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聴覚障害者留学

 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子などをお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。


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2008年4月 生活記録(第2期生 高山 亨太) [2008年05月16日(金)]
アメリカスクールソーシャルワーク協会
4月は最終レポートをこなしたり、学会に参加したりするなど今学期で一番忙しい月間でもあった。特に4月3日から6日までコロラド州のデンバーにて開催されたアメリカスクールソーシャルワーク協会の学会に参加したことは、自分にとって貴重な経験でもあり、初めてのアメリカの学会デビューとなった。アメリカには、ソーシャルワーカーが加入している世界でもトップレベルの専門職能団体として知られている全米ソーシャルワーカー協会(National Association of Social Workers: NASW)があるが、アメリカスクールソーシャルワーク協会(School Social Work Association of America: SSWAA)は、主に学校教育現場で子どもや家族に対するカウンセリングも含めたソーシャルワークサービスを提供しているスクールソーシャルワーカーが加入、運営している。また全米ソーシャルワーカー協会と方針が異なるのは、ソーシャルワーカーではなくソーシャルワークを協会名に取り入れている部分である。全米ソーシャルワーカー協会への加入条件が基本的にソーシャルワーク修士号(Master of Social Work)を取得していることを重視していることに対して、アメリカスクールソーシャルワーク協会は、ソーシャルワーカーのためだけの協会ではなく、子どもを中心に考えるためのスクールソーシャルワークの研究や実践すなわち専門職ではなく専門的援助技術が重要と考えているのである。アメリカスクールソーシャルワーク協会の学会では4日間にわたって、学校現場における各種問題への対応や支援策に関するワークショップや発表、さらに政策レベルでの協会の取り組みについて知ることができた。ワークショップは、学校現場におけるメンタルヘルス支援、実証型ソーシャルワーク(Evidence-based social work)、ゲイやレスビアンなどのジェンダー問題などを学ぶことができた。
夜は、もちろんクラスメイトとバーに行って、飲み明かしたりするなど次の日の予定を考えずに楽しんだ。次の日の学会ではどうしても眠たくて仕方なかった。

学期末の状況
4月はクラスの最終レポートなどがあり、忙しくしていたが政策、地域、組織レベルでの分析方法を有意義に学ぶことができた。また5月には3日間に渡る進級テストが控えているため、その準備にも追われた。もちろん、インターンシップの最終日が控えているため、実習先に提出する宿題や担当ケースのフォローアップのための裁判所へのレポートの作成などもこなさねばならず、大変な日々であった。しかし、4月24日にインターンシップ先にて、ソーシャルワーカーを対象としたろう、難聴者への支援方法関するワークショップを開催した。現在、ろう・難聴のクライエントと働いている、もしくは、ろう・難聴について知らないソーシャルワーカーを対象に3時間のワークショップを開催することができた。企画、アウトライン、シラバスなどを作成し、当日の講師はGallaudet Universityの教員とともに担当した。当日は、定員近くの10名の参加が得られ、小人数での内容の濃い講義ができ、貴重な経験をした。このワークショップをきっかけに児童福祉領域でのろう、難聴者への政策面を含むサポートに興味を持っていただいたソーシャルワーカーもおり、1年間に渡るインターンシップの成果が反映されたと感じることのできた充実した1日であった。このような講義やワークショップを帰国後に開催できたらと感じた経験であった。

桜祭り
ワシントンD.C.では、毎年4月になると日米交流のシンボルであるさくら祭りが開催される。2年目の留学にて初めてさくら祭りに参加することができた。当日はパレードやたくさんの日本食を中心にアジア系の屋台が多く並び、久々に日本食を楽しむことができた。

