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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2019年1月生活記録【第13期生 橋本重人】[2019年02月08日(Fri)]
この生活記録を書いているここワシントンD.C.では、今、雪が降っています。私の故郷では雪が積もっても2、3日ですぐに溶けてしまうのに比べ、ここではなかなか溶けないため新鮮に感じられます。また、以前暮らしていた温暖な気候のカリフォルニアとは全く環境が異なるため、恋しくなる時もあります。さて、今回はアメリカ合衆国の首都であるワシントンD.C.ならではのことを書きます。

先月1月19日(土)に行われたWomen’s March(女性たちの行進)に参加しました。2017年にトランプ氏がアメリカ大統領に就任した翌日、ワシントンD.C.には何十万人もの人々が集まってトランプ氏に対するデモ運動が行われたのがこの行進の発端となります。それから毎年その行進が行われており、今年で3回目になるそうです。目的は女性の権利だけでなく、移民、医療改革、人種差別、DV、宗教、労働者の権利、LGBTの権利などをトランプ氏に対して抗議することです。

当日の朝、ギャロデット大学の最寄りの駅まで歩いていると、ピンク色の帽子をかぶった女性グループが、それぞれプラカードを片手に同じ電車に乗っていくのを見かけました。メトロセンター駅で降りると、先ほどの帽子と同じ形をした帽子(後でわかりましたが、いわゆる「プッシー・ハット」と呼ばれるこの運動に関するコモングッズでした)をかぶっている人たちがたくさんいました。また、路上にはTシャツ、バッジ、バングルを売るお店が並んでいました。
どんなことが起こるのだろうとワクワクしながらみんなが一斉に集まっているところに行ってみました。そこにはステージがありましたが、誰も出てきていませんでした。ステージの横には大きいスクリーンが置いてあり、『40.12』といった数字が表示されていました。その数字が少しずつ減っていったため、時間のカウントダウンだったと気づきました。こんなに人が集まっていてもじっとしたままだったので、何か起こるのか不安になってきた私は、思い切って隣にいる女性の方に声をかけました。
私「(携帯電話で)すみません、私は耳が聞こえませんが、ここにいる皆さんは何をしているのですか。何か放送でも流れていましたか」
女性A「みんな音楽を聴きながらダンスしているよ。またはおしゃべりをして待っているのですよ」「(大きいスクリーンを指差して)あのカウントダウンが終わったら、いよいよ女性のマーチが始まるのよ!」と興奮気味。
しばらくの間、その女性と携帯を通して簡単な会話をしました。彼女はテネシー州からはるばるこのためにやってきたそうです。

カウントダウンが残り20分を切った頃に、別の女性が後ろから私の肩をポンポンと叩き、「あなた、ろうなの?」とアメリカ手話で聞いてきました。そうであることを告げると「じゃあ、向こうにろう者たちのグループがいるみたいだから一緒に来ない?」と思いがけず誘われたので、手話で色々なことが聞ける!と思い、「はい!」と即答しました。女性はもう一人の友人と来ていて、二人とも手話ができる聞こえる人でした。

そのとき、音声言語(英語)だけの世界の中で、手話で話しかけてくれるのは本当に心強く感じました。音声情報だけだと内容がまったく分からず、非常に不安な気持ちになります。目に見える情報が入ってくると不要な緊張感もなくなり、安心します。手話は私にとって大切な言葉です。「元気?」「おはよう」「何食べたい?」と簡単な手話でも私にとってはものすごく嬉しい気持ちになります。

それはさておき、その女性たちとアメリカ手話で自己紹介をしたり、他のろう女性たちのグループに混じりながら行進したりしました。みなさんはそれぞれプラカードを掲げて何かを叫びながら行進していました。面白かったプラカードをいくつか紹介したいと思います。全てトランプ氏やトランプ政権に抗議するものなので、リアルな文章ばかりでした。

@ IKEA has better cabinets. (イケアにはもっといいタンス(大統領顧問団)がありますよ)
Cabinetは箪笥という意味ですが、同時に「内閣(ここでは大統領顧問団)」という意味でもあります。トランプ政権に対して、皮肉を伝えている文章です。

A Is this the best a man can get? (これは男にとって一番いいものなの?)
これはカミソリ会社(Gillette)のコマーシャルの宣伝文句だそうです。その決まり文句をトランプ氏への皮肉として用いています。
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B Feminist DAD (フェミニストの父)
父も自分の娘が大切で、女性を支えるという意味です。娘だけでなく、姉や妹、従姉妹、おばなども支えていくということです。何万人もの男性が一緒にそのデモ運動に参加していました。
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C Fuck the Patriarchy (家長なんかやめちまえ!)
なんと指文字で表示しているプラカードを見つけました。Patriarchyとは家長・男性支配という意味で、『男性中心の社会はもう終わり。これからは女性も平等に働く権利がある』ということを示しているのです。
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D We are not ovary-acting (over reacting). (私たちは大げさではない)
Ovaryとは女性器を指し示すものであり、女性はただ子供を産む道具ではないことを伝えるためのメッセージです。女性は家の仕事や子育てに専念するべきだという考えがこのアメリカにもまだ残っているところもあるそうです。
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プラカードにはダジャレのようなもの(Service→Cervix、Trump→Dumpに変えてみたり)、強いメッセージが込められたものなど、それぞれの思いを表現していました。女性二人にアメリカ手話で色々説明してもらい、本当に勉強になりました。私一人だけだとそれぞれの文章の面白みに気づくことは難しかったのでしょう。英語のイディオム(慣用句)やアメリカの文化をもっと知る必要があるなと痛感した一日でした。最後にお世話になった二人と一緒に写真を撮りました。またいつか、どこかで会えるのを楽しみにしています。
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政治に関する運動で賑やかになっていたワシントンD.C.からの報告でした。
2019年1月 生活記録 【第12期生 西 雄也】[2019年02月07日(Thu)]

