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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2018年1月生活記録 【第13期生 橋本重人】[2018年02月07日(Wed)]
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2月5日現在、ここフリーモントはすっかり春らしい雰囲気になりました。丘の上にあるオーロニ大学のふもとでは桜や菜の花などが満開となっています。新たなスタートの気分とともに春学期の5クラスを履修しています。

1月半ばに受検したTOEFLについては同期の山田さんが詳しく説明してくれているので、ここでは1月末から始まった春学期で履修しているクラスの紹介をしたいと思います。

1. Grammar(文法クラス)
2. Reading & Writing(読解・記述クラス)
3. Deaf Education(ろう教育クラス)
4. Deaf History(ろう歴史クラス)
5. Linguistics of ASL(ASL言語クラス)

1. Grammar(文法クラス)
秋学期より続けての受講となります。このクラスの先生の説明はとても分かりやすく、毎回の講義が終わるたび、学んだ文法を意識しながら英文を読み進められるようになり、英語に対する抵抗感が次第に減っていきました。パズルのピースをはめているかのように、面白く学んでいます。たった5名の受講生だった秋学期ですが、春学期では3倍以上の16名の受講生に増えました。

. Reading & Writing(読解・記述クラス)
読解と記述をともに学ぶことができるクラスです。まだ3回ほどしか受講していませんが、提示された課題についてグループで話し合い、エッセーを書く作業を進めるという流れで学んでいます。先生の意図は何か、文章のポイントは何かを考えながら進めているので、秋学期と比べてかなりハードな作業です。この春学期であらゆる面で上達できたらいいなと思います。いや、上達しないといけません。

3. Deaf Education(ろう教育クラス)
日本では10年間のろう学校の勤務経験がありますが、アメリカのろう学校やろう教育のシステムについて知りたい、また、秋学期でのフリーモントろう学校のボランティアを参考に学びたいと思い、受講を決めました。週に1回のクラスなので、講義の前に読んでおく論文の量が多く、1週間で60ページ以上も読み上げるという大変な準備が必要です。全て読み切るには時間がかかるため、ポイントだけを押さえて読み進めています。

4. Deaf History(ろう歴史クラス)
初めての夜間クラスです。夕方の6時から9時10分までです。担当がフリーモントろう学校の高等部で歴史を実際に指導しているろうの先生で、かなり気さくな方です。手話もかなりネイティブなので、読み取るのに苦労しますが、早く読み取れるように慣れていきたいです。ここでは、アメリカでのろうの人たちがどのように活動してきたのかを深く学ぶクラスです。この春学期で一番楽しみにしているクラスです。

5. Linguistics of ASL(ASL言語クラス)
私は渡米する前にJASS(日本ASL協会)が主催するクラスでアメリカ手話を2年間学び、日常会話として使ってきたのですが、言語として分析したことはありませんでした。どのように分析したらいいかを興味をもち始めました。また、アメリカ手話と英語との関係についての講義もあると聞き、受講することにしました。そのクラスの担当もろうの女性で、手話表現が穏やかで魅力的です。

今学期は秋学期と違ってさまざまなろうの先生と関わることができるチャンスです。残り半年のオーロニ大学でたくさんの収穫を得られたらと思っています。それでは、また来月!

2018年1月 生活記録 【第12期生 西 雄也】[2018年02月07日(Wed)]

春学期が開始し、気候や気温の激しい変化が長く続く中で体調を崩す者をちらほらと見かけます。自分は体調を崩すことなく過ごせておりますが、引き続き体調管理に気をつけていきます。

◆クラス
春学期は4つのクラスを履修することになりました。

・EDU 713 Language Acquisition and Cognitive Development (言語獲得と認知発達)
言語獲得のプロセスや概念はどこから来るのか。コミュニケーション能力はどのように身につけるのか。ろう者は生まれてから大人になるまで聴者と違って言語獲得のプロセスが違っています。それは聞こえないからではなく、周りや社会の状況によって言語獲得に制限があるということ。そして言語獲得の原理、概念や言語獲得における臨界期などを中心に学びながら議論を深めています。


・EDU 731 Home, School, and Community Collaboration for Diverse Learners
(多様な学習者のためのホーム、スクール、コミュニティコラボレーション)
 
現在、Multicultural (多文化、異文化共存)を中心に学んでいます。視野や見解を広げることなく、偏見はなぜ起きるのか。ステレオタイプ(固定概念を持って見る)の人の中には視野を広げることが難しいという問題例や現状からどのようにすれば良いのか。肌の色からの差別や不公平な状況が生じるのはなぜか。歴史やバックグラウンドなど分析しつつ議論を深めています。


