CSRについての基本的な知識と、企業やNPO、自治体による取り組みの最新情報を知るためのコラムを掲載します。

 CSRプラスのデータ分析や、市民へのアンケート調査を掲載する「傾向と対策」をはじめ、 CSRの取り組みに熱心な企業にヒントを学ぶ「ケーススタディ」、社会的課題に直面するNPOのマネジャーが取り組みのポイントを提案する「ホットイシュー」、CSRに関心を持つ大学生によるレポート「CSR探検隊」。シリーズでお届けします。

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かわさきコンパクト(後編)[2008年08月27日(水)]
参加申請の流れ

企業や市民への普及推進にあたっては、各セクターの代表から構成される「かわさきコンパクト委員会」と、実務を担う「かわさきコンパクト推進事務局」が主体となって行います。参加を申請する事業所(参加単位)は、理念への賛同文や取り組み実績、活動方針を文書にして公開することが求められます。審査にかかる費用は無料で、参加申請書の送付後、同委員会による審査が実施されます。認定された事業所(参加単位)は、自社のウェブサイトでの情報発信や「かわさきコンパクト」のロゴマーク(図表4)の使用が認められます。

2008年6月現在、参加している事業所は8件で、地元の企業や企業の支社、工場、商店街振興組合となっています。地域でのSRを考えるうえでは、地元の商工業者の参画はもちろん、工場などをおく大企業の参画も不可欠です。「かわさきコンパクト」は事業所単位の参加で大企業の参画も促しています。また大企業にとっても地域から支社や工場への評価が得られることで、トップや本社の担当部署とは別の視点から、地域での取り組みを再確認するきっかけとなっています。


【図表4】 「かわさきコンパクト」 ロゴーマーク





自治体が地域のSRに取り組む意義

 一方の「市民コンパクト」は、3つの宣言(図表5)に基づいて、今年度から具体化していく予定です。「企業と市民団体とがどのような方法で付き合っていくのかについての議論を深めたい、市民コンパクトを自分たちで作りたい、というご意見が、市民団体の方々から寄せられるので、市民活動とビジネスコンパクトとのマッチング作業はこれからの取り組みとして進めていきたいと思っています」(川崎市環境局地球環境推進室 長瀬一郎さん)。

ビジネスコンパクトを含めた運用方法などの道筋は、今後具体化していくこととなりますが、市民にもコンパクトを用意し責務を明らかにしようとする「市民コンパクト」は、「CSR」として企業を中心に考えがちだった社会責任の概念を、「SR」として地域全体に広める試みとして注目できます。

 自治体による地域SRへの関わりには、条例や基本計画などの策定による市民や事業所への行動促進や、ISO14001の認証取得や障碍者雇用の状況を公共事業の入札時に要件に加味する「総合評価入札制度(*)」の導入などもありますが、市民に責務を求めたり、地域全体で評価制度を設けて事業所とコンパクトを結ぶといった取り組みもまた、自治体にできる重要な役割です。CSRから地域でのSRへ、視点が広がっていく中、雇用やコミュニティ貢献の視点で熱心に取り組む企業を応援する施策を通して、自治体には地域SRを推進する重要な責務を果たしていくことが求められています。グローバルな視点に立ちながらも地域での取り組みを促そうとする「かわさきコンパクト」は、他の自治体にもSRへの関わり方のモデルとなりそうです。


第1回 「ビジネスコンパクト」登録証授与式の様子(2008年3月)



【図表5】 かわさき市民コンパクト3つの宣言


宣言1:私は川崎の町と人と自然を大切にします。
宣言2:わたしの‘地球温暖化対策’を進めます。
宣言3:かわさきビジネスコンパクトパートナー企業と協働します。 


図表4〜5出典:かわさきコンパクトオフィシャルサイトhttp://kawasaki-compact.com/index.html

(後編)終わり

(前編)


関連コラム
*総合評価入札制度については、CSRプラスコラム「自治体の総合評価入札制度の採用により地域企業も変化」(執筆者:大谷強氏、2007年7月)をご参照ください。
 http://blog.canpan.info/column/archive/49

Posted by CANPAN運営事務局 at 09:00 | CSRな事例 | この記事のURL

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