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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2018年11月生活記録 12期生 福島愛未[2018年12月08日(Sat)]
こんにちは、12期生の福島です。

ハロウィンが終わると気温がぐっと下がり、真っ赤に映えていた紅葉も散ってしまいました。キャンパス内の景色も少しガラーンとした寂しい印象に変わりました。
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11月のビッグイベントは、DeafStudies Conference(ろう者学学会)でした。11月1日〜3日の3日間ギャローデット大学のキャンパス内で行われました。今まで日本でもいくつかの学会に参加したことがあるのですが、ろうに関する学会は初めてです。アメリカ国内にとどまらず、日本・ベルギー・イギリス・ドイツなど様々な国からプレゼンターが来ていました。研究内容も、黒人ろう、盲ろう、デフアート 、ろう女性など幅広く、この3日間で、ろう者学って奥深い学問だと痛感しました。

スクリーンショット 2018-12-07 午後9.23.42.png



今回のDeafStudies Conferenceにはデフスペースデザインについての研究テーマはありませんでしたが、今後の日本のデフスペース デザインの研究が進めば、この学会で発表してみたい!そのために頑張ろうと、いい刺激も受けました。

スクリーンショット 2018-12-07 午後10.02.18.png



また11月はこれまで地道に進めていたインターンの成果が目に見えるようになった月でした。現在のインターンは、ギャローデット大学にあるOffice of Campus Design and Plannningというデフスペース デザインのオフィスに通っています。これまでいくつかのプロジェクトを任せられて来ましたが、日本で経験して来たインターンと全く異なるやり方で初めの頃はとても戸惑っていました。



日本では、インターン中にやるべきことを細かく指示してもらっていたのですが、ここでは大まかなプロジェクトの指示のみを受けた後、全て自分で考え行動する必要がありました。仕事の経験が全くなく、企業とのやりとりもプロジェクトをどのように進めるのかも全く何も知らない状態でしたが、まずは自分で何をするべきか考えるという経験がとても斬新でした。


ここでは手話でやり取りをするため、インターンだから、学生だから、聞こえないからという言い訳は通用しません。このような経験は初めてでした。特に、週に1度上司と行うミーティングでは、常になぜこのような進め方をしたのか、なぜこのような考えを持ったのかと問われて来ました。これまで自分の考えや行動について説明する機会が少なかったので、はじめはうまく説明できず、モジモジとしていましたが、今では自分の意見をはっきりと述べれるようになって来ました。

スクリーンショット 2018-12-07 午後9.45.17.png

(プロジェクトのために毎日キャンパス内を歩いています)


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(何の巣だろう、鳥?リス?)


担当しているプロジェクトが完成しつつありホッとしている反面、もっとここで学べたらという気持ちもあります。残された時間は短いですが、帰国までに一つでも多くのことを吸収できるよう、期末シーズンもインターンも頑張りたいと思います。

ではみなさんまた来月きらきら
2018年11月生活記録 第10期生 辻功一[2018年12月08日(Sat)]

こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

11月は大変な時期でした。
日本のニュースでも流れていたのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、カリフォルニア州の二箇所で大規模山火事が発生しました。一つはサーフィンのメッカで有名な南カリフォルニアのマリブ、もう一つは北カリフォルニアのパラダイスです。

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<紅く染まったチコの空。昼にも関わらず街灯が点いています>

特に11月8日から25日にかけて燃え続けたパラダイスの被害が甚大で、東京23区とほぼ同じ面積の620km2が焼失し、88人の死者と25人の行方不明者を出しました。火災による大気汚染も深刻でパラダイスから300km離れているサンフランシスコまで煙が届きました。あるニュースによると、当時の大気汚染は世界でも最悪レベルだったそうです。

そのパラダイスはチコの隣にあり、車で20分の距離です。
チコでは黒煙に包まれ、太陽光が遮られて朝にも関わらず夜と錯覚する位の暗さでした。外では灰が舞い、家の中は煙の焦げ臭いにおいで充満していました。

多くの教授や職員の住まいがパラダイスにあるということもあり、大学はサンクスギビングと合わせて約二週間、閉鎖されました。同時に多くの学生たちが実家へ戻り、チコはゴーストタウンのようでした。

今は鎮火しましたが、パラダイス一帯は焼け野原となり、危険なうえ行方不明者もまだいるので、立ち入り禁止となっています。半年以上続く見込みだそうです。

<火災発生の翌日、チコ上空から撮影>

FINA 369 (Real Estate Finance and Investments)
「不動産ファイナンスと投資」
約5万人のパラダイス一帯の住民が主にチコへ避難してきたため、チコの不動産業界も大きく影響を受けました。講義内容を大きく変更して、チコの不動産の現状と予測について解説を受けました。

不動産物件売買では既に価格上昇していますが、非常事態時は日常生活必須品(賃貸住宅を含む)の価格据え置き(10%以上の価格上昇を認めない)法律があり、賃貸住宅の賃料は今のところ目立った値上げはありません。しかしチコでは普段、空室率が1%前後で推移しているところに急に人口が増えたため、完全に供給不足に陥っています。これから賃料も緩やかに上昇していくだろうという予測です。

