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第103話 夜に葉っぱを盗む虫・ヨトウムシ[2008年10月09日(Thu)]


 箕面だんだんクラブの仲間の中には、農地を借りて野菜などを作っておられる人が結構おられます。その話の中で無農薬野菜を作っていると、葉っぱを食い荒らす虫の被害にあったと聞きます。中でも4月〜6月と9月〜10月の2回も発生し、夜間に葉っぱを食い荒らす盗賊、ヨトウムシが出ると大変です。

 この虫は、「葉が食害され、激しい場合は葉脈だけ残して食べ尽くされます。生育及び外観が悪くなるだけでなく、野菜では食用部分が無くなることもあります」という食害性害虫です。
「万博記念公園における統合医療による生活習慣病の予防」を受講したとき、園芸療法がプログラムの中にありました。いろんな野菜を育てていくうちに、2つのうちの1つの畝に植えていたレタスが、ヨトウムシに食い荒らされてしまいました。
 漢字で夜盗虫と書く名のとおり、日中は葉裏や土の中に潜み、夜間に出没して葉っぱを盗み食うヨトウムシのことをまとめてみました。


園芸療法とは

 長寿科学振興財団の健康長寿ネットによると、「園芸療法とは、植物を上手に育てたり、たくさんの収穫物を得ることではなく、植物を育てることによって、身体、精神、知能、社会的に良い状態を求めたり、損なわれた機能を回復することです。
 土のかおり、芽吹いたばかりの緑、成長を待ちわびる気持ちなど、美しいもの、自然なものに触れ、五感が刺激されることによって、心に癒しが得られるのです。みなさんもきっと実感されたことがあるはずです」と書いています。

 園芸療法は第二次世界大戦の後、1950年代からアメリカ合衆国や北欧から始まったといわれています。

 「アメリカでは主として、戦争からの帰還兵の心の癒しの手段として発展してきたが、北欧では平行して、障害者の社会参加、社会復帰の考え方を主導するノーマライゼーションの一環として、これは当初考えられた。その他、障害者や精神障害者、また社会的に心の傷を抱えた人たち、たとえば、家庭内暴力やレイプの被害者女性、引きこもり、囚人など、さまざまな人たちが対象として考えられ、それぞれの分野で着実に実績を上げつつある。ただし、これらはあくまで療法の一環であり、健康な人たちが、庭つくりを楽しみ、それを慰めとするというのとは一線を画して考えられなくてはならないものである」(フリー百科事典「ウィキペディア」より)。

 「統合医療による生活習慣病の予防」の講座での対象者は、「生活習慣病予備群に属する方。すなわち、次の事項を1つ以上満たしている方。
a.腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上
b.中性脂肪150mg/dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満のいずれか又は両方
C.血圧で、収縮期血圧が130mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上のいずれかまたは両方
d.空腹時血糖が110mg/dl以上

 という条件の人たちですから、園芸療法の発展から見ると、このプログラムが馴染むのか疑問を持ちました。




写真1上段:屋上にベニヤ板で囲った畝作り(4月9日)

     中段:種をまいて1週間後の野菜の出来具合を見る(4月1日)

     下段:プラグトレーにレタスの種を蒔く(4月16日)

 最初の講義では初対面同士で緊張していましたが、その直後の園芸療法時間では写真1上段のように、みんなで協力して砂、腐葉土、赤土を1:1:1にしてスコップでかき混ぜ、畝を作り、種を蒔く作業をしているうちに、打ち解けて会話が弾むようになりました。

 種を蒔いて1週間後には間引き菜を昼食の1品に加えてドレッシングをかけて新鮮なとれたての野菜を食べる喜びを味わえました。また、2週間目、3週間目と植えた野菜の出来具合を批評しあいながら、参加した26人と新しいコミュニケーションが始まり、みんなと交流展開されるきっかけになりました。


最近の野菜栽培方法の傾向

 最近の野菜栽培方法は、キャベツやレタスやたまねぎ、サツマイモなどは種からはじめると育てる時間がかかるので苗を販売している場合があります。もちろん苗を購入する場合は割高にはなりますが,面倒はなくなります。
 今回はプラグトレーにそれぞれの区画に3〜5粒の種を蒔いておきました(写真1下段)。





写真2上段:レタスの苗、4月23日の状況


     中段:レタスの苗、5月7日の状況   

     下段:レタスの苗を畝に移植した状況(5月21日)

 写真2上段から4週間経って畝に移植しても、プラグトレーでは狭い枠なので成長が抑えられています。したがって、畝に移植する時期をずらすことによって収穫も順次遅らせることができ、食卓にはレタスで食べられる時期を調節することができます。売る方も種だけを作る種屋さん、苗だけを育てて売る苗屋さんが分業化しているようです。

移植したはずのレタスの行方は?