進級テスト
5月は進級のための総テストが3日間に渡って実施されるので、それに向けて可能な限り準備をしていきたいと思っている。進級テストの目的は、1年間習ったソーシャルワークの基礎知識を測り、2年次に進級できるかを審査することが目的となっている。おそらく研究者養成が目的ではないので、修士論文がなく、日本でも話題になっているらしい専門職課程大学院として専門職の知識やスキルを重視しているのだろう。テストの内容は、1つのケース(聴覚障害も関わっている)に今まで習ってきた5つの基礎クラスである人間行動と社会環境(Human Behavior and Social Environment)、ソーシャルワーク理論(Social Work Practice)、インターンシップ(Foundation Field)、社会福祉政策(Social Work Policy)、リサーチ(Research)の知識や観点からどのように援助したらいいのかを回答する。5つのクラスから設問があり、3日間の期限内に15ページのレポートを書く形式となっている。テストはAPAという厳格な論文形式で書かなければならなく、違反した場合には即刻不合格となるようである。基本的にフォントはTime new roman、文字の大きさは、12ポイント、行間は2ポイントとなっている。そのほかにもいろいろな細かい決まりがあり、多くの留学生が第一にぶつかる壁といっても過言ではないだろう。これまでのクラスでのレポートもAPAで提出している。アメリカの学会誌や専門書は基本的にAPA形式となっており、この1年間を通じて、APAの書き方をさらに深く知ることができたことは、今後に大いに役立つだろう。進級テストに、一発で合格できるよう気を引き締めていきたい。
2008年 4月生活記録 富田 望 [2008年05月14日(水)]
2008年4月 生活報告 富田 望


 桜が比較的多く見られるフリーモントでは、もう桜が咲き、中間テストも終わったせいか、どことなく落ち着いた、懐かしい空気が漂っています。

感動したこと
 最近、感動した事があったので、それについて書きたいとおもいます。英語教授がTeaching the would English Conferenceに参加した際に、色々と資料を集めてくれたということで、私が教授のオフィスルームにお邪魔をしていた時の事でした。
 英語クラスで一緒に受講したことのある一人の学生が部屋に入ってきて、今秋から編入することになったと報告しにきました。普通ならば、先約で来ている私の立場を優先するべき状況なのですが、嬉しさでそこまで気が回らなかったのでしょう。「先生はいつも僕を助けてくれたから、編入できた」と感謝の気持ちを述べ始めました。
 教授はといえば、一部始終まで穏やかな目で、その学生を見つめていました。その目はどことなく優しく、嬉しそうでした。彼が去ったあと、教授は私の方に向き直って『ほら、ごらん。彼の目を見たでしょう、今の彼は初めにここに入学して来た時とは全く違う。全く別人だわ。』とおっしゃいました。偶然にも、彼が入ってくる前、話し合っていたのが「ろう者が英語を学ぶ時に、興味を喚起、補助する教材として何が一番適切か?」というテーマでした。というのも、学習者に教育者が「これを学べ、あれを学べ」といっても効果はない、一番大切なのは本人の学習意欲だという話から、この話し合いに発展したのです。
 ともかく、このような出来事があって、私は彼が去る間際の行動、言葉を思いだしていました。彼は去る時にも、私の方「君はいつも僕によくしてくれた。これからは逢えなくなるね。最後にいやじゃなかったら、ハグしてもいいかい?」とも言いました。初めて出会った時の彼の印象、ことば、行動からは考えられないことで、すごく、私の心に残っています。
 この出来事を通して、良い教育環境に恵まれなかった聾者が、第一言語の習得に多くの問題を抱えていること、そして、その問題は本人の姿勢、教育、生活などの社会的な立場にも影響を与えるということを実感したのでした。どんな問題があったとしても、人間は希望をもつことによって、変われるのだということも。教育者はその助け、機会を与えることのできる仕事だとも思いました。

今後の指針
 これから最終テストがはじまり、これからが正念場になってくる。春学期の経験もあって、前よりは余裕をもって試験に挑む事が出来ると思う。良い成績を残せるように頑張っていきたい。
Posted by 富田 望 at 10:05 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
2008年4月生活記録 (第3期生 管野 奈津美) [2008年05月13日(火)]
● はじめに
早いものでもう5月に入り、ついに春学期が終わった。先週、日本にいる家族や友達から今GWだというメールがきて、こちらにはGWがないのでなんだか変な気分であった。