今回の火災から様々な面でのリスクマネジメントが重要であると改めて感じました。

以上です。
日本ASL協会から8,188km離れたチコ大学からの報告でした。
ありがとうございました。
2018年11月生活記録【第13期生 橋本重人】[2018年12月08日(Sat)]
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 課題の難易度が徐々に上がって苦しんでいた時に、素敵なものと出会うことができました。ギャロデット大学の建物の壁にはあちこちに付箋が貼られていて、なんだろうとそれらを読んでみると「You will have a great day!(きっといいことが起きるよ!)」「Believe in yourself!(自分を信じて!)」など、いろいろなコメントが書いてありました。誰の所為かは分かりませんが、そんな一言が私を元気づけてくれました。やる気や自信を失くした時に、そんな短い文章で気持ちを前向きに変えることができるなんて、すごいことですよね。とても励みになりました。言葉を選ぶって本当に大切ですね。おまけに、寮内のエレベーターには「You are loved(あなたは愛されているよ)」という付箋が貼ってあり、言葉に言い表せない気持ちになりました。
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○Trends in Special Education(特別支援教育の動向)
 特別支援教育の基本的なことであり、日本ではあまり知られていない「UDL(学びのユニバーサルデザイン)」の概念を学ぶことができました。「ユニバーサルデザイン」という言葉はよく知られています。例えば、段差のある場所ではスロープがあると、車椅子ユーザーだけでなく、お年寄りや松葉杖を使用している人たちなどにも身体的な負担が軽くなります。文化・言語・国籍や年齢・性別などの違い、障害の有無や能力差などを問わずに利用できることをめざした建築(設備)・製品・情報などのデザインと定義されています。使用者を限定することなく、誰もが使えるようにするものですね。では、「UDL」とは何かというと、学校で子どもたちが自分に適した学び方を選んで学習できる柔軟なアプローチを指します。ここアメリカでは20年以上も前から科学的研究によりデザインされており、どんな子も教室で活躍し、学ぶことができるための授業づくりの枠組みだそうです。
では、例を挙げてみます。学校の授業で、子どもたちが話し合いをします。先生は子どもたちの意見を聞いて黒板に書いてまとめます。子どもたちは黒板に書いてあるものをプリントやノートに書き写します。最後に、先生が助詞を間違えていないか、今回の授業の内容を理解できているかどうかチェックして丸をつけます。そんなよくありがちの授業でも、特別支援を必要とする子どもたちはつまずいてしまうことがたくさんあります。例えば、

1. 体が固定できず、椅子から離れてしまう。
2. 話に集中できなくて足に刺激を与えたくなり、貧乏ゆすりや上靴を脱いだりする。
3. 黒板に書いてあるものが見えない。
4. プリントやノートに書き写すことが難しい、そんな自分が嫌になり感情的になってしまう。

など、学習を阻害するいろいろな障壁を目の当たりにします。そんな時、UDLの概念を取り入れるとしたら、

1. 体を固定するようDycem(滑り止めのシート)を椅子の上に敷いて座る。
2. 上靴を脱いで、椅子に座りながら足裏ボードに足を置く。
3. iPadを使って黒板に書いてあるものを写真で撮る。そして、自分の指で程よい大きさに調整したり、先生にいつ消されるか心配などせず自分なりのペースで黒板の内容を読んだりすることができる。
4. 手話中心の子はビデオをとって、まとめをする。パソコンが得意な子はパソコンに入力して印刷する。音声中心の子はボイスレコーダーを使って記録する。

といったような方法があります。そんな柔軟な対応をすることで、子どもたちは意欲が高まり、集中して学習に取り組むことができるのです。
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↑一人ひとりの児童生徒に合わせたアプローチの一例です。


○Teaching functional Curriculum to Deaf Students with Disabilities(ろう重複障害の生徒への機能的カリキュラムの指導)
 学生同士で話し合いを進めたり、グループに分かれてテキストをそれぞれの章を要約して(パワーポイントでまとめていました)、共通理解を図ったりするという学生中心のクラスです。Academic Reading and Writing(読み書きの指導)、Math-time and Money(時間とお金の指導)、Motor skills(運動)、Recreation and Community skills(レクリエーションとコミュニティースキル)など様々なスキルをどの場面でどのように指導・評価したらよいか、その指導計画を作成する練習をしています。オンラインクラスですが、アメリカ手話が全くなく、英語のみで進めています。クラスメートたちは面白いことに、私を除いて全員が現役教員でした。このクラスはろう発達障害・重複障害に関するクラスですが、やはりどの学校現場でもその専門性は求められているそうです。そのため、みんなギャロデット大学から離れて暮らしており、オンラインクラスという形で授業を進めているわけです。ジョージア州、マサチューセッツ州、フロリダ州、ワシントンDC(ギャロデット大学内のケンダル聾学校で教えている受講生もいました)、カナダなどです。彼らの意見や経験談は興味深いものばかりです(英語なので、イメージしにくいこともありましたが)。学校の授業時数が異なる、長期休暇の開始日や終了日はそれぞれの環境(北は雪、南はハリケーン、西は山火事などの影響があるため)に合わせているなど州によって異なっているそうです。さすがアメリカは広いな、と実感しました。
2018年11月 生活記録 【第12期生 西 雄也】[2018年12月07日(Fri)]

