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CSOネットワークのブログ

一般財団法人CSOネットワークのブログです。
一人一人の尊厳が保障される公正な社会の実現に向けて、
持続可能な社会づくりの担い手をセクターを越えてつなぎ、
人々の参加を促すことを目的に活動しています。
評価事業、SDGs関連事業などについての記事を書いていきます。


発展的評価について考える(その1〜「型」を求めるのか、それとも…) [2017年12月04日(Mon)]
こんにちは。
CSOネットワークの今田です。

本ブログで、発展的評価について考えたいと思います。

物事には「型」というものがあります。

私の母は茶道を教えますが、茶道は最初から「型」の連続です。
客人として座ってみると、目の前を亭主が何度も通り過ぎ、道具を運び、お茶を点てます。

その動作には、道具の持ち手でない方の手の位置、足の運び、目線にいたるまで、ひとつひとつ決まりがあります。細部に至るまで間違えれば直されます。そういった点前の動作からは、初心者であればぎこちなさや固さが伝わってくるし、熟達した茶人からは荘厳な雰囲気が醸し出されます。

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もしかしたら評価も似たようなものかもしれません。

「型」があります。
プログラム(事業)評価は、例えば、『事業の活動、特徴、アウトカムの情報を体系的に収集し、プログラムについて何らかの価値判断を行い、プログラムの効果の改善や将来のプログラムについての決定を行うことである』と定義されますが(Patton, 1997)、データの体系的な収集や分析を行うにはさまざまな手法があります。「やり方」があります。「型」があります。

そして、最近わかってきたのが、どうやら、世の中では、一連のやり方・手法が評価の主旋律であると理解されているようだということです。

発展的評価(Developmental Evaluation: DE)に注目して、研修プログラムを作りました。

研修プログラムはこちら↓
https://www.csonj.org/activity2/human-resource

私たち運営側(そしてもしかしたら参加者側)にわかってきたのは、評価という営みを伝達することの難しさです。それは、評価=「一連のやり方・手法」という理解がドミナントな中で(参加者に限らず、参加者が伴走する団体、その向こうに広がる社会全般)、いかにDEの考え方・アプローチの革新性を中心に据えるか、そしてそれを共有するか、その難しさです。

まず「型」から入る。
いわば守破離ですが、DEでは、「型なんて気にしなくていいんだよ。それよりね…」と語りかけます。でもそれって、評価を学ぼうと意気込んで来た人にとっては、「えっ?」なのですね。主旋律がない??

この項つづく。

DEの基礎については、こちら↓
https://www.slideshare.net/CSONetworkJapan/ss-82079836

CSOネットワーク   今田 克司

参考資料:
Patton, M. Q., 1997, Utilization-Focused Evaluation: The New Century Text, 3rd Edition, Sage Publications(マイケル・クイン・パットン『実用重視の事業評価入門』大森弥監修 山本泰・長尾眞文編集、清水弘文堂書店、2001)


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