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生きる希望を支える

がんになっても
自分らしく生きることができる社会をめざして


在宅緩和ケア患者家族交流会 [2016年07月26日(Tue)]
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 みなと保健所から「在宅緩和ケア家族交流会」企画運営の委託を受け、今年も2つのテーマ「死生学」と「情報」を取り上げることになりました。
 第1回目は8月1日(月)10:00〜11:30、みなと保健所で開催されます。第1回のテーマは「死生学を学ぶ」です。がんサポートコミュニティー顧問である長山忠雄氏(千葉県がんセンター名誉センター長)を講師に招いて「死生学」をテーマに8月1日(月)と9月12日(月)と2回シリーズでお話いただきます。
 無料のセミナーとなりますので、ご関心をお持ちの方は、港区内外を問わず、みなと保健所地域保健係(電話03-6400-0084)までお問い合わせ、お申込みください。
がんとの闘病は真夜中のドライブのようだ [2016年07月23日(Sat)]
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 子どもの頃と大人になった今では、時間の感覚に違いを感じたことはないでしょうか?年々、時間が過ぎていくのが早くなっている感覚ってないでしょうか?
 この現象は「主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く評価される」として提唱された「ジャネーの法則」と言われるもので、フランスの心理学者が19世紀に自身の著書で紹介したものです。具体的に彼は「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」と説明しています。たとえば、1歳の赤ちゃんにとっての1年間は自分の全人生の長さです。一方、50歳の人にとっては人生の50分の1の長さということす。
 これを近年になって脳による時間の認識について研究している神経科学者David Eaglemanの分析を米誌『The New Yorker』は紹介しています。
 人間にとって時間の感覚は、味覚や触覚、嗅覚、視覚、聴覚といった感覚とは異なります。私たちは時間を知覚しているとは意識していません。人間の脳は新しい情報を受け取ると、まず情報を理解しやすい形に整理します。基本的に、脳は感覚器官から多くの情報を受け取り、意味をなすように整理しています。すでに馴染みのある情報を処理するときは、それほど時間がかからない一方、新しい情報の処理はこれよりも遅くなり、これによって時が長く感じられます。つまり、世の中をより知ると、脳に書き込まれる新しい情報も減り、時間がより速く過ぎているように感じると言うのです。
 生死にかかわる状況に置かれると、脳内で記録する情報がいつもよりも多くなるため、その時間は実際よりも長い時間として記憶されます。がん告知を受けたとき、頭の中が真っ白になったと言うことをよく耳にしますが、まさに脳が情報の処理に追いつかない状況と言えるかもしれません。また、生死にかかわる体験をすると、毎日見ている景色が鮮明に見えてきたりするように注意力が非常に高まります。しかし、だからといって脳が超人的な情報処理能力を手に入れたわけではないのです。
 創設者の故竹中文良は、生前に「がんとの闘病は真夜中のドライブのようだ」と自らのがん体験から評していました。あまり先のことを見越すことをせず、車のヘッドライトが届くところまで行ってから、そこで改めてそこから先のことを考えれば良いと患者さんたちに彼は諭したことを思い出します。がんと告知されても慌てず焦らず落ち着いて立ち止まり気持ちを整理すること、情報を整理することを彼はいつも勧めていました。今日、彼が自らのがん体験から囁かれた言葉が科学によって裏付けられていることを知り、今月に彼の七回忌を迎え、改めて彼の言葉を紡ぎたいと思う今日この頃です。
創設者・竹中文良、七回忌法要に寄せて [2016年07月09日(Sat)]
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 創設者・竹中文良が肝臓がんとの闘病の末、2010年7月14日に享年79歳で永眠されて丸6年を迎えました。7月8日、七回忌法要が竹中文良の郷里、和歌山県田辺市にある西方寺で行われました。
 日本における年忌法要が、亡くなってから「3」と「7」のつく年忌の年に行なわれる理由は諸説ありますが、この風習は日本で始まったもので、仏教本来の風習ではありません。この風習が日本で始まったにせよ、その年の決め方は、ただ適当にではなく仏教で大切にしている数字になぞらえたと言われています。