11月終わり頃になると、ワシントンDCでは冬が近づいてきていると感じるほど、寒くなっています。
これまで行ってきたインターンシップは11月中旬に終わり、少しほっとしましたが、次は最終テストや最終プロジェクト、レポートなどに追われる時期に入りました。
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↑木の葉はほとんど散ってしまい、
街中も落ち葉だらけの状態になっています。

◆クラス◆

これまでのクラスですが、ほとんどのクラスが、それぞれの理論を学ぶのと同時にインターンシップにも取り入れて学ぶというものでした。

Literacy Applications in ASL/English Bilingual classroom K-12
(K-12のバイリンガル[ASL /英語]教室でのリテラシー(読み書き)応用)

バイリンガル教育をどのようにクラスの中に取り入れるかのセオリーやアイデアなどについて学んできました。
前回の生活記録でもあげたように、移民の人が異国からアメリカへ英語を学ぶときの理論をもとに第一言語である言語と同時に、もしくは、第二言語である言語をどのように向上すると良いのかというコンセプトを取り入れながら議論深めました。そして、第一言語が手話であれば、第二言語が英語の場合、どのような方法で行うのが良いのかを学んで行きました。
更に第一言語の言語は言語獲得などの理論がベースとなり、第一言語の言語力があれば、第二言語の言語も上達するという話ですが、どのように第一言語の言語からどのように第二言語へ切り替えたり、元々の第一言語の言語やコンセプトからどのように第二言語を学ぶ・教育する方法が良いのか、またろう者の場合、言語獲得の開始時期(年齢)や言語獲得の状況・環境に違いや問題がある中、この問題をどのように観つつ、指導するべきかを議論するという興味深い内容もありました。
そして、これまで学んできた内容をもとにバイリンガル教育を取り入れた指導計画を作成し、その指導案はインターンシップ活用するなどしました。また、最終プロジェクトは、バイリンガル教育の理論を取り入れた指導案をギャロデッド大学内でプレゼンテーション発表を行うというものでした。
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↑プレゼン発表の様子

K-12 Classroom-Based Assessment
(K-12教室の評価)
これまでクラスルームでの様々な評価方法について学びました。
例えば、様々な評価方法の種類がありますが、点数を取るテストにはスコアをもとに分析・評価する方法を学びます。そして、行動や心理・感情などには、抽象的な部分もあり、評価の判断の元となるものは何が良いのか、またこのような物事に対してどのように認識すると良いかを議論しながら学びました。この内容は、インターンシップ先でもクラス全体の生徒を対象にした評価方法、一人の生徒を対象にIEPなどの資料をもとに分析・評価するということも行いました。

Capstone
夏から、卒業に必要なCapstoneのテーマについて考え、テーマ決定や資料収集をしました。Capstoneは一年かけて行うことになっており、講義などはなく、主に自分で研究やまとめ、担当教授に提出・審査をする流れとなっています。
今学期はCapstoneの提案を進めることが中心となり、テーマは「ろう者(生徒)のためのデフアートカリキュラム」を予定しています。このテーマをもとに様々な資料を集め、「なぜカリキュラムにデフアートを」ということをDe'VIAのコンセプトも取り入れながら、内容をまとめています。また同時にDe'VIAに取り組んでいる方との情報交換も進めています。

2018年11月生活記録 【第13期生 山田茉侑】[2018年12月01日(Sat)]
みなさまこんにちは。
ボストンで一番美しい紅葉の季節は、木枯しによってすっかり一掃されてしまいました。

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こちらの紅葉が、5日後にはこうなりました。


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上の写真は、ボストン郊外にある公園で撮った湖です。見渡す限り静かな視界に、もうすっかり冬になってしまったと心寂しさを感じます。



さて、今月は「Lead-K」について紹介したいと思います。今月の流れは、以下のようになります。

⑴ 前置き アメリカのろう教育の歴史を振り返って
⑵ Lead-Kとは
⑶ Lead-Kの課題と戒め
⑷ Lead-Kはバイアスがあるのかどうか

⑴ 前置き:アメリカのろう教育の歴史を振り返って
これまでのろう教育の歴史を振り返ってみると、アメリカは手話→口話→手話→口話と移り変わってきています。「ふりこ」、その様にろう教育の行く末を形容されています。

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そうです、現在はより口話教育が強くなっております。実は、全米の98%のろうの子どもは、手話による教育を受けておりません。そのような子たちの言語は正常の発達過程に沿っているかというと、そうではありません。大幅に遅れていることも珍しくありません。また、ろう学校でも、5歳児の子どもの言語がわずかなものだということもよくある話です。
そのような中、「Lead-K」のキャンペーン運動が始まりました。「Lead-K」とは、日本で前からホットな「手話言語条例」制定推進運動のようなものです。
こちらの運動が始まってから、もしかしたら、ふりこの向きが手話に向くのではないかと全米でも注目されており、最近クラスでも取り上げられました。