・EDU 670 Teaching Students with Disabilities (障害のある学生への教育)
様々な障害のある人たちにとって良い教育とは、ということを文化的な見方を取り入れながら、学んでいます。
最近良い講義の内容があり、それはユニバーサルデザインの原理についてです。

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↑「Pants for everyone (みんなのためのズボン)」

一見見ると当たり前のように存在しますが、
実際、人の体型はそれぞれ違う。違って当たり前。そして、それぞれの人にあったデザインを考えます。

障害のある人も同じように、その人に合ったデザインを考えるとフェアなEquity となる。しかし、その行為が「してあげる、助けてあげる」というEquityとはまた異なった見方や考えを持つ者も出ます。

もし、細めの体型で背が低いのが当たり前で、そのサイズしかないという世界が存在する。もし、体格が大きめだったり、背が高めだったらその人はその服を着るのに問題が生じます。もし、周りの人に合わせるという視点だけで捉えると、ありえないことですが、その体型の人はもっと細くするのが良い、骨を削ったりして小さくするのが良いというのと同じように、
ろう者に置き換えると、口で喋れるのが良い、聞こえるほうが良い、聞こえる人と同じが普通という、ろう者という立場(民族的な)や現状に合った制度ではありません。

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合っていないと…
(パワーポイントの写真に注目)

体型における服装の面で、そのような不公平さがあまり生じていないのは、普段の生活で様々な体型の人をよくみかけることと人々が自然に認識しているからとも言えるでしょう。しかし、ろう者は少数派。聞こえないことや手話などに対してマイナスな面で認識している面が存在していること、違いを認めることは、その人の文化性、民族性を理解することが大切とも言えるでしょう。しかし、実際には解決していない問題が色々あります。根深い問題だと思ったものです。


・EDU 793 Field experience in Education (教育現場体験)
このクラスは、前学期の時に、今学期アメリカのろう学校での経験をしてみたいという要望や相談をしてみたところ、Model Secondary School for the Deaf (MSSD)で見学及び、アシスタントさせていただくことになっています。対象学年は高等部で、美術の授業に参加することになっています。
アメリカの美術の授業の進め方やデフアートの授業を見ることができるので楽しみにしています。

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↑Model Secondary School for the Deafの入り口

◆最後に
ほとんどのクラスにMulticultural (多文化、異文化共存)というワードがよく出ています。これは、違いを認めることについて繋がりのある内容なので興味深いです。またアメリカに生活し、様々な人と交流していると、問題があると、これがあれば〜ことができる。人はそれぞれ違っているから違いを尊重し理解する。そして、これをすればできる。という人によく出会うことがあります。日本では、問題があるとそれをなくすためにはどうしたら良いか。どうしたら周りと同じようにできるか。という傾向性 。このような違いを比較しながら体験できているのは良い経験になってます。
2018年1月生活記録 【第13期生 山田茉侑】[2018年02月05日(Mon)]
日本は大雪で大変だと伺っております。

こちらは雨続きの寒い冬が明け、透明な空に山並みの緑がくっきりと色濃く存在を示すようになりました。また、暖かい日々が続くようになり、次第にあちこち半袖で過ごす人を見かけるようになりました。
変化のはやさは、あっという間で、まるで脱ぎ捨てられた冬服のように、どこかに冬を置き忘れてきたかのようです。そして冬眠から目を覚ましたリスが新しい季節の訪れを告げ、それとともに新学期が始まり心踊る毎日を過ごしております。


今学期に受講するクラスの紹介は来月に報告させていただくとして、今月はTOEFLについて、いくつか情報をシェアしたいと思います。TOEFLの情報保障面、Readingオススメの教材、わたしなりの勉強方法(Reading)について紹介したいと思います。これからTOEFL受験が必要な方にとって、参考になれば幸いです。

◇情報保障について
実は、現地で情報保障に関する受験トラブルがあり、同期の橋本さんとともにテストをきちんと受けられませんでした。
TOEFL受験のための情報保障についてですが、障害者用配慮申込みをすることで、受験の際に以下のことが可能になります。
1) 受験時間が1.5倍に延長
(例えばReadingでしたら、全体で60分の場合→90分に延長できます。休憩時間は10分→30分に延長できます。)
2) ASL手話通訳者の派遣
(ただし、手話通訳者はテストルームには入れません。テストルームに入る前後の手続きのみの通訳になります。)

