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SRIインデックス(その2) Dow Jones Sustainability Index[2008年09月11日(木)]
お金の流れで世界を変えるという発想で、注目を集めるSRI(社会的責任投資)。
日本でも、ゆるやかではありますが、個人向けの市場が拡大してきています。
「市民のためのSRI」シリーズでは、入門編として、SRIの基礎知識や内外のSRIファンドの概要を紹介します。


「市民のための SRI」第三回
SRIインデックス(その2) Dow Jones Sustainability Index
 

執筆者:CANPAN運営事務局



初めての世界的SRIインデックス  
 〜キーワードは“サスティナビリティ(持続可能性)〜”


 2008年9月4日、ダウ・ジョーンズ社(Dow Jones & Company, Inc. 本社:米国)とSAM社(Sustainable Asset Management 本社:スイス)は、今年度の「ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・インデックス(以下「DJSI」)」の構成銘柄を発表しました。1999年9月、両社によって世界で初めてサスティナビリティを基準に企業を評価するSRIインデックスが開始されてから数えて、記念すべき10度目の発表となりました。DJSIの構成銘柄には、世界51カ国2500の企業から、今年は27カ国の320社が選ばれ、今回の発表では、初めて中国とインドからも構成銘柄に組み込まれる企業が登場しました。日本企業からは36社(昨年度比で3社が削除、4社が新規追加)が“サスティナブル”な企業として選定されています。



(ロゴマーク  ダウ・ジョーンズ社提供)

 ダウ・ジョーンズ社は、経済新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」の発行元です。「NYダウ」「ダウ平均」などと呼ばれるアメリカの市場状況を表す代表的な株価指数「ダウ・ジョーンズ工業平均株価」を算出していることでも知られています。DJSIはこのダウ・ジョーンズ社が作成する世界的な株式投資指数「ダウ・ジョーンズ・グローバル・インデックス」を母体に、サスティナブルな経営の基準を開発するSAM社がインデックスを作成しています。また、2001年10月より、スイスに本社のあるストックス社((STOXX Limited:欧州企業の株式指数作成を主な業務とする。スイス証券取引所、ドイツ証券取引所、ダウ・ジョーンズ社の共同出資により設立)が、DJSIの銘柄構成に参加したことで、全世界、欧州、北米の企業を対象とする「DJSIファミリー」が提供されています。



地域別・産業別の多様なインデックス

 現在DJSIファミリーには、全世界にわたる企業を含む「ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・ワールド・インデックス」、欧州の企業を対象とする「ダウ・ジョーンズ・STOXX・サスティナビリティ・インデックス」と「ダウ・ジョーンズ・ユーロSTOXX・インデックス」、北米の企業を対象とする「ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・北アメリカ・インデックス」と「ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・アメリカ合衆国・インデックス」という、5つの地域別の主要インデックスがあります。

 また、どんな産業が社会に悪影響を及ぼすと考えるかは人によって様々であるという理由から、アルコール、タバコ、ギャンブル、武器・兵器製造については、それぞれの産業分野を除いたインデックスや、それら4つの産業を全て除いたサブ・インデックス等を提供していますが、「ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・ワールド・インデックス(以下、DJSI ワールド)」では特定の産業を選定の対象から外すことはしていません。
  「DJSI ワールド」の構成銘柄は、「ダウ・ジョーンズ・グローバル・インデックス(以下、DJGI)」のうち、企業規模で上位2500社に含まれる企業から、経済、環境、社会的の3つの要件から57の産業分野ごとにサスティナブルな企業経営を牽引する上位10%の企業を選定します。特定の産業に偏らず、産業分野ごとのベスト・プラクティスで構成されていることが特徴です。

 「ダウ・ジョーンズ・STOXX・インデックス(以下、DJSI STOXX)」は、ストックス社の提供する欧州の企業を対象とするインデックスを母体に、「DJSI ワールド」と同様の基準で企業の経営のサスティナビリティを評価し、その上位20%の企業を含んだリストです。「ダウ・ジョーンズ・ユーロSTOXX・インデックス(以下、DJSI EURO STOXX)」は、その中で、ユーロを使用する地域のみ対象とするインデックスです。「DJSI STOXX」と「DJSI EURO STOXX」にも、それぞれ、アルコール、タバコ、ギャンブル、武器・兵器製造を除いたサブ・インデックスがあり、また、欧州でニーズの高い「成人娯楽産業を除いた」サブ・インデックスがあります。

