのまま読むのでも構いませんし,意味をつかんで手話で表現するのでも構いません。生徒が勝手に単語を追加,削除,繰り返しした数を数えます。その数に合わせて,生徒の学習レベルを判断します。大きく分けると
[1] 自力でできるレベル - 宿題を出しても問題ない
[2] 少し助けがいるレベル - 先生の力が少し必要になる
[3] 挫折するレベル - 宿題を出しても意味がない,宿題ができなくて当たり前
の段階になります。これを見極めて,言語の指導をしていくことが大事です。
ここで注意したいのは,
[1] さきほどの評価は,聞こえる先生だけでしてはいけない。手話が流暢なろうの先生を評価する人に含めなければいけません。
[2] 手指日本語でなく,手話言語で回答した場合は,日本語の単語を見落としたからといって減点してはいけません。手話言語として回答できていたらその問題は解けたことになります。

生徒の言語力を日本語だけで測るという方法のみでやるというのは昔のやり方です。手話言語のほうが生徒にとってより理解が高いのであれば,それを使って書記言語の力をあげることが大事になってきます。それゆえ,先生の手話の言語力も大事になってきます。

参考引用:
MSSE722 Educational Audiology and Spoken Language Development
MSSE728 Literacy and Deaf Adolescent
この記事のURL
http://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/1105
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