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がんとの闘病は真夜中のドライブのようだ [2016年07月23日(Sat)]
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 子どもの頃と大人になった今では、時間の感覚に違いを感じたことはないでしょうか?年々、時間が過ぎていくのが早くなっている感覚ってないでしょうか?
 この現象は「主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く評価される」として提唱された「ジャネーの法則」と言われるもので、フランスの心理学者が19世紀に自身の著書で紹介したものです。具体的に彼は「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」と説明しています。たとえば、1歳の赤ちゃんにとっての1年間は自分の全人生の長さです。一方、50歳の人にとっては人生の50分の1の長さということす。
 これを近年になって脳による時間の認識について研究している神経科学者David Eaglemanの分析を米誌『The New Yorker』は紹介しています。
 人間にとって時間の感覚は、味覚や触覚、嗅覚、視覚、聴覚といった感覚とは異なります。私たちは時間を知覚しているとは意識していません。人間の脳は新しい情報を受け取ると、まず情報を理解しやすい形に整理します。基本的に、脳は感覚器官から多くの情報を受け取り、意味をなすように整理しています。すでに馴染みのある情報を処理するときは、それほど時間がかからない一方、新しい情報の処理はこれよりも遅くなり、これによって時が長く感じられます。つまり、世の中をより知ると、脳に書き込まれる新しい情報も減り、時間がより速く過ぎているように感じると言うのです。
 生死にかかわる状況に置かれると、脳内で記録する情報がいつもよりも多くなるため、その時間は実際よりも長い時間として記憶されます。がん告知を受けたとき、頭の中が真っ白になったと言うことをよく耳にしますが、まさに脳が情報の処理に追いつかない状況と言えるかもしれません。また、生死にかかわる体験をすると、毎日見ている景色が鮮明に見えてきたりするように注意力が非常に高まります。しかし、だからといって脳が超人的な情報処理能力を手に入れたわけではないのです。
 創設者の故竹中文良は、生前に「がんとの闘病は真夜中のドライブのようだ」と自らのがん体験から評していました。あまり先のことを見越すことをせず、車のヘッドライトが届くところまで行ってから、そこで改めてそこから先のことを考えれば良いと患者さんたちに彼は諭したことを思い出します。がんと告知されても慌てず焦らず落ち着いて立ち止まり気持ちを整理すること、情報を整理することを彼はいつも勧めていました。今日、彼が自らのがん体験から囁かれた言葉が科学によって裏付けられていることを知り、今月に彼の七回忌を迎え、改めて彼の言葉を紡ぎたいと思う今日この頃です。
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