● クラスの様子
早いもので先週春学期が終わり、4月は期末テストやプレゼンテーションの準備に追われた。

English
週に1回、エッセイを書いて提出するというスローペースでのんびりとしたクラスであった。最後に今まで書いてきたエッセイの中から自分で優れていると思うものを3つ提出して終わった。毎回行われた語彙テストとエッセイで成績を評価するということで最終テストがなく、その代わりにパートナーを組んでお互いのストーリーをPhoto storyという写真を使って動画を作れるソフトを使って発表するという課題が出された。クラスメイト達は主に家族の紹介や今まで経験してきたことなどを発表していた。私は、成人式の着物や大学の卒業式の袴姿の写真を紹介し、日本の着物や浴衣について説明した。また、クラスメイトがプロム(卒業式パーティー)の写真などを見せてくれて、色々話が盛り上がった。最後に先生が奥さんの手作りのお菓子を配ってくれて、皆で食べておしゃべりしながらとほんわかとした雰囲気で終わった。

Deaf Culture
最終プレゼンテーションのテーマは「Deaf Cultureとは何か?」であった。私自身、ろう文化とは何かと深く考えたことがなかったので、とても良い機会であった。アメリカにきて、カルチャーショックを受けたのはアメリカの方の文化であってろう文化ではなかったように思う。アメリカと日本のろう文化はあまり変わらないような気がした。もちろん手話も異なるが、強いて言えば、日本ではアメリカで言うサインネームの概念がなく、名前の漢字に従って作ったものが多いということと、アメリカと比べて指文字をそんなに使わないということをプレゼンテーションで発表した。他のクラスメイトがアメリカのろう文化とインターナショナルのろう文化の違いについてインタビューしたというビデオを発表したが、どのインターナショナルの学生も、「どんなに長くいても、アメリカの指文字は早くて読み取れない」と言っていたのが印象的だった。

Deaf Art
最終プレゼンテーションのテーマは「デフアーティストのタイムライン」であった。デフアーティストがどのように育って、どんな影響を受けてデフアートを始めたのか詳しく調べてほしいということだった。そこで、日本人のクラスメイトと話し合い、日本のデフアーティストについて調べたところ、「Deaf」をテーマに活躍しているアーティストは一人だけだったので、その人にコンタクトを取ってみたところ、快くインタビューを承諾して下さり、メールのやり取りをした。乗富秀人さんである。北海道在住の画家で、元々は風景画を中心に制作しており、様々な賞をとるほどの実力派だったが、数年前にろうの息子が生まれたのをきっかけに「Deaf」をテーマにした作品を作り始めた。
(作品を載せたホームページもありますので、ぜひご覧になって下さい。ご本人の許可をとってあります。http://www17.ocn.ne.jp/〜deafart/index.html )
本当にインタビューに丁寧に答えて下さったおかげで、充実したパワーポイントを作れた。プレゼンテーションはとても好評でクラスの先生が「遠い日本にも同じような思想を持って活躍しているデフアーティストがいて感動した。」とおっしゃっていた。クラスの先生もアメリカで有名なデフアーティストである。「君たちが日本に帰ったらアメリカのDe’VIAを伝えてほしい。デフアーティストたちのグループを作って、日本なりのDe’VIAを展開させてほしい。」と激励のメッセージを頂いた。デフアートについて学べるクラスは世界でただ一つGallaudet Universityだけなので、このクラスを受講できて本当に幸運なのだと感じた。

Ceramic(陶芸)
秋学期、春学期と続けてクラスをとってきたおかげか、様々な作品を作れるようになった。釉薬もカラフルでどう色を組み合わせるのかとても楽しい。大好きな陶芸のクラスの先生が、今学期で退官されるので、とても寂しい限りだ。本当にアメリカに着いた時からずっとお世話になっていて、バイトやインターンシップも紹介してくれた先生でどんな時でも「あなたにとっていい経験になるでしょうから」といつも助けて頂いた。私がいた日本の大学はいつでも制作室を開放していたが、Gallaudet Universityでは盗難などの問題で、Lab Assistantというバイト(監視者)がいる間だけ開放するというシステムになっている。そのため、本来なら夏休みの間は制作室が閉まるのだが、もし制作したいのなら特別に開けられるように頼んでみると学科側と交渉して下さったりと本当に理解のある先生である。とても寂しいが、この1年この先生のもとで学んだことは一生忘れないだろう。

●最後に
春学期が終わり、今週から8月まで長い夏休みである。あまりにも長い夏休みでどうしようか悩むが、夏期やインターンシップ、そして旅行などで有効に使っていきたい。
5期生募集開始 [2008年05月04日(日)]
平成20(2008)年度 第5期留学奨学生募集開始

