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自治体の市民活動支援も映像の時代 [2007年07月28日(土)]
 三位一体改革により、所得税(国税)から住民税(地方税)への税源移譲が行われた結果、この6月から住民税の税率が上がり、「税金が増えているが、間違いでは?」という騒ぎが起きました。もっとも、自分が負担している税額に関心を持つことはよいことです。
 千葉県市川市における、個人住民税の1%で市民活動団体を支援できる制度も3年目に入り、納税者が市民活動団体を知るメディアとして、インターネット映像も登場しました。
 市川市の市民活動団体支援制度(1%支援制度)は、ハンガリー、スロバキア、リトアニア、ポーランド、ルーマニアなどの中東欧諸国で導入されていた、納税者が国に納めるはずの所得税の1%を、応援したい非営利団体に振り向けることができる制度にヒントを得ています。平成17(2005)年度に「市川市納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例」によって創設されました。

 それまでにも、自治体が市民との仲介役となって市民活動団体に資金支援を行う、各種の補助・助成制度は、全国的にありました。
 しかし、それらのうち、市民からの寄付を原資とする基金によるものの場合は、寄付者が支援したい団体を選択できる良さはありましたが、寄付が盛んでない日本においては、なかなか基金が充実しないという課題がありました。
 1%支援制度の場合は、自発性の寄付ではなく、義務的な税金を使うという点で、基金に比べて、安定的に原資を確保できるメリットがあります。

 また、従来の補助・助成制度のうち、100万円や200万円といった金額を予算で確保して、市民活動団体から事業を公募する場合などは、金額の少なさとともに、市民になりかわって(第三者機関による審査があるにしても)行政が支援の是非を判断することになるため、市民が市民活動団体に関心を持つことにはなりませんでした。
 その点で1%支援制度は、納税者が市民活動団体の提案する事業を見て、自ら判断するという意味で、市民と市民活動団体を直接結びつける効果があります。

 市民活動団体への支援が、自治体の仕事の標準メニューとなっていますが、自治体がなぜ市民活動団体を支援するのか、首長も職員もよく理解しておかなくてはなりません。
 自治体が市民活動団体を支援するのは、そのことによって、市民や地域の課題解決力が増し、自治体だけでは手に負えない課題の解決につながるからです。市民活動団体が公共サービスの提供主体であることを市民一般に知らせ、市民の支持のもとで市民活動団体が活動できるようにするためです。

 ただでさえ、自治体からの委託に依存する市民活動団体が増え、「市民活動の自治体による下請化」が言われています。市民活動団体を支援するにあたって自治体が持つべき成果指標(アウトカム)は、市民と市民活動団体が直接結びつき、市民活動団体の足腰を強くするということです。
 その点で、市川市の1%支援制度は、それまでのどの補助・助成制度よりも、多くの市民の目を市民活動団体に向かせることが期待できる制度であると評価できます。

 ただし、1%支援制度は、納税者が自ら届け出なくては活用できない制度です。過去3年間の有効届出数を見ると、平成17年度が5,557件、平成18年度が6,344件、そして、平成19年度が5,136件と、活用している人はまだ一部に限られている(平成17年度で、納税者全体の約2.5%)うえ、右肩上がりという状況には至っていません。定着は、まだまだこれからというところです。

 定着には、多くの市民に関心を持ってもらえるように、市民活動団体が目覚ましい事業を展開することが一番大事です。一方で、届け出が、お祭りなどと同様の、毎年恒例の行事となっていくことも重要です。
 実際、市川市の1%支援制度は、初年度から、選挙に近い実施スタイルがとられてきました。「選挙公報」にあたる広報いちかわ特別号が発行され、ケーブルテレビでいわば「政見放送」が行われてきたりしました。

 また今年度からは、インターネット放送でも「支援希望団体プレゼンテーション」が配信され、インターネットにつなげる環境さえあれば、いつでもどこでも「政見放送」を見られるようになりました。
 1団体30秒のプレゼンは、どのように行ってもよいようで、おじさんが30秒間演説する団体もあれば、活動の様子の写真をアップで映し出す団体、小学生の女の子2人が掛け合いをする団体など、見ていてとても楽しいものです。

 映像の持つ力は、いまさら説明するまでもありませんが、市民一般が市民活動を知っていくうえでも、大きな力を発揮することは間違いありません。1%支援制度に限らず、市民活動センターにおける市民活動団体情報サイトなどでも、これからは映像によって市民活動を紹介していくことが重要になっていくことでしょう。

市川市1%支援制度のページ http://www.genki365.com/ichikawa/ichikawa_volunteer/nouzei.htm
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