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CANPAN Blog大賞2009

CSRフォーラム パネルディスカッション

企業のCSRは1.0から2.0の時代へ
新時代のCSRが直面する課題と取り組みとは!?


 11月6日に開催された「市民が選ぶ CANPAN 第3回CSR大賞 連動企画 社会と企業をつなぐCSRフォーラム CSR2.0時代の到来」。イベントでは、市民に支持されるCSR活動を行った企業が表彰されるとともに、もうひとつの目玉としてパネルディスカッション「〜ステークホルダーに響くCSRの取り組み、情報発信とは?〜」が行われました。ここでは、その内容について振り返ってみたいと思います。


これまでの横並びCSRからの脱却

 パネルディスカッションの進行は、IIHOE(人と組織と地球のための国際研究所)の代表、川北秀人氏。雑誌「オルタナ」編集長の森 摂氏、ダイバーシティ研究所のフェロー、山本千恵氏、日本財団の町井則雄の3名をパネリストに1時間に及ぶ熱いトークが幕を開けました。

 「今年のCSR大賞を振り返って、受賞企業についてどのような印象を受けましたか?」という川北氏の問いかけに口火をきったのは森さんです。森さんは「フォーラムのタイトルにもあるCSR2.0という言葉が気になります。企業のCSRは、2000年から2005年までの認知期間、2005年から2007年までの普及期間を経て、新たな段階に入りつつある。それがCSR2.0ということだと思う。これまでのような横並びのCSRから課題が見えてきている」と企業CSRの現状について指摘。「今回の受賞企業はそれぞれに個性があり、とがった活動をしていると思う」と述べました。

 また、CSR大賞に第一回目から深く関係してきたダイバーシティ研究所の山本さんは、回を重ねたCSR大賞のこれまでの傾向を分析。地域密着、ワークライフバランス、雇用問題など、毎年、時代のキーワードを拾ったCSR活動が評価されてきた流れを紹介しました。日本財団の町井は、日本財団があらたに取り組みをスタートさせたCSRプラスについて解説。CSRにおける企業ランキングを公開することで、企業のCSR活動が活発化になり、さらに官民学のスムーズな連携が実現する構想を発表しました。

 3者それぞれの意見から浮かび上がったのは、企業にはそれぞれの個性を活かしたCSR活動が求められているということ。そして、企業とNPOなどがスムーズな連携を図るにはまだ大きな壁があるということでした。「状況を打開するため企業にできることはあるのでしょうか?」。森さんはこの問いに、3つの提案を行いました。「ひとつはCSRと本業の融合です。僕の持論では、CSRは経営と同じレベルで考えるべきもの。CSRの推進は本業にフィードバックされることを企業のトップには知っていてほしい。二つ目はコミュニケーションです。社内や社外にCSRの活動内容をどう伝えるかを考える必要があります。そして最後は本音と建前の融合です。企業のCSRは外部から建前でやっているように見られがち。そうならないよう、いかに本音と近づけていくのが課題となるでしょう」。今回CSR大賞を受賞した企業5社には、「トップランナーとして、CSRの普及に貢献してほしいです」と期待を込めました。


企業とNPOの連携をいま以上に促進させるためには

 中盤から、川北さんは話題を転換。「CSRを考えることは、これからの企業のあり方やこれからの社会を考えるということでもあります」と、社会が今後直面するであろう問題にスポットが当てられました。森さんは、「人工問題についてはかねてから関心を持っています。1995年の時点では、生産人口の5.5人でひとりの高齢者を支えてきました。それが2007年では2.7人でひとりの高齢者を支えなくてはならなくなっている。2020年になると、2人でひとりを支えるなくてはならない状況になります。それでも経済成長を続けようと思ったら、生産人口を増やすことが必要で、女性の雇用と外国人労働者の問題に取り組むことが求められます」問題提起。さらに、「資源のことも考えなくてはなりません。中国がいまの年率7%の経済成長を続けたとすると、2020年には、日本のGDPを丸ごと上乗せするようなことになります。そうなったとき、石油や鉄、レアメタルを日本はいまと同じ価格で購入できるでしょうか」と資源についての危機感も訴えました。