 「7」は、私たちの迷いの姿である六道の世界を超えて悟りに至る、ということを暗示しており、そこから「6」を超える、迷いを超えるという意味で大切にされると言われています。「3」も同じく「2」を超えるという意味だそうです。有・無、勝・負、損・得というような二極に偏った考え方を離れ、中道の生き方をするということを意味します。中道と言うのは、仏教でさとりを目指す上で大切な考え方であり、お釈迦様も息子のラゴラ尊者に「二を超える生き方をせよ」と仰っておられます。
 そこから、毎年は法要を勤められなくても、せめて仏教で大切にする数字「3」と「7」のついた年忌だけはお勤めしようということが習慣化したのではないかと言われています。
 しかし、年忌法要で大切なのは「3」や「7」と言った数字にこだわることではなく、その数字に込められた「迷いを離れ中道を歩む」ということだと思います。がんサポートコミュニティーという社会システムを立ち上げた亡き竹中文良を大切に偲ばせていただきつつ、この機縁に自らの生命や生き方について、そして、その延長線上にある死について深く見つめていく機会となればと思います。
米国がん月面探査サミット(Cancer Moonshot Summit) [2016年07月08日(Fri)]
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 米国Joe Biden副大統領(写真左)は、5年後にがんの発生率、罹患率と死亡率を削減するといったがん対策の進歩の倍増をめざすCancer Moonshotを提示しています。この目標は世界の悲願です。彼のこの目標を実現するためには、様々な領域や分野のビッグデータと新技術、新しいアイデアや視点を共有することは不可欠です。そうした認識から先週6月29日、300以上の患者支援者とサバイバー、研究者、医師、科学者、慈善家、および専門家がホワイトハウス(Washington, D.C.)に集うBiden副大統領主催「Cancer Moonshot Summit」が開催されました。このサミットに、私たちの本部である米国Cancer Support Communityが参画し、最高経営責任者であるKim Thiboldeaux(写真中央)が「Cancer Moonshotと臨床試験の重要性」についてスピーチを行ったことに感動しました。
 このサミット開催の起草は、2016年1月12日にObama大統領が一般教書演説でBiden副大統領の長男Beau Biden氏が2010年に脳腫瘍と診断され、2015年5月30日に46歳の若さで亡くなったことへの弔意を示された後、「私たちはすべての失った最愛の人のため、私たちがまだ救うことができる家族のため、今日をもって、がんを治すことができるアメリカにしましょう(“For the loved ones we’ve all lost, for the family we can still save, let’s make America the country that cures cancer once and for all”)」と述べたことに始まります。
 Kim Thiboldeauxは、「私たちCSC(Cancer Support Community)は、Biden副大統領が定めた目標を受け入れます。特に、私たちはがんとの闘いの進展の速度を倍にするという目標に完全に合意します。」と述べ、「すべての患者に対する技術革新を進めるための最も効果的な方法の一つは、臨床試験への参加を通じてであると思います。しかし、対象となるがん患者さんのうち3〜4%しか臨床試験に参加していません。未だ多くの患者さんは、1970年代から変わらず臨床試験はプラセボを投与されるもの、モルモットにされるものとの誤解を持ち続けています。この誤解は患者さんの臨床試験への参加意欲にマイナスの影響を与えています。私たちはこの誤解を払拭する必要があると考えています。」と現在の臨床試験における問題点を指摘しています。
 そして、彼女は「Cancer Moonshotのテーマの一つは、コラボレーションです。CSCでは患者さんの臨床試験に対する悪しき神話を払拭するために、米国内の20の団体と協働して教育プログラムを開発しました。私たちのこれまでの研究からこの悪しき神話を払拭するには斬新なアプローチであることが重要だと思っています。CSCの臨床試験の教育プログラムの目標は、臨床試験に対する(1)患者の参加意識の向上、(2)患者の意思決定の重視とシンプルです。私たちCSCは、CSCが持つ実際のがん患者さんの経験の蓄積データをCancer Moonshotの中で医療面と心理社会的側面との両方から関われることを楽しみにしています。」と自ら指摘した問題点の解決策の一つを提案しました。