一月下旬にアメリカを寒波が襲いましたが、ワシントンDCでは特に大きな被害はなく生活できています。そして、一月中旬ごろから春学期が開始しました。それまでの冬休み期間はニューヨーク州のロチェスターとカナダのトロントの二つの場所へ行き、この場所への訪問は、大変充実した日々となりました。

ロチェスター

ロチェスターでは、主にロチェスター工科大学・NTIDとロチェスターろう学校の見学をしました。ロチェスターにいる間、友人の助けもあり、様々な場所への訪問やろう教育やデフアートについての情報収集をすることができました。更に、去年の夏休みにデフアートに関するワークショップで関わった何人かの仲間とも再会し、少しの期間ですが、Deaf Clubの館内で行われたデフアートの合同制作に参加しました。
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↑お世話になった友人とDeaf Club前にて


・ロチェスター工科大学
ロチェスター工科大学は、聴者の大学ですが、学内にNTID(国立ろう工科大学)というろう者のための大学が併設されており、ろう者のための教育・技術習得の学科があります。
学内には、デフアート・De'VIAに関する作品がいくつか展示されているので、友人にその場所を中心に案内してもらいながら見学して回りました。更に、友人がセッテイングしてくれた、様々な分野のクラスに参加したり、マンツーマンでの授業をしていただきました。また、NTIDの教員から、日本のろう教育をテーマにした講演をしてほしいという依頼があったので、講演も行いました。学生の多くはASL上級者であり、ろう者に関する内容にも興味があるので、講演しつつディベートも行いました。

・ロチェスターろう学校
このろう学校では主にバイリンガル教育で行われています。ここでは、図書室やいくつかのクラスを見て周り、アートクラスの授業の様子も見学させていただきました。
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↑ロチェスターろう学校のマップ


・(デフ)アートセンター
NTIDの館内には、アートセンターがあり、デフアートに関する作品が展示されています。博物館の管理者いわく、デフアートのみを展示している施設はロチェスター大学だけだそうです。そこでは多くの作品が所蔵されており、展示されている作品だけでなく、倉庫に保管されている多くのデフアートの作品も観せていただきました。そこには多くのデフアート・De'VIAに関する作品があったので、大変多くの刺激をいただきました。
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↑NTID内の(デフ)アートセンター


カナダ(トロント)

・Deaf Cultural Museum(ろう文化博物館)
カナダにあるDeaf cultural museumへ行きました。このミュージアムではろう者に関する作品がいくつか展示されています。その時は、展示されていた作品の多くがデフアートの作品であり、ろう学校で作った美術作品やろう者をテーマにした絵本などがありました。
このミュージアムは、先月の生活記録で掲載したカンザスのミュージアムよりは小さめでした。カナダ内でろう者のための博物館はここだけだそうです。
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↑Deaf Cultural Museum


・ろう学校見学
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見学したろう学校は、トロント市内にあり、ここではバイリンガルバイカルチュラル教育で行われています。
Heather(ヘザー)さんと待ち合わせの約束をし、このろう学校で会いました。彼女はろう者であり、カナダの教育省(州ごとにある)のある部門の主任の経験や、ろう学校の小学校校長の経験があります。彼女にろう学校の中を案内していただき、夜からは彼女の友人たちも入れての交流を行い、カナダのろう教育や教育システム、このろう学校のデフアートに対する取り組みについてなど様々な会話や刺激をいただきました。
この交流を通して、アメリカや日本の状況だけでなくカナダの違いについて、新たな学びを得ると共に視野を更に広げることができたように思います。
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↑Heatherさんと。素敵な方でした!

1月生活記録【第13期生 山田茉侑】[2019年02月05日(Tue)]
雪の降らない、けれど−16度の世界を経験するなど、生まれて初めての極寒地での生活は、新しい人間関係とともに始まりました。今回お世話になる実習先のHorace Mann School for the Deafは、子どもたちも先生たちもみなユニークです。教員用の休憩室の壁にはこんなコメントが…。

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何かと思ってよく見てみると、

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先生はだいたいこんな風になる(上段)。
時計の針を戻して冬休みの初めに戻してくれないか(下段)?

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誰が教職がストレスだらけというの(上段)?
わたし39歳よ。気分はとてもいいわ(下段)!


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そうです。こちらの写真は、今学期からお世話になる実習先のHorace Mann School for the Deaf (HMS)です。アメリカで初めて建立された公立ろう学校で、かつ全米初の寮のないろう学校でもあります。

実は昔、こちらの学校はアメリカの中でも強固な口話主義でした。それがトータルコミュニケーション(生徒一人一人に合わせたコミュニケーションを追求する教育方針、例えばある生徒には手話を、ある生徒には口話で話す、など)に代わり、約2年前に校長が変わったことをきっかけにバイリンガル教育を軸とした教育方針に変わったそうです。まだまだ一部のクラスでは主に声が使われていたり、生徒同士の「わからない。声を消して手話だけで話して。」という言葉がけもありますが、パワフルな校長とともに徐々に、それもしっかり変わっていくだろうと想像します。

さて、実習について、今回は中学部2年生のクラスにお世話になることになりました。他クラスの生徒による授業妨害や、喧嘩、いたずらで非常ベルが鳴り響くなど、毎日なにかがある慌ただしい日々ですが、若返った気持ちになります。乳幼児教育相談や幼稚部は、昨年度新設したばかりでまだ安定していないため配属が難しいとのことでした。見学の機会をいただき行ってみると、たくさんのろうの先生が乳幼児教育相談に遊びに来ていた様を見たときは、みんな同じ気持ちなんだなあとホッコリしました。子ども4人に対して大人が11人もいたのはとてもおもしろかったです。みんな、ろうの子どもたちがとてもかわいいんですね。


今月は、今学期に受講するクラスをいくつか紹介したいと思います。
今学期は5つのクラスと、教育実習を同時進行でこなすことになりました。
・American Sign Language Structure
・Pre-Practicum: Initial Strategies
・Teaching English to Deaf Children
・Elementary Math 2
・Advanced Language and the Deaf Child