実は、そのほかに、テスト中情報保障が必要な場面が1つあります。
Writingの受験の際は2種類(Integrated EssayとIndependent Essay)エッセイを書くことになります。2種類のエッセイの点数によってWritingの点数が決まります。そのうちのIntegrated Essayは、最初にアカデミックな内容の英語長文を読み取り、その後に教授の講義を聞き取ってそれぞれの内容を要約して複合させる問題になります。
そうです、ここで教授の話す内容は、どのように情報保障されるのでしょうか。そもそもIntegrated Essay自体免除されるのでしょうか。配慮事項には記載されておりません。


結果から言いますと、パソコンのスクリーン上に講義内容が文面で出てきます。


ただし、配慮事項には記載されておりませんので、おそらくセンターの方や現場の監督官もどうやって情報保障が行われるのかを十分に理解してはいないだろうと思われます。

センターへの事前問い合わせで、Integrated Essayのリスニング部分はASL通訳の読み取りに置き換わるという認識で、当日現場に行きました。しかし、通訳者はテストルームに入れない決まりがあるということを試験直前に知った時は頭が真っ白になりました。
監督官がセンターの方と電話確認をしてくださった結果、聞こえないのだからIntegrated Essayは免除し、スコアにも反映しない(0点ではなく、HI: Hearing impairment と記入される)とおっしゃってくださりました。しかし・・・。

Integrated Essayは、読解→リスニング→Essay作成という流れで進行します。
読解の時に油断して文を読んでいませんでした。そして、リスニングが始まったとき、教授が講義をしている様子の写真が音声とともに出てきた・・・のではなく、スクリーンに講義内容が文面で出てきたの時の絶望具合は想像できますでしょうか。
合理的配慮がこの方法で行われ、TOEFLはその方法で評価するつもりだということを、テストの時間が刻々減ってゆく中初めて認識したのです。
人生でこの時ほど絶望したことはないというぐらい絶望しました。


「スコアには反映されません」という言葉への信用が揺らぎ、そして、今までのやり取りが全て現場判断だというまずい事態にあることに気づいたのです。

試験の途中で再度監督官と話し合いましたが、Integrated Essayをもう一度初めから受け直すことはできないとのことでした。そのため、結局Integrated Essayを受けないことに決めました。


後日結果がきましたが、Integrated Essayのスコアは当然しっかりと0点になっており、Independent Essayのスコアの足を引っ張っておりました(涙)。現在、この問題についてセンターの方とメールでやり取りをしております。

これからTOEFLを受けるみなさま、Integrated Essayのリスニング部分は「パソコンのスクリーン上に講義内容が文面で出てきます」ことを心に留めていただければと思います。
万全な体制で、全力を出し切れるよう健闘を祈っております!!



◇オススメの教材
Readingの勉強の際は、こちらのOfficial guide bookをお勧めいたします。ちなみに、各セッションオールマイティに取り上げられています。

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個人的にはそれぞれ青本、赤本と呼んでいました。
青本は、Readingの問題の種類の解説と、練習問題9問、模擬テスト3回分(3回分×3問で9つの長文問題)が入っており、かなりボリューミーです。しかも全部英語で書かれております。
ゲームをイメージしていただければと思いますが、ゲーム攻略のためには、装備や武器よりも、ガイドブックを持つことが、時には一番の武器になりますよね。もはやガイドブック=装備・武器。そういう本です。この本によって、TOEFLと戦うために必要な知識・戦略を身につけられます。
例えば、Readingの質問の種類は、Factual Information, Negative Factual Information, Inference・・・など計10種類あります。詳しくはOfficial guide bookの青本を読んでいただければと思います。それぞれの質問のパターンを覚えることで、今目の前で対峙している問題を解くためには、前後の文だけを重点的に読めばいいのか、段落全体を読めばいいのかがわかります。そういうことが青本でわかるようになります。

赤本は、実際に過去のテストで使われた問題を5回分集めた問題集です。全て解ききるのはかなりしんどいですが、テストに慣れるには一番いい本でした。この本のおかげで、同じような単語が使われていることにも気づきました。

また、青本赤本それぞれのWritingセッションには、Integrated EssayのDVDに収録されているリスニング内容が全て文章化されて記載されております。なので、Integrated Essayの練習にも適切だと思われます。


