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第191話 南岸低気圧の接近で太平洋側は大雪[2014年02月19日(Wed)]

 2月8日の活動日は、前日の天気予報で近畿地方に大雪警報が出た。市街地よりずっと標高の高い「箕面市体験学習の森」」へ行くのは難しいので、事前に活動中止の連絡が入った。
 8日の7時半の一番機で伊丹空港から熊本へ見送りに行く約束があり、前夜の予報から判断してモノレールやバスも運行停止のことを想定したが、タイヤチェーンの準備もできないまま不安な夜を過ごした。
 早朝庭の木々は白くなっていたが、アスファルト舗装は積雪がなく、トラブルもなくマイカーで空港へ行くことができた。

 8日の南岸低気圧では、近畿地方は降雪による交通の乱れは殆んどなかったが、東京では積雪27センチだったとか、関東各地で交通機関が大いに乱れた。そのほとぼりが冷めないままに、2月14日からまたぞろ南岸低気圧が接近して関東甲信越地方に大雪による大被害をもたらした。この南岸低気圧についてまとめてみた。

 冬に南岸を通過する低気圧

 昭和47年から約5年間、高速道路の維持管理の仕事に従事していた。盛土や切土といった土工区間では、降雪などにより路面を凍結していくのは上空からだけだ。
 筆者が担当した区間は全線高架道路の構造のため、上空からだけでなく高架下からも冷気にさらされ、凍結していくスピードも速い。
 冬の間は、タンク車に凍結防止剤(塩化カルシウム)を待機させていて、凍結の恐れがある場合は、それなりの体制で待機をしていた。
 一般的に京阪神の沿岸部では昼間に気温が上がっていて凍結することはまずないが、夜間は高架道路の場合、気温がどんどん下がっていくので凍結しやすく、夜中に凍結防止剤の散布の指令が来ることも再三あった。

 昭和47年と言えば、大阪万博が終わって2年経ったころだが、現在ほど充実した天気予報は出ていなかった。気象衛星からの情報もなかったのではないか、観測データも今ほど数多く収集されていなかったと思う。
それでも、天気図や予報から昼間から寒さが厳しく、南岸に低気圧が北上していくときは、雪が降り凍結するのではないかと経験から覚悟をしていた。
 そのころ、南岸低気圧という言葉は使っていなかった。

南岸低気圧
 奈良地方気象台のホームページ「気象歳時記」に南岸低気圧のことを解説している。
「南岸低気圧とは、日本の南海上を主として東〜北東に進む低気圧のこと(図1)。南岸低気圧そのものは、1年を通じて見られる。なぜ、南岸低気圧が降水をもたらすのか、図2で、低気圧の中心に向かって吹き込む南からの暖かく湿った空気(暖気)と北側から流れ込む冷たく乾いた空気(寒気)がぶつかりあっている。
 このように南岸低気圧の場合、暖気と寒気のぶつかり合う場所がちょうど太平洋側であるため、太平洋側を中心に降水をもたらす。気温の低い1月後半〜3月に南岸低気圧が現れると、降雪になることがある。雨になるか雪になるかは、地上付近の温度や湿度によって決まる。この温度や湿度は、低気圧の進むコースや発達の程度、三陸沖から関東にかけて寒気をもつ高気圧の存在、低気圧の後ろ側の寒気の存在などに依存する。
 低気圧が日本列島に近づきすぎると、低気圧に吹き込む南からの暖かく湿った空気の影響で雪になる可能性は低くなる」

img859.jpg


図1,2 南岸低気圧の解説図(奈良地方気象台から引用)


2月14日は箕面市街地でも積雪

 2月14日も先週7日と同じような気圧配置で、南岸に低気圧が接近し箕面市内でも積雪があった。夜半から降っていたようで、近くの公園は一面銀世界になっていた。

IMG_1744.JPG


 写真1 近くの公園は一面銀世界


 ナンキンハゼの並木道も枝に雪が積もって普段と違って、白黒映画のような景色になっていた。

IMG_1747.JPG


 写真2 白黒写真のごとき並木道


 写真1、2は14日午前11時過ぎに撮ったが、昼過ぎには雪は止んでしまい、路面の雪は車が通り度に水しぶきで飛び散り、2時過ぎには路面の雪は消えていた。
 この雪は東に進むにしたがって関東甲信越地方に観測史上1位を更新するような大雪による大災害になってしまった。