American Sign Language Structure (アメリカ手話の構造:ナオミ先生)
こちら、とても難しいですが、言語の構造について深く掘り下げながら学ぶ授業です。ASLだけではなくJSL、英語、スペイン語など他の言語についても考えながら、全ての基礎となるもの、言語ってなんだろうと考えながら授業を受けております。


Teaching English to Deaf Children (ろう児童生徒の第2言語としての英語教育:トッド先生)
前学期の「Psychology and the Deaf World」「Instruction Strategy」に引き続き、今学期も大好きなトッド先生のクラスがあり、これからの15週間がとても楽しみです。
先週読んだ論文によると、バイリンガルで育った子どもの語彙数は、一見モノリンガルの子どもよりも少なくみえて、実は2つの言語の語彙数を合わせると、モノリンガルの子どもと同じぐらいあることが証明されているそうです。つまり、子どもたちの言語脳はどんなときも学び育ち続けるのです。バイリンガルで育てると、他の子より言語面で遅れているように見える、どちらの言語も中途半端になるのでは…と心配になってしまうこともあると思いますが、見方を変えるとおもしろいですね。


さて、初回の授業でどのようにろうの子どもたちに英語を教えるかの全体的観点を見ました。
全ての本の60%に共通する語彙2000語を叩き込む、2つの意味を持つ文に慣れる (I am Mayu, He runs, Sushi is delicious, etc)、3-4つの意味を持つ文に慣れる(I like it, The rabbit ate a carrot, etc)など…順を追って英語を教えていくそうです。
バイリンガルは魔法ではなく…
その教育方針こそ最も書き言葉と向き合わなければならないものだなと思いました。この講義を受けて、早急に日本語の文法書を買わなくてはと思うようになりました。
※2, 3-4の意味を持つ文… am, is, the, a, 前置詞などそれだけでは抽象的な意味のものは語彙数としてカウントされません。


Advanced Language and the Deaf Child (言語とろう児童生徒:パトリック先生)
誇張ではなく、こちらの先生の手話、とても美しいです。熱々のパンにバターがなめらかに溶けていくように、スッと手話が頭に入ってきます。
こちらのクラスの先生、パトリック先生の本当の姿は、学校教員なのです。昼間はHorace Mann Schoolで指導をし、木曜の夜は大学まできて講義をしてくださるのです。発言や話し合い活動の組み入れ方がとても上手く、普段なかなか発言できない人でも発言しやすい雰囲気になっております。

そんな先生から、毎回名言または教義がポロッと出てきます。
例えば、疑問があったらまず先生に聞くのではなく、
「1に友達に聞く、2に身の回りにあるもので知ろうとする、3に先生に聞く。」
なぜなら、昼夜トイレシャワーまで先生は付き添うことができません。先生というリソースが使えるときは使いこなし、自分で答えを導き出せるよう自立することも推奨しているのです。


先週はLearning Environment(学習環境)について学びました。
2つクイズです。

1)もしもクラスを担当した場合、どれくらい壁に紙を掲示しますか。

壁の上から下まで膨大な紙が掲示されていると、子どもの頭には入りません。それは参観客の好感を買うための掲示になってしまいます。

2)授業中、足を椅子につけて座っている、姿勢の悪い子にどう言葉がけをしますか。

子どもは、「NO!ちゃんと座りなさい。」というように「NO」にますます反抗します。「 手話が見えないよ」という言葉がけには、わかった、と姿勢良くしてくれるかもしれません。



最後に…
ボストン大学の先生は、本当に大好きな方ばかりです。今学期もハードなスケジュールになりそうですが、学べるだけ学び倒し、入手した情報をみなさんに伝えていきたいと思います。
ボストン大学の授業料はとても高いです。そして、それに見合う、いや、それ以上に素晴らしい授業がなされております。そこで学び取ったものを、もっとみなさんに分かりやすく伝えるためにはどうすればいいか、悩んでおります。何か感じたことなどありましたら、ヒントを頂けますと嬉しいです。
それでは、翌月にまたお会いしましょう。
2019年1月生活記録 第10期生 辻功一[2019年02月03日(Sun)]

こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
正月休みは日本でゆっくりと過ごしてきました。そして日本への帰省もこれが最後になるでしょう。
渡米してから4年半が経過し、いよいよ最後の学期を迎えました。

BADM 495 (Applied Strategic Decision Making)
「戦略的意思決定」
前学期に受講したMBAクラス(MGMT 698)の時と同じ教授による講義で、キャップストーン・プログラム(全カリキュラムを履修した上で、総仕上げという形で実施されるプログラム)です。
戦略的な管理フレームワークを使用し、経済的、論理的かつ付加価値のある解決策に向けてすばやく意思決定を行う方法を学ぶといった内容です。

MGMT 389K (Internship in Entrepreneurship and Small Business Management)
「起業家精神と中小企業管理のインターンシップ」
ビジネス部門長の許可制によるインターンシップ・プログラムで、チコ市内にあるスタートアップのサポートをしているNPO団体のオフィスで週9時間のインターンシップをしながら、自身のプロジェクトを進めるといった内容です。

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<こちらでは練乳じゃなくてチョコなんですね。僕は何もかけない派ですけど>

最近、カリフォルニア州の電力・ガス大手 PG&E が米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請して破産しました。
実は2017年のワイン産地で有名なナパ・ソノマ郡の山火事はPG&Eの設備不良による火花が原因とされ、PG&Eに対して多数の訴訟が起きているのですが、去年パラダイスで起きた大規模山火事も同様にPG&Eの設備不良が疑われています。それらの賠償で約3兆2千億円を超す負債が生じる可能性があるため、破産を決めたということですね。