昨日(4/30)より、日本ASL協会ホームページ http://www.npojass.org  上で第5期生の募集要項を公開(ダウンロード可能)しました。


応募締め切り日は、9月6日(土)午後6時必着です。

6月に説明会を開催しますので、詳細については、当協会ホームページまたはこのブログ
でのご案内をお読み下さい。詳細が分り次第掲載します。


今年も多くの方にご応募いただきたくお待ちしております。


事業責任者 野崎





3月生活記録 【第2期性 谷口】 [2008年04月26日(土)]
3月生活記録
今まで寒さがまだ続き、春が到来するのは程遠いだろうと思ったが、3月末にようやく日米友好のシンボルである桜のつぼみがいくつか膨らんできて、春の息吹を感じ始めた。

■インターンシップ
今月はReadingに重きを置き、毎回クラスで2−3本の物語を初めに生徒たちが自力で読み、理解した後にそれぞれそれらの物語をASLで表現するという訓練を行ってきた。また1本の物語を読んだ上でASLで物語り、それをビデオにして送るという課題を生徒たちは毎回している。その成果があってこそ、以前とは比較できないほど生徒たちの英語力が向上してきた。英語力を高めるためには読書が基本となるということをこのクラスから学んだ。
また、中にはASLをまだ身についていない生徒もいるが、その生徒とのコミュニケーションがうまく取れない。その生徒に対してどう教えるかということが今の私の悩みの種である。英語もASLもまだ習得していないなら、まずASLを先に覚えさせるべきなのだろうか、というのが今の私の考えである。

■Model Secondary School for the Deaf(MSSD)■
ギャロデット大学内にあり、目の前にあるにも関わらず訪問する機会がなかったが、ついにMSSDを見学する時がやってきた。まず感じたことは、生徒たちが自由に勉強しかつ運動に励んでおられ、また教師たちも生徒を同等に扱っていたことである。教師たち全員、ASLを使いこなせる程度の能力を持っておられ、生徒たちの持っているろう文化を尊重できる環境が整備されていることに感心した。寮も見学したが、日本と同じくルールがあり、例えば外出の制限時間や部屋を清潔にしないと外出できないというルールもあるという。このろう学校は留学生の入学に関してはその学生の家族がアメリカに在住しない限り認められないが、その学生を責任もって保護できるアメリカ在住の人がいれば承認できるそうだ。

■フロリダ旅行■
まずギャロデットから約12時間のドライブで1996年夏のオリンピック開催地だったアトランタに到着したが、市街の道路やホテルなどが非常に荒れていた。一体何が起きたのか、ホテルの窓が割れており屋根の一部も欠けていたので爆弾でも投下されたのではないかと不安になったが、ギャロデット大学の友人から「ニュースを見ているが、アトランタにハリケーン発生したらしいけど大丈夫?」とメールが来たことで事実を知った。もし一足早く着いていたら、ハリケーンに巻き込まれたことになっていたかもしれない。初めてハリケーンの偉大な力を知った。
次にオーランドに向かい、初めて本場のディズニーランドを見たが、2日間では足りない位予想以上に面積が広かったことに驚嘆した。いくつかの乗り物は東京ディズニーランドと全く同じだったが、色々なイベントがありそれなりに楽しむことができた。オーランドの最後の夜にユニバーサルスタジオを一目で見てみたいということで、そこに寄って一周した後に徹夜しながらマイアミに向かった。マイアミに到着したのは夜明け4時くらいだったが、思ったより暖かく本当にマイアミは熱帯モンスーン気候だと初めて実感したこの時であった。マイアミビーチで1日過ごし、翌日にアメリカ最南端の島キーウェストにも寄ったが、その島を囲んでいるエメラルドグリーンの海があまりにも魅力的でその光景が今でも頭に焼き付いている。しかし、裸眼でキューバを見ることができず残念だった。
またマイアミに戻り、最終日にオーランドにあるNASAに行き、3Dで宇宙への旅を体験したりNASAの歴史を学んだりすることができた。

