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第116話 空気孔20mmを25mmにすると空気量が約5割も増える![2009年02月04日(Wed)]


  昨年12月6日の竹炭やきでは、炭やき担当のベテランが参加できなかったこと、朝9時の気温がマイナス0.2℃だったこと、炭材が9月に間伐したもので乾燥期間が短かったことなどの理由で、煙道口の温度が83℃以上になった時点で、いつもは空気量を20mmに絞ることを堅持してきたのを25mmにしてしまいました。

 空気孔の直径は106mmですが、20mmが25mmとわずか5mm広げただけですが、竹炭の出来具合は前回に比べて51%減でした。私たちの炭窯の炭化過程における空気量を検討してみました。


空気量20mmのときの温度推移

 2007年5月に取り替えた新しい炭窯は、それ以前に使ってきた1.5mm厚さのドラム缶式から、6mm厚さの鉄板を加工した気密性の高い炭窯になりました。ドラム缶式のときは窯底が腐食して大きな穴が空いていて空気量の調整がうまくできませんでした。

 新窯では窯の周りにイソウールで断熱性を上げるとともに、焚口と煙道口以外からの空気が完全に遮断されています。
 火入れして煙道口の温度が83℃を超えた時点で焚口、煙道口ともパイプΦ106mmの全開から20mmに絞りゆっくりと熱減成から熱分解、炭化へ、最終段階で精錬(ねらし〉を経て窯止めの工程を踏んで竹炭を作っています。




写真1上段:火を落とし窯蓋の空気孔パイプを入れる直前

中段:レンガで空気孔を20mmにした状況

下段:火入れした翌日の空気孔の状況


 写真1上段では、火入れから煙道口に煙突機能を果たしていた可搬式のパイプ煙突(Φ106mm)を窯蓋の下の孔に挿入し、中段のように欠円の20mmからだけ空気が入るようにします。

 この炭窯は箕面市環境クリーンセンター敷地内の山中にあり、前日18時から、翌朝7時まではゲートが閉り下山して不在になるため、温度計測や空気量の調整ができなくなります。したがって、この夜間の時間帯では急激な温度変化にならないようにしています。
 新窯の第1回目の慣らしの炭やきでは25mmにして失敗したので、それ以来煙道口、焚口からの空気の出入は20mmにしています。



図1 火入れから窯止めまでの温度推移と空気量の調節


  図1は火入れから窯止めまでの温度推移(07年10月6日〜7日)をグラフで示しました。前日の17時ころに煙道口の温度が83℃を超えた段階で写真1中段のように空気量を20mmに絞ります。煙は炭材に含まれる水分が放出し、湿煙(水煙)から灰色褐色のきわだ煙に変わってきます。
 煙道口の温度は13時間ほど経過した翌朝7時に計測した段階でも温度は100度前後で約20℃の微増で推移しています。
 窯内では竹材を構成するヘミセルロースが分解(150℃まで)し、熱減成が起っています。


 図1のケースでは煙道口の温度が110℃から焚口を30mmに、煙道口では53mmにして空気量を増やして温度を上げていきます。
 
 煙道口の温度が200℃を超した段階で焚口、煙道口とも全開(Φ106mm)にして一気にタール分などを飛ばす精錬(ねらし)をして300℃を超した段階で完全に空気を遮断して窯止めになります。

 窯内部の温度が150℃〜450℃くらいでは竹材の約半分を占めるセルロースの熱分解が起り、400℃以上ではリグニン(リグニンはセルロース繊維の間をセメントのように埋めて強度を保持する接着剤のようなもの)が分解され、炭化していきます。
 260℃から600℃(800℃と書いている本もある)を炭化といい、それより高温になると炭は炭素化し、1600℃から2200℃になるとグラファイト構造になって結晶化します。




図2 12月6日〜7日の温度計測表と温度推移図


 図2の表では12月6日16時に焚口、煙道口とも、25mmにして当日の作業を終え、翌朝7日の8時には通常の20mmではこの段階では煙道口の周りは湿気た鉄色なのですが、今回は白い結晶の状態でした。
 すぐに精錬(ねらし)のため、空気孔のパイプを全開(Φ106mm)にしたところ、右窯は一気に400℃に、左窯も360℃に跳ね上がりました。ただちに空気を遮断して窯止めにしました。
 
 窯止めの目安として煙道口での温度計測のほかに、マッチ棒(280℃以上で発火する)をかざしてその秒数を数えて5〜7秒で空気を遮断することにしています。今回のマッチの発火は左右の窯とも5秒でした。
 
 また、通常竹酢液は4kg強採取できますが、今回は左右の窯とも5.3kgとなっていました。いつもは煙道口が140℃で竹酢液の採取を止めますが、今回はそれ以上の温度で竹酢液を採取していて、タール分を多く含む竹酢液ができてしまいました。


竹炭の出来具合
  写真2上段は12月6日に窯出し直前の窯内部の状況です。右窯が14.1kg、左窯では16.9kgの竹炭ができました。
 下段はその1週間後、12月13日の窯出し直前に写しました。写真でも明らかなように、多くが灰になってしまって右窯の竹炭は6.8kg、左窯では9.0kgでした。

 25mmの場合の窯の最深部に設けたタールピットには左窯ではタールが少し溜まっていましたが、右窯にはタールは燃え尽きてしまって痕跡はありませんでした。




写真2上段:空気量20mmの窯内(11月1日火入れ)

下段:空気量25mmの窯内(12月6日火入れ)


欠円の面積を求める

 上記のように、この場所での竹炭作りの条件として約13時間以上は空気量を25mmにすると、炭化が進みすぎて灰になることがわかりました。わずか5mmですが、20mmと25mmではどのくらい空気量が増えるか求めてみました。
 図3において△ABOにおいてABの長さを三平方の定理で求めることができます。


 
H=20mmの欠円面積801.8mm2を基準にするとH=25mmは1187.6/801.8=1.48したがって、20mmを熱減成から熱分解、炭化の過程での標準の空気量とした場合、25mmに広げると、1.48倍、約5割の空気量が増えたことになります。 

ドラム缶式炭窯と6mm鉄板の炭窯の比較

 1.5mmのドラム缶は2年間使用してきたことから、現在使っている6mm鉄板の炭窯は、酸で鉄板の腐食が進んでいくにしても、厚みだけから見た耐用年数は4倍の8年間は持ちこたえるのではないかと思われます。

 また、このブログを開設した2007年6月19日に「第1話 新窯で竹炭を作り始めました」の中で、酸で腐食したドラム缶の写真を掲載しましたが、あれだけ窯底に穴が空いていても、それなりに竹炭が出来上がっていました。当時空気量は30mmから35mmでした。前日83℃以上で窯内の熱減成が十分に進んでいると確信していても、翌朝窯内の火が消えていることが再三ありました。