余談になりますが、カリフォルニア州の面積は約42万km2あり、日本全土より約5万km2広いんですね。そのカリフォルニア一帯をカバーするPG&Eの売上高もすごいことになってるのかなと勝手に想像していたのですが、調べたら東京電力約6兆円の売上高に対し、PG&Eは1兆7000億円ほどでした。(桁を間違えたのかと何度も数えましたよ・・・) ちょうど九州電力と同じくらいでした。
さらに驚くことに、PG&Eの純利益は東京電力より若干多いんです。
つまり日本より広い面積で、九州電力と同等の売り上げで、九州電力どころか東京電力よりも高い純利益を出しているということです。
これが何を意味しているのかというと、やはり思いつくのはひとつですね。

以上です。
日本ASL協会から8,188km離れたチコ大学からの報告でした。
ありがとうございました。
第12回留学奨学生帰国報告会、開催[2019年01月31日(Thu)]
第12回留学奨学生帰国報告会、開催

去る1月5日(土)、よく晴れて寒さも和らいだ日、品川駅から徒歩圏内にある東京海洋大学品川キャンパス白鷹館を会場に、帰国報告会を実施しました。

今回の報告者は3名。お正月明けに、いきなり午後1時~5時過ぎまでの報告会でしたが、80名を超える参加者が集まりました。

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司会は武田4期生、さすがの安定感。

帰国報告@瀧澤泉(第9期生)
「国際活動での絵本の役割」
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「いろいろなスキルを持っているステークホルダーとネットワークを作り、協力しながら一になって活動することが必要。そのために、絵本を作るプロジェクトを作り、活動を広めたい。」

帰国報告A牧谷陽平(第11期生)
「『ろう教育辞典』の索引をつくろう」
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「手話言語をきちんと研究したい。評価テストを作って普及させ、熟練度を評価し、手話教材を増やしていく。」

帰国報告B福島愛未(第12期生)
「ろう者とDeaf Space Design -デフスペース・デザイン-」
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「日本各地にある隠れたDeafSpace Designの情報を集めたい。私の力だけでは限界があります。皆さんも、これはデフスペースかもと思ったら、私に連絡ください。」


会場内には、これまでに留学した大学や奨学生の紹介を掲示。
現在米国留学中の辻10期生、西12期生、橋本13期生、山田13期生の近況報告や事業紹介のビデオを流しました。(写真右下:山田13期生)
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また、同窓会のナヴォア4期生(旧姓:福永/写真左下)も山口県から報告会の手伝いに駆けつけ、
協力してくれました。


参加してくださったみなさま、ありがとうございました
今後とも、ご支援のほど、よろしくお願いします。


*2019年度 第16期生 4月募集開始(予定)です*
 2019年4月に日本財団からの助成が正式に決定後、事業実施が確定します。

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 18:30 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
2018年12月生活記録 12期生 福島愛未[2019年01月23日(Wed)]


新年、明けましておめでとうございます。



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(ついに日本に帰ってきました。久しぶりの関西空港!着陸時にはホロリと涙が出ました。)

こんにちは、12期生の福島です。
12月25日をもって無事に約2年間の留学生活を終えることができました。
最後のブログは2年間の総まとめで終えたいと思います。


2017年 Ohlone College


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(Ohlone Collegeの噴水。亀がたくさんいました。)


初めての海外生活!英語もアメリカ手話も全くできない状態でしたが、現地につけばなんとかなるだろう精神で行ってみれば、言葉も文化も食べ物も全く異なり毎日新しいことを学ぶ日々でした。二日目に一人で初めてバスに乗った時は、降り方がわからずよくわからない場所に行ってしまい、お腹を壊してトイレを探し回る羽目になりました。アメリカって日本みたいに公共トイレが少ないんだと衝撃を受けた日でもありました。Ohlone College(オーロニカレッジ)での生活がスタート!



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(トム先生のDeaf Community:ろうコミュニティのクラスで。)


手話がとても魅力的だったトム先生。
最初の3ヶ月は全くアメリカ手話が読み取れず、毎日10回、20回以上はその単語の意味なに?と聞いていました。それでも嫌な顔一つせず、根気よく教えてくれた先生方、友人達に感謝しています。

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(ろう関係のイベント情報が掲示されていました。)


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(低い本棚のおかげで隅々まで見渡せました。)


サンフランシスコにある図書館では、ろう者や難聴者のための本の貸し出しサービスを行なっていました。ここで、アメリカにきて初めてDeafSpace Design(デフスペース デザイン)について考えるようになりました。西海岸では、DeafSpace Designという概念はまだ浸透していませんでしたが、ろう者が使いやすいように空間の使い方を工夫がありました。


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(ホームステイ先から一番近いバス停でパシャり。)


できるだけ自転車での通学を心がけていました。大学が山の上にあるため、朝はヒィヒィ言いながら登り、帰りは渋滞にはまっているバスを横目にささーっと坂を降って家に帰るのが習慣でした。そのおかげもあって、Ohlone College在学時には、マイナス10キロも痩せました!やはりダイエットには運動が一番ですね。

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(当時は訳がわからないと嘆いていた授業の一面も、今見ると・・・あれ、わかる!英語力伸びました!)


苦手だった英語の勉強を頑張ろう!と思えたのも、このナンシー先生のおかげでした。わからない!と音をあげそうになる私に根気よく丁寧に教えてくださったナンシー先生に答えたい!とOhlone College在学時は朝の4時から夜中の12時まで必死に勉強していました。人生で一番勉強した時期でした。その甲斐があって、英語力はぐんぐん伸びました^^



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(冬休みが始まる前にパシャり。嬉しさが滲み出ていますね。)


クラスメイトのアメリカ手話は、秋学期が終わる頃にようやく少しずつ理解できるようになりました。指文字が多く、苦戦したのを覚えています。読み取れるようになる前は、クラス内で人前に立って発表したり、クラスメイトとのグループワークをすることが苦痛で仕方ありませんでしたが、毎日の積み重ねの成果が目に見えるようになった時は本当に嬉しかったです。



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(日本の友人に会えた嬉しさで自然に笑顔が溢れました。)


待ちに待った冬休み!日本から仲良しの友達が来てくれました。留学先のフリーモントはもちろん、サンフランシコやアリゾナ、ラスベガス、ロサンゼルスを楽しみました。友達が空港に向かうためのタクシーに乗った時は、アメリカに来て初めて泣いてしまいました。この時に友人とたくさん話せたことが春学期も頑張るエネルギーになったのだと思います。

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(ホースシューベントと呼ばれる場所で。怖い!)