 プラグトレーで育ててきたレタスは、写真2下段で示すように、5月21日に畝に移植しました。ところが、移植した東側の畝のレタスは1週間後には写真3上段に示すように、跡形もありませんでした。同じ条件で移植した西側の畝では写真3下段のように順調に育っていました。



写真3上段:東側の畝のレタスがなくなった状態(5月28日)

     下段:順調に育った西側の畝のレタス(5月28日)

 園芸療法の先生は、東側の畝のレタスは「根きり虫にやられた」と言われ、その日の作業はその虫を見つけ出す作業に始終しました。

 この2つの畝は建物の屋上にベニヤ板で囲った中に土を入れたものですが、無農薬で栽培するために写真1中段のような白色の網目の細かいネットで被せて害虫が侵入しないようにしていました。しかも、透過率90%以上のネットだったので今まで順調に育っていただけにがっかりしました。

 原因はその1週間前の5月21日の作業で、畝の土を下から切り替えして土をほぐす作業とともに、不足した土を補うために屋上に放置してあった腐葉土を入れたときに、根きり虫の卵が東側の畝に紛れ込んだものと思われます。


根きり虫の退治

 根きり虫は、昼間は茂みや土中に隠れて夜間活動するので、食害された部分には姿が見えませんでしたが、表土を削り取って写真4上段のように、ブルーシートの上で日光にさらしてみると、写真4下段のように210匹以上の根きり虫を見つけることができました。削り取ってシートに敷いた土は未だ土に潜んでいるので、靴で踏み殺すことにしました。1匹の蛾で約300個の卵を産むそうで、その7割はみんなの手で取り出しました。




写真4上段:根切り虫にやられた表土を削り取る  

    下段:捕らえた根切り虫、210匹

 この根きり虫は5月28日に見つけて駆除できたと思っていましたが、6月4日、11日にも未だ生き残っていて、講座最終日の6月18日にもまだ残っていました。

根きり虫の正体

 その日(5月28日)の昼休みに自然観察学習館の担当者に質問をしたところ、「根きり虫の正体はおそらくヨトウムシだろう」と答えて、日本産幼虫図鑑(発行所 滑w習研究社2005年11月11日初版第1刷)の本を紹介していただきました。その解説には

特徴:卵は平面状に多数まとめて産みつけられ、若い幼虫は群生する。大きくなると根元や土中に潜み、夜間に活動する。頭部は橙褐色(とうかっしょく)で、体色は淡い緑色〜暗い褐色まで変異がある。中齢(ちゅうれい)以降は食草の地表近くに降りて生活する。ヨトウムシと呼ばれる農作物の害虫として知られる。

食物:タデ科、マメ科、アブラナ科、ナス科、キク科、ウリ科、セリ科、ヒルガオ科、アカザ科、アサ科、アマ科、アオイ科、ケシ科、シソ科、イネ科、バラ科など、多くの野菜類のほか、各種雑草や樹木。

分布:北海道、本州、四国、九州、対馬。




写真5上段:ヨトウムシ(日本産幼虫図鑑)

    中段:ヨトウムシの成虫、ヨトウガ(日本産幼虫図鑑)

    下段:移植して3週間後の西側のレタス(6月11日)

 
 西側の畝のレタスは3週間後の6月11日には、写真5下段のように順調に育ち、大きくなった外側の葉っぱから千切って昼食のサラダになりました。なお、化学肥料を施したレタスは葉っぱが柔らかく美味しくかったのですが、肥料を入れなったレタスは葉っぱがやや硬かったようでした。                      (平成20年10月9日)
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