 それでも竹炭ができたのは、ドラム缶と周りを固めたレンガと赤土が形状維持してくれていて、土窯の役目をしていてくれたのだろうと思われます。又、よく火が消えてしまったのは、窯周辺のレンガや赤土にすき間が広がり、断熱力が少なくなって保温力が低下してきたためだと思います。


 今あらためて新窯の特色を考えてみると、鉄板6mmで製作したお陰で気密性の高い窯になりました。さらに窯の周りは耐火レンガを積むとともに、断熱性に優れたイソウールを巻いた結果、保温力が強化されて窯内部の温度が気温に左右されなくなりました。タールが溜まりすぎたなどの特殊な事例を除けば翌朝窯内の火が消えることはなくなりました。今回の事例を見て、あらためて6mm鉄板の炭窯の性能の良さが認識できました。

(平成21年2月4日)


第100話 竹炭やきで出てくる煙の色[2008年09月12日(Fri)]

 
 昨年6月19日に開設した団体ブログは今回で第100話を公開することができました。ここまで何とか記事を書くことができたのは読者の方々からの励ましの言葉のおかげであり、感謝申し上げます。

 箕面だんだんクラブの活動目的は、「森林、竹林整備のほか、里山の保全、間伐材の有効利用および植林」であり、その一環として竹炭作りをおこなっています。

 その炭窯を取り替えるにあたり昨年4月末、日本財団から炭窯更新の助成を受けました。その活動を他団体との情報交換のためブログを開設しました。ブログは初めての経験で十分理解できなかったこともあり、ブログ名は「竹炭作り」としました。

 今まで公開した記事を振り返ってみると、「竹炭作り」とは直接関係のない内容が含まれています。竹炭だけの話題では限定されてしまいますので、日頃行っている森林保全活動を含めた種々の話題を取り上げてきました。

 第100話では、団体ブログを開設した時の原点に戻って「竹炭作り」の話題を取り上げてみました。中でも、炭窯から出てくる煙の色は炭化過程における重要な判断材料です。
そこで、煙道口から出てくる煙の話題を取り上げることにしました。


竹の化学的成分

  竹の化学的成分に最も多く含まれているのはセルロースで、乾燥した竹稈の半分近くの重量をしめています。セルロースの次に多く、全体の4分の1近くを占めているのがリグニンです。このセルロースとリグニンは本来結合しにくいのですが、この2つを結びつけるのがヘミセルロースで、竹では3番目に多い化学物質です。この主要成分のほかに様々な有機成分も含まれています。

 また、竹には、こうした有機成分のほかに、無機物としての灰分も、木材より多く含まれていて、酸化ケイ素、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどのミネラルが含まれています。とくにカリウムは比較的多く含まれていて、竹に含まれるこうしたミネラルは、竹炭がアルカリ性を呈する要因になっています。
参考資料 「竹の魅力と活用:内村悦三編 椛n森社」


燃焼と炭化

 木材や竹を空気の供給を絶って加熱すると、セルロース・リグニン・ヘミセルロースなどの化学物質は分解され、炭素・酸素・水素などは複雑な化合物となって揮発し、最後に木炭が残ります。

 乾留とは空気を完全に遮断し加熱分解し、揮発成分と不揮発成分とに分ける操作です。炭やき窯では空気を完全に遮断してはいませんが、炭材を燃焼させているわけでもなく、限りなく乾留に近い条件で熱分解がおこなわれています。炭素化合物は分解するにとどまり、炭素のみが残ります。この現象が炭化で主に炭を製造、生成する際に用いられています。

 石炭は古代の植物が土を被って酸素が遮断された状態で地熱によって加熱されたことで炭化したものとされたと言われています。(参考資料 フリー事典:ウィキペディア)


点火から空気量を絞るまでの煙の変化

 炭やきが始まると、最初に湿っぽい水蒸気の煙が出始め、炭材に着火し始めると、水蒸気を含んだ白い煙がもくもく出だし、空気量を20ミリに絞る80℃くらいになると、白色に薄い黄褐色の煙が混じり、つんと鼻をつく刺激臭がしてきます。

 この状況を写真1でみると、上段は点火してから130分ほど経過したときの焚口の状況です。焚口には2段から3段のレンガの障壁を設けていますので、焚口からの熱気だけで炭材には未だ着火していません。
 中段は16時10分の煙の色です。左側の煙突先端の温度は72℃、右側は54℃でした。
右側もこのあと10分ほどで炭材に着火し、60℃付近で左側と同じような煙に変化していきました。

 下段は写真1中段のように可搬式の煙突を焚口に移したときの状況です。




       写真1上段:点火後の焚口の状況(14時47分)
           中段:16時10分の煙の色
           下段:空気量を20ミリに絞る直前の煙の色


 このときの竹炭を温度変化の推移を図に描いてみました。



  図 点火から窯止めまでの温度推移(第25回目08年9月6日〜7日)

 写真1下段の煙の色は炭やき言葉で「黄肌煙」と呼び、炭材の熱分解が始まったことを示していて、窯内の温度は320〜350℃になっています。

炭化中の煙の色の変化

 煙道口の温度が80℃を越すと、焚口の火を消してしまい、空気量を20ミリに絞ります。酸素の供給を極端に少なくして、窯内の熱分解だけで炭化が進行していきます。

 図で示すように、前日16時40分に空気量を20ミリに絞った結果、13時間後の翌朝8時でも煙道口は100℃程度で推移していました。

 その後は煙道口を20ミリから30ミリ、55ミリに開けていき、180℃前後から煙道口、焚口とも空気量を全開(Φ115ミリ)にして約1時間程度の精錬を行って窯止めにします。

 セルロース、ヘミセルロースの熱分解温度は200℃〜300℃で白色の煙であり、リグニンは300℃〜450℃で分解するとき青色の煙が出ます。
 炭化が進行するにつれ、煙の色が淡白色から徐々に白青色に帯び、青色から無色透明になると、炭化は終了します。




     写真2上段:11時05左窯280℃、右窯170℃
         中段:左窯12時18分252℃
         下段:左窯11時30分330℃  

 
 その変化を写真2の3枚で示してみました。

 煙道口の煙の色は、水蒸気を含む無色→灰白褐色→淡褐色→淡白色→淡青色→紺青色→無色と変化をしていきます。


煙突からの煙の色

  写真3上段及び中段は煙突からの煙の色を写しています。この固定の煙突を利用して出る煙は竹酢液を採取する80℃から150℃以下までの間に出てくる煙です。この固定煙突では
 炭材に含まれている有機成分が熱分解されて生じた水蒸気や竹酢液です。

