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CSOネットワークのブログ

一般財団法人CSOネットワークのブログです。
一人一人の尊厳が保障される公正な社会の実現に向けて、
持続可能な社会づくりの担い手をセクターを越えてつなぎ、
人々の参加を促すことを目的に活動しています。
評価事業、SDGs関連事業などについての記事を書いていきます。


現状をシステムで把握するシステムマップ [2018年10月18日(Thu)]

こんにちは。評価事業コーディネーターの千葉です。

今回はCSOネットワークがDE(発展的評価)の実践で用いている現状をシステムで捉える方法について紹介します。


DEでは、複雑な状況を捉えるために『システム理論』を用いることが推奨されています。DEの8原則の中に「複雑系の考え方」、「システム思考」の2つが入っていることからも、現状をシステムで捉えることに重きを置いていることがお分かりいただけると思います。

図4.png

▲複雑系理論とシステム理論(CSOネットワークの伴走評価エキスパート育成研修資料より)▲


評価のツールとしてロジックモデルがありますが、ロジックモデルで表現されるような単純な因果関係・単線的なモデルは、現実世界を正確に描写するものではありません。ロジックモデルを否定するわけではありませんが、ロジックモデルは現実のごく一部を切り取って表現したものであり、こればかりに頼ることは現実を見る阻害要因になりえるということは理解しておく必要があります。

図3.png

▲ロジックモデルの考え方(CSOネットワークの伴走評価エキスパート育成研修資料より)▲


『伴走評価エキスパート育成』研修では、DEを「実際にやる」出発点に立つため、現状をシステムで捉えることの一歩目として

A)複雑系理論・システム理論をいかにDEに応用できるか理解する

B)現状をシステムで捉えるツールを学ぶ

を行っています。


『システム理論』で良く出てくるものがシステムマップです。これはものごとをシステムとして捉えるための方法で、例えば以下のような種類があります。

1.現状を把握するためのシステムマップ

(1)ステークホールダーマップ(ステークホルダー間の関係図)

(2)因果ループ図(変数間の因果関係図)

(3)リッチピクチャー(要素の有機的なつながりのビジュアル化)

など。


2.目指す望ましい状態を確認するためのシステムマップ

(1)成功の姿のイメージング”What does success look like?”(団体や事業が目指す成功の姿をシステムとして描く)

(2)イノベーションマッピング(製品・サービスの成功要因の把握、イノベーション実現のための戦略的決定を促す)

など。

図2.png

▲システムマップの例「肥満に関係する要因(英国保健省)」(CSOネットワークの伴走評価エキスパート育成研修資料「評価の基礎概念とDE」(源由理子氏)より)▲


今回は多くの種類があるシステムマップの中で、「リッチピクチャー」について紹介します。この「リッチピクチャー」はかなり自由度が高く使えるツールで、「ステークホールダーマップ」と「因果ループ図」のいいとこ取りの合わせ技のようなイメージです。評価対象の団体や事業の内側・外側にどんな登場人物(団体、人物)がいて、どんなことが起きていて、それぞれの関係性がどのようになっているかを整理・可視化することができます。「現状の姿を描くときに使われる場合」と「未来の理想の姿を描くときに使われる場合」がありますが、通常は前者で使われることが多いです。


「リッチピクチャー」を描くための3ステップを紹介します。みんなで一枚の絵を描くことができるので、参加者に例を示しながら説明すると良いでしょう。
===

【ステップ1】登場人物(個人・組織など)や起こっている事柄の絵を描いてもらう

ステップ2その絵の関係性を矢印で示してもらい、矢印の説明の言葉をかいてもらう

ステップ3描いたものをみんなで話し合う。話し合った内容を記録する

===

「リッチピクチャー」のメリットは、

・誰でも参加できること(子供でも描けます)

・複雑な現状を簡単に、しかも関係者みんなでとらえやすくなること

・文字ではなく、「絵」や「アイコン」を使うことで右脳・左脳も活用できること

などがあります。

図1.png

▲リッチピクチャーの例(CSOネットワークの伴走評価エキスパート育成研修資料より)▲


ちなみにCSOネットワークのDE実践では、伴走先団体のスタッフが見えている現状を可視化するために、まずは「リッチピクチャー」を描いてもらい、そしてその「リッチピクチャー」をもとにインタビューをおこなうというやり方を試してみました。これをスタッフ間でオープンで行うことによって、「ああ、スタッフのAさんは団体を取り囲む環境について、こんな見方をしていたんだ」、「スタッフのBさんは団体のこういう価値を大切にしていたんだ」と、団体側も評価者も多くの気づきを得ることができました。


団体/事業を取り囲む現実が複雑なこと、様々なステークホルダーがいること、彼らの微妙な関係性など細かい点までわかった上で、その現実をそのまま受け入れて評価に臨む。


この姿勢をもつだけで、評価によって引き出される価値が変わるのかもしれません。


いかがでしたか?
システムマップ、ぜひ活用してみてください。



現実世界を『3つの質問』で捉えよう [2018年10月18日(Thu)]