本当にありがとう!

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(人生で初めての事故、骨折、松葉杖生活。)


冬休みも終わりに差し掛かる頃、交通事故にあい、足の小指を骨折してしまいました。しっかりと直すためには手術をしてボルトを入れる必要があると言われた時は、本当に絶望しましたが日本に帰るよりもここで手術を受けて勉強を頑張りたいと決めました。その気持ちを汲み取ってくれた母が駆けつけてくれ、人生で初めての手術を乗り越えることができました。

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(子供の頃はギプスをするのがかっこいいと思っていましたが、実際は大変!)


手術後も3ヶ月ほど松葉杖生活が続き、毎日タクシーでの通勤でした。また春学期は聴者のクラスにも挑戦しており、クラス内にろう者は一人だけという環境で毎日英語との戦いでした。その生活でさらに追い討ちをかけたのは、聴者クラスとろうクラスが山の上と下に別れており、そのような状態の中エレベーターが稼働せず、松葉づえで階段を登らないといけないことでした苦笑。それでも乗り越えることができたのは、懸命に支えてくれた友人達のおかげでした。クラスが違っても移動のお手伝いをしてくれたり、代わりに昼ごはんや夜ご飯を作ってくれ、買い物や洗濯までしてくれていました。一生頭が上がりません。

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(カリフォルニアで有名なワインの聖地、ナパ)


泣きたくなるような時は、友人が色々なところに連れて行ってくれました。そのおかげで無事に春学期を終えることができました。

が、夏休みの始まりに今度は盲腸に!!!!あせあせ(飛び散る汗)
またまたアメリカで手術を受けました、とほほ。

たくさんのハプニングで心が疲れてしまい、それに伴って足の状態も悪く、半年間休学することに。
久しぶりに日本に帰国して家に帰るとホッとしました。

2018年 Gallaudet University
(ギャロデット大学)


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(ワシントンDCの冬は曇りが多く、この日もどんよりしていましたが心はワクワク。)


2018年1月、念願のGallaudet Universityに!半年間のリハビリを終え、足も心も準備万端です!

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(SAND BOX:サンドボックスと呼ばれる部屋で。)



この部屋でDeafSpace Design (デフスペース デザイン)の基礎をみっちり学びました。Ohlone Collegeの時と異なり、ここGallaudet Universityの先生方や学生達の手話が早く、最初の1ヶ月ほどは慣れるのに必死で家に帰るとすぐに寝てしまう生活が続きました。



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(国会議事堂の前で。)


Galladuet Univerisityで学んだのは、DeafSpace Designだけではありません。ほぼ毎日のようにキャンパス内のどこかで「Deaf (ろう)」について考えるイベントがありました。また常に手話を重視する環境にいたので、自然とろう者としてのアイデンティティが強まり、手話の言語権利について考える機会も増えました。

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(Holi:ホーリーと呼ばれるイベントで色付きの粉を投げ合いました。)


また様々な国から学生が集まるこの大学では、各国の文化を学ぶことができるイベントも頻繁に開催されていました。この日は、インドの文化を学びました!




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(本場のタコス!美味しい!メキシコはコーラの消費量が世界一です!)


夏休みの間に訪れたメキシコ!初めての南米にワクワクしました。実際に行ってみると、インターネットで書かれていたような危険な場所ではなく、見知らぬおっちゃんがテキーラの飲み方を教えてくれたり、美味しいタコスやサボテンを紹介してくれる人がいたりと親切でとても話しやすい人達が集まる国でした。また、メキシコの首都であるメキシコシティを訪れた際には、現地の聾学校も見学しました。


(IPPLIAPと呼ばれる私立の聾学校で。)



メキシコでも、DeafSpace Designという概念はないのにも関わらず、建物にはろう生徒が学びやすいような工夫が多くありました。この時、日本にも隠れたDeafSpace Designのアイデアがあるのではないかと思いつきました。




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(忙しい時にも関わらず案内してくださったスタッフの皆さんと。)



夏休みの終わりに、ミネソタ州にあるMinnesota State Academy for the Deaf (ミネソタ州立ろう学校)にも訪れ、この時完成したばかりのDeafSpace Designを取り入れた新しい寮の見学にも行きました。この見学を通して学んだのは、DeafSpace Designを取り入れる際には現地の教員、スタッフ、生徒達、コミュニティの意見を尊重し、何度も話し合って一緒に作り上げていくことが大切だということでした。

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(歴史を感じる一枚。)


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さらにミネソタ州立聾学校の近くにある、CharlesThompson Memorial Hall と呼ばれるDeaf culb (ろうクラブ)にも見学に行きました。この建物は、アメリカで初めてのろう建築家、Olof Hanson (オラフ ハンソン)によって建てられた建物で、1916年に完成した建物にも関わらず、建物内にはDeafSpace Designのような工夫があちこちに散らばっていました。このような工夫が1910年代には考えられていたのだと思うと鳥肌が立つほど感動したのを覚えています。




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ニューヨークで行われたWorld Deaf Architecture (世界ろう建築家) Conference では、米国各地から建築の仕事に関わるろう者が集まり情報交換や、企業が提供する新しい建築技術の情報を手話通訳を通して学ぶなど非常に有意義な時間を過ごすことができました。同じ仕事を持つろう者同士の情報共有は重要です。これまでろう建築家と交流する機会がほとんどなかったため、貴重な経験になりました。

