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市民とマニフェスト 青森でのチャレンジ [2007年01月09日(火)]
 「市民活動と政治」の関係は、日本ではタブー視されているというか、扱いにくいデリケートな面があります。NPO法人が政治活動を主な目的にしてはならないのは、いまや「常識」とされていますが、では、どのようなつき合い方が望ましいのでしょうか。
 今年は「選挙イヤー」ですが、昨年12月、仕事で青森市を訪れた際、「市民活動と政治」の関わりに一石を投じる活動に出会えました。
 仕事前日の12月13日(水)のこと。「市民とマニフェスト:あおもり研究ラウンジ」の定例会に講師として参加しました。情報提供したテーマは、志木市民委員会への支援を通して関わってきた「志木市における参加・協働」と「ぷらっとホーム大森」でした。(「ぷらっとホーム青森」(大森ならぬ青森)の着想を提供できたようでした!)
 この機会は、「マニフェスト研究ラウンジ」メンバーである、八戸市在住のファシリテーター仲間、柳沢拓哉さんがアレンジしてくれました。おかげで、一気に青森県内の地域づくりのキーパーソンたちと知り合うことができました。

 「マニフェスト研究ラウンジ」の呼びかけ人の一人で、この日もファシリテーターを務めてくださった、「協同組合 プランニングネットワーク東北」理事長の中橋勇一さんは、公益信託・県ボランティア基金「青い森ファンド」の運営委員長も務めています。
 「青い森ファンド」は、2000年度に県が1億5千万円を拠出して始めた、10年使いきりの基金で、毎年1,500万円弱の資金を、公開プレゼンテーションなどを経て、市民活動に提供しています。他自治体にも同様の基金はありますが、7名の運営委員(うち6名が市民)に全面的に任せて行政は口出しせず、スタッフ人件費にも使える柔軟な基金として運営されているのが大きな特徴です。
 ただ、この「青い森ファンド」も、2010年度で終了してしまいます。そこで、中橋さんたち運営委員やファンドの助成を受けた市民が集まり、一般市民からの寄付金を財源とした「青い森の私たちファンド」を市民ベースで立ち上げることにしました。
 「私たちファンド」は、2007年にNPO法人として設立し、2年後には、寄付金の税控除優遇を受けられる「認定NPO法人」となるのが目標です。「青い森ファンド」と同規模の年間1,500万円程度の寄付を募るのを目指すといいますから、県の基金を市民の力で継承するという、すごい試みになります。

 そんな青森の市民が始めた、「マニフェスト研究ラウンジ」ですが、「呼びかけ文」(2005年11月17日)によると、「政党・政治家から一方的に示されるマニフェストではなく、市民も主役としてともに作っていくマニフェスト」による、「マニフェスト政治の確立」を目指しています。
 政治家の参加を歓迎する反面、特定の政党・政治家を応援する場にはしないことになっています。実際に、参議院議員のほか、県議会議員、市町村議会議員、候補者なども参加しています。一方で、市民の参加も充実しており、青森県内のNPO法人の代表者や事務局長、農業経営者、企業経営者が名を連ね、秋田県内からの参加者もいます。
 青森県内NPO法人認証第1号の中間支援NPO「特定非営利活動法人あおもりNPOサポートセンター(ANPOS)」、コミュニティレストランの好例「浅めし食堂」を経営する「特定非営利活動法人 活き粋あさむし」などからの参加もあります。市民活動の現場からの問題提起を、政治に反映させるための試みと言えます。
 私が副代表理事を務める「おおた市民活動推進機構」でも、区長選挙や区議会議員選挙にあたって、候補者の考えを明らかにする場を設けるといった話が出たこともあり、青森でのマニフェスト政治を実現するための取り組みは、大変参考になりました。

 折しも、青森市に滞在した3日間は、青森政界がにわかに騒がしくなったときでした。宿泊していたホテルの宴会場で、現知事を励ます会、つまり、翌年6月の選挙に向けたパーティーが行われたり、同日には、地元テレビ局の元アナウンサーを民主党が知事選候補者に擁立するというニュースが流れたりしました。
 実は、その元アナウンサーも「マニフェスト研究ラウンジ」に参加しており、地元紙の一面トップの記事には、そのこともしっかりと書かれていました。もとより、「マニフェスト研究ラウンジ」が候補者を提供したわけではないのですが、そう見られかねない怖さのある記事でした。
 中立だからこそ各方面と均等につき合えて、影響を与えられるという「市民の強み」があります。ただ、市民が政治に影響を与えようとする活動は、意図的でないにしても、将来の候補者を育てる場になりやすいのも確かです。

 今年は、統一地方選挙と参議院選挙の年ですが、各地の「市民活動と政治」はどのような絡み合いを見せるのでしょうか。この「選挙イヤー」に、各地でまじめに取り組みたいテーマです。

※ なお、この日、主な話題になったのは、コミュニティ分権の話でした。私も現在、相模原市の地域パートナーシップ事業で、自治会などの各種団体の枠を超えたコミュニティ会議を支援したり、四街道市からもコミュニティ整備構想の相談を受けたりしています。
 「自治会が核になるにしても、民主的に運営されているとは限らない」といった従来の地域組織に対する不信の強さ、また、コミュニティ分権への関心の高さは、首都圏でも青森でも変わらないのだというのを実感しました。

「市民とマニフェスト:あおもり研究ラウンジ」発行のニュース『あおポリ』 http://www.aopoli.com/
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コメント
その節はありがとうございました!

寒い季節に寒いところへ(笑)お越しいただきましたが、変わらぬ庄嶋さんの笑顔と貴重なお話に、皆さん大変喜んでおりました。

政治との距離感は非常に難しい問題です。勉強したい方を排除するのも、市民活動らしくないですし、難しいところです。

「政治」が選挙で選ばれた人によるものだけではない、多様な参加の仕組みも声の上げ方もあるんだ!という理解をどう広げてゆけるか、という問題だと思います。長いチャレンジになりそうですね・・・。

青森からご活躍をお祈りしております。今後とも、どうぞ宜しくお願いします
Posted by: 柳沢拓哉  at 2007年01月16日(火) 18:04