こんにちは。評価事業コーディネーターの千葉です。

今回はCSOネットワークがDE(発展的評価)の実践で用いている『3つの質問』について紹介します。




DE提唱者であるマイケル・パットンは、この『3つの質問』について著書の中でほとんど述べていませんが、複雑で変化が激しい現実世界の状況変化を捉えるために、DEの概念に触れたジェイミー・ギャンブル(*1)が提唱したものです。




静的な世界、すなわちゴールポスト(評価目的)が動かない世界では、評価目的にあわせた設問や評価基準を設定して、そのデータをとることで評価が進みます。一方、DEが想定している動的な現実世界、すなわちゴールポストが動く(つまり評価目的が一律に定まらない)世界では、常に状況変化をウォッチして評価の姿勢を柔軟に変えていく必要があります。




このような動的な現実世界に対応するには、『3つの質問』が有効です。




具体的には、


What?(どうした?)


So What?(だから何?)


Now What?(それでどうする?)


の3つです。




これらの質問は


・常に「状況」を把握し続ける


・常にそれらの「状況」を読み解こうとする


・そして、常に「状況」に適応しようとする


ことを支援するものです。




これらの一連のプロセスについては、『DE実践者ガイド(マッコーネル財団)』(*2)に詳しく掲載されています。




DEでは、評価者がこの『3つの質問』を実践することで、評価対象の事業やそれを取り囲む状況の把握、そしてその状況に対応するための意識・姿勢を持つことが可能となります。




なぜ質問はこの3つなのでしょうか。


我々人間は通常、情報(データ)を自分の解釈を入れて取り入れ、判断する傾向があるからです。つまりWhatがあるときに、Whatで止まれずSo What まで一足飛びに行ってしまう傾向がある、ということです。それが、解釈そして解決を早める効果がある一方で、バイアスを助長する/叙述以上のことをしてしまうことにつながります。そして肝心の叙述がわからなくなる、というデータ収集にとっては致命的なことにつながってしまう可能性があるのです。




What(事実)とSo What(解釈)を分けて捉えることは、評価者のデータに対する姿勢を正すと同時に、評価に必要なデータを集める上でキモになります。




So Whatの過程では、自分が気づいていないことに気がつくチャンスがあります。集めたWhatを主観や経験値のフィルターを外した状態で読み解き、そこからありとあらゆる可能性を考えます。そして判断は行わない。それによって思考の枠組みから解放され、評価に必要な真実を浮かび上がらせるかもしれません。『3つの質問』をおこなうことによって、自分の思考の癖を把握でき、DE実践に必要なデータが得られるでしょう。

図2.png


▲3つの質問のイメージ(CSOネットワークの伴走評価エキスパート育成研修資料より)▲



そしてこの『3つの質問』を回し続けながら、評価者が伴走先団体(事業者)に対してリアルタイムのフィードバックをおこない、団体の学習や意思決定、そして発展の支援をおこないます。


図3.png

▲3つの質問のサイクルを回すイメージ(CSOネットワークの伴走評価エキスパート育成研修資料より)▲




この『3つの質問』を使うタイミングは、


a)評価のバウンダリー(領域)を定めるとき


b)評価のバウンダリーが定まって、そこで実際の評価に使うデータを溜めるとき


の2パターンがあるように思います。




a)は、ゴールポストが動く動的な世界においてゴールポストを捉えるために行うものです。DEが目指すソーシャルイノベーションの種がどこに落ちているか分からない状況の中で、その当たりをつけるための第1歩目として、まずは事実(What)を集めていくことが必要になります。


b)は、(a)で定めた評価バウンダリーの中で具体的にデータを集める際に使います。ここでは評価者だけでなく事業者もWhat(事実)を収集する仕組みをつくることが大切になると思います。『3つの質問』を回すことは、団体と評価者で集めたWhatを読み解いたり(So What)、次の動きを決める(Now What)ためのコミュニケーションにも使えるでしょう。(ただし一度評価のバウンダリーを定めたからといっても、必ずしもそれで固定される訳ではなく、バウンダリーの変更が必要となることもあるでしょう。そのため例え(b)の段階に進んでも、(a)を意識し続ける必要があるように思います)




a)でも(b)でも、「こんなにWhatばかりを集めてどうなるの?」という意見もあると思います。




“Connecting the dots”という言葉をご存知でしょうか。


Apple創業者のスティーブ・ジョブスのスピーチで有名になった言葉です。


一見すると何も関係ない様々な出来事(dots)が、振り返ってみるとあとから一本の線としてつながり、その時にこれまでのdotsの意味がはじめてわかるというものです。




DEにおけるWhatは、dotであり、Whatをたくさん集めていくとそれが一本の線としてつながる瞬間がくる、すなわちConnecting the dotsに通じることがあるように思います。DE実践において、静的な世界での評価で見逃していたWhatをいかに捉えるか、そしてそれをいかに読み解き伴走先団体の気づきや変容につなげるか、DE実践者の腕の見せどころなのかもしれません。




