CSRについての基本的な知識と、企業やNPO、自治体による取り組みの最新情報を知るためのコラムを掲載します。

 CSRプラスのデータ分析や、市民へのアンケート調査を掲載する「傾向と対策」をはじめ、 CSRの取り組みに熱心な企業にヒントを学ぶ「ケーススタディ」、社会的課題に直面するNPOのマネジャーが取り組みのポイントを提案する「ホットイシュー」、CSRに関心を持つ大学生によるレポート「CSR探検隊」。シリーズでお届けします。

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CSR報告書ができるまで〜制作会社編〜(その3)[2007年03月20日(火)]

3.「仕事」について

 最後に、お二人に、CSR報告書の制作業務の「大変さ」、「おもしろさ」、「やりがい」などについてお聞きしました。

 CSR報告書制作、コンサルティング支援で大変なことは、「人間関係」「信頼関係」の形成であり、これを構築することよって、企業とともにCSR推進に向かって歩んでいくことできます。

 特に、初年度はお互い相手とのやりとりの仕方などがまだ十分に掴めていないため、試行錯誤する部分もありますが、2年目3年目と継続することによって、クレアンは相手企業の“ツボ”がわかり、一方、CSRを始めたばかりの企業にとってはCSRがどういうものかがわかってきます。それによってお互いの考えていることが近づき、信頼関係が構築され、CSRの推進もスムーズに進みやすい関係になっていきます。

やりがいをお聞きしたところ、
 「いろいろな過程を経て、冊子という目に見える形となることだと思うんですよ。」と浦上さん。

 報告書では、企業が1年間、CSR活動に一生懸命に取り組んできた過程と結果を多くの人に知ってもらうことができます。

 制作の過程では、多くの担当者と多々の苦労を乗り越えた上で完成します。何年かの報告書を通してみると、その企業が大きく変わっていく姿が見える。そうした過程が冊子という“目に見える形”となって出来上がるという喜びや達成感こそがやりがいだ、とおっしゃいます。

 
また、

「担当者が変化していくのを見ることがこの仕事の醍醐味です。」

と、話して下さったのは原田さん。

 CSRの担当になる方というのは、希望してその部署に来られた方ばかりではありません。特にそのような方が環境に意識を持ち、従業員に対する意識も変わってきたと実感できた時、とてもうれしくなるそうです。

 これはかなり極端な例ですが、ある企業の担当者は、ヘビースモーカーで、車を利用することも多かったそうです。しかし、CSR担当になり関わるうちに、たばこをやめ、車を売り払い、家庭菜園まで始めたそうです。人ってこんなに変われるのか、とすごく感心しうれしくなった経験を話してくださいました。

 約半年間をかけて、多くの担当者と様々な苦労を共有しながら制作したCSR報告書が完成し、冊子という形となって残ることの喜びや達成感は制作を担当した当事者でしか感じ得ないことなのかもしれません。その想いや苦労を感じながら報告書を読むことができるようになりたいと感じました。


4.私たちに求められること

   企業と社会の架け橋を担うクレアンでは、「CSRのCは企業(Corporation)であるとともに、市民(Citizen)でもある」という考えを持っています。

 私たち「市民(Citizen)」に求められていることはどのようなことなのでしょうか?
お二人に聞いてみました。

 「読者はどんなことでもいいので、企業にフィードバックをして欲しい」と原田さん。企業はステークホルダー(特に一般市民)からの“声”を欲しがっているそうです。双方向のコミュニケーションを成立させるためには、報告書を読んだ読者が企業に対して、レスポンスを返すことがとても大切なのだそうです。

 それは、「反対意見だけでなく、賛成できることに対しても声を上げて欲しい」とのこと。
まずは企業にフィードバックをすることが大切であり、それはネガティブな意見であっても、ポジティブな意見であってもいいそうです。

 CSRに関しては反対の声は届いても、賛成の声はあまり届いていないというのが現状です。
企業のCSR活動を支持し、その企業を応援することは、企業にとってもよりCSR活動を推進していこうというモチベーションになっていくようです。

 ですから、私たちは感じたことを企業に発信するとともに、CSR活動を行っている企業を応援する姿勢を示すことがよりポジティブな未来に向けて必要であり、大切なことだそうです。


5.おわりに

 今回の調査を通じて、CSR報告書というものは単にデータを羅列しているというものではなく、企業や制作に携わっている会社の「想い」が詰まっているものだということを感じました。

 また、制作現場を取材することで見えてきたCSR報告書の人間的な部分を、これからは少しでも読み取れるようにしたいと思いました。つまり、企業がCSRを通して、ステークホルダーに何を伝えたいのかをもっと意識して報告書を読んでみたいと感じました。

 さらに、私たち市民の行動が、CSRの推進・活性化にとっては重要な要素であるということを学びました。

 企業が非難を恐れるあまり「守り(消極的)のCSR」になることは決して良いことではなく、逆に良いところをしっかり評価して「攻め(積極的)のCSR」を行えるような環境を社会全体で整える必要があるのではないでしょうか。

 そのためにも、私たち市民が企業に持続可能な社会へ転換するための役割を期待するなら、良いことを行っている企業があれば、賛成の“声”をあげるなど、厳しい目を持ちながらも、正しい評価を行い、且つそれを企業にフィードバックすることが今必要となっていることと考えられます。
 これからは、学生という立場の私自身も企業とコミュニケーションを図っていきたいと思うようになりました。

 皆さんも、制作に携わった多く方の想いが詰まったCSR報告書に、一度、触れてみませんか?

(終わり)
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株式会社 クレアン

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Posted by CANPAN運営事務局 at 18:45 | CSRな事例 | この記事のURL

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