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第200話 初秋の体験学習の森からの報告[2014年09月10日(Wed)]
 大阪管区気象台によると、「今年8月の大阪市で最も気温が高かったのは5日午後の34.7度。最高気温の平均は31.7度で、1981〜2010年の30年間平均の33.4度より1.7度低かった。今年8月の大阪では35℃以上の猛暑日はなかったと言う。記録的冷夏だった1993年以来の出来事で、太平洋高気圧の張り出しが弱かったのが原因で、曇りや雨の日も多く、日照時間も平年の約7割だった」という。

 広島県では8月20日の未明の集中豪雨により、大規模な土砂災害が発生。広島市安佐北区三入では3時間で8月ひと月分の雨量の約1.5倍の雨が一気に降り大災害をもたらした。

 近畿地方でも土砂降りの集中豪雨に見舞われたが、この森では、写真1のように溪谷を跨ぐ簡易な木の橋の床板が流されていたほか、クワガタ山への作業道で少し崩れた箇所があった。

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写真1 溪谷を跨ぐ橋の床板が流される


 だんだんクラブの活動は、例年通り8月の1か月間は夏休みで休止していたが、9月に入って第1土曜日、6日に活動を再開した。
 10時過ぎ西田橋の路側温度は27℃で、気温は低いものの、前日の雨で湿気の多い中で、23人が参加して、竹炭焼き、植樹した個所の手入れ、周辺の片づけなどをした。

蝉の鳴き声

箕面の市街地ではクマゼミは殆んど聞こえなくなってしまった。体験学習の森の中では、クマゼミは少なく、セミの鳴き声は市街地ほど気にならないが、9月のこの日は、「ミーンミンミンミー」と鳴くミンミンゼミや、「オーシイツクツク」と鳴くツクツクボウシが盛んに鳴いていた。
 夕方までおれば、おそらく「カナカナ」と鳴くヒグラシも聞けたことだろう。
 そういえば、朝玄関先には脱皮したセミの抜け殻を何度も見つけた。7月下旬に、娘婿と我が家で飲む夜8時ころ、脱皮したばかりの蝉の写真をもらった。この近くではほとんどクマゼミだから、おそらくクマゼミの脱皮だと思われる。 

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 写真2 クマゼミの脱皮の直後


 豚汁広場では、クヌギの木でミンミンゼミが鳴いていて何とか撮ろうとしたが、見つけられなかった。下山して図書館で「図解観察シリーズ3 セミ・カメムシ(松原巌樹著・旺文社)」でセミのいろいろを見てみた。図解観察の本で、著者の松原厳樹さんが描いた絵で、写真3はミンミンゼミ。写真4はツクツクボウシである。

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  写真3 ミンミンゼミ(図解観察シリーズからコピー)


 同率で縮小しているので、ミンミンゼミの方がやや大きく、羽に模様が入っているくらいで、セミが鳴いているところを見極めて撮らなければ見分け方は困難だと思った。

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 写真3 ツクツクボウシ(図解観察シリーズからコピー)


 この本に、「セミが鳴くわけ」は「セミは腹弁をもっているオスだけが鳴く。鳴くのはメスをよんで交尾をし、産卵をするため」、「セミの産卵」では、「メスの腹にある産卵管を木に差し込み、数個うみつけては移動して、また産み付ける」と書いていた。
 
 カメムシによるお米の被害・斑点米


 7月22日に公開した「第198話 体験学習の森の生き物たち・続き」のなかで、7月18日の朝日新聞夕刊の「北日本ミツバチ大量死!」で「夏に北海道などの北日本で多発しているミツバチの大量死現象は、害虫のカメムシを駆除するため水田に散布される殺虫剤が原因の可能性が高いとする調査結果を18日、農研機構畜産草地研究所(茨城県つくば市)などの研究チームがまとめた」と記事を引用していた。
 その話題で、広島の山奥で稲作をしているTさんに、カメムシの被害のお米がどんなものかを頼んでいたら、活動日に正常な玄米とカメムシの被害のお米を持ってきてくれた。

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写真5 カメムシの被害がない玄米


 写真5は、カメムシの被害のない玄米である。写真6はカメムシの被害のために米粒に黒い斑点が入っていて商品にならないという。

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写真 6 カメムシの被害で黒い斑点の入った米

 
 写真6の被害のあった米を斑点の入った米を選別してみた。残った比較的良い米でも、米粒が割れていて、粒ぞろいには程遠いものだった(写真7)。

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写真7 カメムシの被害の米を選り分けてみる


カメムシの正体

 平凡社発行の世界大百科事典「カメムシ」によると、「世界に2500種以上の種があり、日本には約90種が分布する……日本での古名はホウまたはフウで、ホウズキという植物は〈ホウ〉がよくつくのでこの名がついたといわれる。若虫も成虫も臭腺開孔部から臭気の弓釦、油状の液を分泌するので、俗にクサガメ、へクサムシ、へッピリムシなどと呼ばれる。

