「NPOらしさ」を発揮する 里山公園の指定管理 [2008年01月10日(木)]
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NPOが世の中に存在するのは、企業にも行政にもない、NPOらしさがあるからです。では、改めて「NPOらしさ」とは何でしょう? 教科書的にいえば、ボランティアや寄付などの市民の自発的な力をコーディネートしながら、課題解決を図っていくことです。
狭山丘陵一帯の都立公園の指定管理者の一角を担うNPO birth(バース)の姿に、「NPOらしさ」とは何かを見ることができます。 ![]() |
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私が副代表理事を務める「NPO法人おおた市民活動推進機構」の事業、「ぷらっとツアー」の第1弾として、都立野山北・六道山公園を訪れたのは、よく晴れて絶好の紅葉日和となった、昨年12月1日(土)のことです。大田区、松戸市、所沢市、国立市から、市民と行政職員の14名が参加しました。
野山北・六道山公園は、武蔵村山市から瑞穂町にまたがって位置しています。JR立川駅から、立川バスに乗って約30分。「岸」停留所で下車して、徒歩5分のところです。 この日は、ちょうど「収穫祭」というイベントが開催されていました。公園内にある「岸たんぼ」での体験プログラムなどで育てた餅米を使った餅つき、また、地元の伝統芸能の「重松囃子」の披露などが、拠点施設の「里山民家」の前の庭でにぎやかに行われました。 希望者が多かったようで、抽選による200名の参加となりました。立川から乗ったバスでも、収穫祭に向かう子どもたちや引率のお母さんたちと乗り合わせましたが、子どもたちも大勢参加して、ボランティアのおじさん・おばさんに教わりながら餅つきを楽しむなど、大盛況でした。 ![]() このイベントは、地元を中心とする50名ものボランティアのおじさん・おばさん(子どもたちにとっては、おじいさん・おばあさん?)たちによって、支えられていました。開会式の際に、岸たんぼ会、岸はやし連、公園ボランティアの皆さんなどの丁寧な紹介があったおかげで、運営する皆さんの顔・顔・顔が見えるイベントになりました。 例えば、つきたてのお餅を、あんこや大根おろしなど8種類(!)もの味でお腹いっぱい楽しめたり、具だくさんのけんちん汁を賞味したりできたのも、ボランティアの皆さんのおかげです。 この野山北・六道山公園をはじめとする、狭山丘陵の4つの都立公園の指定管理を行うのは、造園業、環境コンサルティングなどの3つの企業と2つのNPOがジョイントする「西武・狭山丘陵パートナーズ」です。身近な自然を守る活動を行っているNPO birth(バース)は、その一角を占めています。 現場職員14名のうち9名を出しているバースは、この指定管理事業の要ともいえます。施設の維持管理では企業が強みを見せる一方で、講座やイベント、ボランティアのコーディネートなど、ソフト的な運営管理ではバースが力を発揮しています。 ![]() 東京都の北の端に位置する公園ということで、指定管理以前は、自然愛好家だけが訪れるような公園でしたが、「きてみて里山!狭山丘陵」などのコピーで広報宣伝を行い、学習やボランティアなどの機会を提供するようになったことで、ふつうの市民も利用するようになってきています。 昨年は、公園内の動植物を知ったり、里山の手入れを学んだりする各種講座に4,000人、講座から巣立った人たちをはじめとするボランティアに3,000人以上が参加するまでになりました。まさに、「NPOらしさ」を発揮することで、市民の関心やボランタリーな力を引き出しています。 この日、視察に対応してくださった、バースの事務局長・佐藤留美さんの充実したお話のなかで、特に印象的だったのは、「里山は人手をかけて保全されてきたのだから、公園職員数名で維持できるものではない」という言葉です。 この言葉は、市民が社会的な課題の対処を何でも行政に依存するようになってきた歴史を裏返しに説明するものですが、その行政による対処にも限界があり、ボランタリーな人手を生み出す新たな方法が必要であることを物語っています。 ![]() かつては、同質的な「共同体」で管理してきた里山ですが、生活に密着した薪炭林ではなくなったために人の手が入らなくなり、「行政」が面倒を見るようになりました。狭山丘陵の4公園の場合も、ダンプ9,000台分のごみが捨てられ荒れるにまかせていた里山を、東京都が買い取って管理するようになったのが始まりです。 しかし、予算に縛られる行政では、人手を十分に確保することができないため、管理が行き届かず、市民の活用につなげるまでにはいたりません。そこで、NPOが企業、地元住民、ボランティアなどの異質な主体の「協働」をコーディネートすることで、里山のより有効な保全や活用を図っているわけです。 (「共同」と「協働」は、読めばいずれも「きょうどう」ですが、「共同体」が同質な構成員を求めるのに対し、「協働」はむしろ異質な主体同士であることが重要になります。) ここ数年、「新しい公共」という言葉がずいぶんともてはやされてきましたが、NPOが「新しい公共」の主体と認められるためには、学習機会などを提供してボランティアを育てたり、企業などと協力したりして、「協働」を生み出すアプローチをとることが重要です。それこそが、NPOならではの「NPOらしさ」です。 指定管理者制度というと、行政コストの削減だけが注目されがちですが、「NPOらしさ」を発揮できなければ、NPOが指定管理を行う意味が十分にあるとはいえません。狭山丘陵の都立公園におけるバースの姿は、指定管理を行うNPOが何をしなくてはならないかの、大変よいお手本になります。 ![]() まずは、出かけて歩いてみましょう。 133.9haという野山北・六道山公園の広さと 里山のよさが実感できます。 狭山丘陵の都立公園ガイド http://www.sayamaparks.com/ NPO birth ホームページ http://www.npo-birth.org/ |