◇Readingの勉強方法
青本から赤本に移る時には、10種類の質問全てを頭に入れ、この問題はどの種類の質問なのかすぐにわかるようにしました。
そして、答え合わせの後は辞書を一切使わず、解説もすぐに読まず、じっと1問1問睨めっこしながらわからない単語だらけの中でどのように答えにたどり着けるのかを塾考しておりました(単語力がないため)。時には1問に何十分もかけることもありました。今までは辞書がないと英語長文を読むのも怖かったのですが、このやり方は単語の意味を推測するいい練習にもなり、辞書なし読解でも気持ち悪さが気にならなくなりました。解いてから全て答え合わせするまで大問1つに何時間もかかってしまいましたが、この勉強方法が合っていたようでした。授業でも、アカデミックな文章を1文1文丁寧に読む機会はあまりなかったので、なんとなく理解していた文構造をしっかり理解するためのいい機会にもなりました。
あくまでも1つの勉強方法として紹介いたしました。

TOEFLについてまだまだどうなるかはわかりませんが、とりあえずは一区切りついてほっとしております。それではまた翌月にお会いしましょう。

2018年1月生活記録 第10期生 辻功一[2018年02月05日(Mon)]

こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

ハックション!早くも花粉症の症候が出てきました。
ここチコでは緑豊かなためか、花粉も他の地域と比べてたくさん飛散しているような気がします。
挨拶が遅くなりましたが、本年もよろしくお願いいたします。

車窓
<ある列車の車窓から>

束の間の休暇を堪能したのち、1/22から春学期が始まりました。
今学期は以下の4クラスを受講します。

BADM 300 (Communication in Business)
「ビジネスコミュニケーション」
クラス名の通り、ビジネスにおいてのコミュニケーションスキルを磨くという目的です。
履歴書などの書き方からメールの書き方、対話やプレゼンテーションの仕方などを学ぶといった内容ですが、正直、学ぶものはほとんどないですね。必須教科なのでやむなくです。
このクラスに限らず、これまでチコ大学で受けた講義の約半数が一般教育やビジネスの初歩知識を学ぶというものでした。
意見は色々あると思いますが、僕のように短期大学卒である程度の勤務経験を積んだ上で留学を考えている方は、日本で学士号(いわゆるBAやBS)を取得してからの留学を強くお勧めします。

OSCM 306 (Operations Management)
「オペレーション・マネジメント(業務管理)」
生産戦略、サプライチェーン管理、在庫管理、予測、生産計画と管理、プロジェクト管理などといった業務全般における管理を学ぶといった内容です。

MGMT 456 (Entrepreneurial Analytics)
「起業のための分析論」
以前このブログでも書いたように、起業、そして事業活動にとって必要不可欠な知識は「法律」と「ファイナンス」ですが、ファイナンスには大きく3つの意味があり、「投資」「資金調達」「資金管理・分配」があります。特に起業家がリスクを最小限に抑え、迅速かつ合理的な意思決定を行うためには、目をつけた事業にお金をつぎ込むべきかどうかを判断する「投資」の力が必要になります。そこでこのクラスでは意思決定を行う際に使用するフレームワークと分析ツールを学ぶといった内容です。

MKTG 468 (Entrepreneurial Marketing)
「起業のためのマーケティング」
スタートアップのためのマーケティング講義。T-Bar (http://tbarchico.com/)というとても美味しいティーを提供しているチェーンカフェの創業者が講師で、より実践的なマーケティング論が聞けると今からワクワクしています。

以上です。
日本ASL協会から8,188km離れたチコ大学からの報告でした。
ありがとうございました。
2018年1月 留学生活記録 第11期生 <牧谷陽平>[2018年02月05日(Mon)]
前回の生活記録で、新春の挨拶をしていなかったのでここでさせていただきますね。




今年もよろしくお願いします


 
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<家の裏にある草原が雪原になったときのようす。これには癒されます>


 2018年になり、MSSEでの学期も最後になりました。最後の学期は教育実習と、卒業のまとめのクラスしかないのです。教育実習は,次のろう関係の体制が整っているところ(アメリカ国内, もしくは国民権を持っている国)のうちから2つ,それぞれ8週間以上の教育実習が必修となっています:
1. ろう学校
2. ろうのプログラムのある通常学級
3. 巡回教師 (ろう学校から通常の学級に, 専門性のある先生を派遣をしてサポートをする)
 一方で,私は4年間,ろう学校での経験があるため,2つの教育実習のうち1つが免除になりました。なので,春学期の半分はクラスがない,,,と言いたいところですが,この時間を有効に活用すると決めました。手話言語通訳学科のクラスをいくつかを聴講生として,教育実習が始まるまで,週9時間,手話言語通訳について学習すると決めました。