以上は、DEを試行錯誤しながら研修をつくり実践を行う研修事務局の現時点での見解です。正解はありませんし、評価を実践する読者の皆さまの中で、この『3つの質問』についてもっと良い意味づけや活用方法を見出していただければと思います。


ご参考までに、研修事務局で作成した『3つの質問シートの埋め方のヒント』を公開します。評価の実践の役に立てば幸いです。


(*1)Jamie Gamble (2008), A Developmental Evaluation Primer, The J.W. McConnell Family Foundation


(*2)DE 201: A Practitioner’s Guide to Developmental Evaluation (McConnell Family Foundation) https://mcconnellfoundation.ca/report/de-201-a-practitioners-guide-to-developmental-evaluation/   



図1.png
発展的評価について考える(その4〜ポスト・ノーマル時代の評価?) [2018年10月06日(Sat)]
CSOネットワーク   今田 克司 

 2018年10月3日から5日、ギリシャのテッサロニキで開かれているヨーロッパ評価学会(EES: European Evaluation Society)の2年に1度の大会に来ています。500人ぐらいが参加していますが、日本から来る「もの好き」は私ぐらいで(最終日に明治大学の源さんが参加しましたが)、もの好きついでに、日本で発展的評価(DE)を学んでみたらこういう解釈になりましたという Prezi を使った発表をやってみました(文末のリンク参照)。


 今回の大会のテーマは、「よりレジリエントな社会のための評価」。このテーマで繰り返し出て来たキーワードに、次の2つがありました。



1.  「複雑」:世界も組織もより複雑になっており、それを意識した評価が必要になっている。

2.  「倫理」:評価者の責任は変化しつつあり、中立な立場から価値判断をするのが評価者という常識が通じなくなってきている。そこで考えないといけないのは、評価者としての倫理。

 そもそも日本でDEの研修事業を始める直前の昨年(2017年)7月、我らが師匠、マイケル・クイン・パットンのワシントンDCでのDE研修に参加して、ランチをともにしながら日本の研修の打合せをしました。日本のNPOやソーシャルセクターではまだまだ評価の経験値が少ないという話をしたら彼が次のように返答しました。「そうか、よかったじゃないか。評価の学びを外さなくてよいのだから。。。(Well, then, you don’t have to unlearn evaluation…)」。今回のEES大会で、このことばの意味が少しわかったタイミングがあったのでご紹介しましょう。


 基調講演者のひとり、トマス・シュワント氏(イリノイ大学名誉教授)の話。世はトランプ時代。事実の価値が軽んじられる、いわゆるポスト真実社会(Post-truth world)になったという言説は欧米ではよく聞かれます。そういう時代だからこそ、評価(事実特定と価値判断!)が果たせる役割を再認識しなければならないというところから氏の講演は始まりました。確かに、事実の価値を重んじる人々からすれば、とんでもない世界になったものです。評価者としては当然の観察ですよね。


 ところがそこから話は急展開し、「ポスト・ノーマル時代の評価」になりました。なんだそりゃ?


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↑基調講演で「ポスト・ノーマル時代の評価?」と問いかけるシュワント氏


「ポスト・ノーマル」の用語は、「ポスト・ノーマル科学」から来るものです。彼の主張をかいつまんで言えば、こんな感じになるでしょうか。

そもそも評価とは合理的思考を信じている/合理的思考では、評価者が独立した立場を維持し、精緻な方法で、エビデンスの力を信じて行動すれば、正しい価値判断ができると考える/正しい価値判断を繰り返すことによって社会は進歩していく/評価専門家はこの意味で社会の進歩に貢献することができる。

 これが「ノーマル時代の評価」だとすれば、いつのまにか時代は移ってしまっているのでは?というのが彼の問いかけです。そして、もしそうだとすれば、評価者の仕事とは一体なんなのか?


 簡単に答えが見つかるわけではない、と前置きしたうえで、シュワント氏は評価専門家が考えるべきいくつかの糸口を提供しました。例えば、「ポスト・ノーマル時代」においては、


  • イノベーションは、技術が生むものから別物に変容する。
  • ガバナンスは、「AからBへモノ(政策、制度、仕組み、事業)を届ける」モードから「関係性により構築する」モードへ変化する。
  • 政治は、代表制から人々のもとへ帰る。
  • 生産の価値は「ともに行うこと」に宿る。
  • 知識の創造の中心には倫理が据えられる。
そして、
  • 評価者は、中立な観察者からファリシテーターになる。

 「さて、いかがかな?」とシュワント氏。会場では質疑応答が始まりました。そこで私が思い出したのが、マイケルの、Well, then, you don’t have to unlearn evaluation… のことば。まさに彼が実用重視の評価を実践しながら、たどり着いたひとつの答えとしてのDE。そして、その背景にあった時代の変化。つながりましたね。


