NPOで働くことの魅力は、自分の価値観にウソをつかずに仕事ができることです。自分が良いと信じる社会をつくるために仕事をするのですから、やりがいがあります。
組織の規模も大きくなく、年齢による上下関係のない文化をもつことが多いため、若い世代でも意見が反映されやすく、思い切って仕事ができます。
良い社会や地域をつくることが仕事であるはずの行政が、定期的な人事異動や組織の大きさのために、必ずしもやりがいを感じられないのに比べても、NPOは魅力的な職場です。
もっとも、「やりがい」と引き換えに、給料が安いのは仕方がない、となりがちです。結婚を機に、給料の少ないNPOを退職して、カタギの仕事につく「寿退職」も話題になっています。
NPO(非営利)=ボランティア(無償)という誤解は、社会ではむしろ常識で、NPO法以前から活動している、生活協同組合から生まれた主婦がつくるNPOなどが、低賃金でも働くというNPOの相場観を既定している面もあります。
非営利だから低賃金でよいとしたら、同じ「非営利」である行政職員はどうなるのでしょう?
地方自治体に関わる仕事をすることが多く、また、現在は、一時的に自治体職員を兼職しているため、NPOが公務を担う部分がもっと増えてもよいと感じます。
行政職員には、「なぜその事業が必要か」と聞かれても、「計画に書いてあり、予算が付いたから」という以上に、明確な必要性を説明できない人も多いのが現状です。社会を良くしたいという思いとそれを実現する専門性は、むしろNPOにある分野も多いのです。
1つの方法として、私自身が“実験台”となっている、民間人材の自治体職員への任期付登用の普及を図ることを提案します。生え抜きの職員の数を減らす代わりに、NPOなどから専門の人材を登用するのです。
長期で雇用してしまうとマンネリ化して、結局、現在の行政職員と変わらなくなってしまうため、あくまで「任期付」でというのがミソです。
NPOでもメシが食えるようにする、というお題とは矛盾するかもしれませんが、NPOに身をおくような人は、流動する環境だからこそ、たえず自省を繰り返し、力を発揮するという面があります。
NPO職員の自治体職員への任期付登用は、その意味でも、また、行政サービスを受ける住民の満足度を高めるという意味でも、効果をもたらす一石二鳥の方策といえます。
※本稿は、NPO法人チャイルドライン支援センターの加藤志保さん、林大介さんが行った、若い世代のNPO就労に関する調査報告書に寄稿したものです。