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協働を理解できる行政職員をつくる講演のコツ [2007年08月08日(水)]
 私が任期付職員を務める四街道市では、これから市民協働指針の策定に取り組みます。そんな「協働」「NPO」などの政策を推進するにあたっての大きな壁は、行政職員がそれらを「皮膚感覚」で理解できていないことです。
 その打開策について、中間支援NPOのカリスマ、せんだい・みやぎNPOセンター代表理事の加藤哲夫さんから、大きなヒントを得ました。
 8月6日(月)、加藤さんをはじめ、せんだい・みやぎNPOセンターの木村正樹理事(いしのまきNPOセンター専務理事)、我孫子市市民活動支援課市民活動支援担当の栗原祐子さん、佐藤友里さん(元せんだい・みやぎNPOセンター職員)が、われらが協働オフィス「ぷらっとホーム大森」を訪ねていらっしゃいました。
 11月初めに行われる、「中間支援組織10年の検証と提案」のイベントに向けたヒアリング調査のためでした。

 私は、四街道市への出勤日だったため、ヒアリングには参加できませんでしたが、その後、知的障がいを持つ皆さんが活躍しているご近所の「カフェパーチェ」での交流会で、皆さんと情報交換する機会に恵まれました。
 仙台、石巻、我孫子……それぞれの地域での市民活動支援や協働支援の情報に触れ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

 それらの情報交換のなかで、加藤さんが語ってくださったことはさすがでした。ユーモアあふれる語り口のなかに、「うん、そうだ」と納得させられること、「う〜ん、やられた」と唸らされることが満載でした。
 飲ミニケーションの場での話でしたので、「メモ魔」の私も記録にはとらなかったのですが、特に印象に残った話が2つあります。

 1つは、NPOにとっては、講演の仕事が一番稼ぎになるということです。私も、職員として働いていた東京ランポ時代に、体験的にそれは知っていました。研究や日常の事業よりも、それらの日々の果実を人に伝える講演は、手間もかからず、最も「割がいい」仕事だからです。
 ただ、加藤さんの話には続きがあります。NPO組織の長には、その講演を「個人の稼ぎ」にしてしまう人も多い。そうなると、他の職員の間にも、講演は「個人の稼ぎ」と考える人が増え、組織として稼げなくなるという話です。果ては、「稼ぎ」をめぐって分裂することになるとも……。

 名誉のために付け加えておくと、その点で東京ランポは、理事長や事務局長は、講演での稼ぎをきちんと組織に入れてくれていたため、非常に節度のあるNPOだったと言えます。ただ、なにぶんにも職員の給与が少なく、定期昇給もなかったため、講演の仕事については、職員の出来高給としての扱いになっていたことは確かです。
 講演収入が組織の稼ぎになるようにするには、収入への貢献を昇給に反映させるようなシステムを持つということでしょうか。なかなか難しい問題です。

 もう1つの話は、行政職員向けの講演を成功させるノウハウについてです。
 私も、行政職員向けに、市民参加や協働、NPOをテーマとした話をする機会が多くあります。そういった講演のうち、もともとそういったテーマについて関心を持つ人の希望制で行う場合は、「ある程度」のレベルから話をスタートさせても、よい反応が得られます。
 一方で、なにか反応が鈍いぞ、と思う講演は、全庁的に義務的に出席してもらうような場合です。そんなときは、初歩から順序立てて、教科書的に話しているつもりでも、反応がイマイチです。

 加藤さんによると、学者は整理されたレベルの高い話をするけれど、ご自身は「初歩の初歩」から話すのを得意とするから、講演依頼のリピートが多いのだそうです。
 では、「初歩の初歩」とは何か?それは、そもそも行政職員は、NPOを「奇特な人たちがボランティアをやっている」といった程度の理解しか持っていないので、講演している当人が「自分はなんでNPOなんてやっているのか?」を伝えられないと、ピンと来ないということです。

 これには、「なるほど」と思いました。私も、「NPOを体験しないでNPOを理解しようとするのは難しいから、まずはNPOを体験してみては」といった話し方をしていたのですが、得体の知れないものに、わざわざ「危険を冒して」まで挑戦することをおススメすること自体、ハードルが高かったわけです。
 まずは、NPOをもっと「皮膚感覚」で伝えること。加藤さんの言葉では、何をやっているかの「活動」紹介ではなく、なぜやっているのかの社会の「ニーズ」を伝えないといけないということです。

 これは、「目からうろこ」というか、「耳から耳垢」が落ちたようなお話でした。NPOの支援や協働といったものを、行政職員に身近に感じてもらうためには、整理された理論ではなく、生きた個人の体験談が必要なのだと気付かされました。
 まだまだ私も修行が足りないなあ、と痛感させられた、とても勉強になるお話でした。
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コメント
はじめまして、cumoと申します。
わたしは民間企業の社員という立場ですが、
行政をお客さんとして市民参加のファシリテーターや、協働のしくみづくりなどの仕事をしているものです。
いつもブログを拝見し、共感したり勉強させていただいています。

現在、ある自治体で、
全庁的に職員を集めて、協働のガイドラインなどについて検討しているところです。
その自治体では、多くの職員の方たちが、
すでに市民やNPOなどと一緒になって事業を進めています。
でも、それって「協働」なのか?
なんだかいつも行政職員ばかり汗をかいてない?
「対等な役割分担」ってどうしたらできるの?
そもそも付き合いで「協働」してない?
といった問題意識を持っている方もいます。
もっと成果の上がる、お互い気持のいいやり方を探すことが必要だと。
一方で、この現状を変えるのは面倒、と思っている職員も多いのです。

「協働を理解できる行政職員をつくる」といったとき、
「理解する」とはどのような意味合いか、もっと具体的にお聞きしたいと思いました。
Posted by: cumo  at 2007年08月08日(水) 15:48


いつもブログを拝見しています。
講演謝金のあり方、行政職員に身近に感じてもらう工夫など、なるほど、なるほどと思います。
協働の意義を理解してさえもらえたら、その後の行政の方たちの動きはものすごく早いんですけれど、そこまでどう持っていくかですね。




Posted by: いのちを考え、支える〜地域の暮らしのなかで  at 2007年08月08日(水) 00:19