この項つづく。 


DEやってみよう!(昨年のDE研修一期生の最終的なDEの理解の発表をもとに、CSOネットワークとしてまとめたもの)」は、こちら↓

http://prezi.com/my8gkimhpcch/?utm_campaign=share&utm_medium=copy&rc=ex0share




同じものの英語版(EES大会で発表したもの)はこちら↓

http://prezi.com/eqbamsx8h-77/?utm_campaign=share&utm_medium=copy&rc=ex0share



発展的評価について考える(その3〜バックキャスティングとフォアキャスティング) [2018年08月20日(Mon)]
CSOネットワーク   今田 克司

 バックキャスティングが流行っています。訳せば「未来からの逆算」でしょうか。SDGs(持続可能な開発目標)関連では、「アウトサイド・イン」という用語もだいたい同じ意味で使われているようです。要するに、まず目標を定め、そこから「どうすれば(どうなれば)そうなるか」という論理をつなぐ思考実験を繰り返すことによって、直近のアクションを定めることができるという計画・作戦の立て方です。


 ロジック・モデルの説明の際にも、私は「これはバックキャスティング思考です」と説明するようにしています。まず事業の上位目標・最終目標を確認する→そこに到達するための中間アウトカムをしっかり言語化する→中間アウトカムを達成するための初期アウトカムを設定する→初期アウトカムが実現するためのアウトプット(事業の直接の結果)を確認する。これをやると、「今なんでこの作業をやっているのか」という疑問が出た際に(よく出ます)、最終的な目標までのつながりが可視化されているので、「そうか、OK」となることができます、というわけです。もちろん、実際には、ロジック・モデルに描いたように単線的に物事は進みませんが、そこはロジック・モデルを推進する人々もよくわかっています(私の見たところ、これには「仮説検証」論と「作戦」論があります。それについては別の機会に)。


 「日本人は論理的思考が苦手で」などという言明がまことしやかに流通することもありますが、その真偽は別にして、ここでいう論理的思考というのはバックキャスティング思考を指していることも多いようです。SDGs2030年までの時限つき目標ですが、「そんなことできないよ」と考えられがちな高めの目標設定をし、バックキャスティング思考を行動原理にまで昇華させて推し進めれば長期目標を達成できる、という前向きな姿勢(これを「ムーンショット」と呼ぶ人もいます)が流行りの一因でしょうか。


 ところがDE(発展的評価)はちょっと違います。「バックキャスティング使えればよし、フォアキャスティング使えればよし」と、例によって「すべて文脈によりますよ」という姿勢です。バックキャスティングの反対のフォアキャスティング(訳せば「現在からの順算」でしょうか)で一番わかりやすのは天気予報(ウエザー・フォアキャスト)です。天気を2030年からバックキャストするのはちょっと難しいですね。。。


 DEでは、現代の世の中は天気の変化のように複雑で予測が難しいと考えます。バックキャスティング思考の効用を認めたうえで、それには限界があること、フォアキャスト的なやり方の価値を見直し、その方法を洗練させていくことに意義があることを説きます。そのやり方はいろいろあるのですが、まず大事になるのが、前回(その2)で書いた「評価的思考」に代表されるような、自分(評価者)の「思考の型」を取り外す心がけです。


 いよいよ今週(8/24-25)、発展的評価の2年目の研修が始まります。今年も16人の参加者を得て、一緒に楽しく学んでいきたいと思っています。「評価手法をしっかり学ぼう!」と考えて参加する人は、昨年と同様、最初は拍子抜けするかもしれません。DEは評価手法に行き着くまでに何度も立ち止まらなければならないので。そこで出るモヤモヤ感を大事にするのもDEの醍醐味です。


この項つづく。


DEの基礎については、こちら↓


DEやってみよう!(昨年のDE研修一期生の最終的なDEの理解の発表をもとに、CSOネットワークとしてまとめたもの)」は、こちら↓

https://prezi.com/kev4ofrn8zb8/de_ver10/?utm_campaign=share&utm_medium=copy



DEで大事なポイントはだいたいお釈迦様が教えてくれる [2018年05月21日(Mon)]

DEを学んでいく中で、その大事なポイントの解説を聞くと「仏教哲学的だなぁ」と感じることが多くあります。「だからなんなの?(SO WHAT?)」とDE的ツッコミを受けそうですが(笑)、自分の思考の整理のためにまとめてみたいと思います。


n   DEは「縁起(=関係性)」に着目する

「縁起」とは仏教では、「すべての存在は、原因(因)と条件(縁)によって、成立【結果(果)】する」という考え方です。DEでは、事業とその結果にとどまらず、事業者(内部環境)と外部環境、さらにはDE評価者としての自分と伴走先事業者など多様な「関係性(=縁起)」に着目していくアプローチといえます。


n   「縁起(=関係性)」は「重々無尽」と捉えるべし

 次に「重々無尽」とは仏教(華厳経)では、「あらゆる物事が相互に無限の関係もって互いに作用し合っていること」を意味します。つまり、DEで重要なのは、この「関係性(=縁起)」が1つ1つ独立した関係性として存在しているわけではなく「重々無尽」な「縁起」として存在していると捉えることが必要だと思います。複雑系理論やシステム思考と通じるところですね。