 写真3上段は9月6日16時48分の煙突の煙の色です。写真3中段は2008年4月16日17時26分の煙の色です。




       写真3 上段:煙突からの煙の色(08年9月6日)
            中段:煙突からの煙の色(08年4月16日)
            下段:08年9月7日に採取した竹酢液


  この両方の煙は煙道口の温度が80℃程度に達していて竹酢液を採取し始めてからの煙です。このときの煙道口の煙の色は写真1下段のように、黄褐色の「黄肌煙」になっていますが、煙突からはほぼ白色です。

 煙道口に設けた煙を集める傘を通して煙突の中をくぐり抜けていくうちに冷却されて水蒸気より重いタール分などは竹酢液となって集められます。

 こうした竹酢液は9月7日には、写真3下段のように、左窯で3.9kg、右窯で3.1kg採取できました。この写真では比較しにくいですが、同じ条件でも採取量や色など微妙に違っています。
 
 煙突から出てくる煙は、窯内の熱分解が順調に進行しているかを判断する程度で、煙の色の変化は、私たちの目では判断しにくいのではないかと思います。


良質の竹炭をやくために

 新しい鉄製炭窯になって25回目になります。この間大きな失敗が4回ほどありました。

@タールピットにタールが一杯になった
Aタールピットに水溶液が一杯になって排煙できなかった
B窯内部の温度が十分に上がっていなかった
C煙道口の空気をうっかり忘れて20ミリに絞らなかったために炭材が灰になってしまった

 というのが、そのおもな失敗原因です。
 
 このうち、失敗の3つは、煙道が十分に暖まらずに点火をしたために、焚口からの暖かい熱気が上昇気流で窯内部の上部でぶつかった後、窯底のタールピットから排煙していくべきところを、冷えた煙道の冷気と窯上部から熱気の気流がぶつかり、このために不連続な温度勾配ができて排煙がスムーズにできなくなったのではないかと推察しています。


 良質な竹炭を作るためには、これからの寒い季節になってくると、窯内を暖めるときはとくに煙道を暖めるような工夫をして熱分解で発生する煙を煙道からスムーズに排煙することが重要だと考えています。

(平成20年9月12日)


第91話 右窯底のピットに水溶液とタールが満杯になって![2008年06月16日(Mon)]


 5月の第2週目は雨天で活動ができませんでしたので、6月の第1週目の7日は約1月ぶりに竹炭やきを行いました。いつもと同じ手順で作業しましたが、翌朝右窯の火が消えていました。

 昨年5月に新設の鉄製炭窯になってから20回目の竹炭やきですが、窯底のピットに水溶液とタールがたまって排煙出来ずに火が消えてしまったという、いままでにない失敗を経験しました。その経過と今後の対応についてまとめてみました。


6月7日の右窯の状況

 作業はいつもと同じ手順で進めましたが、右窯の温度は15時30分に66度を記録したものの、1時間経過した16時半になっても54度しか上がらず、左窯に比べて右窯の煙の勢いが見られませんでした。
 15時から15時30分の間で急に温度が上がったとき、焚口の方へ火が逆流しましたが、焚口でうちわで絶えず風を送って何とか切り抜けました。しかし、その後の温度は54度のまま17時まで推移しました。




    写真1上段:6月7日17時のレンガを1段外した右窯内部
        中段:6月7日17時35分、送風機で風を送って炭材に着火
        下段:炭材の水分が勢いよく水煙となった状態(別の日に撮影)


  そこで写真1上段のように焚口中央の障壁のレンガを1段外しました。本来なら炭材に火がついていなければならない時間なのに、炭材は写真1上段の状態でした。

 写真1中段は止むを得ず送風機で風を送ってやっと70度にあげて炭材に火が付くようにして、いつもは20ミリの空気の流入量10ミリ多くした35ミリにして6月7日の作業を終えました。

 従来は火入れから2時間を経過すると写真1下段のように、水蒸気を含んだ煙(水煙)が勢いよく出てきますが、今回の右窯の水煙の勢いは全くなかったのです。


5月3日と6月7日の火入れから空気量調整までの温度推移



   図1 5月7日と6月8日の火入れから空気調整までの温度推移

 図1は前回5月3日に炭やきをした時と今回6月7日の火入れから空気量調整に入るまでの間の温度推移を比べてみました。

 5月3日のグラフを見ると、炭材に着火すると思われる60度になるのに2時間強費やしていて、緩やかな温度勾配でした。

 6月7日では左右の窯ともほぼ同じ温度勾配ですが、5月7日に比べて温度勾配が急です。
 炭材に着火したと思われる15時30分ころから54度に下った右窯は水煙に勢いがないことわかっていたが、その原因はつかめないまま、その日は18時のゲート閉鎖に間に合うように作業を終えました。


6月8日 右窯の火は消えていた ! ?

  右窯の火は消えていて焦げた炭材を取り出す(写真2)とともに、原因は図・写真3のように、窯底のピットに竹酢液とタールがたまって煙道を塞いでいるのが原因であることが判明しました。



       写真2右窯の炭材を取り出す状況

  右窯の半焦げ状態の炭材を取り出し、ピットの中の液を石油用のゴムポンプで吸い上げるとともに、タールをシャモジでかき出しました。計量すると液が1.95kg、タールが0.2kgありました。
 右窯はピットの中を乾燥させるために、窯内を空焚きして次週14日に備えました。






     図・写真3 窯底一杯に溜まった水溶液とタール
 
  図・写真3ではピットは完全に水溶液で塞がっていて煙が完全に閉鎖されていて炭材が全く炭化できない状態であることがわかります。

 左右の窯とは温度勾配がほぼ同じでしたが、焚口での火を微妙にゆっくりさせるかどうかで決まると思われます。

 6月14日には左窯の竹炭の窯出しをしましたが、液とタールが満杯に近く、右窯と同じ状態になる寸前だったということがわかりました。


火入れのとき、はじめチョロチョロで!