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 最後に彼女は「私たちの行うことすべてにおいて、常に方位磁石の真北に患者さんが位置していること(何事も患者さんのために行うこと)を忘れずにいましょう!」とスピーチを締めくくりました。
 私たちがんサポートコミュニティーは、彼女のスピーチを聴いて遠く日本にあってCSCの一員であることを誇りに思います。また、日本においても米国と同じく、がん対策へのAll Japanでの取り組みの必要性を強く感じます。
大阪マラソンチャリティランナー合同練習会 [2016年07月01日(Fri)]
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がんサポートコミュニティーは大阪マラソンのオフィシャル寄附先団体です。
チャリティランナーの皆さまと親睦を深め、がんサポートコミュニティーの取り組みに対し、より理解を深めていただく機会と共に、チャリティランナーの皆さまと一緒に大阪マラソン完走、記録づくりを目指し、下記日程でランクリニックを開催します。

主催:特定非営利活動法人がんサポートコミュニティー
共催:株式会社東急スポーツオアシス/ライフ・フィットネス・ジャパン株式会社/バイエル薬品株式会社

日時:2016年7月24日(日)/8月28日(日)10時〜12時30分
会場:東急スポーツオアシスもりのみやキューズモール店(大阪市中央区森ノ宮中央2-1-70)
対象:赤組(がんサポートコミュニティー指定)チャリティランナー
参加費:無料
プログラム:ワークショップ:アイデアソン/体験:プレパレーションの方法、スプリントドリルの方法/実地:ハートレートモニターを使用しレースペースをつかむ等

講師:筒井健裕氏
〔学歴・資格〕日本体育大学大学院博士前期課程修了(2005年3月)、体育科学修士、中学校・高等学校教諭(保健体育)専修免許、CSCS、NSCA-CPT、健康運動指導士
〔その他の資格〕NSCAジャパン南関東地区アシスタント地域ディレクター、adidasパフォーマンストレーナー、adidas gym & runトレーナー、日本ランニング協会認定ランニングマスターインストラクター
〔略歴〕元陸上競技短距離選手、専門種目は短距離(100m自己ベスト10"58)、2004年4月〜05年3月:日本体育大学陸上競技部の短距離コーチ、05年4月〜08年3月:整形外科に併設された「メディカル・フィットネス」、08年4月〜10年3月:流通経済大学ラグビー部ランニングコーチ、10年4月にSPRINT開業し15年4月からトレーニング、ランニングを中心に、スポーツを通じた「健康な街づくり」をめさして、千葉県柏市を中心に活動中。
第一三共Presents家族のきずなシアター2016 [2016年07月01日(Fri)]
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がん患者さんとそのご家族にミュージカルを通して感動と元気を伝えたいという思いから第一三共と劇団四季が企画したプロジェクトです。私たちがんサポートコミュニティーはこのプロジェクトに後援させていただき、がんサポートコミュニティーのプログラムに参加されている125組500名ものがん患者さんとそのご家族をご招待いただきます。7回目となる今回は、斎藤惇夫さん原作の「冒険者たち」をミュージカル化した作品『ガンバの大冒険』です。

主催:第一三共株式会社/劇団四季

日時:2016年8月7日(日)13時〜15時
会場:自由劇場(港区海岸1-10-53)
対象:がん患者さんとそのご家族
募集:125組500名

後援:特定非営利活動法人がんサポートコミュニティー
第14回ペイシェントアクティブフォーラム [2016年07月01日(Fri)]
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今回は「放射線が拓くがん医療の未来〜わかること、できること」をテーマに、放射線診断医の立場から、放射線治療医の立場から、各々お話いただき、来場者の皆様と一緒に放射線について学ぶ機会したいと考えています。

主催:特定非営利活動法人がんサポートコミュニティー
日時:2016年9月24日(土)13時30分〜16時30分
会場:よみうり大手町ホール(千代田区大手町1-7-1)
定員:400人(定員になり次第締切)
参加費:無料
申込方法:メール(info@csc-japan.org)で件名に「フォーラム参加希望」と記載いただき、氏名・連絡先を明記の上、お申込ください。

プログラム:
(1)基調講演1「放射線診断でわかること」楠本昌彦氏(国立がん研究センター東病院放射線診断科長)
(2)基調講演2「放射線治療ができること」伏木雅人氏(市立長浜病院放射線科(治療部門)責任部長)
(3)パネルディスカッション「放射線が拓くがん医療の未来〜わかること、できること」

後援:厚生労働省/東京都/東京都医師会/日本対がん協会/NHK厚生文化事業団/読売新聞社/朝日新聞社/産経新聞社/NHK/日本製薬工業協会/米国研究製薬工業協会/欧州製薬団体連合会
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