 2005年より開始された、「ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・北アメリカ・インデックス(以下、DJSI North America)」は「DJGI」に含まれる北アメリカの企業規模上位600社の中から、サスティナブルな企業経営を牽引する上位20%の企業を含みます。「ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・アメリカ合衆国・インデックス(以下、DJSI US)は「DJSI North America」のサブ・インデックスで、アメリカ合衆国の企業のみを対象とします。「DJSI North America」と「DJSI US」には、それぞれ、アルコール、タバコ、ギャンブル、武器・兵器製造の全てを除いたサブ・インデックスがあります。




「ベスト・イン・クラス」という選定方法

 企業のサスティナビリティはSAM社の作成する基準にもとづいて、経済性と環境への対応と、社会開発への取り組みから評価されます。経済的基準は「ガバナンス」「リスク・危機管理」「コンプライアンス・企業の信頼性」、環境基準は「環境パフォーマンス」「環境報告」、社会開発基準は「人権」「従業員への福利」「労働慣行」「フィランソロピー」「社会的報告」等の項目からなり、経済、環境、社会開発のそれぞれに、全ての産業に共通する要件と、産業分野の特殊性を考慮して評価する要件があります。
 評価は、企業の発行する報告書やアンケートによるモニタリング情報をもとにおこなわれ、年に一度見直されます。各産業分野から、その産業における最もサスティナブルな企業が選定され、地域的なバランスも配慮されて構成銘柄が決まります。このような選定方法を「ベスト・イン・クラス」といいます。
 DJSIに認められるということは、サスティナビリティにおいては、その産業分野のトップランナーであると評価されたということを意味します。また、SAM社は、特にサスティナブルな活動の進んでいる産業分野を「スーパー・セクター」として選出し、その企業を表彰しています。2008年はアディダス社、エールフランス-KLM社、BMW社など19社が選ばれました。


ポジティブ・スクリーニングとネガティブ・スクリーニング

SRIインデックス等の構成銘柄の選定において、特定の産業を社会に悪影響を及ぼすものとして投資先から除外したりする手法を「ネガティブ・スクリーニング」といい、それに対して、企業のCSR活動を評価し、一定の評価を得ている企業を選びだす手法を「ポジティブ・スクリーニング」といいます。前回のコラムで紹介したFTSE4Goodの選定の第一段階のように、「タバコ生産」「核兵器、その部品やプラットフォームを提供」「武器・兵器製造」「原子力発電所を所有または操業」するセクターでの活動が確認された企業を除外するのがネガティブ・スクリーニングであるのに対し、全ての産業分野から要件を満たす企業であれば評価するというDJSIの最初の手法はポジティブ・スクリーニングであるといえます。

 また、FTSE4Goodの選定の第二段階では、環境・社会に関する要件を基準にポジティブ・スクリーニングを実施し、DJSIも顧客ニーズに応じて「タバコ産業」などを排除するネガティブ・スクリーニングを用いたサブ・インデックスを提供しているように、多くのSRIインデックスやファンドは2つの手法を組み合わせて銘柄を構成しています。社会的投資にふさわしい企業の選定にあたっては、2つの性格の異なる手法があるということを知っておくと、それぞれのインデックスやファンドの個性を理解するうえでポイントとなります。

【概要】

(シリーズの)名称 Dow Jones Sustainability Index
設定機関(所在地) ダウ・ジョーンズ社(アメリカ)とSAM社(スイス)とストックス社(スイス)の共同事業
設定機関の URL  http://www.sustainability-index.com/
開始年月 1999年9月
構成銘柄 2008年9月現在、320社。企業名はWeb で公開。




「市民のためのSRI」第三回
SRIインデックス(その1)

Posted by CANPAN運営事務局 at 13:42 | CSRな事例 | この記事のURL

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