 インターネットで「ドラムで楽しい炭焼き」には、滋賀県高島市新旭町饗庭2017-1楽しい炭焼き主宰の堀 久好さんの「簡易炭化炉による製炭法(テキスト)」の「火入れ」の項には、はじめチョロチョロと書いておられます。その項を引用させてもらうと、

・最初から燃料を詰め込まないで少しずつ補給する
・後は自然(じねん)に入るまで火の番を続ける。(時々、”おき”を掻き出してやる)
・煙突を高くすると温度の上がりが早く自然までの時間が短い
・煙突を低く、さらに口を狭くすると自然までの時間が長い
・自然に入るまでの煙は、濃灰白色で水分が多い

 上記5月3日と6月7日の図1のグラフからも火入れから空気量を調整する自然までの温度勾配はできるだけ緩やかにする必要があることを示しています。


窯底に溜まった水分を排出させる工夫

 岸本定吉 監修 池嶋庸元 著「竹炭・竹酢液のつくり方と使い方」(社団法人農山漁村文化協会)に、『三浦標準窯(故三浦伊八郎東大名誉教授設計)』の図面でみると、図3のように窯底に排水管で炭材から出る水分を排出させています。



         図3 三浦標準窯

 また、「青川炭焼きの会(平成13年12月)炭窯づくりと炭焼き計画書」には、「雨が多く、山の斜面を掘り込んで築かれる日本の炭窯は、外部からの水分の進入と、炭材からでる水分の対策に独特の工夫を凝らしています。
 材料からでた水分は比較的温度の低い窯底に集まります。又、煙に含まれる水蒸気は、煙突部分で外気に接して結露します。こうした水分は窯全体の温度上昇を遅らせるほか、窯底に接する部分の炭化に影響します。
 これら窯内部から出る水分に加え外部から進入する水の対策として、窯底は奥に向って傾斜が付けられ煙突の底に水が集まるようにします。集まった水は煙突の底から地下に浸透し、下に埋めた節を除いた半割の竹によって窯の外部に排水されます」と煙突が冷えていると結露になる可能性を示唆しています。


雨が吹き込んで煙突側の土が湿っていた!

 現在使っている鉄製窯の底には図・写真3の上段のようにねじをきった栓を取り付けていました。三浦式標準窯のように排水管を設置することも検討しましたが、小さい窯なので排水管を設けず、ピットで対処できると思っていました。

 この失敗作の炭やきの日にはベテランのFさんは欠席でした。14日の炭やきのとき、Fさんは「煙突側は山の斜面になっていて雨が吹き込んでいて、煙道周辺はいつも湿気た状態で煙道が冷えた状態になりやすい」と指摘してくれました。

 炭やきでは火入れして炭材が熱せられると、最初は水蒸気を多量に含んだ重い煙が出始めます。煙道が冷えていると、その煙は煙道から排出しようにも重い煙のため窯底にたまりやすいのです。

 今回の場合は煙道へ導かれた煙は通過する筒の周辺が冷えていたために、窯底に重い煙が滞留し、少しは煙突へ入っていった煙も結露したりしてどんどん水滴がピットにたまる経過をたどったのだろうと推測できます。

 この煙は、排気口を通して速やかに排出し、窯内の熱対流を早める必要がありますが、その対策として煙道をしっかりと暖めてやることが必要なのです。

 今回の失敗から学ぶ今後の留意点として、炭材を詰める前の作業として窯を暖めていますが、冷えた煙道を十分に暖めるように注意しなければならないことがわかりました。
 煙道の温度をあげることによって、煙は煙突を通して流れていくのです。





第71話 窯止め近くで温度が上がりにくいときはうちわで風を入れる![2008年01月21日(Mon)]


  今年初めての竹炭作りは1月5日から6日にかけて行いました。毎回左右の窯の条件はほぼ同じですが、強いて言えば炭材の詰め方に個性が出ることと、障壁の高さに少し差をつける程度です。

 左窯は順調に温度が上がり12時20分、320℃で空気を遮断することが出来ました。
それなのに、右窯の温度は12時で未だ158℃でした。この時点で焚口、煙道口ともパイプ115ミリ一杯の全開にしました。午後1時にやっと200℃を越しましたが、窯内の温度がなかなか上がらないので、焚口からうちわで空気を入れて1時55分に310℃に上げてやっと窯止めしました。

 この原因は炭材から出たタールが窯底のタールピットに溜まりすぎて空気の流れる道を塞いだためと考えられます。

 以前にもこれに似たケースがありましたので、これらのデータと照らし合わせて問題点を検討してみました。ただし、この1月6日の炭の出来具合は2月2日に予定していますので、その結果は未だわかりません。


タールがたまらなかったケース



  図1は新しい窯になって4回目に竹炭をやいたときの温度推移です。まだ、空気量の調節は手探りの状態で火入れから窯止めまでに26時間弱要しました。出来上がった炭は左窯の炭は少しやきすぎていましたが、タールは両窯ともたまっていませんでした。

タールが溜まったケース

   
    
    表1 タールが溜まった3つのケースの温度推移表


 この3つのケースA、B、Cは量の差はありますが、いずれもタールが溜まっていました。

 10月14日のBのケースは前日空気量20ミリに絞るべきでしたが、煙道口はうっかりして115ミリの全開状態になっていました。7時30分182℃まで上がったのに、8時には89℃まで下ったケースです。やむなく温度を上げるために動力で強制的に送風して温度を上げました。前日煙道口を全開にしていたためタールが空気道をほとんど塞いだのが原因でした。

 Bの10月7日は、前日焚口、煙道口とも空気量を20ミリして12時間35分経過した翌日温度計測をした5時55分の101℃から200℃になるのに240分かかりました。さらに300℃以上にするために125分を要したため、やむなくうちわで風を送って温度を上げました。

 Cの11月4日では6時15分に温度計測で88℃を確認してから200℃に達するのに225分要しました。このケースではうちわで風を送らなくても300℃以上になり、窯止めに要した時間は約60分でした。

 3つのケースから、タールは100℃から200℃の間にそのほとんどが出来たのだろうと推測できます。

 表1をグラフに描いたのが図2です




   図2 タールが溜まった3つのケースの温度推移図

タールが燃えたケース・燃えないケースの煙の色 



   写真1 上の写真はタールが溜まらなかったときの煙の色
   写真1 下はタールが燃えて煙が濁った色
 

 写真1上段は6月10日13時44分に撮影した両窯の煙の色です。右側の煙の色は紺青色で煙道口の温度は約300℃でした。左側の煙は白色を帯びた青色で煙道口は227℃でした。その後窯止めに75分を要しました。

 写真1下段は10月7日12時5分に窯止めの35分前の11時30分の煙の色です。まだ煙が濁っていて、刺激臭がしていました。

 この日温度計測を始めた5時55分の煙道口の温度は101℃で、202℃に達するのに4時間5分を要しました。その後窯止めの303℃は12時5分で2時間5分もかかりました。温度が上がらなかったので焚口からうちわで風を窯止めまで継続して送ってやっと303℃に達しました。
この窯の出炭は10月13日ですが、ピットからタールの塊が出てきました。


 タールが溜まる原因は?