n   DE評価者は「融通無碍」であれ

「融通無碍」とは仏教(華厳経)では、「考え方や行動にとらわれるところがなく、自由であること」を意味します。複雑系理論を活用するDEにおいて、事象を非単線系の事象の連鎖として捉えたり、評価者の立ち位置を外部評価者、内部評価者のいずれにも状況に応じて置くことができる(時にはソーシャル・イノベーターを見守り育てる母親のような)「融通無碍」の在り方がDE評価者には求められると思います。


n   DE評価者は「直観力」を養うべし

「直観」とは仏教では、「物事を直接的かつ本質的に理解すること(直観智)」を意味し「分析的理解(分別智)」と区別しています。DEにおいては、もちろんあらゆるデータから分析的に事象を捉えることも重要ですが、それ以上に上記のような重々無尽な縁起を的確に捉え、即時にその中から本質的な価値を見出す「直観力」がより重要だと思います。また、DE評価者には、事業の現場や団体スタッフから得られるミクロなファクトと伴走先団体が向き合う社会課題や外部環境などのマクロなファクトを同時に直観していく「木も森も同時に見る」力が求められます。


以上、かなり強引ではありますが(笑)、DEで大事なポイントはだいたい2500年前からお釈迦様が教えてくれていんだね、というお話でした。DEDE評価者に関心のある方の何らか参考になれば幸いです。


作成:NPO法人日本ファンドレイジング協会 事務局長 鴨崎貴泰


DE(発展的評価)登山 [2018年04月13日(Fri)]

こんにちは。
評価士の三浦宏樹です。

発展的評価の提唱者であるマイケル・クイン・パットンは、ブランディン財団と共同で「アカウンタビリティ・マウンテン(Mountain of Accountability)」https://blandinfoundation.org/content/uploads/vy/Final_Mountain_6-5.pdfというレポートを発表しています。

この中でパットンは、アカウンタビリティ(説明責任)には3つの階層があると論じています。「経営プロセスの基本的アカウンタビリティ」「インパクトのアカウンタビリティ」「学習・発展・適応のアカウンタビリティ」の3層です。

1階層「経営プロセスの基本的アカウンタビリティ」で主に問われるのは、事業(プログラム)を計画・認可されたとおりに実施したかどうかという点です。ロジックモデルの言葉を用いれば、第1階層はインプット(投入)、アクティビティ(活動)、アウトプット(結果)に関わるアカウンタビリティといえます。コンプライアンス(法令遵守)の視点も、この階層に含まれます。第2階層「インパクトのアカウンタビリティ」では、プログラムのアウトカム(成果)やインパクト(効果)が満足すべき水準かどうかが主に問われます。世間でいう「アカウンタビリティ」は、この2つの階層で十分にカバーされるように感じます。

一方、パットンが提示する第3階層は「学習・発展・適応のアカウンタビリティ」と名づけられています。ここで彼は、伝統的な評価(第2階層に対応)がプログラムの漸進的改善や意思決定に重きを置くのに対して、発展的評価(第3階層に対応)は、組織全体のミッションを達成するための戦略の実施や改革を支援するとしています。第2階層までのアカウンタビリティが、組織が手がけるプログラムが現時点で成果を挙げているか否かを評価するのに対し、それだけでは、組織が中長期にわたり存続・発展し、自らのミッションを達成するのは覚束ないという認識が、おそらくそこにあるのだと思います。自らを取り巻く環境の絶え間ない変化に適応し、現場で得た経験を新たな戦略へと練り上げていくイノベーションのプロセスが求められるのでしょう。

でもこれってアカウンタビリティの一種なのでしょうか? 評価の目的としてよく挙げられる「アカウンタビリティ確保」と「学び・改善」でいえば、後者の方に含まれるのでは?

そうした点について自分なりに考察を深めるうえで、営利企業におけるアカウンタビリティを取りあげてみたいと思います。というのも、今日アカウンタビリティというと行政機関やNPOのそれを連想しがちですが、この言葉はもともとAccounting(会計)+Responsibility(責任)に由来し、会社が株主に対して経営状況を説明する義務を意味したからです。

会社が株主を満足させるうえで最重視されるのは、まず間違いなく「利益」でしょう。その利益を計算するために作成・公表されるのが損益計算書(Profit and LossP/L)です。ざっくりいえば、収入から費用を差っ引いて利益(または損失)を計算した書類です。NPOでもP/Lを作成しますが、会社と違ってNPOの場合は、利益を増やすことが目的ではありません。利益に代わって目的となるのが、アウトカムやインパクトです。その意味で、アカウンタビリティの第12階層は、営利企業でいえばP/Lに対応するといえるかもしれません。この部分の測定を特に重視したのが、社会的インパクト評価です。


