CSJ大阪 政治家養成 特別講座
日 時 2018年12月19日(水)13:00〜16時
場 所 大阪産創館5F研修室
講 師 香川県議会議員 山本さとし氏政治は随分と遠い存在になってしまったような気がする。けれども、政治の舞台で、次々と成立している法や制度は、私たちの生活や地域社会の環境や、ともすれば、人生の在り方までもを大きく変えてしまうかもしれないような大改革の渦の中にある。
選挙の投票率は低く、国会の議論も、身近で採り沙汰されるのは、根本的な国の在り方や私たちの生活と直結するような問題ではなく、ワイドショーのせいだろうか、森友・加計学園の問題や、議員のスキャンダルなどの話題で賑やかだ。それが大事じゃないとは言わないけれど、その裏で、国の骨格やしくみを大きく変えるような法案が次々と可決されていることを知らずにいる市民は多い。
投票したい候補者なんていない、どこの政党が政権を取ってもそう変わりはしない。どっちでもいいや、と、言う人たちがいる。ならば、投票したい候補者を出せばいい。あるいは、こんな政治家じゃダメだと言うなら、自ら議会に出ればいいと思うけれども、それもそう簡単なことではない。
そうした中、地方では立候補をする人材すらいないまま、無投票で議員が選出されるような事態が起こっている。そして、現在の政治についての不平、不満、批判の声が、SNSで吹き上がる。いたずらに、それを煽るかのような投稿が拡散され、それによって本当かどうかわかりもしない情報が根拠も発信者も不明のまま、人々の不満をますます増大させていく。
けれど、それでは問題は何も解決しない。
山本さとしさんを講師に呼んだ理由は、彼が本当に普通の地方公務員であって、その中で止むに止まれぬ思いを抱いて、安定した職場を捨てて市議会に立候補をした人物であるからだ。
私たちの中から、私たちの声を議会に上げる政治家が欲しい。
今のようなことじゃダメだ。
我々は、多くの人たちの不満や批判の声を、解決に向って動く動きにギアチェンジをする、そういう場をつくりたいと思った。
今の政治を変えたい!と思う人達に来てもらいたい。
5,000円は高いという声もあるけれど、これは当日の資料の作成や、多くの人にこの声を伝えるための撮影・編集の経費、交流を深めるための道具立てとしてのフリードリンクの費用、そして会場費などを入れて、少人数での仲間づくりをと思った時に、こんな値段になってしまった。
それについても大きな政治的課題がある。
我々のような市民政治を掲げる組織には、NPO法人とかのような資金調達の術が乏しい。
なぜなら、
NPO法では、本来あるべきアドボカシー活動を法の条文によって制限・禁止されている。だから我々は、NPO法人にはなれない。新公益法人制度では、それは無いけれども、現実に公益認定等委員会での審議の場で、政策提言や制度化に向けた啓発事業は、公益事業にあたらないということで不認証となっている。つまり、公益社団になることも難しいということだ。
それをなんとかしなければ、日本のNPO法人や公益法人は、その社会的役割と市民活動の大切な機能が果たせない。
アドボカシー活動は、市民の声を政治や制度に反映させようとする、成熟した民主主義・市民社会に於いては、国民、市民の権利であり、かつ、重要な役割だ。
こうした市民活動、市民の公益組織に対する制度の在り方が、社会改革の装置としてせっかく生まれたNPO法人制度や新公益法人制度を、その目的から遠ざけ、単なる行政の下請けや補完機能を果たす存在にしか成りえない、ひとつの要因になっている。
制度設計や法に関する意見や提言も言えない市民活動団体が、行政と対等な協働関係なんて築けよう筈がない。
また、この法的縛りは、政府や政治への不平・不満、批判を持った組織についても、「市民運動=野党または批判勢力」という“プロブレム”ばかりを拡散する不毛な市民運動の姿から脱却することが出来なくしている。市民運動の単なる批判勢力、或いは、文句や批判を言うだけの万年野党の支持母体というマイナスイメージは、市民の手による“ソリューション” “社会的イノベーション”への道を切り開くための装置になることを阻害していると、私にはそう思えてならない。
成熟した民主主義、市民社会の市民活動や公益事業組織は、政治や社会の“イノベーション”に関わる当事者でなければならない。場外で批判と否定を繰り返す者に、主権者としての健全な機能や役割は果たせないだろう。
そういうことを、多くの人に伝えたい。
それがこの講座の目的になる。
日本国憲法には、この国の主権は、私たち国民にあると明確に示されている。
決して、政治家や政党や内閣にあるとは、どこをひっくり返しても書いていない。
批判や否定、不平、不満を言うばかりで世の中は変わりはしない。
文句があるなら、自分たちの手で政治を変える、そのためにどうするかを考え行うことが大事なことだ。
それで、政治家養成講座をやろう!そういうことになった。
そして、その講師は、普通の私たちの感覚をもって政治の世界に飛び込んだ政治家じゃなければならない。有名人や特殊な専門性を持ったり学歴や経歴を有する政治家は、この講座には不向きだ。
山本さとしさんは、現在、党首の玉木雄一郎くんが共産党とは与しないと公言している国民民主党の香川県連の幹事長という役割にある。しかし、前回の参院選で、民進党の香川県連の幹事長であったとき、彼は、その共産党の候補者を出した香川県の市民連合の調整役的な存在でもあった。
ひとりの地方議員として、現在の状況を考えると、実際、どれほど悩み深いところだろうと正直なところ思うこともある。
そうした彼が、そもそも政治家になろうと思ったその動機、そして、それを踏まえて、今の複雑な政界の動きの中の複雑なポジションを、彼がどう考えているのか、また、これからの政治の在るべき姿をどう考えているのかを聞き、少人数の参加者の中で、しっかり議論がしたい。そして、そこから、今後の動きを共につくる仲間をつくりたいと思う。
参加費は、入会希望者は、当日、入会申込をしてくれれば資料代の1,000円だけでいい。
後からCSJの会則と広報誌の創刊号、それに会費の振り込み用紙を送るので、それに、1年または半年分の会費を振り込んでくれれば、今後のこうした講座や意見交換、シンポジウム、会への三か費の割引と、企画提案などへの参加も出来るようにしようと思う。年会費は、12,000円、半年なら6,000円、つまり、月額1,000円の会費ということになる。
どちらかというと、一回だけの講座への参加じゃなくて、会員になって貰って、一緒に今の政治を変えていくための仲間になって欲しい。
問い合わせは、ちらしにあるメールを送って貰えれば、私が直接対応をするので、興味があれば、なんでも問い合わせてくれればいいし、その上で、是非、同じ思いを持つ方々に参加をしていただきたい。