 上記4つのケースは、今までの新窯で竹炭を14回やいてきた温度計測、タールの量、竹炭の出来具合から代表的なデータを並べてみました。

 タールが多く出来たA、B、C3つのケースだけを見れば、タールが発生する温度が100℃〜200℃だとすると、この温度帯を短時間にすればタールは少なくできるのではないかと考えられます。
 しかし、タールが溜まらなかった6月10日のケースでは100℃から200℃に上がるのに7時間かかっています。

 この4つの例から推測すると焚口・煙道口の空気量の調節を前日と同じ20ミリを長く保った6月10日の例とタールが溜まった3つのケースでは早い時間に煙道口・焚口とも空気量を多く入れています。

 このデータだけをみれば、6月10日のケースのように、前日からの空気量20ミリで推移してきたのを出来るだけ長く持続して徐々に温度上昇させるという結論になります。しかし、炭材の乾燥期間、炭をやく季節(外気温)、窯へ流入してくる風の向きなどもろもろの条件が重なっているので今後検討していかなければならない問題です。

 これらのケースから、煙道口の温度が200℃以上になってから、窯止めの温度に達する300℃になるのに時間を要し、煙が写真1下のようにいつまでも濁っている場合です。原因はタールが燃え出したために煙がいつまでも濁ってくるのです。


 この場合はうちわで風を送って温度上昇勾配を上げることが最良の手段ではないかと思います。
第70話 2007年1年間の竹炭つくりの実績をまとめました[2008年01月15日(Tue)]



 平成20年の新しい年が開けた1月5日の土曜日、松の内というのに会員20人が参加して初仕事をしました。

 取りあえず急がなければならない12月22日予定していたクヌギの苗木の残り100本の植樹を優先して行いました。
 この植樹はこの日に14,5人で完了し、予算上ヘキサチューブが購入できなかった約80本は竹で防護することにして翌日の仕事に回しました。

 この植樹のほかに竹炭やきを残りの5人ほどで10時過ぎから始めました。

 炭窯は昨年12月1日以来1ヶ月以上炭窯に火を入れていなかったこと、午後1時の外気温が4度と低かったこと、炭材は昨年9月に間伐して乾燥期間が4ヶ月ほどしか経っていなかったことが重なって、すっかり暗やみになった6時近くまでかかりました。
 しかも窯の温度が空気量を絞る目標温度83℃になかなか上がらなかったのですが、この原因等は別の機会に報告することにします。

 今回は昨年12月1日に火入れした竹炭をこの日に出炭しましたので、昨年1年間分の竹炭の実績をまとめてみました。


2007年竹炭つくりの実績

 2007年には1月から4月までは、2004年に設置したドラム缶式炭窯(以降04窯という)で7回やきました。

 昨年のゴールデンウィークに新設した炭窯5月に新しく6ミリ厚の鉄板で加工したドラム缶とほほ形状・寸法が同じの炭窯(以降07窯という)になってからは14回使用しました。
その実績をまとめたのが、2007年竹炭実績表(上)と出来高率図(下)の棒グラフです。




 この図表から、04窯の出来高率が19%強でしたが、07窯になって21%と約2%上がりました。

04窯と07窯との竹炭の出来具合



       写真1−04窯とそれを使ってやいた炭

  写真1(上)は2004年から3年間竹炭やきに使ってきたドラム缶式(鉄板厚さ1.5ミリ)の窯を取り出したところを写しました。
 写真1の下段はこの炭窯を使って2007年3月3日に火入れして出来上がった竹炭です。




       写真2−07窯とそれを使ってやいた炭

  写真2上は昨年5月、04窯と同じ位置に新設した07窯です。6ミリ厚の鉄板を守本設備株式会社で工場製作したものです。

 写真2下段は、この07窯を第5回目の7月7日に火入れして出来上がった竹炭です。

 上記写真1、写真2の下段を見比べてみると、竹炭の出来具合の違いがわかります。
炭材の形が元のままで残っているのは写真2の方です。04窯でやいた竹炭は先端がやけてしまっています。竹炭の表面の光沢も違います。


 これらの違いが2%の出来高率の差となって出てきているのでしょう。

 写真3は家に持ち帰った竹炭の処理をしていて気になったので両者を並べて見ました。
 写真3の左側が04窯でやいた竹炭で、右側は07窯でやいたものを並べてみました。




良い竹炭の見分け方

 インターネットのwww.take-sumi.com/sumi/miwakekata.htmlで検索すると、良い竹炭の見分け方が記載されていました。それによると、

@音による判断:竹炭を叩いてみて、キンキンと金属音がする竹炭は、高温で焼かれた上質なものと言える。鈍い音しか出ない竹炭は、低温で焼かれたもので、不純物が多く割れやすくなる。

A見た目の判断:
表面:少し赤みがかったものは未炭化の炭で、燃やすと煙と炎が出るほどの不良品である。表面にタールが付着しているものは、低温で焼かれたもので良品とは言えない。銀色の光沢があり、タールがほとんど付着していないきれいなものが、高温で焼かれたもので良品である。
断面:手で折って炭の断面をみると、より光沢がある方が硬質な竹と言える。
形状:横割れがあるものは急炭化したものが多く、軽くて軟質な炭で、あまり良い炭とは言えない。縦割れがあるものは、乾燥が不十分な時や、炭化の温度変化が急だとなりやすいが、品質は高温で焼かれている場合もあり、一概に悪い炭とは言えない。板炭が平らになっているものは、高温で焼かれた良品の場合が多い。重量感があるものは、未炭化の竹炭か、高温で焼かれた最高の炭かのどちらかになる。

B電気抵抗値による判断
高温炭化の竹炭ほど、電気抵抗値は限りなくゼロに近くなる。50Ω以下の竹炭は最高級品と言える。(1cm幅で測定)。

C燃焼時の判断
竹炭は燃料用としてはほとんど使われていないが、品質を判断するために燃やしてみると、意外とはっきりと品質の差が表れる。高温炭化の竹炭は火付きが悪く、火持ちがよいである。


 私たちの炭窯では、その日に新たに炭材を詰めて竹炭をやくときに窯を開けて出炭しています。窯を空洞にして酸素が供給されると、酸性の竹酢液で鉄板が腐食を防止するとともに、窯内を保温しておくためです。

 出炭した炭は各窯を上、中、下段の3回で取り出してそれぞれの段の出来具合を上記により判断しています。


 昨年1年分の竹炭の作りの実績がまとまりました。この実績をもとに昨年6月以来、竹炭作りの話題を個々に書いてきた記事を見直して全般的に総括して検証してみるつもりです。そして、今年は昨年より、良質の竹炭を作りたいと思っています。


うっかりして!左窯の煙道口を全開した結果[2007年11月06日(Tue)]


 10月に入って第2回目の活動日、10月13日〜14日は竹炭やき及びテングス病に侵された竹やぶの間伐作業を行いました。

 炭やきは13日17時25分に煙道口の温度が両窯とも80℃以上になっていることを確認してその日の作業を終えました。ところが、件名のとおり「うっかりして!」左窯の煙道口を全開にしたまま帰宅してしまいました。

