全米ナンバーワンの市民参加都市 ポートランドに学ぶ [2006年12月18日(月)]
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「市民が主役のまち」というスローガンをよく耳にしますが、一体どんなまちなのでしょう。掛け声は大きくなるばかりですが、実際の姿がよく見えないため、半信半疑で言っている人も多いのではないでしょうか。
全米で最も市民が主体的に活動している都市と言われる、西海岸のオレゴン州ポートランドについて、このたび来日したスティーブ・ジョンソン博士(ポートランド州立大学教員)の講演を聴く機会がありました。 ![]() |
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今回の講演会「市民社会の新たな可能性を考える 〜ポートランドの市民参加とコミュニティ自治活動の事例から〜」を企画したのは、市民セクター政策機構と、私の古巣のNPO法人東京ランポです。12月7日(木)、全国行脚の隙間に潜り込ませての開催となりました。
日米両方のNPOでの勤務経験があり、アメリカの市民参加やNPOの研究者である、岡部一明・東邦学園大学助教授の名通訳で行われました。 ポートランドは、日本でも、都市計画や市民参加に関心のある人の間ではよく知られた都市です。無計画な郊外化(スプロール化)を抑えるための都市成長境界(UGB)の設定、中心部の公共交通機関の無料化などの都市政策が有名です。 私はまだ訪れたことはないのですが、米経営コンサル在籍時にアメリカ勤務だったとき、アメリカ人の同僚が、「リタイア(退職)したら、ポートランドかサンフランシスコに住みたい」と言っていたのが印象的でした。 講師のスティーブ・ジョンソン氏は、1970年代から環境NPOや環境誌『レイン』の活動、市民参加型の計画づくりなどを行ってきたことをベースに、現在では、大学での研究、教育に携わっています。ファシリテーター的な雰囲気の、柔らかな口調で話す紳士という印象です。 ポートランドに根ざした長年の活動と研究は、「ソーシャル・キャピタル」(市民社会を支える市民相互のつながり)論の旗手、ロバート・パットナム氏が近著『BETTER TOGETHER』で、ポートランドをアメリカで最も市民参加の盛んな都市として取り上げるにあたり、参考にしているものです。 講演の内容は、東京ランポのWEBサイトに概要が載っていますので、そちらをご参照ください。 http://www.la-npo.org/shucho/jigyo/college/college2006_01.html ![]() ここでは、私が特に印象的だったことについて、触れておきます。それは、ネイバーフッド・アソシエーション(近隣団体)についてです。 いま日本では、自治会加入率の低下など地域のつながりの弱体化が問題となり、地域防犯や子ども・高齢者の見守りなどをきっかけに、地域のつながりを取り戻そうとする動きがあります。その際、自治会、老人会、子供会など、個々の団体を超えた新たな地域団体が構想されることが増えています。 しかし、市民の自主的な動きというより、行政からの政策的な働きかけから始まるのが実態で、何とか形にするために従来の団体をベースにした結果、顔ぶれが従来と変わらない、活動が自主的に展開しない、閉鎖的な運営のため入りづらい、といった課題を抱えがちです。 その点で、ポートランドの場合は、市民が自発的に近隣団体を組織して、地域の様々な問題に対処しています。そして、役員の選挙、会議の公開といった民主的な運営を条件に、近隣団体は地域を代表する団体として市に認められ、市の政策への発言権や市からの資金助成も得られるというものです。 これは、日本の場合とは逆に、新たな地域団体がボトムアップで制度化された例です。もちろん、ポートランドのような例は、アメリカでも稀有なものなので、そのまま日本で参考にできるものではありませんが、「自発的」「民主的」といった要素は、日本で行政から働きかける場合でも、ポイントになる点だと思います。 また、近隣団体やNPOといった市民の自主的な活動が、市の公的な市民参加の場での提案につながり、逆に、市の公的な市民参加の機会が、市民の自主的な活動を活性化する、というサイクルが機能しているらしいことも、日本の自治体における参加・協働に携わる者として、方向性が間違っていないことを確認できるものとなりました。 なお、スティーブ・ジョンソン氏については、岡部一明氏のWEBサイトに詳しい紹介が載っていますので、そちらもぜひご参照ください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~okabe/sjohnson/ |






