2011年もいよいよ今日で終わりを迎え、年末のご挨拶をさせていただく時期となりました。今年は公私ともに新地開拓した1年間でした。特に勉学面では、生涯発達論で更年期・高齢期について初めて勉強したことが一番大きかったです。新しいことに臨みながらも無事一年過ごせましたのも、みなさまの多大な支援のおかげです。来年もよろしくお願い致します。よいお年をお過ごし下さい。
***゚ ゚* 「すべての生徒」への責任 *゚ ゚***
-----------------------------------------
少年Mは荒れた家庭に育った。日々暴力を振るわれるストレスから非行に走り、学校では問題児として扱われていた。一方、少年Kは明るく前向きで、ゲイであることをみんなに話していた。KはMに恋をし、みんなの前でもそれをアピールしていた。女性を恋愛対象とするMは拒むが、Kはめげなかった。ある日、いつも通りの教室で少年MはKの頭に銃を二発放つ。教室内で悲鳴が上がる中、少年Kはそのまま帰らぬ人となった。
-----------------------------------------
スクールカウンセリング入門クラスで、実際にアメリカの中学校で起きたこの事件を題材にして、どう対処するか提案レポートを書くことになった。家庭の問題、性的好みの違い、学校への銃の持ち込み―――深刻な問題が3つ関わっている時点でかなり複雑なケースだ。さらにスクールカウンセラーに求められる役割と責任が重なって、長いこと悩んだ。
例えば、この事件はゲイ・レズビアンへの差別の表れだとも言われている。スクールカウンセラーはゲイ・レズビアンへの理解を深めるよう働きかけるべきかもしれない。仮にそうとする場合、「この対策によって、ゲイ・レズビアンの生徒が学校生活を送りやすくなる」ことをある程度保証しなければならない。余計に特別視されたり、最悪の場合いじめにつながったりしないか。異性が好きな生徒が自分の問題じゃないからと関心を示さないことはないか。効果ある対策を打ち立てるために、前もって生徒本人、保護者や教師から情報を集めて、ニーズをしっかり把握することが必要となる。よかれと思って何かやるのは無責任で、失敗したとき一番とばっちりを食らうのは生徒であることを頭に入れておかねばならなかった。それに、恋人同士でさえ公の前で積極的にアプローチされることを好まない人もいる。好きでもない人から、何度断っても言い寄られたら精神的に参る人もいる。散々悩んだ結果、性的好みや性的アイデンティティについては、人種、宗教、出身地、能力(学識、芸術、スポーツなど)、障がいなどいろいろある自己ラベルの1つとして取り扱うことにした。
(1)自分の中にある偏見や差別意識を自覚すること。
(2)「自分につけたアイデンティティ/自己ラベルを人から否定されたり非難されたりすること、隠したり嘘をついたりすることは苦しくて悲しいことである」と学ぶこと。
(3)感情的に相手を責めたり傷付けたりする方法のほかに、「私はあなたの○○によって傷付いた」「私は悲しい」「私は怒っている」など、「私は〜」文を使う方法もあることを知って身につけること。
を主な目標とした心理的教育プログラムを提案した。
米国スクールカウンセラー協会(American School Counselor Association)は、「すべての生徒を擁護する」ことをスクールカウンセラーの最大義務の1つとして定めている。ろう・難聴の子どもについて言えば、ろう、難聴、聴こえる子ども全員をかばいまもり、それぞれが学校生活に適応できるようサポートするということだ。スクールカウンセラーとして、公平を保つ役割と責任を改めて考えさせられた。
***゚ ゚* トリビア:異文化コミュニケーション編 *゚ ゚***
多文化カウンセリングクラスも終盤にさしかかり、ようやくカウンセリングを専門的に学ぶ手前まで来た。日常生活にも使えそうな豆知識をいくつか紹介する。
❑個人主義はアメリカに独特の文化である。他の国のほとんどは日本と同じ集団主義を重んじている。
❑支援をするとき、欧米、特にアメリカでは「何をするか」を大事にし、それ以外の国は大半が「どのように支援するか」を大事にする。
❑誰かとコミュニケーションをとるとき、人は内容を正確に伝えようとして言葉をつかう。実際、やりとりのうち言葉が占めるのは30〜40%。残りの60〜70%はコミュニケーションのスタイルに左右される。
❑その人の個性は、身ぶりや顔の表情、声/手話のトーンや大きさ、間の置き方などに強く表れる。