 翌朝は昨夕からの竹炭やき続きで窯止めに向けての作業です。6時30分温度測定をしたとき、左窯の煙道口が全開になっていることに気がつきました。過去の竹炭やきのなかで一度もなかったうっかりミスです。

 その左窯の窯出しを11月3日に行いました。竹炭の出来具合が悪いのは当然として、窯の中で起っていた変化の経緯をまとめてみました。


10月13日火入れから空気量をしぼるまでの経過



 上記の表1は10月13日13時45分に両方の窯に火入れしてから17時25分作業を終えるまでの煙道口の温度変化と、空気量を調節するまでの経緯を示しています。

 その中で、左窯は17時05分の温度が67℃に下がっていたのと、日没時間も迫り17時15分に温度を上げるために煙道口、焚口ともパイプ(Φ115ミリ)を全開にしました。10分後には80℃になったので、焚口、煙道口とも空気量を20ミリにしぼったつもりでした。

 ところが、焚口は目の前にあるレンガを20ミリにしぼったのですが、煙道口の方は、竹酢液採取のための傘がかぶさっていたこともあって目立たないので空気量をしぼったつもりが、迂闊にも忘れていたのです。翌朝6時30分の温度測定で気がつきました。


火入れから窯止めまでの温度変化



   図1 火入れから窯止めまでの温度変化



 図1に示すグラフで青色の折れ線が左窯の温度変化です。10月14日7時30分の計測では182℃だったのが、8時には89℃と急に下ってしまいました。

 そこで、焚口、煙道口とも全開にしてうちわで扇いだのですが、30分後の8時30分でも4℃しか上昇せず、やむなく送風機で強制的に焚口から空気を送りました。送風をとめると温度が下るので続行して10時に377℃にあげて窯止めをしました。


左窯の窯出しの結果


 右窯は、10月28日に窯出しして良質の竹炭が出来上がっていました。11月3日には10月28日から29日かけて試験的に菓子缶に籾殻を入れて竹の根などをやいた右窯と併せて窯出しをしました。

 左窯の蓋を開けたときの状況が写真1です。




     写真1 左窯竹炭の出来具合

 炭材66.5kgに対して竹炭は10.2kgで、10.2%の出来高率でした。これは新しい窯になって8回の平均の出来高率が22.0%
に対して6.7%の減少でした。           
 出来高率だけでなく、やきすぎてもろくて軽い竹炭でした。


 炭窯の一番奥底は煙を煙突へ導く通風口とともに、タールを回収する130ミリ×170ミリ(煙突の奥行きを入れると130ミリ×320ミリ)のピットを作っています。



        写真2 窯の奥底の状況

 写真2ではわずかにタールピットとわかる台形の輪郭が見えます。本来は煙が抜けていく排煙口ですが、タールでほとんどふさがれていました。



    写真3 タールピットからタールを取り出した状況

 写真3はピットからタールを取り出しました。炭窯の奥底に黒くなった台形部分から煙が抜ける排煙口が見えます。

 この部分がびっしりと詰まっていては煙の逃げ道が絶たれて燃焼に必要な酸素の供給ができなくなったのですから窯の温度が下るのは当然です。


 タールが発生する温度をインターネットで検索してみましたが、良い答えは見つけることができませんでした。

 図1のグラフから判断してタールが発生して煙道口がふさがってしまったときまでの温度は、火入れした時から182度まで上昇した時までの範囲です。

 また「煙道口の温度が83℃以上になると、自発炭化を開始しているものとみなしてよい」とも言われています。

 とすれば、10月13日17時ころから13日8時半ころまでの間で、煙道口の温度は80℃から182℃間でタールが生成ことになります。約15時間煙道口が全開になっていたので、炭窯からの煙道を通って高温の煙と煙道口からの外気とが煙道内でぶつかって結果としてタールが蓄積されていったのではないかと推測されます。

 図1で黄色の折れ線で示した右窯は、左窯のようなうっかりミスもなく良質の竹炭ができています。

 タールが生成される過程はもっと詳しく検討しなければならないのですが、化学の専門知識のない私では手に負えません。しかし、煙道口を全開にしたがために、タールが生成されて排煙口を塞いでしまった実態を経験しました。

 
 これから炭やき過程でのいろんな現象を観察してタールの生成を抑えるための工夫をしたいと考えています。
炭化室の前面の障壁について(続き)[2007年10月30日(Tue)]


 前々回10月23日の記事では「炭化室の前面の障壁」について、ドラム缶時代には障壁を設けていなかったことを書きました。その記事を書くきっかけとなった「ドラム缶時代に戻って一度竹炭をやいてみたい」というKさんの提案をうけて、早速に10月28日〜29日にかけて右窯で試してみました。この結果は今週末に窯出ししますのでその出来高と併せて別途まとめるつもりです。

 今回は前々回の続きで、新しく6ミリの鉄製炭窯になって障壁を設けてやいている状況を報告するとともに、ドラム缶式と6ミリ鉄製炭窯との出来高率を比較してみました。


障壁を設けたときの炭窯の状況

 写真1はFさんがレンガと赤土で作った障壁です。障壁の上には枯れた竹を小割りものを載せています。



    写真1 火入れ前に炭材の前面に障壁を作る

 写真1に示すようにこれだけ高い障壁を作ると、Fさんが幼いころに父親と炭やきをしていて「窯内に炭材を詰め終わると窯口をレンガと赤土でふさいでしまい、『煙道口」と『焚口』だけになってしまう。炭材に直接火を点けないでどうして火が回って炭ができるのだろう」という疑問を抱くほどの障壁の高さです。
 Fさんはこの障壁の高さをいろいろ変えていて、良質の竹炭ができるようにまだ試験中だそうです。

 障壁ができたら写真2のように、炭窯の蓋を半開きにして火入れします。炎は煙道口へ向けて煙とともに引き込まれていきますので、炭材は窯の上部から窯底の煙道に向けて徐々に火が回っていきます。




     写真2 炭窯の蓋を半開きにして焚口で火入れした状況

 写真3に示すのはNさんの障壁です。彼はFさんより障壁の高さは低く、障壁の上には燃料となる小割りの枯れた竹を載せていません。



     写真3 Fさんの障壁と火入れの状況

障壁に関する資料から
 竹炭に関する本やインターネットからの検索でも障壁のことを詳しく記載した資料は少ないようですが、9月22日の「炭窯各部の名称と炭やき用語」の記事の中の障壁に関する資料を再掲してみました。