以上が私の1週間という短期間のフロリダ旅であったが、全日程すべて満喫することができ、アメリカ最後の良い旅になった。

■抱負■
来月はバイリンガルろう教育を主な理念とするろう学校を見学する予定で、そのバイリンガルろう教育の実践例を見るために幼稚部から高等部までのクラスを見回ったりカリキュラムについて尋ねて、そのろう学校から色々なことを学んでいけたらと思っている。
Posted by 谷口恵美(第2期) at 01:48 | 奨学生生活記録 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
2008年 3月 生活報告 富田 望 [2008年04月16日(水)]
2008年 3月 生活報告 富田 望

久々の帰国
 3月下旬、Ohlone大学では2週間ほど春休みがあり、この機会をとらえ、日本に息抜き期国してきました。空港に着いた時の印象が、日本の徹底的な設備の良さ、綺麗さで、次にやはり、日本人だからだとおもいますが、スームズなコミュニケーション、そして印象の良い接待が新鮮でした。一週間半の滞在だったので、必要な手続き、必需品の買い出しなどの用事に追われる1週間で、気ついた時には、もう渡米日という感じでした。あっというまの1週間半でしたが、久々の家族、友人達との再会はやはり嬉しく、自分の故郷はいつまでたってもやはり故郷だと、新たな気持ちを胸に日本を後にした休暇になりました。

ASLクラスから学んだこと
 3月中句、Ohlone大学のASL学部と強い関わりを持っておられるスウェーデンの大学からの講師2名が、情報機器技術の調査/サポートのために視察しに来られました。ASL104クラスの視察の際に、すこしお話をする機会に恵まれ、スウェーデンでの聾教育/福祉の状況について色々とお話をして頂きました。具体的な内容としては、1981年の「手話」の公用語の認定、さらに2003年の教育、社会、法律などそれぞれの分野への政府による法的働きかけ、それにともなって向上した手話通訳養成システム、手話による教育システムの明確化などでした。中でも印象的だったのが、福祉先進国スウェーデンでは障害者のハンディだけでなく、教育、福祉、地域によるサポートによって、心理的な負担を軽くすることに重点をおくという質の高さで、障害者がいかに経済的に、心理的に、自立した人として生活できるかがに注目しているかが伺えた会談でした。

コミュニケーションの大変さ
 私が受講しているWritingクラスでは中間テストに3つのエッセイを提出しなければならず、一度にたくさんのエッセイを書句という経験が無かったため、少し不安でしたが、なんとかで提出期限までに済ませることができました。自分の感覚としては前よりも書く力が上達したという実感があります。ただ、英語を書く時に、日本語から英語に換えて書く方が効率良いのか、英語は英語として書く方がいいのか、自分の中ですこし葛藤があります。これに似た感覚を前にも味わった事があります。それは、幼児時代、日本語から日本手話への切り替えが上手くできず、もどかしい思いをしたことがありますが、それに似た感覚で、それよりももっとたどたどしい感覚です。おそらく、これは英語が自分の言語でないというせいもあるとおもいます。自分の考えている事、伝えたい事が的確に伝えられないという苛立ち、もどかしさは、やはりいつまでたっても慣れないものです。私の両親はろう者なので、両親が健常者とコミュニケーションを取る時の大変さを、たくさん見てきています。とはいえ、自分が幼児時代だったということもあって、知ってはいても、自分の問題として直面した事はありませんでした。しかし、今ここで、自分が両親の大変さを知るというのも皮肉な話で、この経験を通して、自分の両親への尊敬への気持ちを実感しています。
Posted by 富田 望 at 05:23 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
2008年3月 生活記録(1期生 池上 真) [2008年04月13日(日)]
□ はじめに

 今週の初めあたりから桜が咲き始めて今ではもう満開になり、ギャローデットのキャンパスにおいてもあちこちで桜がきれいに咲いている。同時に、ここ数日は気温も上がり、まさに春を感じさせる陽気が続いている。やはり、桜はいつ見てもきれいで、心を癒してくれるものである。