 若虫の臭腺は腹部背面に開孔しているが、成虫では後胸腹面に開孔する。この臭液は外敵を防いだり、フェロモンの役割もある。臭液を急に多量に放出するときは警戒フェロモンとして働き、集合していた若虫が散り、徐々に少量ずつ出すと集合フェロモンとして散った若虫が再び集まるなどの例が知られる」と書いている。

水田近くに生息するカメムシ

 宮城県のホームページの「斑点米カメムシ類」によると、「イネ科植物を好み、イネ科植物が生えているところに生息している。餌の好みは、カメムシの種類によってもいくらか違うが、イネ科植物を好む点は共通している。斑点米カメムシ類は通常、雑草地や牧草地でイネ科植物を餌として生活しているが、夏枯れや草刈りなどで餌となるイネ科植物が無くなると他の場所に移動する。これが水稲の出穂〜登熟期にあたると,水田にも餌を求めて移動してくる。斑点米カメムシ類は、飛翔能力が高く、移動距離が大 きいと考えられている」。

 また、ネットの「斑点米カメムシ解説(中央農試)」には、「害虫の特徴:正しい名前(和名)はアカヒゲホソミドリカスミカメ。臭い亀虫とは少し違い、名前のとおり赤い触角に細長い緑色の体をした目立たないカメムシ。お米に与える被害はとても大きい。

 小さくて肉眼で探すのは大変なので、田んぼの上で捕虫網を振ってすくい取る。成虫や幼虫がモミの隙間に口吻を入れ、モミの中の登熟中の玄米を吸う。吸われた痕(あと)がやがて真っ黒い斑点となり、精米して白米の状態にしても取れることはなく,被害粒がわずかに混じっただけでも商品価値を失う」と書いている。

あちこちでキノコが発生

 休憩しているとき、Tさんが「キノコが生えている」と話しかけてきたが、なかなか見つからなかった。やっと見つけて写真8を撮った。

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   写真8 僅かに顔をだしたホウキタケ


「ホウキタケの一種だろう」と教えてもらったが、山と渓谷社の「日本のきのこ」で見ると、写真9のような見事なキノコで、「風味は味の大様ホンシメジに匹敵する」と紹介しているが、ネットには「一応、食用キノコとされていますが、ホウキタケと外見が似ている『ハナホウキタケ』『キホウキタケ』が共に毒キノコである為、基本的には安全性を考えて食べない事の方が多いようです」と書いている。

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写真9 ホウキタケ(「日本のきのこ」からコピー


 このホウキタケのすぐ近くに、草にうずもれたように茶色のキノコが顔を出していた(写真 10)。

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 また、周辺には写真11の白い傘の可愛いキノコも見つかった。

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写真11 白い傘のキノコ


 初秋は、キノコがたくさん生える季節である。この森をもっと散策すればたくさんのキノコが見つけられるだろう。
 まさかマツタケは生えていないだろうが、毒性のキノコが多いだけに食するのは怖い。キノコに詳しいTさんでも分からないキノコは、「少し食して4日間ほど経過を試す」ことがあると話していた。

猛毒のキノコ「カエンタケ」

 そういえば生駒山で猛毒の「カエンタケ」が生えてきてハイキングの人たちに注意を喚起するため、立札を立てたと報道していた。

 ネットのmsn産経ニュースによると、「カエンタケは高さ3〜13センチで、円筒形や、手の指のような形。鮮やかなオレンジや赤色で、コナラなどのナラ類の枯れ木の根元に発生するという。触っただけでも炎症を起こし、食べると短時間で下痢や嘔吐(おうと)から運動障害や言語障害、多臓器不全などの症状を引き起こし、死亡する可能性もあるという。


 この森では、クヌギや、コナラなどが多く、ナラ枯れ被害が発生している。
山麓保全委員会の調査でナラ枯れの木を見つけ次第、伐採して燻蒸処理などをしたうえで、シートで覆うように対策をしているが、古いシートは破れたりしてむき出しになっているところもある。

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写真12 ナラ枯れ対策で伐採した木をシートで覆う


 山と渓谷社の「日本のきのこ」には、この「カエンタケ」についいて猛毒のキノコなどといった説明はなかったが、写真をコピーしたので、新聞報道なども参考にして注意しなければならない。

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写真13 カエンタケ(「日本のきのこ」からコピー)


 これから秋本番になり、活動もしやすくなる。途切れていたブログで、話題を提供できればと、思っている。

(平成26年9月10日)




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