⑵ Lead―Kとは
(Lead-K のウェブサイトのURL: http://www.lead-k.org
(こちらで、Lead-Kの方針や現在の状況が詳しく紹介されてます。http://www.lead-k.org/media/
「Lead-K :Language Equality and Acquisition for Deaf Kids」とはなんでしょうか。Kindergarten (5歳児クラス) に入るまでに、子どもたちが5歳児レベルの言語発達に辿り着いている状態にすることを目標に、「州全体で0−5歳児の英語、ASLの発達テストを義務付ける法律」を推進する運動のことです。
ASL、英語どちらも同じ言語発達過程を持ちます。しかし今までは英語、ASLどちらにおいても発達テストを行うかどうかは各機関の判断に委ねられておりました。つまり、子どものASLや英語のレベルが年齢同等なのか判断できないまま、課題や解決方法を話し合うこともできず言語が大幅に遅れたまま5歳に達してしまうという現状にありました。
また、先生が言語の遅れについて保護者に話しても目に見える物差しがないため、なかなか信じてもらえないこともあったそうです。例えば、保護者にとっては、子どもと正常にコミュニケーションが取れていたつもりでも、実は単語だけのやりとりだった、というケースもよくあるそうです。
それが、発達テストを義務付けることで、子どもの言語のレベルが視覚化されます。そして、現在の課題が洗い出され、これからどうするかという将来のことを話し合えるようになります。例えば口話で育てたものの、テスト結果を見てコミュニケーション手段をASLに切り替えるなどといった判断が早いうちからできるようになります。
ちなみに、テストはASLと英語両方やらなければならないという縛りはなく、どちらか一方のみのテストでも可能だそうです。
現在はカリフォルニア州を含む7つの州で評価を義務付ける法律が制定されました。(https://www.livebinders.com/play/play?id=2106355
将来はIDEA(Individuals with Disabilities Education Act)という全米の法律レベルで制定されることを目標にしているそうです。


  ⑶「Lead-K」の課題と戒め
現在2つの課題があります。
1) 英語の発達リストとテスト方法は全米で共通のものが使われている一方、ASLは発達リストがあっても、共通のテスト方法が確立されていない。

例えば
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子どものASLの表出を一からカウントしてテストする先生もいれば、テストをせず自己判断でチェックを入れる先生もいます。また、保護者の「大丈夫です、500語あります」という言葉に従ってチェックを入れる先生もいます。つまり、各個人の判断によって評価が委ねられてしまっています。


2) ASLのテストをする先生が、必ずしもASLができるとは限らない。
例えば、手話の音韻の一つである手の形が間違っていても、オーケーを出す先生がいるのです。2歳であれば、手の形が間違っていても問題はないのですが、5歳になるとそそうでもありません。手話に長けていないと手話の音韻の評価は難しいものがあります。


もしも、日本でLead-Kのような言語発達の評価を義務付ける法律を推進する場合は、アメリカでの課題を参考にする必要があります。日本手話の同一した発達リストとテスト方法を確立させ、かつ日本手話の評価に関しては専門家を呼ぶか、テストを行う者の条件を加える必要があります。


⑸ Lead-Kはバイアスがあるのかどうか

クラスで、Lead-KはASLを持ち上げている、バイアスがあるのではないか、と話し合いました。確かに、Lead-Kのメンバーは強力なろう者のリーダーで固められています。また、メンバーの思惑が感じ取れるときもあります。ですが、英語至上主義だった中ようやくろうの子どもの言語であるASLが英語と同じように一つの言語として並んでいるのです。そこにバイアスがあると考えること自体が英語を持ち上げるバイアスとして存在するのかなと思いました。

長くなりましたが、Lead-K、とても興味深い法律ですね。発達リストにそってテストができると、子どもの言語のレベルが目に見える形で現れるので、聞こえる保護者たちも安心して日本手話などで子育てができるようになるのかな、と思いました。それでは翌月またお会いしましょう。
第12回留学奨学生帰国報告会、1月5日(土)開催![2018年11月22日(Thu)]
第12回留学奨学生帰国報告会、1月5日(土)開催!

今回の帰国報告会、来年1月5日(土)に開催です!
報告者は、なんと3名!! 留学で学んだ各専門分野について報告します。
情報盛りだくさんの報告会になりそうですよ。

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瀧澤泉9期生   牧谷陽平11期生 福島愛未12期生  


1、日時
2019年1月5日(土)13:00−17:20

2、場所
東京海洋大学(品川キャンパス)白鷹館・2階・多目的ホール(東京都港区港南)

3、内容    
13:00     開会、事業紹介
13:30−14:35 報告@ 第9期生 瀧澤 泉
        「国際活動での絵本の役割」
14:50−15:55 報告A 第11期生 牧谷陽平
        「『ろう教育辞典』の索引をつくろう」
16:10−17:15 報告B 第12期生 福島愛未
        「ろう者とDeafSpace Design(デフスペース・デザイン)」
17:20      閉会

