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「未来と今をつなぐCSRフォーラム」開催報告(その2)

2010年11月16日(Tue)

 最後のパネルディスカッションでは、IIHOE(人と組織と地球のための国際研究所)の代表、川北秀人氏がコーディネーターを務め、パネリストには一般財団法人ダイバーシティ研究所代表、田村太郎氏、特定非営利活動法人ACE代表、岩附由香氏、日本財団CANPAN企画推進チームチームリーダー、町井則雄の3名が登壇され、熱いトークが繰り広げられました。

 初めに田村氏による「市民が選ぶCSR企業とは〜過去の投票動向から見据える今後のCSRの展開〜」と題したプレゼンテーションが行われました。市民による過去の投票動向から、「地球にやさしい」といったことは当たり前で、

・地域とのつながりが見える企業
・働きやすい企業

投票者はこの二つのポイントを重視しており、こういった傾向は4年前からあるのでは、と述べました。環境だけでなく、従業員、顧客の多様性に対応していない企業はもはや投資対象となっておらず、投資家や市民が少し先にいっているように思える、と興味深い分析を発表。そして今回の受賞した三社に共通する点は取り組みの身近さ、ビジョンへの期待といった「わかりやすさ」にあると述べました。さらに、これからのCSRとして、一社単独でやっていくCSRは終焉していき、自治体や住民といった多様な担い手を巻き込んだ、「地域SR」を促すことが大事であると言及、これまでの企業の取り組みを生かしながら地域に開いていくことの必要性、そして取り組みの可視化を主張しました。



 次に町井が、これまで多くのステークホルダーが一緒になって社会課題に取り組んでこなかったことを指摘。「社会課題に取り組むNPO は数多くあるが、企業がどのNPOとパートナーシップを組んでよいのか分からなかった。まず、信用を得るためにNPOの情報開示が必要だったんです。それに対して企業のCSRはどれだけ可視化しているのか?ひとつのNPOが何百社もの企業のCSRをすべて見るのは難しい、という問題もありました。」そこで、それらを解決したCANPANの活動を紹介しました。さらに、市民に知ってもらうためにどうすればよいのか、という問題意識から、このような「CSR大賞」を始めたと説明。CSRの本質に市民の目を向けるため、企業がなぜCSRに取り組むのか、どういった取り組みを行っているのかということを知ってもらうためのフォーラムの必要性を主張しました。

三人目の発表は岩附氏。本業と関係ない、いわゆる社会貢献やフィランソロピーも必要だが、なぜ企業がそれをやっているのか、そこがしっくりきたほうがよいと述べました。企業が本業の中にCSRをどう位置付けるか、その重要性を主張。さらに、NGOもそれぞれの課題について、企業と連携して取り組んでいくことが必要で、CSRとは「社会の変化に対応する適応力」、「サステイナビリティ戦略」として捉え、法令順守から、経営・事業戦略とCSR戦略の結合へという流れ、消費者の動向、ISO26000といった最近の潮流を捉えることの重要性も主張しました。



 三者の発表を受け、川北氏は、「多様な担い手と面展開」の必要性を再確認し、ステークホルダーに情報を出したり(モノローグ)、距離を置いて対話する(ダイアログ)だけでなく、重なり合う課題に一緒に取り組む(エンゲージメント)ことの重要性がある、と論点をまとめました。議論は、この後われわれは何をすべきか、へと移り、日本は「従業員に対するCSRが弱い」ということを町井が指摘。社員に目を向けて、働きがいといった付加価値を求めなければならない、それがないから日本の経済も弱いのだと主張。それを受けた、岩附氏は現在一緒に取り組んでいる企業には、経営者層が社員を巻き込んでいる動きを紹介しました。また、NPOと企業がパートナーシップを組むことで、たくさんの人々に社会の課題を知ってもらうきっかけをつくれる、と訴えました。田村氏は、企業単体でやっていくことの難しさを、企業自らが表向きに主張することの必要性、その上で、自治体や地域の協力を求め、面で取り組むことの重要性を再度会場に確認しました。
 名残惜しくも、現在の日本企業の問題点、これからの求められる行動が示されたところで、白熱した議論は終了時間を迎えました。参加者の方々も随所で大きくうなずかれ、とても有意義なディスカッションとなりました。



今回、年齢は20代後半から50代、企業の中でもCSR担当者のみならず、新規事業室、中小経営者、NPO関係者など、多様な方々にご来場いただき、CSRという言葉の広がりを感じました。それだけに、多くの方がその本質を捉えるべく、登壇者のプレゼンテーションを一言一句逃さぬよう真剣に耳を傾ける姿が印象的でした。
会の終了後も登壇者に意見を求める担当者の姿など、その熱心さが伝わりました。
実践者が一堂に会することによって、これまで出会うことのなかったドットがつながり、大きな面としてよりよい社会を目指すビジョンが形成される。そんな場としての機能を感じました。
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