□ インターンシップ 

 3月の半ばに、1週間ほどの春休みがあったが、すべての日々をインターンシップに費やした。これまでの生活記録においても記したが、今学期は、様々な障がいを併せ持つろう重複障がい者の社会的自立と就労の促進を図るために設立されたDeaf-REACHというところで実習をさせていただいている。
 Deaf-REACHは、現在、様々な障がいを併せ持つろう重複障がい者を対象としたプログラムが5つ提供されており、自分はその中の1つのCommunity Support Providers (CSP) のチームの一員として実習を行っている。現在、CSPにはディレクターを含む3人の常勤スタッフがいるが、それに加えて、自分を含む5人の実習生も常勤スタッフの指導の下、日々、ソーシャルワーカーやメンタルヘルスカウンセラーに求められるスキルを身につけるため、日々、研鑽を積んでいる。CSPの目的は、精神障がいや知的障がいのあるろう者が生活していく上で必要なサービスを確実に受けることができるように支援することである。具体的には、たとえば、利用者が毎日服用している薬がもうすぐなくなるので新しい処方箋を書いてもらうためにDeaf-REACHの近くにある精神科医に診察の予約を入れたり、社会保障身体障害保険(Social Security Disability Insurance)に関する諸々の手続きを行うために社会保障庁(Social Security Administration)に照会したりするなど、主にケースマネジメントの業務を行っている。その際の連絡手段は、ビデオフォン(Videophone)か電話リレーサービス(Deaf-REACHでは、i711)を使用している。たまに、それらを利用できないときは、TTYを使っている。仕事を通じて覚える英語も多く、ためになる。電話リレーサービスでは、いちいち辞書で単語の意味を調べたり、逆に自分が使いたい単語を探したりする時間がなく、リアルタイムにやり取りをしなければならないため、とっさの英語のフレーズを覚えるのにとてもいい訓練になっている。その他にも、利用者の医療保険に関する手続きにも携わるなど、アメリカの社会保障制度について、クラスではなかなか深く学べない、実に多くのことを学んでいる。
 また、今年の2月の半ばごろ、Deaf-REACHにおいて、HIV/エイズへの取り組みが再開され、そのディレクターによれば、今後、HIV/エイズの現状を知ってもらうとともに、HIV/エイズの感染拡大を防ぐため、ろう学校やろう者のためのプログラムがある一般の学校、そして、手話通訳者を養成するためのプログラムがある一般の大学などに赴き、講演会やワークショップなどを設けたりする予定であるという。この取り組みは、ワシントンDCだけでなく、その近郊にあるメリーランドやヴァージニア、ペンシルバニア、ニューヨークなども視野に入れているという。

□ 今後について

 4月は、ファイナルペーパーやプレゼンテーションが控えているので、健康に留意しつつ、がんばっていきたいと思っている。インターンシップも4月で最後になるので、引き続き多くのことを学んでいきたい。
2008年3月生活記録(岡田) [2008年04月13日(日)]
中間テスト

Deaf Educationの授業で中間テストがあった。内容は前半が授業で扱った内容の選択問題、後半がエッセイであった。秋学期に同じ先生の授業を受けたが、そのときはエッセイに何を書けばいいのかわからなかったり、ポイントとなる部分がわからないままなんとなく書いていたが、今回は英語の授業で知ったエッセイの書き方を活かして何とか思っていることを書けた。

しかし、まだまだ語彙力が足りなかったり、すぐに文章が浮かんでこなかったりと、最後は時間切れになってしまい、根本的な実力が不足していることを痛感させられた。わかってはいても、他のクラスメイトがすらすらと書いて、どんどん退出していくのは少々つらいものがある。

ただ、結果としてはクラスで2位の成績だった。特にエッセイの部分で「これは良く書けた方かな」と感じた設問に満点がつけられたことは学習の成果が感じられたので嬉しく思った。このクラスはろう学生向けのコースと、一般に履修可能なコースが一緒になっている関係で、アメリカ人の健聴者が半分以上を占めている。その中でこの結果を得られたことは良かったのではないかと思う。

とはいえ、依然としてリーディングはすべて消化できていないし、読んでも記憶に定着しているとは到底言いがたいレベルである。今回はそれを暗記やポイントをつかんだ勉強でカバーできたが、まだまだ基礎が足りなすぎる。(多分アメリカ人の中学生レベルではないかと思う。)事実、周りが全員健聴者で通訳を利用しているメインストリームのクラスでは、落ちこぼれという状況で、行くのが嫌になるときもある。これは英語だけではなくて、ASLも不十分なためにクラス内のコミュニケーションに確信が持てないままというのも関係はしているが、いずれにしてもメインストリームでやっていくには、これっぽっちの自信もないのが現状である。

