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改革派首長が語る 自治体のあり方 [2007年03月25日(日)]
 地方分権時代に入り、自立した自治体に向けた改革を行う「改革派」と呼ばれる首長たちが登場しました。市民と職員の先頭に立って、強力に改革を推し進める様は、さながら「啓蒙君主」を思わせます。
 そんな改革派首長の旗手として、我孫子市長を3期12年務められ、今年勇退された福嶋浩彦さんと、自治体改革について懇談する機会に恵まれました。
 3月23日(金)、福嶋さんをぷらっとホーム大森にお呼びし、私が副代表理事を務める、NPO法人おおた市民活動推進機構のメンバーで懇談しました。

 福嶋さんは、我孫子市長に在任中、各種団体に出していた補助金(2億円)を白紙に戻して見直したり、市が行っている公共サービスを提案によって民間に渡したりしました。市民からも職員からも既得権を奪う改革を実行したわけです。
 自民、新進、共産の政党候補を破って、市民派として初当選した当時の我孫子市は、職員は縁故で採用され、議員が市民の口を利くような、古い体質の自治体だったそうです。そんななかで、改革を実行できたのは、しがらみのない市民派であればこそでした。

 福嶋さんは、「権力は危険物という自覚が必要」と言います。市長は、特定の市民、議員、職員労組、事業者、NPOなどに配慮するのでなく、権力の付託元である市民全体のために行動しなくてはならないということです。
 「行政のなかはトップダウンでよい」とも言います。市民の代表として、たった1人で行政に入るわけですから、職員の様々な意見を聴くとしても、最終的には市長が責任を持って判断するということです。

 一方で、議会に対しては、事前に根回しをするようなことは一切せず、公開の場できっちり議論します。そのため、ただの1度も、予算が原案通りに通ったことはないし、条例案を否決されることもたびたびだったそうです。
 自治基本条例案も、市民参加を経て作成した市長原案は、議会で修正が入り、しかも否決されています。しかし、「これから第3ラウンドに入る」と前向きに捉えます。市長と議会が緊張関係を持ち、議会自ら合意形成を行うというのは、本来望ましい姿だからです。

 NPOなど市民の自立した活動との協働についても、安易に委託や補助をするのでなく、「なんのために協働するかが最も大切」と言います。「なんのため」かがはっきりしないと、当事者同士の損得勘定だけの話になり、市民全体や自治体としての市にとって、協働が有効との説明ができなくなってしまいます。
 私が常々強調している、参加や協働は、「どうやって」の前に「なぜ」が大切、その「なぜ」は自治体経営全体から導くとの考えを、首長経験者の口からも伺えたわけです。

 参加や協働は、いまや多くの自治体で掲げられる政策となりましたが、自分の口でその必要性を理路整然と語ることのできる首長は、決して多くないのではと思います。福嶋さんのことを、「目立つのが好き」と批判する声もありますが、思いつきではなく、信念から参加や協働に取り組んできたことが、直にお話しするとよくわかります。
 それより何より、3期12年市長を務めた方とは思えないほど、本当に偉ぶらない方で、人の話にしっかりと耳を傾け、丁寧に自分の考えを話す姿は、こういった人柄の方でも首長職が務まるのだと、分権時代の自治体の将来に大きな希望を感じました。

 もう1ヵ月を切った、今年の統一地方選。自分の支持者に特別に配慮するような、旧来型の政治家に任せるのではなく、市民全体の視点に立って「権力」を預かる自覚を持ち、地方政治をわかりやすく見せてくれるような人を選びましょう。
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