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まちづくりは 老若男女 みんなでやろう [2007年10月27日(土)]
 9月から始まった、神奈川県相模原市での「木もれびの森ワークショップ(大野台・西大沼地区)」。このワークショップは、この森の保全・活用に携わっている地元自治会やNPOの人たちと一緒に、ファシリテーターとして企画・運営しています。
 また、お話上手の地主さんの語り部、大人顔負けの発言をする小中学生など、地域の力を結集して行われています。
 木もれびの森は、JR横浜線の古淵駅からほど近いところに残された、住宅地に囲まれた森です。かつては、薪炭林として燃料や肥料を調達し、定期的に伐採する「林」でしたが、近代的な生活に移るなかで、うっそうと生い茂る「森」となりました。
 地域住民からは、暗くて落ち葉に悩まされる森と厄介視されたり、逆に、犬の散歩でフンを散らかし放題になったり、自転車やバイクで颯爽と駆け抜ける道になったりと、その価値がいまいち理解されていません。

 実は、この森は、都心近郊に残る貴重な緑ということで、「相模原近郊緑地特別保全地区」に指定されていて、開発を行わず、森として守っていくことになっているエリアです。相模原市でも、市民や専門家を交えて検討し、「木もれびの森保全・活用計画」を作成しています。
 ただ、残念なことに、この計画の内容が、地域住民にあまり知られておらず、今回、ワークショップを開催して、森について知ってもらい、懸案を検討することになったのです。

 9月8日(土)に第1回「木もれびの森を再発見する」、10月20日(土)に第2回「森を傷めない歩き方 散策路を考える」を実施しました。来年3月にかけて、あと3回の開催を予定しています。
 私は、このワークショップを設計・進行する、ファシリテーターを務めています。また、地元大田区の市民活動仲間で、緑関連の活動経験が豊富な、牧野ふみよさんの協力を得ています。事務局は、相模原市水みどり環境課です。

 市民参加の会議は、行政が設定するものであっても、主役は市民です。市民に自分たちの持てる力を喜んで発揮してもらうには、参加する市民をお客様扱いせず、一緒につくる側になってもらうことです。
 このワークショップでも、森で美化活動をする地元自治会の役員、野鳥の観察や森の保全活動を行うNPO法人やボランティア団体の代表者、「保全・活用計画」を検討した元委員、また運営に携わることを希望する方に、運営委員として、ワークショップ自体の企画・運営もやってもらっています。

 当初、ワークショップのねらいが不明確なところがあり、最初の1回だけを見学にして、あとの4回は課題別に検討という案を、ファシリテーターと事務局で考えていました。
 しかし、運営委員会(最初は準備会)で率直なやりとりをするうち、このワークショップのねらいは、森の価値と「保全・活用計画」を地元住民に知ってもらい、課題になっている点について検討して解決の方向性を見出す、ということが確認され、各回とも、森に入って、様々な体験を通して、森の姿を知ることにしようと決まりました。
 また、森での体験学習は、各運営委員が、専門性を活かしながら行っていくことになりました。

 事務局は、主催者として、自治会や学校をはじめ、地元住民への参加要請を行い、第1回は約50名、第2回も約30名という、なかなかの人数を集めるのに成功しました。
 各回のワークで使用する、地図やワークシート、年表なども、非常によいものを作成しています。

 第1回では、西大沼在住の地主で、ぶどう園のオーナーでもある中里正人さんが、森と地域の生活の歴史を、ご自身の体験や人々の暮らしぶりなどを紹介しながら、とてもわかりやすくお話してくださいました。
 かなり話しなれていらっしゃるご様子で、聴き手の反応を見ながら、笑いをとりながらのとても楽しいお話に、会場全体が熱心に聴き入っていました。本当に素晴らしい語り部でした。

 さらに、このワークショップの主役のひとつは、小中学生です。第1回には、森のすぐそばの大野台中学校の生徒会役員の男子3人が参加してくれました。夏休みに生徒会活動をサボったバツとして、先生に行って来いと言われたとのことでしたが、ふだんは気がつかなかった森の知識に触れて、勉強になったようでした。
 第2回には、大野台中央小学校(略して、「大中小」(ダイチュウショウ)だそうです)の6年生男子3人が参加してくれました。なんと、日頃から、森の裸地化(人の歩行によって地面が踏み固まってしまい、植物が生えなくなってしまう問題)について関心があるとのことで、案内チラシを見て、自分たちで参加することを決めたというツワモノです。

 これがまた、小学生とは思えない、物怖じしない、堂々とした発言をするので、みんな関心して聴き入ってしまいます。
 進行役の私が、今回の検討で方向性が見えてきた点については、どのように実行していくつもりかを事務局に振ったところ、少年の1人が、「それぞれの地区でやるときは、自治会とかに相談しながら、また話し合っていくと思うんだけど」と、もっともな発言をして、大人をうならせていました。確かに、この日の検討は、エリアを限ってモデル的に行い、その結果を参考にして、各地区に持ちかけるのがねらいだったのです。

 小学生が、これだけ「正論」を展開すると、エゴや自己顕示に陥りがちな大人も、恥ずかしい発言はできなくなり、議論の質が高まります。
 同じ相模原市で、私が初めて手がけたのは、JR矢部駅近くの村富公園のリニューアルワークショップでしたが、そのときも、小学生たちのしっかりした発言に、大人がハッとさせられ、地域に頼もしい子どもたちが育っていることを知る機会となっていました。
 青少年がまちづくりに参加することは、本当に計り知れない効果があることを、今回も、改めて感じることとなっています。

 このように、地域のさまざまな力が集まることで、「木もれびの森ワークショップ」も勢いが出てきました。今年から来年に向けてのあと3回。さらなる発展が楽しみです。
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