創設者・竹中文良、七回忌法要に寄せて
[2016年07月09日(Sat)]
創設者・竹中文良が肝臓がんとの闘病の末、2010年7月14日に享年79歳で永眠されて丸6年を迎えました。7月8日、七回忌法要が竹中文良の郷里、和歌山県田辺市にある西方寺で行われました。
日本における年忌法要が、亡くなってから「3」と「7」のつく年忌の年に行なわれる理由は諸説ありますが、この風習は日本で始まったもので、仏教本来の風習ではありません。この風習が日本で始まったにせよ、その年の決め方は、ただ適当にではなく仏教で大切にしている数字になぞらえたと言われています。
「7」は、私たちの迷いの姿である六道の世界を超えて悟りに至る、ということを暗示しており、そこから「6」を超える、迷いを超えるという意味で大切にされると言われています。「3」も同じく「2」を超えるという意味だそうです。有・無、勝・負、損・得というような二極に偏った考え方を離れ、中道の生き方をするということを意味します。中道と言うのは、仏教でさとりを目指す上で大切な考え方であり、お釈迦様も息子のラゴラ尊者に「二を超える生き方をせよ」と仰っておられます。
そこから、毎年は法要を勤められなくても、せめて仏教で大切にする数字「3」と「7」のついた年忌だけはお勤めしようということが習慣化したのではないかと言われています。
しかし、年忌法要で大切なのは「3」や「7」と言った数字にこだわることではなく、その数字に込められた「迷いを離れ中道を歩む」ということだと思います。がんサポートコミュニティーという社会システムを立ち上げた亡き竹中文良を大切に偲ばせていただきつつ、この機縁に自らの生命や生き方について、そして、その延長線上にある死について深く見つめていく機会となればと思います。