   *当日3人が行う留学報告の発表資料の配布はありません。

4、参加費
無料

5、定員
80名 *定員に余裕がある場合は、締切以降も受付できます

6、その他
日本手話/日本語音声の手話通訳、パソコン通訳が付きます。
ヒヤリングループやその他支援が必要な方、ご相談ください。

かわいい参加申込み、ただいま受付中ですかわいい
下記まで、お名前とご連絡先を添えて、12月28日(金)までにお申し込みください。
ryugaku@npojass.org(日本財団助成事業・専用受付)
03-3264-8977(Fax)
*ここをクリックすると申込画面が開きます


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(写真をクリックすると、チラシPDFが開きます)

協力:
日本財団聴覚障害者海外奨学金事業留学奨学生同窓会

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 19:18 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
2018年10月生活記録 第10期生 辻功一[2018年11月08日(Thu)]

こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

チコでは枯葉が舞い落ち、すっかり秋模様真っ只中です。皆さんお変わりありませんか?

最近、大学のキャンパス内で殺人というショッキングな事件が発生しました。
学生や学校関係者ではなく、ホームレス同士の喧嘩だったようです。深夜の出来事で早朝に発見されたので、授業などに大きく影響はありませんでしたが、物騒ですね・・・。
そういえば去年のちょうど今頃、校舎で学生による投身自殺がありました。
大学に常駐しているASL通訳者さんによると、これまでの勤務期間(約20年間)でこのような事件は記憶にないとのこと。このような悲しい事件は二度と起きて欲しくないですよね。
暗い話をすみません。

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<民主党に投票してとはっきり主張するあたり、アメリカらしい>

さて、早いもので今学期も残すところ1/3となりました。

FINA 369 (Real Estate Finance and Investments)
「不動産ファイナンスと投資」
学期の前半は不動産用語や法律を中心に学んできましたが、中盤に差し掛かるにつれて財務表などの分析、立地条件などの調査、プロフォーマインボイス(キャッシュフローの見積もり)を作成し、その物件に投資すべきか否かを判断するレポートを提出するといった、より実践的な内容になりました。

MGMT 698 (Special Topics in Management)
「デザイン思考」
受講生全員が様々なテーマの中から興味のある分野を順位付けするアンケートを教授に提出し、人気順にピックアップしそれぞれのテーマごとに講義をするといった形になりました。これまで「デザイン思考」「クリティカル・シンキング(批判的思考)」「エモーショナル・インテリジェンス(感情的知能)」「AI」について講義を受けました。今後は「ユーザー・エクスペリエンス( ユーザー経験・体験)」「起業家としてイノベーションに対するアプローチ」について講義の予定です。

以上です。
日本ASL協会から8,188km離れたチコ大学からの報告でした。
ありがとうございました。
10月生活記録 【第13期生 山田 茉侑】[2018年11月08日(Thu)]
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Happy Holloween!!!
写真は、ルームメイトと作ったハロウインカボチャです。
ハロウイン当日は、いたるところに灯るランタンがお菓子をもらい歩いている子ども達の影をくめども尽きず揺らめかせていました。残念ながら、今年は中間試験真っ只中だったため、家の電気を消してひっそりと過ごしました。電気のついてない家に子どもたちは寄らないのです。


◇Psychology and the Deaf world (ろうと心理)
このクラスで、Deaf Gain(デフゲイン)について少し習いました。
デフゲインのコンセプトとは、
ある日突然聞こえなくなった男性はあちこちの医者を訪れます。医者たちからは一様に同じことを言われました。「残念ですが聴力を失っています、と彼らがなぜそういうのか僕には分からない。」続けて、彼はこう言います。「僕はデフ(ろう)を得たんだ。」ここに、視点の逆転があります。「聴力を失ったこと」と「Deafを得たこと」は、裏表の関係です。例えば、Connexin26(ろう遺伝)があれば、手の皮膚細胞が小さいので手すりなどを触っても病原菌が手から入り込まない、など、ろうであることで得られるものをデフゲインと言います。デフゲインについて考える時、悲観する人と、大喜びする人の視点の差が生まれています。Normal、普通ってなんだろう、という問いかけからこの授業は始まりました。

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上の表は、IQなどで見かけますね。「ろうと心理」クラスでよく扱われる表です。クラスでは、上の表を扱う時に、IQ、障害者、女性、人種など様々な例が使われました。
真ん中がAverage(平均値)、もしくはNormal(普通)という見方をすることもできます。そして、真ん中より左側は劣っているもの、マイナスのものとして捉えられ、右側は平均より優れているとプラスに捉えられがちです。では、この表を左に90度回転させたらどうなるのでしょう。NormalからNot Awesomeの部分が消え去ります。もはや見られなくなるのです。その代わり、NormalからAwesomeの部分が能力の度合いを表しているかのようなグラフが現れてきます。怖いですね。

