第97話 シソジュースに関する話題[2008年08月08日(金)]
暑かった7月も終わり、8月に入りました。7月31日のNHKニュースウォッチ・平井さんの天気予報の中で、全国的に猛暑の7月の総括として、福岡の熱帯夜は30日、大阪は29日、東京は23日と解説していました。
7月26日の活動日の大阪の最高気温は35.6度の猛暑日で、体験学習の森では標高が340メートルなので市街地より気温は少し低いものの暑い日でした。
この暑い日にタイミングよくFさんが自家製のシソジュースを差し入れしてくれました。氷で冷やしたシソジュースの原液に、渓流の湧き水を使って2〜3杯に薄めて飲むと、鮮やかな赤色のジュースの出来上がりです。日頃スポーツドリンクに飲みなれているだけに冷えたシソジュースはさわやかな飲み物でした。
Fさんがシソジュースの効能を話していた中で、クエン酸のことを強調していました。そこで、シソジュースの作り方とその材料についての話題をまとめてみました。
シソジュースの作る
Fさんに電話を入れて材料と作り方を聞きましたが、赤シソの葉だけを使っているそうです。
インターネットのシソジュースの作り方では、水2リットルに対し、青シソ250g、赤シソ30gと書いています。青シソと赤シソとは色の付け方だけだろうと求めやすい青シソはスーパーで100枚は手に入れましたが、赤シソはシーズンが終わって売っていないということでした。
青シソ、赤シソ併せておよそ300gとなると、ザル一杯の数量になり、近くで家庭菜園をしている方にわけてもらいました。
束から葉っぱを千切って水洗いをします。この作業に意外と手間取りました。ネットの検索では、出来上がったシソジュースを保存ビンに入れるとき、濾すので多少大雑把でもよいと指南してくれているデータもありました。
取りたてのシソの葉っぱを千切っていると、独特の芳香が漂ってきます。シソの香りの成分はペリルアルデヒド(シソ科の植物の一種、シソに含まれる有機化合物である。アルデヒド基を持つモノテルペンで、シソの精油の約50%を占める主成分である)で香り付けのための食品添加物として、または香料に鋭さを与えるのに利用されています(出典:ウィキペディア)。

写真1上段:シソの葉、クエン酸、氷砂糖、レモンを準備
中段:青シソを入れて10分、赤シソを加えた状況
下段:葉を取り出し、氷砂糖を入れる直前の赤黒いシソ汁の色
2リットルの水を沸騰させた中に、青シソをいれて約15分煮出し、赤シソを加えます。
約20分近く煮出して葉を取り出します。もったいないので取り出した葉を絞って液に加えました。

写真2上段:クエン酸を入れる直前
中段:クエン酸を入れて見事赤色に変色
下段:原液と3倍に薄めたピンク色のジュース
写真1下段は氷砂糖を加える直前のシソ汁は赤黒い色です。
写真2上段は煮出しはじめから、26分クエン酸を入れる直前の鍋の状態ですが、アクが少しでましたのでシャモジで取りました。
写真2中段は煮出しから30分、クエン酸を加えて見事な赤色に変わりました。
写真3下段は出来上がったシソジュースの原液とコップに3杯程度に薄めて飲む前の状態です。
冷やしたシソジュースは孫たちの人気ドリンクになりました。
赤シソ・青シソ
ネットの緑黄色野菜大百科シソを見ると、「しそ(シソ・紫蘇)はご存じのとおり、青シソと赤シソに大きく分けられて、もともとシソは赤シソのことを指していました。青シソは赤シソの変種です。シソは古くから薬として用いられてきたほど、その栄養価は優れています」と解説いました。