 
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<マイナス10度の世界。晴れていても風が強くて,1時間も外にいるのが大変です>



 今回はこのクラスの紹介をしますね。

INTP220 Discourse Analysis (対話分析)
対話分析のクラス。まずは一般的に “対話” とは何か,から始まりそれを分析するときに何が必要か,何が邪魔してくるのか,を学びました。初回のクラスでは先生が,
言語学は「美女と野獣」の野獣のように,見た目は恐ろしい,中身は美しい
対話は「グレムリン」のように,見た目はかわいいが,いったん扱い方を誤ると,中身が化け物になる
と例えたのが滑稽でした。また,先生の説明は例もたくさんあり,なかなか面白いです。

 
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<トロントの地下鉄はニューヨーク市の地下鉄と違ってきれいです>


INTP361 Interpreting: Elementary (手話言語通訳- 初等教育)
 このクラスは幼稚園から小学校までの通常学級における手話言語通訳者のことを学ぶクラスです。毎春学期に初等教育(幼小学校)と,中等教育(中高)通訳のクラスを交互に開講するクラスで,この春学期は初等教育の手話言語通訳のクラスが開講されていたので,それを学ぶことにしました。教育における手話言語通訳者は,ろうのための通訳ではなく,クラスのために手話言語通訳をするということです。ろうのために手話言語通訳をするというのが基本ですが,初等教育では子どもたちがろう以外の人は手話言語通訳者を見たことがないため,「あなたは誰?」となるので,手話言語通訳者は,自分の役割についてきちんとその場にいる人たちに理解を深めてもらうことが必要です。基本は手話言語通訳をするのが大事なのですが,この仕事をするのに必要なことは
• 手話言語通訳者は先生ではない。つまり成績をつけることは不可能
• 聞こえない人と聞こえる人とのコミュニケーションのアクセスを可能にする
• クラス,チームの一員をみんなに理解してもらう。つまり手話言語通訳者の仕事も考慮に入れたうえで,クラスの進め方も考えていく
などといったことです。これをみんなに理解してもらいながら,手話言語通訳の仕事をこなしていくのが大事になりますね。もっと視野を広げて言うと,手話言語通訳はろうのためではなく,聞こえる人も含めた,交流の場のための仕事だと言えますね。

 
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<年始にトロントへ行ったときの夕食。この日は50年ぶりの大寒波が直撃してマイナス20度に
なりました。鍋が暖かくておいしかったです>


INTP460 Issues in Interpreting (手話言語通訳の課題)
 このクラスは手話言語通訳の現状の課題を調査するクラスです。昨年春学期に調査のクラスを受けたのですが,先生が聞こえる人なのか,英語の色がかなり強く,しかも説明が専門的でなかなか理解できませんでした。この機会に少しでも調査とは何か,調査の方法を少しでも理解するために学習することに決めました。今回の最大の収穫は,Gallaudet 大学がある調査の本のアメリカ手話言語版を作っているということでした。英語で本を作ってばかりいては,ろうのためにはならなく,手話言語が英語と対等にならないということで,手話言語版のものを作ることも重要になってきます。日本もこれからは日本語だけでなく手話言語のものも作ることが必須になります。

2月は卒業のまとめや仕上げを終わらせて,3月には教育実習に行くので,万全な状態で教育実習ができるよう,準備してきます。
2018年1月生活記録 12期生 福島愛未[2018年02月04日(Sun)]
お久しぶりです。12期生の福島です。

約半年の休学の間、リハビリを続けたことで事故の後遺症は良くなり、日常生活も随分と楽になりました。
また、リハビリ以外にもインターンシップや日本のろう建築家の方にお会いするなど様々な経験を積むことができました。

万全の準備を終えて向かった先は・・・
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Gallaudet Universityです!


ついに念願のGallaudet UniversityにInternational Special Student Programの学生として入学することができました。


世界でこの大学でしか学べないDeaf Space Designを、これからの1年でしっかりと学びたいと思います。


今学期は

■Public Presentations (パブリックプレゼンテーション)
■Deaf Culture(ろう文化)
■Entrepreneur(起業家)
■Independent Study (自由研究)

の4つのクラスを受講します。

今学期はもともと、Deaf Spaceに関する講義がなく、途方にくれていたのですが、Deaf Studiesの先生に相談したところ、特別にIndependent StudyとしてマンツーマンでDeaf Spaceを指導してもらうことが決まりました!