障壁:加熱室に近い炭化室の前方部は常に長く、強く熱せられるので割れや炭化等をうけやすくこれを防ぐため障壁を設けたり、太い炭材を用いる等種々考えられています。私たちのドラム缶の04窯ではこの障壁を設けていなかったが、焚口に近い窯底では竹炭が強く熱せられて灰になる量が多く、新しい07窯ではレンガと赤土で障壁を設けています。

障壁を造ると炭化が安定(出典不明)

 ・焚き口の奥に耐火煉瓦を積み障壁を築く。(窯壁の50〜60%が目安)
 ・障壁の効果は@点火の際の煙の逆流を防ぐ。A炭化室内に直接冷たい空気が入ることを防ぎ、炭化室内の温度差が少なくなる。B窯口付近の炭材が火に接して灰になりやすいのを防ぐ。


 写真4は障壁を設けなかったときの炭窯を開けた直後の窯の中の状況です。窯底の中央の黒くなった箇所には空気量調節用の可搬式煙突パイプ(Φ115ミリ)を突っ込んでいたために、この部分が強く熱せられて灰になっています。また、窯底は一般的に良質の炭ができるのですが、パイプからの空気で強く熱せられた周辺は空洞が広がっています。



     写真4 障壁を設けないときの竹炭の出来具合

障壁の有無による竹炭の出来高率

 ドラム缶式時代の炭やきでは、昨年10月ころまで温度計測も出来高重量の測定もしていませんでしたのでデータ数は少ないのですが、障壁の有無による竹炭の出来高率を表とグラフにしてみました。



 04窯はドラム缶を加工した窯で約3年使ってきたので、窯底に穴が開いていました。
 したがって、窯の大きさ、形状はほぼ同じですが、07窯では鉄板6ミリで新設したばかりです。

 04窯出来高率6個の平均値は18.4%で、07窯出来高率16個の平均値は22.0%となりました。

 07窯の方が出来高率では1.6%上回っています。


 この結果からみると、障壁を設けた方がよさそうですが、10月28日〜29日に右窯で試みた、07窯で障壁を設けなかった出来高率の結果とも併せて検討していきたいと思っています。


炭化室前面の障壁について[2007年10月23日(Tue)]


 今年5月に6ミリ鉄板で工場製作した新しい炭窯になってはや半年が経ちました。この間10月第2週の活動日で竹炭を9回やいてきました。

 それ以前は1.5ミリのドラム缶を加工した炭窯で竹炭をやいていました。その当時は三重県山中で父親と一緒に炭やきの経験を積んでいた平川さんの指導でした。その平川さんが2年前に急逝されてからは、炭やきの経験が少しある人や、炭やきを勉強したいメンバーを中心に進めてきました。

 先日Kさんからドラム缶時代に戻って一度竹炭をやいてみたいと提案がありました。ドラム缶時代と現在の炭やきで大きく違うのは、炭化室の前面に障壁を設けてやいていることです。
そこで、障壁について検討してみました。


障壁についてこれまでの経過

 私がこのクラブに参加した3年前は障壁を設けていませんでした。平川さんが急逝されてから、幼いころ父親と一緒に炭やきを体験したFさんから「窯内に炭材を詰め終わると窯口をレンガと赤土でふさいでしまい、『煙道口」と『焚口』だけになってしまう。炭材に直接火を点けないでどうして火が回って炭ができるのだろう」と不思議に思ったと話してくれました。この幼いときの疑問がFさんの炭やきの原点になっているそうです。

 その話を聞いた昨年10月ころから障壁の高さは多少異なるものの、障壁を設けています。


ドラム缶式時代の炭やき



   写真1 空気量を制限する前の焚口の状況

 写真1はドラム缶時代の2006年12月2日16時の焚口の状況です。炭材に火が点いてこの後、半開きになっている蓋を閉めて可搬式のパイプ煙突を突っ込み、空気の流入量を制限していきます。当時は30ミリから35ミリにしていました。



    写真2 焚口のパイプから覗いた窯内部の燃焼状況

 写真2は同じ日の可搬式のパイプ煙突を突っ込んだ後、窯内の燃焼の様子を写したものです。


 このように、障壁がない場合は、空気量をしぼる前、精錬に入ったときにはパイプ(Φ115ミリ)を全開にするので、窯内部の底の一部の燃焼状況を覗くことができる利点があります。

ドラム缶式で竹炭をやいた2月11日の記録から



 図1は2月10日に火入れした炭窯の温度計測のうち、翌日の7時前から温度計測を開始してから窯止めまでの温度変化の推移をグラフに描いたものです。

 その22日後の3月3日に窯だしをした結果は以下の通りです。
 
 竹炭をやいた日2007年2月10日(土)から11日(日)
 窯出し日  2007年3月3日(土)快晴

             左窯          右窯
    炭材重量   63.7kg    64.1kg
    竹炭      12.0kg    11.7kg  
   出来高率    18.8%     18.2%


出炭結果のコメントから

 「左窯の方は、やきすぎてもろい炭になっていてボロボロだった。
右窯は表面もきれいで良い炭ができた。右窯は2月11日6時50分煙突先端温度が167℃で210℃を越えた7時30分から20分間の精錬をしていて窯止めをした。ほぼ通常のパターンだった。窯の劣化により周辺から酸素の供給で炭の品質が落ちてきたものの、今の窯の状態では良い炭ができたと言える。

 左窯は図1のグラフからわかるように、火が消えていて再点火している。その後、右窯と同じ煙突先端の温度が170℃に達するのに6時間を要した。以降の温度の立ち上がり勾配は左窯と同じで、精錬時間は27分間で左窯より7分間長かった。400℃を超えても煙に勢いがあったので、精錬時間を長くしてしまった。この判断が甘かったようである」と記録していました。




     写真3 2月4日精錬中の窯内部の状況

 写真3は2007年2月4日9時20分、精錬完了は9時26分なので窯止め6分前、煙道口の温度は320℃を計測した時の焚口のパイプから覗いた窯内部の燃焼状況です。



    写真4 2月11日精錬中の左窯内部の状況

 写真4は2月11日13時19分の左窯内部の燃焼状況です。
 精錬開始は12時58分、煙道口の温度が200℃になった時点で開始しました。窯止めは13時25分420℃でした。
 13時22分の温度計測では400℃でした。

 写真4では炭材の形が崩れてしまっているのに比べて、写真3では炭材の形をとどめています。

 写真4の竹炭は上記2月11日の出炭結果のコメントで「左窯の方は、やきすぎてもろい炭になっていてボロボロだった」と書いたような結果でした。


 私は、Kさんから「障壁を設けないでやいてみたい」との提案に対して、「焚口に近い窯底では竹炭が強く熱せられて灰になる量が多い」と反対でしたが、今回ドラム缶時代の記録をたどってみると、障壁を設けないことの利点もあることがわかりました。