しかし会社も、何もない真空から利益を稼ぎ出しているわけではありません。会社は、価値を生み出す源泉として工場・店舗・事務所などの資産を所有し、それらに要する資金を借入や株式、内部留保で調達しています。そうした資産と負債・資本の状況を示すのが、貸借対照表(Balance SheetB/S)です。会社の経営状況を説明するうえで、P/Lと並んで基本になる書類です(他にキャッシュフロー計算書がありますが、ここでは説明省略)。


とはいえ、企業による価値創出の源泉は、こうした有形の資産だけではありません。会社で働く社員の皆さんの力や、経営者の指導のもとで発揮される組織の総合力、研究開発などを通じて獲得した特許などの知的財産といった無形資産(インタンジブルズ)があってこそ、企業は利益を生み出すことができるのです。こうした無形資産はB/Sには載っていません。しかし、企業価値を正しく評価するうえでその重要性は増しており、企業会計の世界でもそれらを「見える化」しようという動きが進んでいるようです。有形・無形資産は、その会社が将来に創出する価値(利益)の源といえます。


ひるがえってNPOのことを考えてみましょう。NPOの中には事業用の施設や設備を抱えるところもあるでしょうが、多くのNPOでは、そこで働くスタッフと、経営者のマネジメントが財産のほぼ全てではないでしょうか。要するに、NPOがいかにして社会的価値を創出するかを理解するには、B/Sだけ見ていても無意味。NPOが将来、自らのミッションを達成できるかどうかを判断するには、NPOの経営者や職員の能力構築(キャパシティビルディング)や、受益者や協力者などの多様な利害関係者(ステークホルダー)間の関係構築、それらを総合した組織としての経営力を見ることが大切です。すなわち、第3階層のアカウンタビリティは、営利企業になぞらえればB/S(&無形資産)に対応するといえそうです。学習・発展・適応を通じてイノベーションを生むNPOの能力は、B/Sに計上できる有形資産と違ってお金に換算することは困難です。しかし、複雑で不安定な現代社会の中で、自らが掲げたビジョンを中長期的に実現していくうえでは欠かすことができません。こうした意味で、パットンのいう第3階層――「学習・発展・適応のアカウンタビリティ」は、すぐれて未来志向のアカウンタビリティと呼べるのではないでしょうか。


Mountain of Accountability.png


▲Mountain of Accountability レポート(Blandin Foundation)より
第3回定期研修開催しました! [2018年03月02日(Fri)]

こんにちは。

評価事業コーディネーターの千葉です。


2/14(水)〜16(金)に、『伴走評価エキスパート育成講座』最後の研修である第3回定期研修を開催しました。


最後の研修のテーマは、“おいしいカレーライスのレシピをつくろう!”でした。


16名の参加者の『伴走評価』の取り組みをケース・ストーリーとして発表いただき、うまくいった要因、うまくいかなかった要因などを抽出し、伴走評価の実践に必要なエッセンスを抽出してレシピにまとめます。


今回は、カレーライスのメタファーとして以下のように対応づけて参加者に提示しました。

@素材:伴走先団体の基本情報、評価対象となっている活動についての情報など。

A調理工程:評価設問および実際の評価調査で、何を具体的に行ったかを時系列に記述したもの。

Bできたカレーライス:評価結果のハイライト。

C美味しく調理するために活用した職人の技:伴走評価に活かした参加者のそれぞれのスキル・ノウハウ(暗黙知)など。

Dレシピの秘訣(スパイス?):参加者から、伴走評価やDEの経験からの学びと、今後DEを実践する人へのアドバイス。


初日は、アイスブレーカーで言葉のカードをめくりながら近況報告をおこなったあと、12月の集中研修の振り返りからスタート。少し時間が経っていますが、皆さん大事なことはしっかり覚えていました。

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16名の参加者にケース・ストーリーを発表してもらい、グループディスカッションによりうまくいった要因、うまくいかなかった要因などを抽出し、レシピとして@〜Dをまとめていきます。


初日は参加者のポテンシャルを十分に引き出せたと言えずでしたが、翌日の朝どのように進めたらよいかを参加者と一緒に議論したことで、2日目からは議論がとても盛り上がりました。研修内容もまさに参加型でタイムリーに発展的に変えたことで、とても学びの多い時間となりました。

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最終日は、御茶ノ水のソラシティカンファレンスセンターに会場を変えて、明治大学の教授で本事業の指南役でもある源先生にも加わっていただき、4グループがまとめたレシピを発表しました。

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どのグループの発表も本当に素晴らしく、ノウハウがたくさん詰まっていました。1期生の皆さんにご協力いただいたおかげさまで、国内でDE・伴走評価を実践していく上での具体的なレシピがたくさん出てきました。この多すぎる学びをどうまとめ消化していくか、運営側も真剣に考えています。


そのほか、参加者によるマイストーリー(人生を語ってもらい、相互理解を深めつつ伴走評価の学びにも落とすセッション)やリフレッシュのためのクリエイティブな体操などもおこないました。

 IMG_4139.JPG

源先生には出来上がったレシピへのコメントの他、源先生のマイストーリーや評価者倫理についても語っていただき、あらためて評価者としてあるべき姿を考える機会もいただきました。

