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第6回 キューバ編A多文化共生 [2010年09月04日(土)]

さて、質問です。

「キューバ人」と聞いた時に、みなさんはどんな外見の人を連想しますか?

「キューバ料理」と言われたら、どんな味を想像するでしょうか?



キューバには、先住民はいません。

ヨーロッパの侵略を受けて間もなく伝染病や過重労働などで絶滅してしまったそうで、
今のキューバ人はすべて移民ルーツを持つ人々だそう。


たとえば、この方。



1965年以降、キューバ共産党を率いてきたカストロ前議長

彼の家族はスペインのガリシアからやってきた移民だったので、
パッと見た感じでは、ヨーロッパ人と言われても全く違和感ないですよね。



キューバと言えば、こういうおじちゃんを想像する方も多いのでは?



ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブという映画がありましたが、
音楽文化の中心となっているのがアフリカからやってきた移民の子孫たち。

アフリカのヨルバ文化の影響が強く残っていて、
歌詞に突然スペイン語以外の言葉が!?と思うとヨルバ語だったりします。



スペインアフリカ(現在のナイジェリア周辺)。

この2つがキューバ文化の中心をなしているのですが、
さらに中国文化の影響も、生活のあちこちで見ることができます。

キューバ革命以前には中華系の移民も多く暮らしており、
首都ハバナには今でも大きなチャイナ・タウンが存在しています。

そしてなんと、キューバ人は毎日を食べるんですよ!
タダ同然で購入できる配給品の中に含まれているんです。

キューバ滞在で心底嬉しかったのが、いつでも米が食べられること
お腹の調子を崩した時に米のスープが出てきた時は、正直かなりホッとしました。

しかも友人はガリシア系の家系だったので、魚介類もよく食卓に登場して、
甘辛い味付けとか、「日本人と味覚が合うかもなぁ」と思うこと多々。



こんな感じで、移民国家の色合いが強いキューバですが、
国民は「キューバ人」というアイデンティティもかなり強く持っていて、
キューバ文化という名のもとに色々な文化が溶け合っているようです。


たとえば、カーニバルに行った時に聴いた音楽では、

まず、中国のクラリネット的な楽器の音色が響いて、
アフリカのパーカッションでリズムを刻み、
ヨーロッパ伝播の楽器でメロディーを奏でる。

ダンサーの見た目もバラバラだし、異文化が溶け合っている感じでした。

キューバ革命以来、元弁護士のカストロ議長らしい現実主義な教育制度が採用され、
宗教や人種での差別などが否定されてきたことも大きいと友人は話していました。



たとえばゲイに対しても、今ではすっかりオープンなよう。

特に私が滞在したサンタ・クララという街は、「ゲイ文化の中心地」だそうで、
老若男女とも口をそろえて「性的な嗜好は個人の自由」と話していたのが印象的でした。

つい最近、革命当初のゲイ差別(強制労働収容所送りなど)をカストロ前議長が謝罪したことが報じられましたが、日本では伝えられているのかな。



トロントの多文化共生が、
極寒の海に色々な場所からやってきた流氷が浮かんでいる景観のイメージだとすれば、

キューバの多文化共生は、
灼熱の太陽のもとで育った色々な種類の豆を挽いた、薫り高いブレンドコーヒーのイメージでした。