 山本さんもまた、女性雇用と外国人労働者問題に言及。「問題は深いところにあります。仕組みが簡単に動かせない大企業では取り組みが難しいかもしれません。その点、中小企業には期待が持てる部分が大きく、子育てしながら働く環境を実現した有限会社ワッツビジョンなど、注目すべき事例もいくつかあります」と、すでに問題解決に向け取り組みを行っている企業があることを紹介しました。

 それらの話を受け、川北さんは、「NPOは問題解決のプロフェッショナル。企業のCSRに対する相談窓口を設けるなど、結びつきを強める動きも出てきています」と解説。「企業もNPOと連携を図ろうとしているところはすでに課題の発見ができているところが多いのです。課題は見つかっているけれど、社内での理解を深めたり、実際の活動に結びつけていくところが難しい。外部からプレッシャーを受けるために、NPOに相談にくるんです」と、壁を乗り越えるための企業とNPOの歩み寄りの現状についてを語りました。

 川北さん、森さん、山本さんらの話は、議論を深めながら活発に展開。「ひとりでつぶやくモノローグではなく、対話としてのダイアログこそが重要。単体で課題が解決できないなら、外部の力を借りようという意味で、エンゲージメントという言葉も広がりつつあります。課題発見のところまでをCSR1.0と考えるなら、CSR2.0は相乗効果の力も借りながらいかに課題解決を加速させるかが鍵となるでしょう」(川北さん)。このようにして、これからの社会、これからの企業のあり方についてさまざまな課題を浮き彫りにした濃密な1時間が過ぎました。ここで話し合われた内容がどのような成果となってあらわれるのかは未知数です。来年のCSR大賞で、さらに多くの企業による豊かな取り組みが紹介できることに期待を込めつつパネルディスカッションは終了しました。


来場者の声をピックアップ!

 フォーラム終了後には懇親会が行われました。壇上に登った人、応援に駆けつけた人、誰もが混じり合って賑やかに談笑する懇親会会場で、今日の感想を聞いてみました!

松下茉莉子さん(津田塾大学)


実際にCSRに取り組んでいる企業の方の声が聴けてよかったです。CSR報告書から伝わってこない想いが感じられて感動しました。みなさん、がんばってらっしゃるんですね!


橋本陽子さん(青い窓こどもアトリエ 館長)


たくさんの人に支持していただき、このような檜舞台にあがれたこと、大変うれしく思っております。また、志が重なるたくさんの人に出逢えたことも大きな学びになっています。


小堤音彦さん(ユナイテッドピープル株式会社)


CSRを評価して世に公表するCANPANプラスの活動、すばらしいと思いました。CSRの善し悪しなんてなかなかわかるものではないので、このような仕組みは大切ですね。


森本宏美さん(Tie for Change)


フォーラム全体がバランスよく構成されていたので充実しましたね。最初は内容がちょっと固いかなと思いましたが、企業のプレゼンがそれぞれ興味深く、楽しめました。


桑名 崇さん(株式会社りそなホールディングス)


このような場で自社のCSR活動が評価されることは大変うれしいことです。従業員にとっても大きなモチベーションになります。今後も従業員全員で取り組みたいですね。


福地潤子さん(サッポロホールディングス株式会社)


不思議なご縁で3年連続受賞させていただきました。一緒に受賞した企業の活動を拝見させていただき、受賞する価値のある、とてもすばらしい賞だと実感を強めました。

社会と企業をつなぐCSRフォーラム CSR2.0時代の到来

市民が選ぶ CANPAN 第3回CSR大賞 連動企画
社会と企業をつなぐCSRフォーラム
CSR2.0時代の到来

赤坂にある日本財団ビルで11月6日、「第3回CSR大賞」の発表が行われるとともに、連動企画として「社会と企業をつなぐCSRフォーラム CSR2.0時代の到来」が開催されました。