聴覚障害において、普通とはなんでしょうか。聞こえることが普通、聞こえないことが普通から逸脱しているのなら、Not Awesomeの部分にいる聞こえない子どもたちを、聞こえる人(Normal)を目指してどうにか治して普通に近づけようとします。医学モデルの考え方ですね。

それと関係する言葉「子どもの障害は個性の一つ」これは昔何人かから聞いた言葉で、今でも頭に残っております。本当に、障害は個性なのでしょうか。確かに、聞こえないという点で他者にあるものがない。逆に、人工内耳や補聴器など、他者にないものがある。

ある友達は、初対面の方から人工内耳をつけてみたいと言われ、試しにつけたその人から「わたしもあなたと同じになった」と言われたことが何度かあるそうです。友達はこう言っていました。「人工内耳に興味を持ってくれるのは嬉しいけど、わたしは人工内耳じゃない」。

わたしが昔体験したことも紹介したいと思います。
わたしは小学の時にインテグレート(ろう学校ではなく地域の学校に通うこと)しておりました。ある授業で「聴覚障害」が扱われたとき、模擬体験として補聴器を友達に貸すように言われました。その時、学校に対して一気に不信を抱いてしまいました。
親や先生から、補聴器だけはつけなさいと口酸っぱく言われ続けていたこと、内緒でいつもOFFにしていたこと、この最後の自分の砦を否定されたような気がしたからです。模擬体験を通して、友達は何を知ることができたのでしょうか。もしかしたら、こんなに大きな音が聞こえる装置をつけないと生きていけないんだなと思われたかもしれません。そこにわたしはいないのです。

人工内耳や補聴器自体は人々の目に同じように見える。しかし、それらの装置を当事者がどう捉えているか、そこから見える世界は様々です。そして、「障害は個性」という言葉は、あくまでもNormal(聞こえる)という立ち位置から発しているような気がするのです。ろう者の中にも、多様性はあります。ろうや聴覚障害自体が個性なのではなくて、ろうだからこそできた経験を通してその子なりに育っていきます。

では、医学モデルではなく、逆に社会文化モデルの、ろうであることを誇りに思う世界だったら上のグラフはどうなるのでしょうか。ろうを定義づけるものはなんでしょう。ろうかどうかを測られるもの、デフファミリーかどうか、聴力、手話が上手いかどうか、デフコミュニティに属しているかどうか、行動、Deafhood(-hoodとは、当事者にある性質、もしくは共感できるものを持ち合わせている当事者、という意味です)など、様々な物差しができます。医学モデルが聴力を軸にするのなら、例えばこちらは手話を軸にすることもできます。

もしもこの世界にグラフがあったら、「聾学校出身の手話で育ったデフファミリー」がAwesomeに位置するのでしょうか。

5代も続くデフファミリーは強力なろう遺伝を持っているからと、ろうの子どもが欲しい者から人気があるのはよく聞く話ですね。

また、あるデフファミリーの友達は、大学の手話通訳課程の方に「ろう関係のイベントにいつも個人で誘ってもらっていたから、友達だと思っていた。試しにご飯に誘ったら、なんと返事がこなかった」。手話通訳課程の人と関わる時に、自身の手話やデフファミリーであることをステータスにされていると感じるときがあるそうです。

逆に、ろうアイデンティティを持っていても、対応手話を使っていると難聴だと見られる時もあります。自分が何者かという問いかけに対して、自分の認識と周りの認識が異なる時があるのです。


これらの例からもわかるように、社会文化モデルの世界においても、見えないグラフが潜んでいます。

また、逆にもしもコーダ(coda: ここでは、ろうの親を持つ聞こえる子どもとしましょう)が「僕はろうです。」と言ったら何を思いますか。

聴力の条件を満たしていないのですから、コーダや聴者はグラフが回転した時に左側のように弾き出されてしまうのでしょうか。

ある友達は、「僕はコーダだけど、アイデンティティはろう。ろうの両親を持つろうの子どもと同じ行動をするし、彼らの気持ちがよくわかる。だから僕はろう。でもたまにろう者たちが自分をろうだと認めてない。口には出さないけど行動で示される時がある」と寂しそうに言っていました。Codahoodはあるのでしょう。同時に彼のなかにはDeafhoodもあるのです。

ボストン大学のコーダの教授は、「あなた、ろうだと思ったわ。」とよくいわれるそうです。それはつまり「ろうではない。」ということです。

また別のコーダの友達は、こういう経験をしました。「家族でレストランに行くと、お店の人はいつもわたしに伝票を渡す。わたしはまだ10歳なのに。」支払い能力がないのに、聞こえ喋れるだけで伝票を渡される。子どもが、受け取った伝票をどんな気持ちで親に渡すのでしょうか。

“聞こえる”だけで、周りから自分が何者なのかを定義づけられる。同時に、「ろう」であることから引っ張り出されてしまう。
測り、比べ、区別をする。そうすることで、たとえアイデンティティがろうであっても、第三者の目で否定されてしまうこともある。またそれとは別に、何かをいうまでもなく周りから自分が何者かを決められる時もある。物差しやグラフがあるから、ときどきアイデンティティの認識に第三者とでギャップが生じます。ときには第三者の承認が必要な時も生じます。