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長かったはずの夏休みもあっと言う間に終わり、ついに最終学期を迎えました。最終学期は自分と専門と少し異なる分野のクラスも取っていたため、朝早くから学校に行って予習、復習の繰り返しでした。この場所はDeafSpace Designの一部で私のお気に入りの勉強場所でした^^

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(イエール大学の学生達と合同クラス。)


念願のDeafSpace Designのクラスで特にお気に入りだった講義です。イエール大学の学生がこのキャンパスを訪れ、3日間DeafSpace Designを学びました。この講義を通して、DeafSpace Designを全く知らない聞こえる人にどのようにDeaf Culture (ろう文化)やDeafSpace Designを教えるかを学びました。また、聞こえる人たちの行動特性を改めて目のあたりにすることができ、ろう者の行動特性と比較することもできました。さらに、イエール大学の学生たちによる建築作品が素晴らしく、良い刺激も受けました。

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(DeafSpace Designの建物内にある廊下にも、個人のちょっとした工夫が見られました。面白い!)



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(インターンシップ先の上司達とベルギーのインターンシップ生と。)


秋からは大学内にある、Office of campus Design and Planning (キャンパスのデザインと計画のオフィス)と呼ばれるDeafSpace Designのオフィスでインターンシップも経験しました。ベルギーから来た同じインターンシップ生とほぼ毎日のようにこのオフィスで、DeafSpace Designについて学びました。これまでDeafSpace Designのコンセプトは理解していても実際にどのように仕事に結びつくのか想像できなかったため、このインターンシップは貴重な経験となりました。


同じ建築を学ぶ、ろうの女性と会うのは初めてで、しかも他の国の学生!
毎日お互いの国の建築について語り合うのはとても楽しかったです。どのようなスキルを身につければ良いのかなどの情報交換は本当に勉強になりました。また二人ともDeafSpace Designを学んでいることから、自国でDeafSpace Designをどのように生かすかなど相談し合う機会もあり、今後の活動になるヒントも得ることができました。彼女に出会えたのはとても幸運でした。本当にありがとう!

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(Gallaudet Universityの学長と)


<最後に>


約2年にわたる留学生活を無事に終えることができたのは、日本財団の皆様をはじめとする留学事業関係者の皆様、先輩方、友人達、そして家族のおかげです。本当にありがとうございました。

留学生活は終わりましたが、日本でDeafSpace Designを広めるのはこれからです。今年4月から大学院で日本に合ったDeafSpace Designを模索していく予定です。

これからも応援よろしくお願いします。

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(久しぶりの地元大阪で。)


12期生 福島愛未


2018年12月生活記録 【第13期生 山田茉侑】[2019年01月08日(Tue)]
みなさま、新年あけましておめでとうございます。
今年も何卒よろしくお願いいたします。

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写真は、ボストンにあるコモン公園のイルミネーションです。奥にライトアップされたマサチューセッツ州の議事堂が見えます。


今回のクリスマスは、友人の家にお邪魔してきました。日本ではクリスマスは恋人との時間のイメージがありますが、アメリカでは大切な家族との時間として存在するそうです。

そこでカルチャーショックを受けました。
アメリカのプレゼント事情ですが、一人一人が家族全員にプレゼントを用意するという文化があるため、ツリーの下には数え切れないほどのプレゼントが転がっていました。友達による裏話ですが、クリスマスが迫ってくると、家族全員分へのプレゼントを考えないといけないため、ストレスになることもあるそうです。


さて、今回は9月生活記録の続き「ASLの音韻分析が英語獲得に役立つ!?」に触れたいと思います。覚えていますでしょうか。

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結局この話題について、今学期に深く扱われることはありませんでした。ただ、その答えの一つに、どうやらワーキングメモリーが関係しているようです。

ワーキングメモリーは、リズム遊びなどで鍛えられます。
聴者は、子どもの時から様々な音楽やリズム遊びに触れているため、約7つの数字などを一気に覚えることができます。例えば、電話番号などを短期ですが一瞬で記憶することができますね。
しかし、ろう者の場合はワーキングメモリーが十分育っていないこともあります。それは、ワーキングメモリーを育てるリズム遊びが、音によるものであるため、聴者のように楽しむことができないということが理由としてあげられます。書き言葉を獲得するには、言語獲得の土台の一つであるワーキングメモリーを無視することはできませんね。

アメリカの0-5歳児クラスでは、よくASLのリズム遊びをしているのを見かけました。
ただし、ここで見かけるリズム遊びは、歌に手話を合わせたものではなく、ASLの音韻を工夫して使ったものです。手話を構成する音韻は、ボストン大学では全部で5種類 (手の形、位置、手の動き、向き、NMM (Non-Manual-Markers))あると習っております。

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写真は、色と動物を合わせた歌です。
CSD (California school for the Deaf)やTLC (The Learning Center for the Deaf)の0-3歳児クラスで使われているものです。
2拍子からなり、同じ手の形同士の手話を組み合わせた仕様になっております。(GREEN GREEN BIRD は全て手の形(G)で表せ、ORANGE ORANGE BISONは全て手の形(O)で、YELLOW YELLOW WHALE は全て手の形(Y)で表せる手話です。)


一方、TLCの3-6歳児クラスではASL音韻の一つである「位置」と、なにか動物の特徴を使ったリズム遊びをしているのをよく見かけました。
ちなみに、ASL音韻の「位置」は全部で5種類 (赤, オレンジ, 黄, 緑, 青部分)あります。

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位置  (赤/ オレンジ/ 黄/ 緑/ 青部分=頭部/ 口周り/ 胴体部分/ 腕/ 空間)

例えば、この音韻「位置」を使って、わたしのクラスでは「アザラシ」のリズム遊びを考えました。
「アザラシ」といえば、「ツルツルした頭」で 「ひげ」のある 「毛に覆われた」動物で 特徴的な「足ひれ」をもち 「前ヒレで前進」する生き物ですよね。ASLで表すと・・・