窯止め間近になっても煙が淡青色にならない、その原因は?(その3)[2007年10月21日(Sun)]


  10月7日の炭やきでは左窯は11時12分にすでに全閉して窯止めをしているのに、右窯の煙は未だ褐色でした。そのことが気がかりにして6日後の10月13日の活動日に窯を開けて竹炭を取り出しました。

 今回はその竹炭の出来具合と左窯が窯止めの時間になっても褐色になっていた原因を考えてみました。


10月6日〜7日にやいた竹炭の出来具合



      写真7 左窯を開けたときの竹炭の出来具合



      写真8 右窯を開けたときの竹炭の状況

  写真7と8を比べると窯止め近くなっても褐色の煙が出て、1時間ほど長くやいた右窯の出来高が少なく見えるのは当然です。重量を測定してみると以下の結果になりました。

    左窯        右窯
  炭材重量    60.8kg    60.0kg
  竹炭出来高   14.5kg    11.5kg
  出来高率    23.8%     19.2%




      写真9 右窯から取り出した竹炭 

 写真9はいつまでの褐色の煙が出て失敗作の竹炭と思っていたのに、出来上がった竹炭11.5KGのうちのおよそ20%以上が良質の炭ができていました。


 それに比べて順調に温度上昇して良質の竹炭ができたと期待していた左窯は、やけすぎていたようで軽くてもろい炭ができてしまいました。 

 左窯では炭材が肉厚のあるものはわずかながら良質の炭が含まれていました。この原因は今後の課題です。



左窯からこんな大きなタールの塊が出てきました




      写真10 右窯から出てきたタールの塊

 写真10は右窯の奥の窯底とタールピットにたまっていたタールを取り出したものです。

 私は3年以上前から竹炭作りの仕事をしてきましたが、こんなにたくさんのタールが出てきた事例を見たのは初めてでした。

 今までも窯の中ではじけたような音が聞こえたり、褐色の煙が出ていることもありましたが、タールが燃えているとしてある程度の段階で窯止めをしていました。

 図3には窯の中にたまっていたタールの概念図を描いてみました。




     図3 右窯から出てきたタールの塊の箇所

  図3にはタール取り出したNさんが窯の奥にこぶができたようなタールの塊を取り出していつまでも褐色の煙が出ていたのは、このタールが燃えていたのからだと話してくれました。

 いつもやきあがった竹炭を取り出した後、タールピットに手を入れてタールが溜まっている場合はかき出すか、食用油をしみこませた布切れで燃やしていますので、これだけの量のタールが窯内に貯まる原因を追究する必要があります。


竹酢液採取後の空気量の調整の仕方

 インターネットで栃木県立鹿沼農業高等学校 林業コース、教諭 萩原 靖弘氏の黒炭岩手一号窯製炭法の「煙の色の変化と製炭」を見ると、「(5)白煙:炭化最盛期(大焼の終わる頃)を経過した頃に発生する白色の煙を言う。タール分の抽出が盛んで辛みと焦嗅が混じり合った刺激と臭いがある」と書いておられます。

 また、「竹炭・竹酢液 つくり方と生かし方」(日本竹炭竹酢液生産者協議会編2004年10月7日発行、杉浦銀治・鳥羽曙・谷田貝光克監修発行所 創森社)の「炭化のコントロール」の中で、「炭化中は焚き口、煙突ともそのままでもいいが、慣れてきたら煙突口を半分閉じて煙を中でできるだけ循環させるようにすると、最後の煙の抜けが早くなり、上と下の炭化度がそろう。竹酢液を採るのは煙の温度が150℃まで。このとき、煙の色は少し茶褐色を帯びた白で、遠くのほうで青が混じるような色。においは辛く感じられる。これ以上は煙にタールを多く含むので、竹酢液採取用煙突にタールがこびりついてしまう。こびりついたタールは次のときに熱で溶かされて出てしまい、きれいな竹酢液が濁る原因ともなるので避けたほうがよい」と指導されています。


 私たちが行っている空気量の調整は、20ミリから30ミリか35ミリ(これらの寸法はパイプにあてると求める寸法になる定規を作成している)、半開の55ミリ、そして200℃以上になった時、精錬として焚口、煙道口とも全開(11.5ミリ)にして一気に300℃以上になるように開けています。


 上記資料から考えると、炭化の最盛期で竹酢液採取を終える150℃前後でタール分を煙とともに排煙させるためには、今までより早い段階で空気量を流入させることも検討課題として取り組みたいと考えています。


窯止め間近になっても煙が淡青色にならない、その原因は?(その2)[2007年10月19日(Fri)]


 私たちの炭窯は箕面市環境クリーンセンター内の山の中腹にあります。車で来ると午前7時にゲートが開くまで待たなくてはなりません。Fさんはバイクで登ってくるので、ゲート前にバイクを置いて、窯場まで自然歩道を歩いて登って来ます。この日も5時55分には煙道口の温度を計測してくれました。

 前回の記事で、「今日の炭やきでは、煙道口の温度が80℃以上になっても、しばらくそのままの状態にして窯の中の炭材の火が安定してから空気量を20ミリにする」を実行した結果が功を奏したのでしょう、5時55分の温度計測で左窯は94℃、右窯は101℃でした。


火入れから窯止めまでの煙道口の温度変化



   図2 火入れから窯止めまでの温度変化

  図2は火入れから窯止めまでの温度変化をグラフに描いてみました。左右の窯とも同じような温度上昇をたどっているように見えます。

 ところが、写真4に示すようにデジタル温度計のセンサーを煙の出るところに置いてみると、右窯はどんどん数値が上がっていくのに、左窯からの煙は反応が鈍いのです。



 この写真4は右窯の温度計測の途中ですが、10時55分に計測した時には302℃を示していました。

 数値を記録するときは手で持って煙道口から10センチほど入れた箇所で計測していますが、右窯では温度の上がりが鈍いので11時から30分間焚口のパイプからうちわで風を送って温度を上げて計測しました。




     写真5 11時05分の煙道口の煙の状況


 写真5は右窯の煙道口の温度は311℃まで上がっていますが、煙は未だ褐色でした。
この右窯の竹炭は失敗を覚悟で煙の色が紺青色になるまで様子を見ることにしました。




     写真6 12時02分の煙の状況

 写真6は写真5を撮った11時04分から58分経った12時02分の煙の色です。

 11時12分にはうちわで扇いで温度を360℃まで上げましたが、11時30分では301℃、窯止めした12時05分の温度は303℃に下がっていました。


 図2で示した「火入れから窯止めまでの温度変化」から読み取れますように、左窯は11時10分煙道口の温度が351℃になったので窯止めにしました。


 この竹炭は6日後の10月13日に窯を開けました。その炭の出来具合は次回に書くことにします。
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