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一人三役はつらいよ 「鼎立」のための秘策 [2008年07月05日(土)]
 地方自治体の市民参加政策や協働政策をテーマとする会議などで、ファシリテーターとアドバイザーを合わせて依頼されることがあります。片や中立な進行役、片や自分の見解を示す専門家の「両立」というのは、実は相反の関係にあり、難しいものです。
 任期付職員を務める千葉県四街道市では、これに事務局の立場が加わり、「鼎立」は至難の業。そこで見出した秘策とは?
 四街道市の任期付職員として取り組んでいる大きな仕事が、「(仮称)四街道市市民協働指針」の策定です。この9月の制定に向けて、約1年間の策定作業に取り組んできました。
 まず、昨年8〜9月に市内12ヶ所で「意見交換会」を行い、地縁団体や市民団体の活動、地域の課題について調査しました。10月からは、市民30名程度と市各課の職員による「検討会議」を積み重ね、指針に盛り込む内容について検討してきました。

 この6月には、その指針に盛り込む内容(素案)をもとに、市内7ヶ所での自由参加形式と3つのネットワーク団体への出前形式で、再び「意見交換会」を行ったところです。
 指針に盛り込む内容は、今回の「意見交換会」で寄せられた意見をもとに、「検討会議」で修正された後、7月中に市に提出されます。市では、それを指針案の形に整えたうえで、8月にパブリックコメントを行い、意見を反映したうえで9月に制定の予定です。

 私は、「検討会議」や「意見交換会」で、昨年度は、ファシリテーター、アドバイザー、事務局の三役を務めていました。専門性をもつ任期付職員として入ったということで、会議運営の専門性、協働政策の専門性をまとめて発揮することを期待されたわけです。
 しかし、自分で説明したことに対して、質問や意見をもらうために進行し、なおかつ、もらった質問や意見に対して、時に事務局として、時に専門家として答えるという三面六臂の役回りは、阿修羅様ならともかく、人間界では無理がある話です。

 ファシリテーターがアドバイザーや事務局を兼ねてしまうと、こちらでは、そのつもりがなくても、自分に都合の悪い意見や自分と考えの違う意見を、ファシリテーターが取り上げなかったり、即座に否定したりしているようにも見えてしまいます。
 そこで、今年度の人事異動で、事務局の顔ぶれが変わったことを好機に、ファシリテーターを市民活動推進室長に代わってもらいました。私は、意見を整理しながら板書するファシリテーショングラフィックは行いますが、事務局とアドバイザーの役割を優先させてもらうことにしました。

 このブログの「バイオグラフィ」をご覧になっている方はお気づきだったかもしれませんが、「(仮称)四街道市市民協働指針」関係の会議で、私の役割が「進行役」から「説明者」に変わっているのには、そういう理由があったのです。
 任期付職員としての役割には、専門性の発揮というだけでなく、「地」の職員に対して、専門性を伝授することもあると考えますので、役割分担は、人材育成の意味にも適っているといえるでしょう。

 もう一点。第三者的なファシリテーターやアドバイザーにとどまらず、行政職員として事務局をも兼ねることには、良さも難しさもあることがわかりました。
 事務局の立場を得ることで、市長や副市長へのレクチャー、ヒアリングを行うことができ、首脳部の考えを予め踏まえることができるのは良い点です。一方で、それゆえに、「検討会議」のような市民参加の場への白紙委任という形にはなりにくく、市民には、検討の前提となる制約が多いと感じられたかもしれません。

 一人三役という初めての経験ではありましたが、会議運営について軌道修正をしながら、もう一息で指針ができるところまで来ました。「検討会議」には、約30名の市民の登録がありますが、うち20名程度は継続的な参加があり、こうした公募中心の会議で、3分の2が最後まで参加しているというのは、市民の熱心さや責任感を示すものといえます。
 「意見交換会」でも多く寄せられた意見ですが、指針はできた後の実行段階が肝心です。私としても、早く指針に基づいて、こんどはプロジェクトのコーディネートなどで力を発揮したいものです。
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コメント
山梨県自治会館でのご講義ありがとうございました。長い公務員生活のなかにはなかった新しい進行役。これから研修が役立つよう実践したいと思います。
Posted by: 飯野多恵子  at 2008年07月24日(木) 09:20