ツルツルした頭/ ひげ/ 毛に覆われた体/ 足ひれ/ 前進している様子

このリズム遊びは、アザラシの特徴をASLの音韻「位置」5種類全てを使って考えあげたものです。TLCの5歳児クラスでは、子どもたちが自主的にこのようなリズム遊びを楽しそうにしているのをよく見かけました。

このようなリズム遊びを繰り返していくうちに、ろうの子どものワーキングメモリーは鍛えられ、約5つの数字などを短期間暗記できるようになるそうです。
そして、様々なASLの音韻を使ったリズム遊びに幼い頃から触れることで、それがのちに小中学部のASL音韻分析活動に繋がるそうです。その活動では、実際にろう児童生徒がASL単語を音韻レベルに分析し、また構築していきます。
春学期に、そのことについてもう少し詳しく学べたらと思っております。

それでは、翌月にまたお会いしましょう。
2018年12月生活記録【第13期生 橋本重人】[2019年01月08日(Tue)]
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新年明けました。
今年もどうぞよろしくお願いします。


昨年12月半ばに秋学期の授業が終わりました。私の在籍しているろう教育専攻では、一般的な最終テストではなく、プロジェクトの発表やエッセー、手話動画を提出して成績が決まります。本当に苦しくなって途中で課題を投げ出したくなる時もありましたが、大学の同期や友人たちと支え合って、なんとか乗り越えました。夜遅くベッドに入っても、早朝には目が覚め課題の続きに取り組む毎日でした。真っ暗の部屋の中でモソモソとしていたら、ルームメイトが起きてしまった時もありました(そのルームメイトは聴こえます。ごめんよ)。課題提出がすべて終わり、成績の知らせが届いた時はホッと胸をなでおろしました。そして、今は寮からアパートに引っ越し、生活に必要なものを買い出しに行ったりして過ごしています。必要なものを揃えるのは大変ですね。

さて、今回はアメリカの学校を見学したことを書きたいと思います。全ての学校はEDU785のField Experience and Seminarというクラスを通して見学しました。

・ロックビル高校(Rockville High School)
場所:メリーランド州
対象:高校(10年から12年まで)
今年はキュードスピーチ通訳を必要とする難聴学生が多いため、どの教室に行ってもキュードスピーチ通訳をよく見かけました。また、知的障害のあるろう・難聴学生のための特別支援学級の教室も見学しました。そこでは、身近な物の名前の単語(書記英語とアメリカ手話)を指導していました。つい最近海外から移住してきたろう学生何人かも一緒に学習をしていました。
その学校はキュードスピーチ通訳だけでなく、もちろん、アメリカ手話通訳も取り入れているとのことでした。FMマイクを使用しているろう・難聴学生はいませんでしたが、彼らは人工内耳と口話のみで会話をしていました(本当に通じ合っているかどうかまではわかりません)。なんとなく、緊張感のある学校でした。

・メリーランドろう学校コロンビア校(Maryland School for the Deaf, Columbia)
場所:メリーランド州
対象:早期教育から中学部まで
メリーランドろう学校には二つのキャンパスがあり、コロンビア校とフェデリック校があります。フェデリック校には早期教育部門から高等部まであります。ここ、コロンビア校の特徴といえば、重複障害を併せ持つ児童生徒が多いことです。フェデリック校はバイリンガルろう教育に、コロンビア校は重複障害の児童生徒の指導方法に力を入れているそうです。メリーランドろう学校は学生による団体やクラブ活動にも力を注いでいます。例えば、学生協議会、ヒスパニック系のろう学生団体、寮の中のリーダー、ジュニアNAD(国際ろうあ連盟)、LGBTQ団体などです。他にもAcademic competitions(学生のクイズ大会みたいなもの)にもチャレンジしており、他のろう学校と比べて積極的に学生の自主性を取り入れているそうです。

・フロスト中学校(Frost Middle School)
場所:バージニア州
対象:中学校(6年から9年まで)
とてもフレンドリーな雰囲気であり、生徒たちは口話、キュードスピーチ、手話など様々なコミュニケーション手段を取り入れている感じでした。口話で話すけど読み取りはキュードスピーチ通訳が必要、手話で話すけど口話のみ読み取ることができる生徒など、さまざまでした。私のろう教育専攻の同期に韓国系学生(養子として5歳からアメリカで暮らしている)がいますが、あるアジア系の男子生徒が私たち二人に「韓国人なの?」と聞いてきました。その同期が「そうだよ」と答えると、その生徒は目を輝かせて「僕も最近韓国から引っ越してきたよ。あなたの服装はとてもクールだね。僕もあなたみたいな先生になりたい。それからね…」とまくし立てるように話してきました。その時、今まで見学してきた学校の先生たちの中に、アフリカ系やアジア系の先生はあまり見かけなかったことに気づき、ある学部主任らしき人が「我々には白人だけでなく、POC(People of colors)の先生が必要である」と力説していたのを思い出しました。男子生徒は自分のロールモデルとなる人と嬉しそうにしていた姿を見ていると、やはりどの学校にもロールモデルが必要なんだなと痛感させられました。確かに、私自身も高校時代に目標となるろうの先生がいたからこそ、教育学部を選んだのだと思い出しました。

・リバー学校(The River School)
場所:ワシントンDCのジョージタウン
対象:1歳半から小学3年まで。
口話中心の学校でした。聞こえない子どもだけでなく、聞こえる子どもも一緒に学習をしていました。15人という少人数のグループで、そのうち3〜4人が聞こえない子どもでした。私が見学した限り、全員人工内耳を装用しており、聴覚活用ができているようでした。先生たちは手話を使わず、FMマイクを通して説明をしていました。驚いたことに、デフファミリーの子どもも在籍していました。その子は家の中では手話を使い、学校では口話で話しているそうです。自分から口話で学びたいという意見を尊重して、両親は通わせているそうです。
先生たちのほとんどがギャロデット大学の卒業生であり、しかも、その学校はギャロデット大学と連携をしているため、手話の良さも十分理解した上で指導を行なっているそうです。保護者と相談して、その子の学習面や生活面を見て、ケンダルろう学校に入った方がいいか、メインストリームの学校に行ったらいいかを決めるそうです。なるほど、先生たちは中立的な立場に立ってそれぞれの教育方法を知る必要があるのですね。口話がいいから、口話でやっていきましょう!という雰囲気ではありませんでした。