人々はランキングやグラフを気にしないふりをして、どこかで意識しています。アメリカの大学のランキング1〜10位は毎年常連校が並んでいます。ハーバード大学やMITなど、世界的にも有名な大学ですね。年によって少しの変動があっても、それらの大学の関係者は順位に一喜一憂しないでしょう。しかし、10位以外の大学は自分の立ち位置をどこかで気にします。
昨年度ボストン大学(BU)が36位だと発表された瞬間、BUのホームページはそれに関するニュースで一色になりました。TwitterやFaceBookでも持ちきりだったそうです。しかし、今年度は42位だと発表された時、BU関係者はランキングのことに全く触れなくなりました。まるで「自分はそんなランキングなんて全然気にしてないよ」というかのように。
また、同時にみな重要なことを見落としていたのです。「ランキングの順位を決めるのは何か」。知らないまま喜び、知らないまま見ぬふりをして窓を閉じる。
多様性があるぶんどこかでグラフやランキングが生じます。自身の目を通して、誰かを決めつけてしまっているときもあるかもしれません。「障害は個性」という言葉からも、わたしは相手を決めつけてしまっているのかもしれませんね。長くなりましたが、とても挑戦しがいのあるものだと思い、今月のトピックにしました。

寒くなってきておりますが、みなさま身体にはお気をつけてください。今日もみなさまにとって楽しいことがありますように。それでは翌月またお会いしましょう。
2018年 生活記録 12期生 福島愛未[2018年11月08日(Thu)]
こんにちは、12期生の福島です。

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(紅葉にうっとりします。)


今月は今までの留学生活で一番DeafSpace Design(デフスペース デザイン )にどっぷりと関われた月でした。早速ご紹介します!

◆Starbucks Signing Store in USA (スターバックス 手話ストア)
近年日本のろう者の間で、マレーシアにあるスターバックスが手話でコミュニケーションが取れるらしいと話題になっていました。ここギャローデット大学の近くにあるHストリートと呼ばれる賑やかな通りにも、アメリカで初めてのスターバックス 手話ストアができました!
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オープン当日に行くと、店内は大変賑わっており、あちこちで手話が飛び交っていました。

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期間限定で置かれていた、アメリカ手話で「スターバックス」と描かれているマグカップはろうのアーティストによって作られたもので、オープン当日は大変な人気であっという間に売り切れてしまいました。


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このスターバックスで働いているスタッフはろう者だけではなく、手話ができる聴者もいます。手話のイラストが入っているエプロンをつけたスタッフはろう者で、このイラストがない場合は聴者のようです。面白い!

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オープン後日、インターンシップ先のデフスペースデザイン のオフィスで、このスターバックスの視察に行きました。多くのろう者・手話者が集まるこのスターバックスにどのような配慮がされているか調査をするためです。実際に、このスターバックスでは手話で注文したり、手話ができないお客さんのために指差しメニューや筆談ボードなどの配慮はありましたが、空間としての配慮が少し足りないのでは?という結果になりました。インテリアなどの配置が他のスターバックスと同様だからです。

ろう者だけでなく、多くの聴者も利用するこの場所にふさわしい空間デザインとは何か、デフスペースデザインとしての新しい課題です。私自身もこの課題に興味を持っているので、デフスペースデザイン のクラスで行われる最終プロジェクトのテーマとして、このスターバックスについて掘り下げようと考えています。

◆Yale University (イェール大学)

10月の頭に、デフスペースデザインのクラスで、かの有名なイェール大学の建築学生と共同授業が3日間行われました。イェール大学の建築学生は、ギャローデット大学に訪れるまでに、デフスペースデザイン のガイドラインを熟知し、デフスペースデザイン を取り入れた設計課題を行ってきました。その設計課題に対してギャローデット大学の学生がフィードバックを行うという流れでした。

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イェール大学の建築学生による、デフスペースデザインのコンセプトを取り入れた設計課題の発表が行われました。テーマは、大学生寮と図書館です。私が学生の時には考えられないほど、素晴らしい案が練り込まれた設計課題でしたが、なぜか腑に落ちません。デフスペースデザイン のクラスメイトと話し合ったところ、イェール大学の建築学生は、デフスペースデザインを理解していないのではないかという結果になりました。

その後、イェール大学の建築学生とギャローデット大学の学生と、手話のみでの交流を行ったり、ギャローデット大学のキャンパス内にあるデフスペースデザイン の建物を案内することによって、次第にデフスペースデザイン とは何かを実体験から掴むことができたようです。

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(この場所に問題がある理由についてイェール大学の建築学生と話し合っていました。どこに問題があると思いますか?)