弾低気圧で大雪
 翌9日の朝日新聞朝刊には、「南海で急成長、太平洋側接近 温暖化で降雪ゲリラ化」の見出しで、8日午後3時と、1998年1月15日午後3時の天気図(図3)を並べてその共通点を述べている。
 その記事には「8日から9日にかけて太平洋側も含め広い範囲で大雪をもたらしたのは、『爆弾低気圧』と呼ばれる急速に発達した低気圧だった。冬場は発達した大陸の高気圧に覆われる西高東低の気圧配置になることが多く、北西の季節風が日本海側に雪を降らせる。これに対し、太平洋側に大雪をもたらすのは、今回のように日本列島の南にある発達した南岸低気圧の接近によることが多い」と書いている。
 
img849.jpg


 図3 南岸低気圧の天気図(朝日新聞記事から引用)


爆弾低気圧

 気象庁の「気圧配置 気圧・高気圧・低気圧に関する用語」では、「爆弾低気圧」は×の記号で、「使用を控える」用語に分類されている。

「短時間の間に急速に発達し、熱帯低気圧並みの風雨をもたらす温帯低気圧の通称。世界気象機関 (WMO)の定義では、中心気圧が24時間以内に24ヘクトパスカル以上以下するものを指す。
 1978年に豪華客船クィーン・エリザベスU号が大西洋を横断中、猛烈に急発達する低気圧に襲われる事故が起きたのをきっかけに、この呼称が使われるようになったと言われている。
『爆弾』という表現に抵抗があることから、日本の気象超庁は『急速に発達する低気圧』と言い換え、これを気象用語として用いている」(知恵蔵miniから引用)。

2月8日と2月15日の大雪の違い

 テレビのニュースでは、関東地方に降った8日の大雪はさらさらした雪質だったが、15日では重たい雪室であったと解説していた。
 2月8日と2月15日では天気図ではどのように違っていたかを、それぞれ翌日の新聞朝刊を切り抜いて並べてみた。

img8482月8日21時.jpg


 図3 2月8日21時の天気図


 どちらの天気図も翌日の朝刊のデータだから、予測図ではなく、21時の天気図を再現しているのだろう思う。

img85811ー15日21時.jpg


 
図3 2月8日21時の天気図


 気象予報士の解説の中で15日の予報では、気温が上がっていって雪から雨に変わると予測していたのが、どんどん下がったために大雪になったという。加えて、海上の気象データが少ないので予報が難しいとも言っていた。
 
 さらに記事には「今回大雪を降らせた低気圧は、8日午前6時には四国の南海上付近で中心気圧が1千ヘクトパスカル。9日午前6時には980ヘクトパスカル程度にまで成長すると予想されている」と書いていたが、8日21時の天気図には988ヘクトパスカルに発達した南岸低気圧が関東沖に接近している。
15日21時の天気図では14日6時に四国沖に1010ヘクトパスカルの南岸低気圧が図4でわかるように、関東甲信越に996ヘクトパスカルに発達している。
 
ここまで書いていて、過去の天気図をネットで検索すると、日本気象協会(tenki.jp)で公開されていることが分かった。過去の天気図から予想天気図まで調べることができた。

 2月14日から関東甲信越地方を襲った南岸低気圧は、2014年2月14日の山梨日日新聞によると、「甲府で積雪1メートル超 史上最多」の見出しで「山梨県内は記録的な大雪となり、甲府と河口湖で積雪の深さが観測史上1位の値を更新した。15日午前7時の積雪は河口湖138センチ、甲府110センチ」という。
 この大雪はこの後北海道沖で猛威をふるっている。6日経った19日のテレビでは除雪が間に合わず関東地方各地で孤立した集落が2千以上あるとか、報道していて自衛隊が出動して食糧補給や除雪の作業が続いているという。
 
気象庁の「警報・注意報、天気予報について」によると、「世界中で一斉に行われるレーウィンゾンデ観測のデータなどを使って、地球を取り巻く大気の状態から、数値シミュレーション技術を用いてスーパーコンピュータで計算することにより、数分後の大気の状態がどうなるかを求めることができる。数分後、さらに数分後と計算から明日、明後日・・・一週間後の大気の状態を求めることができる」という。

 今から40年ほど前に経験した南岸低気圧を思いだしながら、天気図のことなどを素人ながら書いてみた。田舎の古老たちは、その昔「あの山に雲がかかったら雨が降る」というような予報だった。今後も生活に密着した天気予報は、より精度の高い予報に向って進んでいくのは確実であると思う。
                      
  (2014年2月19日)



第99話 ゲリラ豪雨[2008年08月29日(Fri)]