 IMG_4211.JPG

最後に参加者からの感想を一部紹介します。

16のケースからDEのエッセンスを抽出し、レシピにまとめたことでDEの世界観が実感につながった感じがしました。


★全員のケースワークを聞いて、同じDEを実践していても、16組の団体×伴走評価者の組み合わせが、すべて違う色を放っていたことが驚きとともに新鮮でした。誰かのノウハウが直ぐに自分の伴走評価に役立つというより、自分の伴走のやり方や考え方の癖や足りないところを知る機会となりました。


DEは、ソーシャルイノベーターとの共創。団体へのタイムリーなフィードバックは、評価者にもとても大切な気づきと成長の機会を与えてくれる。どちらかが一方的に与え、与えられるものではないことが実感として得られたことで、意識が変わりました。とにかくとっても気づきの多い3日間でした。

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今年度の『伴走評価エキスパート育成講座』研修は、これで終わりになります。


次年度は、1期生の方々にも協力いただきながら、国内でDE・伴走評価が実践されるような環境づくりに取り組んでいきたいと思います。


次年度の動きもお楽しみに!!

DEの現地視察 in カナダ(後編) [2018年02月02日(Fri)]

こんにちは。

評価事業コーディネーターの千葉です。


20177月に行ったカナダでの現地視察レポートの後編です。


前編はこちらをご覧ください。

http://blog.canpan.info/csonj/archive/16


2)GAFF

GAは、複数の「食」をテーマに活動する財団により結成されたアライアンス()です。4年前に結成されて、現在は約25の財団が加盟しているそうです。


パットン氏が評価アドバイザーとして関わっていたことから紹介いただき、GAFFの評価者である事務局長のRuth氏と、DE外部評価者のPablo氏にインタビューをさせてもらいました。


DEを取り入れた背景は、食のシステムという分野の複雑性、異なる関心分野・人柄が新たに集まったネットワークという複雑性等から、評価手法はDEが最適と判断したとのことでした。


特に印象的だったのが、ミッションやビジョンといったあるべき姿からバックキャストしていって中期計画・戦略プランをつくるわけではなく、GAFFの場合は、

●ストラテジーをもとに、「12ヶ月の優先取り組み課題」を策定

●行動指針としてのプリンシプルがあり

●行動記録としてのロードマップをつけている


ということです。


詳細は省きますが、複雑な状況にある組織運営の方法として、とても興味深かったです。

図8.png

3)J.W.McConnell Foundation(マッコーネル財団)


トロントから、早朝の便でモントリオールに飛び、マッコーネル財団に訪問しました。この財団は、DEのイロハをガイドブックにまとめ、発行しています。


対応いただいたBeth氏とJohn氏に、DEの価値について熱く語ってもらい、お土産にガイドブックをもらいました。


このガイドブックは、WEBでも見ることができます。


A Developmental Evaluation PrimerThe J.W. McConnell Family Foundation

http://communitysector.nl.ca/sites/default/files/practical_resources/2011/a_developmental_evaluation_primer_-_en.pdf


A Practitioner’s Guide to Developmental EvaluationThe J.W. McConnell Family Foundation

http://vibrantcanada.ca/files/development_evaluation_201_en.pdf


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▲マッコネール財団の立派な応接室▲

4)オタワ大学

オタワ大学のBrad教授とは、今田がAMAの大会の分科会で彼のクラスを受講したことがきっかけで知り合ったそうです。


モントリオールから電車でオタワに移動しました。大草原の中を電車で走って気持ちよかったです。Brad教授には駅まで車で迎えにきていただき、オタワ大学で彼の研究室の研究者たちと、DEからソーシャル・イノベーションまで、幅広く意見交換しました。


帰りには、ドライブ、食事と、とても歓待いただきました。

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Brad教授に川辺のレストラン美味しい食事をご馳走いただきました▲


以上、簡単ですが、カナダ現地視察の報告でした。

ここでの学びを、日本の研修に活かしていきます。


PS:カナダはなかなか物価が高く、普通にランチを食べると1,500円くらいになってしまいました。日本は暮らしやすいですね。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




DEの現地視察 in カナダ(前編) [2018年02月02日(Fri)]
こんにちは。

評価事業コーディネーターの千葉です。


今回のブログでは、20177月に行ったカナダでの現地視察、ヒアリングの様子をレポートします。CSOネットワークからは、代表の今田、研修担当の白石、コーディネーターの千葉が訪問しました。


2日間で、トロント、モントリオール、オタワの都市を行き来して、

1)Ontario Ministry of Education(オンタリオ州教育省)

2)Global Alliance for the Future of FoodGAFF

3)J.W.McConnell Foundation(マッコーネル財団)

4)University of Ottawa(オタワ大学) 

の4件を訪問し、お話を伺いました。


1)Ontario Ministry of Education(オンタリオ州教育省)

