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アブダクション3 [2008年04月14日(月)]
先にお示しした、人類はどのようにして言語を獲得したのか、なぜ言語を獲得する方向で進化したのか、徒然草のはじめの有名な文章を書いたとき兼好法師は「おじさんあるいはおじいさんだったのか、若かったのか」などに関して用いられる推論がアブダクションだと指摘しました。

いずれも演繹法的なロジカルな推論では歯が立たないテーマです。ならば帰納法なら?帰納法的な推論を行うには、「猿がそうだから・・・、イルカでこうだから・・・・」といった帰納法的な推論の妥当性を担保する類似性が読みとれる他のケースが必要です。いうまでもなく、言語を獲得した(発展させた)のはを人類だけですから、そのようなアプローチは不可能です。

同じように、徒然草も100年前に書かれた方丈記(ともに和漢混淆文で書かれた、作者がはっきりしている随筆です)など他の類書をケースに推論をたてることは無理でしょう。

こうしてみると、1回限りのユニークな事象・現象に対する推論を受け持つのがアブダクションといえそうです。

でも、世の中のことは、ビジネスも含めて、すべて1回限りのユニークなものではないか?ならば、演繹法や帰納法よりもアブダクションこそが一般的な推論になるのではないか。

3つの推論の使い分けは、事象や現象を1回限りのユニークなものとみるか否かと強く関係しています。注目する次元の抽象度が上がるほど演繹法的な推論が成立しますし、具象度が高まるほどにアブダクション的な推論が適用度を増しましょう。

対象が1回限りのユニークな事象・現象か否か。アブダクションはそのことと関係しています。