 今年の夏はゲリラ豪雨による痛ましい事故が相次いでいます。
 7月28日、神戸市灘区の都賀(とが)川では水位が10分間に1.3メートルも上昇し、小学生ら5人が濁流にのまれて亡くなりました。

 8月5日には東京都豊島区の下水道内で作業員5人が、退避する直前に予想を超える速さで迫った濁流に巻き込まれました。また、16日には栃木県鹿沼市で冠水した市道に車が水没、119番に助けを求めたが、ゲリラ豪雨で通信指令がパニックで正常な判断ができず助けられなかったという痛ましい事故が発生しました。

 2年前の2006年8月22日には豊中市で1時間に110ミリを記録、278戸が浸水したし、昨年の7月16日には富田林市で1時間に120ミリ以上を記録しました。

 集中豪雨という言葉が公に使用されたのは1953年(昭和28年)8月14日から15日にかけて京都府木津川上流で発生した雷雨性の大雨のときからですが、近年の集中豪雨は、(1)降雨の範囲が大変に局所的である(2)降雨時間が短い(3)単位時間当たりの降雨量が多いといった特徴から、ごく限られた範囲に集中して一度に降る都市型のゲリラ豪雨と言われているようです。

 都市部でおきるゲリラ豪雨について考えてみました。


1 時間降水量50ミリ以上(非常に激しい雨)

  数日前の毎日新聞によると、「局地的な『ゲリラ豪雨』、都心では平年の3倍も多い雷、そして突風被害−−。日本列島は今夏、例年以上の異常気象に見舞われた。地球温暖化の影響なのか、今年だけの現象なのか」と報道しています。   

 気象庁が平成16年11月25日に報道資料として発表した「平成16年夏から秋にかけての集中豪雨・台風等について」によると、
「平成16 年は各地で短時間強雨や大雨が頻発しました。今年11 月24 日までのアメダスのデータをみると以下の状況でした。




    図1−1時間50ミリ以上・日降水量400ミリ以上の発生回数

・ 1 時間降水量50 ミリ(※1)以上の短時間強雨を観測した回数は468 回にのぼり、アメダスが観測を開始した1976 年以降の29 年間で最も多くなりました(これまでの最多は419 回(1998 年))。
また1 時間降水量80ミリ〈※2〉以上を観測した回数は30 回に登りました(1976 年以降第4位)

〈※1、2〉1時間雨量50mm の降雨とは、「非常に激しい雨」で、滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)ものです。1時間雨量80mm の降雨とは、「猛烈な雨」で、息苦しくなるような圧迫感があり恐怖を感ずるものです。

〈※3、4〉日降水量200mm の降雨では全国ほとんどの地域で大雨警報が発表されます。日降水量400mmはその2倍にあたります。


 図1をみると、90年以降、それ以前に比べて50ミリ以上、日降水量が確実に増えていることがわかります。

平成20年8月6日のゲリラ豪雨

  この日の夕方、箕面市内から南下して吹田市内へ入って山田あたりに差し掛かったころ、「非常に激しい雨」に見舞われました。気象庁が平成12年8月に作成した「雨の強さと降り方」によると、上記※1,2の1時間降雨量50以上〜80未満(mm)で、車に乗っていて「運転は危険」であり、ワイパーは利かずバスは一時停車したままでした。



地図調整 鰹コ文社2006年4月

図2−万博記念公園を挟んで北と南の雨の降り方

 ところが、地図に示すように万博記念公園の南、山田地区では、「非常に激しい雨」だったのに、箕面市小野原地区では全く雨は降っていませんでした。

 翌日の朝日新聞には「枚方で最多1時間71.5ミリ」の見出しで、「近畿地方の一部で6日午後、短時間に激しい雨が降り、浸水被害や交通機関の乱れが相次いだ。大阪管区気象台によると、大阪府枚方市では午後5時40分までの1時間雨量が観測史上最多の71.5_。大阪府内では、枚方市で数十戸、寝屋川市と茨木市で少なくとも数戸が床上まで水につかったほか、府北東部を中心に530戸以上が床下浸水した」と報じていました。


集中豪雨はなぜ発生するのですか?