2018年12月 生活記録 【第12期生 西 雄也】[2019年01月08日(Tue)]


新年あけましておめでとうございます

本年も更なる成長を目指したいと思います

どうぞよろしくお願いいたします


12月中旬ごろに全てのクラスがついに終わり、冬休みが開始しました。秋学期を振り返ると、毎朝早くに起床してのインターンシップや午後からのクラや多くの課題をこなすことに苦戦することがありましたが、無事に終了できたことに感謝したいと思ったものです。

冬休みが開始してからは、アメリカの中心部にあるカンザス州まで車を走らせ、カンザスシティに1週間滞在しました。滞在目的は、カンザスろう学校とMuseum of Deaf History, Arts & Cultureというろう博物館への訪問することです。また、訪問した時期がクリスマス期間だったので、友人とクリスマスバーティや交流を楽しむことができました。

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↑家にはクリスマスのためのライトアップが飾られていました。

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↑クリスマスディナー



Kansas School for the Deaf (カンザスろう学校)

訪問した時、学期末に差し掛かっている頃だったので、多くの生徒が登校していない状況でした。しかし、友人の協力によって中学生のアートクラスを見学しました。その時、生徒達は陶芸を制作していました。授業終了後、担当教諭と美術の授業やデフアートや生徒の様子など色々話したうえに、カンザスろう学校の校内を案内させていただきました。ろう学校の教室や廊下、図書館、食堂などさまざなな場所に生徒のアート作品が展示されていました。展示されていた作品の多くはデフアート関連のものであり、賞をとった作品も展示されています。様々な表現の違いに刺激や魅力を感じながら鑑賞しました。

他に、現在は亡くなっていますがデフアーティスト、そして、De'VIAの最初の創立者でもあるChuck Bairdがカンザスろう学校出身であることが判明しました。少し彼についての生い立ちや作品の展示もあったので貴重な体験をさせていただきました。

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↑カンザスろう学校

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↑数々の作品

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Chuck Baird


Museum of Deaf History, Arts & Culture

この博物館はろう者の歴史、芸術、文化などをテーマにした博物館であり、アメリカの中で唯一の博物館です。場所はカンザスろう学校のすぐ近くに建てられており、ろう学校から徒歩ですぐ行ける距離にあります。
館内のスペースはそんなに広くはなく、30分から1時間かけて観てまわることができます。これまでアメリカのろう者の活動と実績、またADA法のことや手話の表現の根源について、コンパクトにまとめたものを展示してあります。
更にDe'VIAを元にしたデフアートの作品も展示してあり、そのほとんどの作品がChuck Bairdによるものでした。カンザス州出身者だからなのでしょうか。

館内を観てまわってみて印象に残ったことは、ろう者の価値観や努力、アイデンティティを反映しているかのような博物館でした。

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※館内は撮影禁止


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URL: https://www.museumofdeaf.org
↑Museum of Deaf History, Arts & CultureのHP(英語のみですが…)
このHPに一部、館内の様子が載ってあります。


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2018年12月生活記録 第10期生 辻功一[2019年01月07日(Mon)]

こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

たまたま春に、大規模山火事で壊滅したパラダイス近くの川に架かる100年以上前の木造橋を見に行っていたのですが、先の山火事で焼け落ちたと聞いて、信じられなくて実際に見てきました。
本当に焼け落ちていて、石で出来ている橋脚だけ残っていました。周りにあった家も無くなっていて、衝撃を受けるとともに、山火事の恐ろしさをひしひしと感じ取りました。

さて、大規模山火事の影響を引きずりながら、12/21に2018年秋学期が終了しました。

MGMT 698 (Special Topics in Management)
「デザイン思考」
MBAの学生たちとサンフランシスコにあるVerizonイノベーションセンターへ見学に行きました。
世界最大級の電気通信事業者Verizonは5Gサービスに注力しており、5Gで何が出来るのか色々なサービスを紹介していただきました。その中で印象に残ったのはVerizonが胸を張って紹介していた最先端サービスは、実は中国では既に実用レベルで運用しているんですよね。。。そこにはツッコミませんでしたが。
中国の真っ黒な部分はここのブログで言及するのもどうかと思うので、あえて触れませんが、さすが巨大実験市場、中国です。
もう一つ、印象に残ったスライドがあったので紹介します。

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<5Gによってサービスのあり方が変わる>

2019年、つまり今年は5Gによってあらゆる物がインターネットに繋がり(IoT)、世界が大きく変わるだろうと予測されています。

最終試験は、MBAのクラスらしく(全てのMBAクラスがそうだとは言いませんが)免除となりプレゼンテーションで幕を閉じました。最終プレゼンテーションのテーマは「革新的な技術やビジネスモデルをいかにキャッチし自分のものにするか」という内容でした。

ただ漠然とネットや雑誌の記事を読んでるだけではほとんど意味をなさないので、僕は3層の組み合わせによるアプローチを提案しました。
3層のピラミッドのようなものです。

上層:最先端技術や最新ビジネスモデルのウォッチング
中層:キュレーションを使った広い範囲での情報収集
下層:身近な問題や人々が不便に感じていることを探す

それぞれの具体的な解説は省きますが、目的意識を明確に持ってそれぞれの層の情報に接すると、自ずとイノベーションを生み出しやすい環境が出来ると思います。


冬休みは2週間の短い間ですが日本でしっかり充電し、最後の学期に向けて鋭気を養いたいと思います。

以上です。
日本ASL協会から8,188km離れたチコ大学からの報告でした。
ありがとうございました。
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