CSRについての基本的な知識と、企業やNPO、自治体による取り組みの最新情報を知るためのコラムを掲載します。

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業界編(その1) 「CSR調達」の基礎[2007年07月11日(水)]
執筆者:CANPAN CSRプラス運営事務局


そもそも「CSR調達」とは何か?

中小企業のCSRへの取組みはまだ産声を上げたばかりで、CSRを推進する先行企業と同じように情報を収集したり活用したりする段階に入っていません。CSR調達への対応といっても「そもそもCSR調達とは何?」というのが最初の印象かもしれません。そこで今回は、「CSR調達」の基礎をお伝えします。

最近では、企業が調達を行う際、従来のQCD(Q:品質−Quality、C:価格−Cost、D:納期−Delivery)つまり、安定した高品質の製品を、低価格で、すばやく提供することだけではなく、

・調達先が環境に配慮した企業活動をしているか
・CSRへの取り組みを行っているか
・人権に配慮した企業活動を行っているか(児童労働や強制労働の禁止など)
・コンプライアンス(法令順守)はなされているか
・新しい品質基準(有害物質の使用の法令以上の制限等)

などの項目を確認したりサプライヤー(取引先)に求めたりする動きがあります。
企業は調達方針の中で上記のような項目を提示し、更に必要な場合は分野別のガイドラインを設け、自社の調達方針に沿った企業から材料を調達します。このような従来のQCD+αの調達が「CSR調達」です。


「CSR調達」は連鎖する

「CSR調達」は大手の企業だけが進めていくものでしょうか。果たして中小企業にその影響はあるのでしょうか。このことを考えるとき、サプライチェーンについての理解が必要になります。
サプライチェーンとは、一つの商品が消費者の手元に届くまでの鎖のようにつながった取引の過程のことです。図で示すと、次のようになります。



大手企業ではCSRへの取り組みが進んできています。しかし「ある部品の製造過程に、児童労働がある」「有害物質が使用されている」ことがわかったとき、「我が社で製造した部品ではない」では済まされず、その部品を調達した責任をも問われるようになってきました。

これは自社のCSRが進めばよいということではなく、「CSR調達」を通じてサプライチェーン全体のCSRの促進が求められるということです。「CSR調達」は、サプライチェーンに組み込まれる企業に連鎖していくのです。


「CSR調達」で着目される製造の過程と中小企業の取組み

多くの場合、サプライチェーンは大手の企業から中小企業へとつながっていますから、「CSR調達」も中小企業へと連鎖していくことになります。サプライチェーンの中の企業が「CSR調達」を開始した場合どうなるでしょうか。例えば、自動車が作られる過程は「CSR調達」の連鎖の中で、次のような視点で着目されることになります。

・この自動車は、どうやって、誰が運んだのか
・この自動車は、どこで、誰が、どのような環境で組み立てたのか
・この自動車の部品は、どこで、誰が、どのような環境で作ったのか
・この自動車の部品には、何が使われているのか
・自動車の部品を作るための個々の材料は、どこで供給されたのか

そしてそれぞれの過程の中で、環境配慮はなされているか、人権配慮はなされているか、法令は守られているか、CSR活動を行っているか、といった事柄がサプライヤーである中小企業に求められます。

CSRは体力のある企業だけが進めるもの」という誤った認識は、中小企業もサプライチェーンの中に組み込まれているという事実を見落としがちにしてしまいます。「CSR調達」を目の前に突きつけられたとき、チャンスをつかむのか、ピンチに陥るのか、企業の命運を分けることになりかねません。自社がサプライチェーンのどこに位置しているのか再認識する必要があるでしょう。


まずは情報を集め、企業活動を振り返る

中小企業は「CSR調達」の影響を受けます。大手企業は「CSR調達」を進めるのと平行してサプライヤー支援を行う必要がありますが、中小企業に出来ることは何でしょうか。

「利益や従業員数が違うのに大きな企業と同じように出来るわけがない。」「これ以上何を求めるのか?」というのが本音でしょう。しかし、企業活動の中で知らず知らずのうちにCSRへの取組みを行っている企業もたくさんあります。現在の経営の中にどんなエッセンスを加えれば、「CSR調達」の連鎖に上手く乗ることが出来るのでしょうか。

事業規模の大きな企業と中小企業ではCSRへの取り組みに割けるお金・時間・職員の人数は異なります。まずは、「CSR調達」に関する情報を収集し、業界や地域社会の流れを知り、単体の企業で出来ることと出来ないこと、地域や業界で取組みを進めるほうが良いと思われることを確認し、自社の企業活動を振り返ってみましょう。

いくつかの業界の「CSR調達」の情報や地域社会の情報は、本コラムの中で紹介をしていきます。また中小企業のCSRへの取り組み事例は、夏に実施する「地域のCSRセミナー(全国5箇所で予定)」で紹介し、WEB上でもセミナーの報告を行います。

「CSR調達」の流れは、2009年発効されるISO26000(組織の社会的責任ガイドライン)を考慮した動きでもあります。ISO26000に関する情報は、CANPAN CSRプラスのコラム『ISO26000とNGOのかかわり』で紹介されています(第1回『ISO26000と参加型プロセス』)。

是非、これらの情報をご活用し、自社の企業活動の振り返りを行っていただきたいと思います。


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まとめ

・「CSR調達」は、従来の調達QCDに「CSR」「環境」「人権」「品質」「コンプライアンス」な
どの要素が加わったもの
・「CSR調達」はサプライチェーン全体で進められる
・中小企業は、サプライチェーンの中に組み込まれている
・CSRや業界・地域社会での調達に関連する情報を集めよう
・ISO26000情報もチェックしよう

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Posted by CANPAN運営事務局 at 10:00 | CSRの傾向と対策 | この記事のURL

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