この体験は私にとっても大きな意味がありました。実際に聴者と行動することによって、改めてろう者独特の行動や価値観について気付かされたからです。

例えば、イェール大学の建築学生とギャローデット大学の学生がペアになって、キャンパス内を散策する企画中、ギャローデット大学の学生が転んで怪我をしました。聞くところによると、話に夢中になって道の真ん中にある排水溝のくぼみに気づかずに引っかかり、転んだようです。それに対してイェール大学の建築学生は、排水溝から聞こえる音で溝があることを察知し、その場所を避けるようにして歩いたそうです。

道を歩くだけでもろう者と聴者とでは、方法が異なることを改めて目の当たりにすることができ、デフスペースデザインの重要性を再確認することができました。

また聴者にどのようにデフスペースデザイン を説明するか、本当の意味で理解してもらうためにはどのような工夫が必要かというヒントも得ることができました。


◆DeafSpace Design Workshop (デフスペースデザイン ワークショップ)
10月の間デフスペースデザイン のクラスでは、空間とコミュニティの関係性について学びました。新しい建物や都市計画を考える際、従来のコミュニティの意見をおそろかにすることが多い問題があります。例えば、ギャローデット大学の近くにあるHストリートと呼ばれる大通りは、再開発によってレストランやバーが増え、ホームレスが減り綺麗な通りになりました。しかし、元々その通りは黒人コミュニティによる交流の場所でした。再開発によって、賑やかで綺麗な通りになった反面、彼らの居場所を取り上げる形にもなりました。このような問題を防ぐためには、従来のコミュニティの意見を取り入れる必要があるということについて学びました。

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デフスペースデザインも同様で、コミュニティの意見を取り入れることが大切です。ろうコミュニティの意見に耳を傾けることの重要さは理解していましたが、実際にどのように取り入れるか想像できませんでした。しかし、デフスペースデザインのクラスで行われた、ギャローデット大学にある図書館のリノベーションに関するワークショップを開くという課題を通して、そのヒントを得ることができました。

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日本に帰国後、この方法を利用して日本のデフスペースデザインについて考えたいと思っています。



10月はデフスペースデザイン について毎日新しいことを学ぶことができ、刺激的な時間を過ごすことができました。気づけば留学生活はあと残り2ヶ月です。季節の変り目や忙しさで体調を崩すことが増えてきました。残りの留学生活を有意義に過ごすためにも、体調管理に気をつけたいと思います。

ではみなさん、また来月きらきら
2018年10月 生活記録 【第12期生 西 雄也】[2018年11月08日(Thu)]

秋学期も半分が過ぎ、気候の方も段々と寒くなってきているこの頃です。

これまで遠方にあるインターンシップに通いながら、午後からはクラスに参加し、課題も行うという両立はやはりハードなものだと感じながらの日々を過ごしています。日々の疲れが溜まっていたのか、ストレスのせいなのか、一度体調を崩しかけたこともありました。それも11月半ばにはインターンシップが終わり、少しは落ち着いてくると思うので、辛抱強く頑張って行きたいと思います。

◆インターンシップ◆

平日の午前はインターンシップをし、午後からはクラスという状況でしたが、週一で、午後から受講するクラスがない為、インターンシップをする時間を伸ばしていただき、一日中メリーランドろう学校にいさせていただくことになりました。その日は、幼稚部から小学部の全学年のアートクラスを見学・アシスタントをすることができています。その為、様々な指導方法や生徒への接し方や着眼点について学びながら観察することができています。

そして、何回か、幼稚部と小学部にアートを教えました。内容は秋の葉、折り紙、ちぎり絵などです。初めて幼稚部の生徒に指導を行う時は、小学生、高校生に対するとは違った教育のプロセスや方法に戸惑いました。例えば、わかりやすく教えようとしても、物事の意味や概念を理解するのに工夫がいる。葉の複雑な形(線)を描きながら大きく描くことをデモンストレーションしながら、描き表そうとしても、大きく描くことや葉の複雑な形を描くことにイメージが掴みにくい、描くのに苦戦している部分がありました。従って、体全体や表情を使いながら説明すると進歩が見られるという状況です。そのように体験や、幼稚部の教員のアドバイスのもと、少しずつ指導方法がつかめるようになってきたかなと思っているところです。
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↑アートクラスにて


◆ハロウィーン◆

10月末頃にハロウィーンのイベントが近づき、子供がかぼちゃの彩色を楽しんでいたり、メリーランドろう学校の子供たちが仮装姿で登校してきたり、仮装姿の幼稚部の子供達が学内でパレード行進をしたり、彩色したかぼちゃの作品が展示されるなどのイベントで賑わっていました。
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↑メリーランドろう学校で展示されていたハロウィーンをテーマにした作品。
作品のテーマは本のキャラクターから作られています。



◆第一言語が手話のスターバックス開店︎◆

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今年の10月にワシントンDCのギャロデッド大学近くにあるHストリートの場所に、第一言語を手話としたスターバックスが正式に開店しました。ここでは店員全員が全てアメリカ手話で対応しています。多くの一般客も来店するので、手話ができない人に対しては音声ではなく指差し用のメニューやタブレットを使用しての筆談で対応します。まさに店内がデフコミュイティのような状況です。開店日には多くのメディアやろう者が、来ており賑わっていました。永続的に開店するようなので、多くのろう者やろうコミュニティとしては感動と嬉しい思いでいっぱいのようです。
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↑店内にスターバックスのためのデフアートの作品が飾られていました。

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