突然来た留学生にも、このような機会を与えるところは、さすがアメリカだなと感動しました。

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この教室でDeaf Spaceを学んでいます。


またふらっと立ち寄ったレストランやコーヒーストアなど、様々な場所でDeaf Spaceの関係者やろう建築家に出会うことができました。DC・Gallaudet UniversityはDeaf Spaceを学ぶにももってこいの場所です!
これから1年間、貪欲にDeaf Spaceを学びます!



次のブログで、クラスの詳細をお伝えしたいと思います。
では皆さん、また来月星2
第11回留学生帰国報告会、開催[2018年01月11日(Thu)]
第11回留学奨学生帰国報告会、開催

去る1月6日(土)、W(ダブル)山本、10期生 山本綾乃さんと11期生 山本芙由美さんの2名の帰国奨学生の報告会を実施しました。
直前に会場および時間変更があったにも関わらず、会場となった東京都障害者福祉会館(三田)には80名を超える参加者が集まり、午後2時〜6時、報告会と交流会で盛り上がりました。

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落ち着いた司会を見せた川口7期生

帰国報告@山本綾乃(第10期生)
「IEP(個別の教育プログラム)〜チーム支援体制とは〜」
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「ろう教育に関わる活動を続けていきたい」

帰国報告A山本芙由美(第11期生)
「ろうLGBTQをインターセクショナリティの視点で考える」
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「包括的な支援を」

●交流会は、「仲間さがしゲーム」でスタート
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会話しやすい環境を作り出そうと川俣5期生の発案で、全員でゲーム。
お題に当てはまる仲間を探してグループを作ります。
お題:出身地方ごとに分かれよ
「どこ?」「東北?」「大阪だよ」「関東の人、この指とまれ〜」
その後お題は、海外へ行ったこと、目的…と進む。意気投合した人が見つかったかな?!


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報告会当日、会場で一緒に盛り上げてくれた奨学生たち
(前列中央左から)今回の報告者の山本綾乃10期生、山本芙由美11期生
(報告者を囲んで後列左から)福田9期生、山田13期生、武田4期生、太田1期生、川口7期生、中川7期生、川俣5期生、管野3期生(手前)

事前準備では、ここにいる以外の同窓会メンバーも協力してくれました。
今年も同窓会の連携の取れた強力なバックアップにより、無事に終了。
お疲れさま&協力、ありがとうございました。

参加してくださったみなさま、ありがとうございました
今後とも、ご支援のほど、よろしくお願いします。


事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 16:54 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
2017年12月生活記録 第10期生 辻功一[2018年01月07日(Sun)]

こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

落ち葉もだいぶ減ってきて一層寒くなってきました。
あくまでも私見ですが、アメリカ人はあまり省エネを気にしていなくて夏は冷蔵庫?冬は常夏のビーチ?と思うくらい冷暖房ガンガン効かせるんですよね。僕のアパートも結構寒くなってきましたが、窓を全て気泡緩衝材(いわゆるプチプチ)で覆って寒さをしのいでます。おかげでまだ暖房の出番はありません。ちゃんと採光もできるし、結構使えますよ、プチプチ。

さて、北風が落ち葉を吹き飛ばすかのように、チコでの3年目の秋学期はみるみるうちに去って行きました。

BLAW 415 (Entrepreneurship Law)
「起業家のための法律」
主にコモン・ロー、統一商事法典、国際物品売買契約下の各種法律についてケーススタディを取り入れながら学んでいきました。あまりにもたくさんの法律があるのと、グレーな部分が多く、理解に非常に難儀しました。やはり法律関係は語学力がすごく肝心なので、自分自身、ちゃんと身についたかというと微妙な感じもしますが、それでも基本的な部分はざっくりと理解できたかなと思ってます。起業家にとって最も大事な知識は「法律」と「ファイナンス」だと改めて感じています。

MGMT 451 (Business Plan Development and Financing)
「ビジネスプランの策定と資金調達」
前学期から進めているビジネスプランをさらに詰めていくという条件で、引き続きこのクラスでも同じアイデアでビジネスプランを作成しました。ビジネスの成功への近道にはニッチを見つけることやバリューチェーンを再構築するという方法がありますが、いざビジネスプランを作成しようとするとデータ集めに苦労することがよくあります。それも当然で前例がほとんどないからなんですね。そういう時は近い業界やライバルを仮定して、自分なりに数字を割り出しますが、そこで気をつけなければならないのは厳しい目で見て慎重に計算するべきだということです。起業のよくある失敗例に、はやる気持ちを抑えきれずこの見積もりを過大評価してしまうそうです。