今学期はもう残り1ヶ月しかないが、チューターもつけることができたので、残りの期間とサマースクールで少しでも土台を引き上げていければいいなと思う。



大学院へ向けて

秋学期からの大学院入学に向けて、Special Projectの時間を利用して入学手続きを少しずつ進めている。何から何まで、右も左もわからない中で、メンターの先生と1対1で進めることができるのは本当に心強い。

大きな問題としてはやはり英語である。ホームページなどの情報では、英語に関する入学条件として、アメリカでB.A.を取っていること、アメリカの大学で60単位以上取得していることなどがあげられている。それに当てはまらない留学生はTOEFLを受けなければならないが、現在のコンピュータテストはろう者にはかなり不利な内容である。

しかし、直接受け入れ先のデパートメントとコンタクトを取って、日本での学歴やアメリカで学んでいる理由、英語力の現状を説明してみると、中には大学院入学までに特定の科目を履修できていれば、テストは必須ではないと言われる場合もあり、かなり柔軟な対応がある。

逆に言えば、それが手続きの煩雑さや曖昧さにつながっていることもあり、時には前に言ったことと違うことを言われたり、かなりイライラが溜まる要因でもあり、なかなか解決できないと思えば、カウンセラーが相手先と話してみるとあっさりとクリアできたりと、常に落ち着かず、ストレスがなくなることはない状況である。まずは今月までにアプリケーションを全て終わらせたい。
2008年3月生活記録 (第3期生 管野 奈津美) [2008年04月10日(木)]
● はじめに
この頃、桜も満開で日差しが暖かく、もう春だと感じる季節になった。3月初旬は中間テストがあり、いくつかプレゼンも重なってとても忙しい月であった。しかし、3月の中旬に1週間の春休みもあり、友人達とジャマイカ旅行に出かけ、リフレッシュできた。

● クラスの様子
English
毎クラス3時間なので、スローペースに物足りなさを感じるが、毎回出される語彙テストにも慣れてきた。最近はエッセイを書いて提出することが増え、いい刺激になっている。エッセイのテーマの1つに「Deaf President Now(略称: DPN 今こそろう学長を)」があり、Gallaudet Universityでその運動が起こってから今年で20年目を迎えるという。Deaf President Now は、1988年に起こったろう者の学長の選出を求める学生運動である。Gallaudet Universityの歴史は長いが、長年、学長は聴者であった。1988年、理事会は新しい学長に手話のできない聴者を選出した。それに不満を持った学生達が運動を起こし、Gallaudet Universityだけではなく、アメリカ中から支持者が集まり、 「Deaf President Now!!」とデモ行進を行った。それを受けた理事会はろう者であるキング・ジョーダンを8代目学長として選出した。そんな運動が20年前にあったのかと思うと、ただ感心するばかりである。

Deaf Culture
3月はCultureからDeaf Cultureに移行し、Audismについて学んだ。日本ではあまり知られていない言葉だが、アメリカのろう者の間では有名な言葉である。性差別や人種主義のように、色々な差別や抑圧があり、Audismはろう者に対する聴者による差別や抑圧を指している。Gallaudet Universityではずいぶん昔からAudismをなくそうと運動してきており、その一環としてビデオも作られている。クラスでそのビデオアメリカのろう者がAudismの経験談を話すという形式のビデオだが、クラスでそのビデオを鑑賞した。日本にはAudismという概念がないので驚いた。

Deaf Art
マイノリティ出身のアーティストについて調べてプレゼンテーションをする課題があり、私のグループのテーマは「レズビアン」であった。レズビアンのアーティストがいつ、どんなきっかけでレズビアンになったのか、どのように作品との関わりがあるのか発表しなければならなかった。まず、レズビアンのアーティストについての情報を求めて、日本のサイトを検索したのだが、まったくゼロと言っていいほど情報がなく、次にアメリカのサイトを検索したら、情報が山のように出てきて驚いた。また、レズビアンアートの本が何冊か出版されており、そこにアメリカという国のパワーを感じた。
また、クラスメイトのプレゼンのテーマも多岐に渡り、ゲイ、インディアン、黒人、ヒスパニックなど…。アジア系アメリカ人もあり、日本人が何人か取り上げられていた。聞いてみると、アジア系では日本人がトップレベルであるということだったので、改めて日本の芸術の高さを再認識させられた。
レズビアンのアーティストについて調べたが、彼女達はレズビアンであることを誇りに思っており、同時に世間の偏見に苦しみ、レズビアンであることをカミングアウトするまでの苦悩、偏見などを自分の芸術作品を通して表現しており、そういうところでは、デフアートと通じる部分があると感じた。パワーポイントを作るのに苦労したが、同じグループの日本人のクラスメイトとASLを練習したりと、とても楽しい経験だった。次は4月下旬にデフアーティストについてのプレゼンなので、上手く進められたらと思っている。