カナダ在住の日本人評価者のKeikoさんにコーディネートいただき、彼女が評価者として仕事をしているオンタリオ州教育省に訪問しました。午前中は評価チームの10数名と面会、午後はKeikoさんが評価で関わっているオンタリオ州北部にある学校の副校長Jennifer McMasterさん(正確には、Keewatin-Patricia 学校区、Queen Elizabeth 高等学校副校長)と面会をおこないました。


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オンタリオ州は広くて、特に北部は先住民の割合が多く、主たる産業がないそうです。そのため失業率が高く、公教育の質(生徒のスコアや進学率・退学率)に課題を抱えていたそうです。しかし現在は教育省としてDEを取り入れて適切な改善活動をおこなったことにより、教育の質があがり生徒の成績も向上したとのこと。そのため、海外からの視察が多く、年間100近くを受け入れているとのことでした。


特に印象的だったのが、データを活用する体制です。生徒の成績のみならず、子供を見守る大人の数(Caring adult)などのデータまで集めていて、それを分析する仕組みができていました。子どもたち一人ひとりのカルテができており、評価者たちはこれを教師と見ながら何が必要か指南できる環境がある、ということでした。


Jenniferさんが評価者のKeikoさんのことを次のように話していました。


Keikoは私たちにとって、メンターでありお母さん。タスク・セラピストであり、状況分析官。長けた質問者。決して『こうしろ』とは言わないし、批判しない。常にやさしく、厳しい」

Keikoとの会話には常に目的があり、問題の解決策を出すこと、行動アイテムをしっかり決めることなど、いつもメリハリが効いている」

「日常的に大変なことがいろいろあって、なかなか全体像が見えない。そんなとき、Keikoが来てくれて、物事を整理してくれる」


ここに、評価者としてのあるべき姿が凝縮されている気がします。


この日の夜はKeikoさんの自宅でホームパーティに招かれ、彼女やJenniferさんのつながりで学校関係者も多く集まりワイワイと時間を過ごしました。

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Keikoさん(左)とJenniferさん(右)▲


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▲教育省でのラウンドテーブルの様子▲


後編はこちらから。
DEの現地視察inワシントンDC [2018年02月01日(Thu)]
こんにちは。
評価事業コーディネーターの千葉です。

今回のブログでは、アメリカのワシントンDCでの現地視察、ヒアリングの様子をレポートします。CSOネットワークからは、代表の今田、研修担当の白石、コーディネーターの千葉が訪問しました。


ワシントンDCでは二人の方とお会いできました。

1人目は、Ann Doucette(アン・ドゥシェット)さんで、彼女自身DE評価者として活躍されている方です。 

  

2人目は、Jacqueline Greene(ジャクライン・グリーン)さんで、USAID(アメリカ合衆国国際開発庁、United States Agency for International Development)の職員の方です。



Ann Doucette(アン・ドゥシェット)さん

今田とAMA(アメリカ評価学会)の大会で知り合ったことがきっかけで、今回話を聞かせてもらいことになりました。


Ann氏は、以前TEIディレクターをしており、現在は世銀における新しい評価の仕組みを構築されているとのことです。


実際に現場でDEを適用した経験が豊富です。2011年から、世界各国の多分野21プロジェクトでDEを適用したりと豊富な評価経験をお持ちで、DEについてもわかりやすい例えを用いながら教えてくれました。(幸福度の評価もおこなったということでした)



Jacqueline Greene(ジャクライン・グリーン)さん


TEIでのパットン氏によるDE研修でご一緒したJacqueline氏が所属する組織USAIDでのDEを適用しているということで、ご縁を活かしてヒアリングさせてもらいました。


USAID(アメリカ合衆国国際開発庁、United States Agency for International Development)は、1961年に設置されたアメリカ合衆国のほぼすべての非軍事の海外援助を行う政府組織です。ホームページによると、より良い生活をたてるためにもがいたり、災害からの復興、自由で民主的な国で生活できるように努力するなどの海外の人々へ援助の手を広げているそうです。


USAIDでは、Complex(複雑)な状況で、ロジックモデルやロードフレームを使うことの限界を感じており、パットン氏をアドバイザーとして招き入れてDEを取り入れている最中ということでした。アカウンタビリティの確保や具体的な困難について、現場の声を聞かせてもらいました。USAIDにおいても組織的にDEの考え方を取り込みたいと考える方々は多いようでした。



参考情報:Program Cycle Operational Policy
https://www.usaid.gov/ads/policy/200/201


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白石さんからは、

世銀やUSAIDのように世界中で様々なプロジェクトを実施する組織においては、プロジェクトの運営における不確実性の認識や、生成的・発展的な取り組みの必要性・重要性を理解しており、DEの考え方がとても良くマッチする印象を持ちました

と、振り返りのコメントをいただきました。



私のスーツケースの半分は、このようなシーンで使う訪問先団体へのお土産で埋まっていて大変でしたが、このようにDEについて、具体的な事例を交えながらパットン氏以外の人からとても分かりやすく解説してもらったおかげで、理解が深まったような気がします。


以上、簡単ですが、ワシントンDCでのヒアリング報告でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。





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