写真3上段:08年8月1日近隣の家庭菜園で撮影した赤シソ
下段:08年8月1日近隣の家庭菜園で撮影した青シソ
フリー百科事典「ウィキペディア」の名前の由来には「後漢末、洛陽の若者が蟹の食べすぎで食中毒を起こした。若者は死にかけていたが、名医・華佗(かだ:中国の後漢末期の薬学・鍼灸に非凡な才能を持つ伝説的な名医)が薬草を煎じ、紫の薬を作った。薬を用いたところ、若者はたちまち健康を取り戻した。「紫」の「蘇る」薬だというので、この薬草を「紫蘇」というようになった」と逸話を紹介していました。
ネットのKyoto Shimbun "農の花"によると、「中国やビルマのヒマラヤ圏の原産と言われるが、日本でも古くから使われた。種実は、縄文時代の遺跡からも出土している」とあり、葉、芽、花のいずれも食用で、実から油も得られるので古くから重宝されていた食べ物だったのです。
赤シソと青シソとは色が違うから当然に食品成分も違うだろうと調べてみました。
ネットの知恵袋ヘルプに「シソジュースに使うシソの種類について教えてください」に「成分はさほど変りませんが、青シソの方が、各種栄養素の含有量が多く、栄養価が数段高くなっています。しかし薬用としては、赤シソの方がすぐれています。青シソは特にビタミンAやカルシウム、鉄、リン、カリウムなどのミネラル類が多く、ほかにもビタミンB1・B2・Cを含みます。制菌作用と防腐作用があり、食中毒予防になります。青シソはさしみのツマなどの料理に。赤シソは健康のためにジュースなどにして飲みます」という回答がベストアンサーとして選ばれていました。
ネットの中で引用文献の一橋出版:五訂新版食品成分表には「オオバと呼ばれる青紫蘇の葉には、ビタミンでは、カロテンの11,000μg、ビタミンKの690μgと桁外れに多く、ミネラルでは、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄分等も多く含まれます。シソの実にも葉程ではないが、上記の成分は多く含まれます。赤紫蘇の紫の色素はシソニンとペリラニンで、酸に合うと鮮紅色になるので梅干やショウガの着色に使われます」と解説していました。
クエン酸と食酢
ネットでシソジュースの材料を調べてみると、クエン酸の代わりに食酢を使ったり、レモンを使ったりする作り方をしている方もおられました。
食酢と言うと、ビンをあけたときにツーンと鼻を突くにおいが苦手の人も多いと思います。食酢とは、酢酸を主成分とする酸味調味料のことを指し、原料や製造方法によって様々な種類に分類されています。農林水産省の「食酢品質表示基準」によれば、食酢は「醸造酢」と「合成酢」に大きく区別され、「醸造酢」はさらに「穀物酢」と「果実酢」に分類されています。化学式はC2H4O2 または CH3COOHです。
クエン酸はどんなものか、大辞林でみると「柑橘類の果実に多量に含まれる有機酸。化学式 C6H8O7無色・無臭の結晶で、爽快な酸味があり、水に溶けやすい。清涼飲料水・医薬・媒染剤などに用いる。生体中では、TCA回路注の一員」と説明しています。
注TCA回路:クエン酸回路の呼称は高等学校の生物学でよく適用されているが、大学以降ではTCA回路、TCAサイクル(tricarboxylic acid cycle)と呼ばれる場合が多い)。
なお、クエン酸は薬局で50gビン入りは200円強ですから、手軽に購入できました。
クエン酸サイクル(クエン酸回路)
疲れたときにお酢を飲むと疲労回復になるとか、激しいスポーツをした後でレモンスライスを摂ると良いといわれますが、『生物が炭水化物や脂肪から、どうやってエネルギーを作り出すか』という疑問に、イギリスの学者クレブス博士が、生命代謝の仕組みを解き明かしました。そして、「クエン酸サイクル学説」で1953年にノーベル賞を受賞しました。
そこで、クエン酸サイクルについて調べてみました。
gooヘルスケア(health.goo.ne.jp/column/woman/kotoba/0005.html)のホームページのクエン酸回路から主要な部分を抜書きしてみると、「疲労回復の補給することで、エネルギーの産生システムが活性化されるといわれる秘密はクエン酸です。
クエン酸を摂ると、疲労回復するといわれる理由はクエン酸回路(=TCA回路)と呼ばれる、私たちの体を動かす重要なメカニズムにあります。
クエン酸回路は、エネルギー生産工場。食物から摂取された栄養素が、クエン酸などの8種類の酸に分解され、その分解過程でエネルギーが生産されます。そしてクエン酸は、このエネルギー回路を回すための着火材のようなもの。クエン酸回路が活性化していれば、どんどんエネルギーは作り出されていきます。

図 クエン酸サイクル(gooヘルスケアより引用)
ところが、運動を続けていると、クエン酸回路の働きが落ちて、疲労してきます。そこで、クエン酸を補給すると、短時間のうちにクエン酸回路が再び活性化するというのです。さらに注目すべきは、これまで疲労の原因物質とされていた乳酸に、新解釈が出てきました。運動すると乳酸が出てくることは知られていますが、実は『この乳酸は疲労物質ではなく、再び変化してアセチルCoA(エネルギーを生み出す物質)になることができる。つまり乳酸もまたエネルギーの元になる。そしてクエン酸を摂ると、クエン酸サイクルがより活性化し、乳酸をエネルギーの元に戻してくれる』というのです。
疲労回復にお酢やレモンがいいとされるのは、クエン酸のこうしたダブルの働きが期待できるからなのです」と、高校生物教科書に出てくる難解な問題をわかりやすく解説していました。
真夏の熱中症対策には水分補給が大切です。さらにエアコンに浸ってばかりいる昨今、体がなまってしまって夏ばて気味になりがちです。
上記のように疲労回復にはクエン酸の補給が良いことがわかりました。さらに、ミネラル類が多く、ほかにビタミンB1・B2・Cを含み、制菌作用と防腐作用があるシソをたっぷりと使い、疲労回復のクエン酸を入れ、氷砂糖で甘みが加わったシソジュースを作ってみてはいかがですか。
真夏にぴったりのさわやかな飲み味です。