サブタイトルの「CSR2.0時代の到来」にあるように、今回のフォーラムのテーマは新時代のCSRのあり方を考えること。会場には企業のCSR担当者やNPO関係者ほか日本の未来のあり方に高い関心を寄せる人々が集いました。

形だけのCSRから次のステージへ



 13時、フォーラムは日本財団 会長、笹川陽平によるオープニング挨拶から幕を開けました。挨拶では、形だけのCSRの時代から社会に本当に有益な活動が企業に求められる時代になったことが言及され、そのなかでの日本財団の果たすべき使命などが語られました。また、金融、ビジネスの情報プロバイダとして投資家に大きな影響力を及ぼすブルームバーグと提携したことを発表。次いで登壇したブルームバーグの佐藤円裕氏は、本当に意味のあるCSR活動をする企業に徐々に投資家の関心が高まりつつある現状を報告しました。

 熱心に耳を傾ける人、メモをとる人、壇上に向けられた来場者の目は真剣そのもの。確信を持って語られる新しい時代の姿にどのような形でアプローチするべきか、熱心に耳を傾けながら考えている様子でした。



企業の個性を活かしたCSR活動を発表

 14時15分ころからは、フォーラムの目玉となる「第3回CSR大賞」の発表がスタート。CANPAN関係者から今年の投票傾向として、未来を思って活動している企業に応援の声が集まったことなどが紹介された後、企業各社の受賞式が行われました。

 今年の受賞は、地域推薦部門の銀賞が株式会社柏屋、金賞が株式会社クボタ、情報開示部門の銀賞が株式会社りそなホールディングス、金賞がサッポロホールディングス株式会社、そして栄えあるグランプリが大阪ガス株式会社という結果に。その後、受賞企業各社が喜びのコメントを述べてから、支持を集めたCSRの取り組みの発表が行われました。



 創業以来158年、薄皮饅頭を作っている株式会社柏屋は、50年以上続く児童詩誌「青い窓」を、そして農業機器を販売する株式会社クボタは農業の未来づくりを目指した農耕支援プロジェクトを、それぞれ紹介。また、株式会社りそなホールディングスは公的資金注入により芽生えた社会への恩返しの心を、サッポロホールディングス株式会社はビールのライフサイクルアセスメントにおけるCO2排出量の追求についてを発表しました。今回のプレゼンでトリを務めたのは、グランプリを獲得した大阪ガス株式会社。地域との自然な結びつきのなかで肩の力を抜いて行われている大阪ガスの社会貢献活動は、これからの企業のあり方のお手本になる好例。発表が終わると一際大きな拍手が贈られました。













未来を考えると浮かび上がるテーマ

 日本財団でインターン中の大学生グループによるプレゼンテーションを挟み、16時からはパネルディスカッションが行われました。IIHOE(人と組織と地球のための国際研究所)の代表、川北秀人氏をコーディネーターに、「オルタナ」編集長の森 摂氏、ダイバーシティ研究所 所長の田村太郎氏、日本財団の町井則雄をパネリストとして行われたディスカッションでは、企業のCSRが今後のビジネスに及ぼす影響などを討論。社会と企業のつながりのキーワードとなる“エンゲージメント”についても語られました。
 










 現在、社会で問題となっているのはどのようなことであり、また、今後起きるであろう問題はどのようなことなのか。その観点で世界を見つめれば、テーマは次々に浮かび上がってきます。パネルディスカッションで帯びた熱気は、そのまま来場者席にも伝わり、この1時間は実に濃厚なものに。多くの有益な情報をもたらしつつ幕を下ろしました。
 
 このプログラムにて、「社会と企業をつなぐCSRフォーラム」のプログラムは終了。会場では、壇上に登った人も登らなかった人もごちゃませになり、今後の交流の約束を交わすざわめきが長らく止みませんでした。