7月13日、今年度初めてのコミュニティカフェ研究会が東京・赤坂の日本財団会議室で行われ、60人以上の方が参加しました。今年度の研究会は、昨年度の各コミカフェの事例研究を踏まえて、コミカフェにかかわるテーマについてシンポジウム形式で内容を深めていきます。コミュニティカフェ全国連絡会では、県単位で各コミュニティカフェをサポートするセンター機能をもつコミカフェを「マザーカフェ」と称して、全国3カ所にモデル拠点として設置しますが、今回の研究会は「地域の拠点・マザーカフェのめざすもの」と題して、熊本市と富山市のマザーカフェ主宰者をお呼びして、開催しました。
初めに長寿社会文化協会(WAC)の田中尚輝常務理事が「マザーカフェの展開」というテーマで講演し、「マザーカフェはコミカフェのネットワーク化の基地となるところで、都道府県、大都市ごとに1カ所はつくっていく」と力説しました。
続いて、「カフェ型保健室しらかば」(熊本市)の工藤明美氏が、里山整備やスイカを活用したイベントなどで地域づくりを進めてきたこと、自宅敷地内に地域の居場所のカフェ型保健室を開設し、週1回のカフェ講座により、「新興住宅地で深くは知らなかった住民同士が相互扶助の関係を取り戻した」と話しました。
次に、「富山居場所&コミュニティカフェネットワーク」のスタッフで、「Y'sさくらカフェ」(富山市)の加藤愛理子氏が、不登校・引きこもりの子どもたちのフリースクールから料理教室、カフェに発展していったこと、ランチやカフェをともにしながら悩みを話すことで、ホッとできる場になっていること、また、障がいをもつ青年たちの就労体験の場となっていることなどを紹介しました。
同ネットワークの代表である「街なかセミナーサロン・ポエシア・ブランカ」(富山市)の平木柳太郎氏は、ビジネスマン向けの朝活セミナーや勉強会、交流会、子ども向けの寺子屋で、「成長できる居場所づくり」を進めていること、加藤さんが中心になって県内のコミカフェガイドブックの制作を進めていることなどを説明しました。
この後、近くの飲食店で交流会を行い、20人が参加しましたが、後述のとおり、多彩な人々が集まり、異業種交流会といった趣になりました。
研究会の開会時間を、昨年度の午後3時から今年度は午後6時半からに変更したことから、参加者もシニアや介護福祉系関係者に加え、薬品・損保・ビルメンテ・IT・広告・生協などのビジネスマンの方々も参加しました。コミカフェに興味をもっているものの、かつては時間的に参加できなかった方々が参加できるようになったと思っています。また、20代の銀座のクラブママも参加し、「人々の心を癒し、つながりをもつ点では、クラブもコミカフェも変わりはない」と、交流会での発言がありました。
次の第18回は9月13日に「食の地域拠点としてのコミュニティカフェカフェ」というテーマで開催します。ご参加をお待ちしております。(コミュニティカフェ事業事務局・昆布山)