 この質問に気象庁のホームページ・気象等の知識の中で、「集中豪雨は、活発な積乱雲がもたらします。活発な積乱雲の発生に共通した気象条件としては、大気の状態が不安定である、すなわち、地表面付近の空気が比較的暖かく湿っており、上層の空気が比較的冷たく乾いている状況です。梅雨前線や太平洋高気圧の縁、台風の周辺などにおいては、多量の水蒸気が継続して流入することがあり、大気の状態が不安定となって集中豪雨が発生することがあります。また、地形の影響を受けて、水蒸気がある狭い地域に集まることが集中豪雨を引き起こす原因となることもあります。

 集中豪雨をもたらす、個々の積乱雲の寿命はせいぜい1時間程度です。しかし、積乱雲が同じような場所で、あたかも世代交代をするように次々と発生→発達→衰弱を繰り返して、激しい雨が数時間から十数時間も継続することがあります」と答えています。

 積乱雲は上昇気流で発達していきますが、起きるおもな原因として
@気流が山を越える
A低気圧や台風に風が吹き込む




     図3−上昇気流の起こるおもな原因(@、A)


B前線が接近した
C地面が熱せられた
D上空に冷たい空気が流れ込んだ




図4−上昇気流の起こるおもな原因(B、C、D)


 鐃村 曜(よう)著 「イラストでわかる天気のしくみ:新星出版社」のイラストを借用しました。実際には、これらのいろんな原因が組み合わされています。

ヒートアイランド現象

 今月14日の朝日新聞「ニュースがわからん?『ゲリラ豪雨』なぜ起きるのじゃ?」の中で、「ゲリラ豪雨は都市部の方が起こりやすいのか?に対して、都市部はアスファルトやビルに覆われており、暑くなりやすい。いわゆるヒートアイランド現象だ。また、ある研究結果によると、高層ビル群の上空を風が通ると、紙やすりの上で滑りが悪くなるように、空気が滞る。行き場を失った空気が後から来た風に押し出されて上昇し、雨を降らすという」と答えていました。

 上記8月6日の万博記念公園付近のゲリラ豪雨をみると、吹田市の以南は写真1下段のように、高層マンションなどが立ち並ぶ千里ニュータウンから大阪市内にかけてはヒートアイランド現象が起こりやすいところです。万博記念公園には写真1上段のように、全体260haの中心をなす99haの敷地内には、約250種50万本の樹木が植樹された広大な緑地が広がっていて比較的温度が低くなっています。そこへ熱せられた空気がぶつかり行き場を失って後から来た風に押し出されて局所的に上昇気流となり、局所的にゲリラ豪雨が発生したのかもしれません。





写真1上段:古江台展望台から東方向(万博公園)を見る
    下段:古江台展望台から南方向(大阪市の方向)を見る

 今回のようなゲリラ豪雨ほどではないが、万博公園を挟んだ北と南では雨の降り方が極端に違うことは何度も経験しています。

地球温暖化が進むと集中豪雨が頻発する

 温暖化が進むと、気候が極端化すると言われています。集中豪雨などが増え洪水が頻発したり、あるいは逆に雨が極端に少なくなり干ばつが起こるなど、異常気象の被害が大きくなると予想されます。

 「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書統合報告書: 観測結果・地表面及び大気中の気候変化」をみると、「陸域は海洋よりも速く昇温している、大雨の頻度は大いに増加した、気候の温暖化に伴って極端な気温の発生も変化している、北極域の平均気温は、過去100 年の世界の平均気温の上昇率のおよそ2倍の速さで昇温している、対流圏の水蒸気は増加している」など、地球全体が温暖化していることを強調しています。

偏西風の蛇行

 気象庁は今月8日に2008年夏の異常気象分析検討会の結果概要では、「西日本を中心に続く今夏の高温や少雨などの異常気象を受け、気象庁の分析検討会は8日、7月下旬以降に偏西風の蛇行が見られ、西日本上空を中心に高気圧が強まりやすい状況になったことなどが要因とする」見解を発表しました。

 また、2004年、年間を通じて記録破りの豪雨になったことについて、船瀬俊介著・気象大異変(リヨン社:2004年7月発行)によると、「2004年7月の豪雨では高気圧が梅雨前線を押し上げ停滞させて集中豪雨をもたらした(気象庁)。しかし、これではなぜ高気圧が北寄りに居座ったのか?その理由の説明がない。明言すれば、つまりは温暖化で海水温が高まり、太平洋高気圧の勢力が強くなり北へ張り出したのだ。それに押されて偏西風が蛇行を始め、高気圧はそのくぼみにはまりこんで居座ってしまった。これからの異常気象は……温暖化→偏西風蛇行→高気圧(あるいは低気圧)のはまりこみ……を無視しては語れない」と書いています。

 洞爺湖サミットでも取り上げられた地球温暖化問題は、異常気象とともに今後とも注視していくべき大きな問題です。

(平成20年8月29日)

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