どうして民設の福祉避難所が必要なのか?
災害によって住宅が被災したり、危険とされる場合にその緊急措置として避難所が設置されます。多くは学校の体育館や公民館、市営体育館などが避難所となります。
しかし、普段から避難所でのルールづくりはされていないところが殆どです。
例えば、
・起床や消灯の時間
・食事の時間
・要援護者への支援のありかた
・外部からの電話の取次ぎ
・清掃やゴミのこと
・仮設トイレの清掃や消毒
・喫煙のこと
・ペットの扱い
などなど、挙げたらきりがないほと沢山のルールづくりが必要です。
取り分け、高齢者の要援護者や障がいを持たれた方には、一般の避難所では不便極まりない環境に置かれてしまいます。
特に恐いのはトイレが屋外になるため、水分の摂取を控え血圧が上昇したり、運動不足による便秘、車などの狭い空間で長時間同じ姿勢で居ると起きる死に至ることもあるエコノミー症候群などです。
阪神・淡路大震災では避難所でお亡くなられた方も少なくなく、総死亡者数の6433名の中に避難所で亡くなられた方も震災関連死としてカウントされています。
そこで小規模であっても、介護を必要する方々が安心して避難できる場所が災害時には必要なのです。行政が設置する多くの避難所は平等を原則とし、被災者を個別に考えることは殆どありません。
中越地震での大型避難所(体育館)
能登半島地震での小規模避難所(公民館)
避難所のトイレ。最近の仮設トイレは半水洗式など改良もされ、かなり良くはなっておりますが、いずれにしても高齢者や障がい者には不便なものです。
大型避難所に設置された自衛隊風呂の時間割です。小規模避難所には設置されません。
自衛隊仮設風呂。基本的に自衛隊員が入るように作られていますので、高齢者や子ども達が溺れたりしないように女性自衛官などがサポートを行います。