MGMT 452 (Launching and Managing the New Ventures)
「ベンチャーの立ち上げと管理」
教授がかなりのワイン通でワイン業界に精通していることから、このクラスでは主にワイナリーの経営を通して、どのようにベンチャーを立ち上げ、そして成長させるかをロジカル的に学びました。よくブルーオーシャンを見つけ出して利益率の高いビジネスをすることが成功への近道と言われていますが、楽に参入でき競争のない業界などはもはや残っていないという現実ではニッチや代替サービスの開発、バリューチェーンの再構築にフォーカスするべきであるなど、そういった内容でした。

秋学期終了後は1/22からの春学期までの束の間の冬休みに入ります。

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<夕暮れの房総の海>

ここで唐の王建による詩「冬至後招於秀才」を持ち出してみます。

日近山紅暖氣新、
一陽先入御溝春。
聞阯ァ馬重來此、
沐浴明年稱意身。

冬の到来は来年の春に向けて英気を養う時期でもあります。

以上です。
日本ASL協会から8,188km離れたチコ大学からの報告でした。
ありがとうございました。
2017年12月生活記録 【第13期生 山田茉侑】[2018年01月07日(Sun)]
新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。


12月のビッグイベントといえば、学期末試験です。
それまで、中間試験があれば、中間試験までの範囲は学期末試験に含まれないイメージがありました。しかし、中間試験があったにもかかわらず、ドドンと9月から学んで来たこと全てが範囲に含まれました。なので、ヒィヒィ言いながら、毎晩友達と遅くまでスタバにこもっておりました。

家に帰ると

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一晩中暖房であったかい家と、いろんな色のネオンがきらめくクリスマスツリーが「お帰りなさい」と迎えてくれます。奥の煙突のところには、子どもたちが目を輝かせながら吊るした大きな靴下が見えます。とても心温まる家です。



ADAプロジェクトについて
10月の生活記録で、デフカルチャークラスのホームワークに「ADAプロジェクト」なるものがあると触れたかと思います。今回はADAプロジェクトで取り組んだことについて報告したいと思います。ADAプロジェクトとは、企業や政府がADA法を理解しているかどうか、内実を調査するホームワークです。ADA法の詳細については、今月の橋本さんのブログを参照くださればと思います。

わたしは、旅行が大好きで、よくあちこちに行きます。その時に、手話通訳付きのツアー会社があれば、と思うことがあります。なので、今回はアメリカのツアー会社数社の合理的配慮に対する理解の内実を調査しました。今回は、アンテロープ・キャニオンと自然公園ヨセミテのツアー会社に焦点を当てました。全てのやり取りは、メールで行いました。

まず、「ろう」であること、ツアーを利用したいこと、ASL通訳の派遣をお願いしたいことを、最初のメールで伝えました。

結果
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具体的な話にまで進むことができたC社と、他の合理的配慮の提案をしてくださったF社以外の対応は、ADA法に抵触します。担任の先生と話し合って気づきましたが、B社は通訳派遣のコスト面を考えて、政府が提供しているろう者ガイドを紹介することで遠回りにツアー参加を断っているのでは、という見方もできます。E社は、メールの返答をしないことで、関わりを持たないようにしているのでは、という見方もできます。

また、ASL通訳派遣の難しさは、土地の周辺環境や企業の規模によるのだと改めて感じました。アンテロープ・キャニオンは、僻地にあるため、周辺地域に手話通訳の派遣を行なっているところはなく、遠地から派遣をお願いすることになるそうです。その距離、車で数時間…。2時間の通訳のために、往復何時間もかけて通訳を派遣することになるため、ASL通訳の派遣は現実的な話として難しくなります。なので、他の合理的配慮を模索することになるかと思います。また、C社のような大企業を除く個人企業は、費用の面でASL通訳の派遣に前向きではありません。こちらは、英語をネイティブのように読めないという事情もありますので、お互いに気持ちよくサービスを利用するためにどう折り合いをつけるか、永遠の課題です。