Ceramic
本当に日本と授業のプロセスが異なり、特に初心者のクラスなので、どう作るか一から指導しなければならないが、道具や機械も効果的に取り入れている。そもそも私が大学時代に履修していた芸術学科のクラスではほとんどの生徒が芸術専攻なので、機械も使わず、技術やセンスを生かした作品が多かったが、このクラスは少し異なる。クラスメイトの上達も早く、驚いている。発想が豊かで道具や機械を効果的に使って幅広い作品を作っている。日本では使わなかった機械ばかりなので、少し戸惑いもあったが、楽しく制作している。道具や釉薬の名前もほぼ英語で理解できるようになった。

● Spring Break
日本で言う春休みのことである。中間テストが終わった後、1週間春休みであった。インターナショナルの学生12人ほどで、ジャマイカを旅行した。リドート地として有名な場所でもあり、ビーチがとても美しく、感動した。ただ、貧しい人たちの暮らしもたくさん見ることができた。途上国を訪れたのは初めてだったので、ショックもあったが、色々とても良い経験になった。一緒に旅行したインターナショナルの学生のほとんどはアメリカ滞在歴も長く、経験豊富な方ばかりで、一緒に旅行し、色々経験談を聞けて勉強になった。一生忘れられない旅行になったと思う。

●最後に
早いもので今学期も残り1ヶ月を切るので、期末テストに向けて気を引き締めていきたい。期末にいくつかプレゼンがあるのでそれに向けて準備していきたい。5月から夏休みだが、どう有効に使っていくか考えていきたい。
2008年 2月生活記録 富田 望 [2008年03月31日(月)]
2008年 2月 生活報告 富田 望
挨拶
 憂鬱な雨期が嘘のように、最近ではからっとしたいい天気が続いています。バレンタインも通り過ぎ、忙しない週末と共に、3月に入りました。ここでのバレンタインでは、男性が赤いバラとキャンディ女性に送るのが常識で華やかに彩られた店内のデコレーションがバレンタイン独特の雰囲気を醸し出していました。最近読んだ新聞のコラムでも「バレンタインの男女の葛藤」と云った面白いテーマで「バレンタインが生み出す男女の間の溝」をメインに皮肉さを示唆した文章で綴られておりました。学校生活の方では秋学期よりも、英語クラスに集中し、今回新しく受講したボキャブラリークラスが面白くなってきた今日このごろです。

トムの講演について
トータルコミュニケーションを考案したRoy K Hulcomb氏を父に持ち、現在オーロニ大学でdeaf culture/deaf educationなどを受け持っておられるTomas K Hulcombの講演がJASSとの遠隔指導により設けられ、この機に講演に参加してきました。テーマは「トータルコミュニケーションの歴史と現在」で、日本では誤解されがちなトータルコミュニケーションについてTomas氏の「バイリンガル教育が主流である今日では、トータルコミュニケーションによる教育方法は目立たなくなってきているが、根本的なところは同じだ」という言葉が印象に残りました。

英語スキルの向上のために
 春学期には、去年から受講している英語クラスを引き続き受講し、加えてボキャブラリークラスとASLクラスを受けています。ボキャブラリークラスでは一週間に40程の単語を覚えなければならないので、毎日暗記、英作の練習の繰り返しです。自分の英語がいかになっていないか実感させられるのもしょっちゅうで、英作にはいまだに悪戦苦闘の日々ですが、グループをつくって英語の勉強をすると不思議と効率があがるもので、最近では特定の友人達と時間をつくって勉強をしています。
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