アメリカのADA法は素晴らしいです。しかし法律の認知度と理解度はまだまだ社会に普及していません。ASL通訳の派遣が可能かどうかはさておき、上図からも分かるように、各社の対応は温度差があります。これは多様な人を前にして、どのような合理的配慮を提供出来るかを1度でも考え検討したことがあるかないかの差になると思います。当事者であるろう者が、積極的にサービスを利用し声をあげ、合理的配慮について社会が考える機会を積極的に作る事が大切になる、と先生はこのADAプロジェクトで伝えたかったのだと思います。
ちなみに、ADA法は、アメリカにいるろう者全てに適応されます。各国からの観光客も含まれます。つまり、ショッピングをすることでお金を使う、ならば観光者や留学生でもADA法の対象者になります。ぜひアメリカの内実を知るためにも、どこかでADA法を活用してみていただければと思います。

補足
じつは、アメリカのNational parkは政府の管轄下のため、無料の手話ガイドを政府が提供しております。ヨセミテもその例に漏れないそうです。詳しくは以下のサイトを参照くださればと思います。
(Yosemite Deaf Services :
https://www.nps.gov/yose/planyourvisit/deafservices.htm

一方、アンテロープ・キャニオンはネイティブアメリカンが管轄する土地のため、National Parkではありません。そのため、政府の無料ガイドの提供はありません。
2017年12月生活記録 【第13期生 橋本重人[2018年01月07日(Sun)]

     新年明けました。今年もよろしくお願いします。

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             ↑Twin peaksの頂上からのサンフランシスコ市内

12月中旬にFinal test(期末テスト)をなんとかすべてパスすることができ、秋学期が無事終わりました。直後は脱力感が半端なく、やはりアメリカの大学は日本と違って課題が多く大変だと痛感しました。

今回はDeaf Culture(デフカルチャークラス)で10月から2ヶ月間、ADAプロジェクトとして取り組んだことを報告したいと思います。ADA(Americans with Disabilities Act)とは「障害をもつアメリカ国民法」あるいは「米国障害者差別禁止法」として日本語訳されている法律で、かいつまんでいうと「障害のある人への差別を排除する包括的な法律」で、日本でいうところの「障害者差別解消法」にあたるものです。詳しくは同期の山田さんの生活記録10月に記載がありますので、参照してみてください。

私はサンフランシスコにある路線バスについて、ADAに準拠した運用がされているかどうかの調査を行いました。日本の路線バスでは、次の停留所に着く直前に車内の液晶表示板にその名前が表示され、降りたい人は近くにある降車ボタンを押して降りることを伝えるというシステムですよね。しかしながら、私が住んでいるフリーモントの路線バスでは表示板はあるものの、全く機能していない状態です。では、どうやって降車のタイミングを見計らうかというと、Googleマップを頼りにします。スマートフォンにGoogleマップという地図アプリをダウンロードし、その地図を確認しながら降りるのです。なかなか地図が覚えられない、読めない人にとっては大変なことです。なぜその情報保障を行わないのかを知りたく、路線バスについて調査をすることにしました。

それぞれの地域のバス会社3社に問い合わせメールをしたところ、2社から返信がありました。

1社目は非常にそっけない返事でした。「ADAがあるのは知っているけど、あなたは目が見えるから自力で確認してください」とぴしゃり言われ、その対応にびっくりしました。
バスがよく利用される地域での運行がある2社目は、とても丁寧な対応でした。「分からなかったのは、どのバスですか?番号は分かりますか?」と逆に質問されたり「いい情報があります。来年の1月に少しずつですが、新しいシステムが入ってきます。正確にバス停の名前が表示されるようになります。」と情報を教えたりしてくれました。
私が住んでいる町にある3社目は数回催促メールをしましたが、全く返事がありませんでした。

調査の結果を担当の先生と話し合って気づいたことは、地域に関係があるということです。ろう者がバスをあまり利用しない地域では対応が芳しくなく、都会など毎日のようにバスを利用するところでは対応が丁寧でした。そこには杖をついた人、車椅子の利用者など多様な人々が住んでいて、これまで様々な要求をしてきたであろうことから、会社も知識としての蓄積があり、迅速に対応をしてくれるのでしょう。確に、私が住んでいる町で地元のろう者がバスを利用するのをあまり見かけません。私の知っている限り、そこに住んでいるろう者のほとんどは自家用車で移動しています。

ADAがあると言っても当事者が集まって声を上げない限り対応してくれないこともあるのだということが分かりました。そういう現実もあるのだということを担当の先生は知って欲しかったそうです。理不尽なことがあったら、そのままにするのではなくなぜそう感じたかの気持ちを説明する、また、どのように配慮をして欲しいか具体的にイメージすることも大切ですね。
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