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ホダ木になるまでのフロー [2009年02月07日(Sat)]
今回学ばせていただいた椎茸栽培のホダ木(シイタケ原木)になるまでのフローです。

仮に、1反(300坪)で1,000本のホダ木が取れたと仮定した場合、
山の木を買った人は、
1,000本×150円−50,000円−10,000円=90,000円の収入
作業を請け負った人は、
1,000本×50円=50,000円の収入
ホダ木を買う椎茸農家は、
1,000本×150円=150,000円の支出
山主は何もしないで10,000円の収入

しかし、1反からは1千本のホダ木を取ることはまず難しいので、あくまで想像ですが、山から何本のホダ木を取るかが、プロの目利きというものなのでしょう。

仮に500本として、
500本×150円−25,000−10,000円=40,000円
作業を請け負った人は、
500本×50円=25,000円
と、計算上はなりますが、この場合は山主さんには多分1万円は行かないと思います。

因みに、木を切る人は山の中に切ったホダ木をまとめて積むまでが仕事。山を買った人が道路脇まで全部のホダ木を下ろして並べます。全て機材や運搬車(クローラー)等は全て自前となります。


付け加えておきたいことは、この仕事は雨や雪の日は仕事にならず、山の傾斜もあり、1反の作業でも多くの日数を要し、しかも体力的にもきつい作業のように見えました。勿論危険もかなり伴います。商売のためだけに出来る仕事ではないと強く感じました。

米の減反政策もそうですが、日本の食糧生産政策はどこか間違っている(苦労の割にはそれに見合った対価が得られない)ように思えてくる、今回のホダ木山での勉強でした。

※この記事にある数字はあくまでも作業をしながらの会話からひろったもので、地方・地域によって当然違いがあると思います。一般論ではなくひとつの事例としてお考えください。

※専門的にはホダ木とは原木にキノコ菌を植え付けたものを言いますが、ここでは全てホダ木としております。
キノコの山 [2009年02月07日(Sat)]
1月30日に本ブログでアップした「木の値段と山の価値」の続きのような話です。

久しぶりにSさんご夫婦が椎茸用のホダ木を伐採している山に行ってきましたが、数日前に伐採作業は全て終了し、こんな景色の里山になっていました。クヌギやナラなどの広葉樹類が伐採されスギだけが残っています。

椎茸栽培の農家さんへのホダ木の販売は「道路渡し」が条件なので、このようにトラックに積みやすくきれいに並べられています。ホダ木用として販売するものは、太さも10センチ前後で椎茸の生産効率が良い太さのものだけが積まれています。

ということで、残念ながら樵のSさんは居ませんでしたが、この山の木を山主さんから買い、椎茸栽培農家にホダ木として販売されたWさんがいらっしゃいました。Wさんはホダ木の太さとしてはあまり適さない太目のホダ木を使って椎茸の栽培もしているので、そのホダ木を丁度トラックに積んで自宅まで運んでいるところでした。
ホダ木の伐採も炭焼き用の材と一緒で、あまり水分を吸い上げない「彼岸から彼岸」に伐採しますが、この太さの広葉樹はやはりかなり重かったです。


今日は山の作業のお手伝いは出来ませんでしたが、椎茸栽培の次の工程のホダ木に菌を埋め込む作業も見学させていただこうと思っていたので、Wさんのキノコの栽培場所をホダ木の運びがてら見学させていただきました。
ホダ木が並べられている山を歩きながら、Wさんはキノコについてのいろいろな話をしてくれました。

この時期でも、このところの陽気のせいか、厚めの美味しそうな椎茸がホダ木から沢山出ていました。

椎茸のホダ木用に皆伐されたクヌギ・ナラなどのいわゆる里山は、人々の暮らしが化石燃料にかわるまでは、薪炭林として萌芽更新を繰り返し行われ、人家などが点在する里地にあります。
因みに、この山で伐採されたホダ木にならない細いクヌギやナラは、炭焼き用にされるとのことです。

それにしても田舎の人は見ず知らずの人に、何でこんなにも親切でしかも無防備なんだろうか?都会ではありえないことのように思う。
縁とは不思議なもの [2008年12月06日(Sat)]
郷土の芸術、伝統こけしのとの不思議なご縁の話です。

8月まで東京でご奉公させていただいたところで、まだ自分が若かりしころ、上司(部長)の机の上に、下の画像のこけしが飾られていました。

轆轤で描かれた模様とくびれた胴回り。こけしの素人の自分でも郷土の伝統こけしの「弥治郎系」のこけしと直ぐにわかりました。部長になぜこのこけしを持っておられるのかと尋ねたところ、自分でもよく覚えていないが、補助金の申請に見えた方か多分お土産で持ってきたのではとの答えでした。

自分の故郷の伝統こけしなんですと話すと、君にプレゼントするよといってくださり、それ以来、異動があるたびにずっと机の上に飾り、大切にしてきたこけしです。



そして、このこけしを作られた工人の方は、今は市議会議長で、帰郷してから最も世話になっている高校の山岳部のF.S.先輩のお兄さんなんです。
縁とは実に不思議なものです。
杣人の技 [2008年10月28日(Tue)]
先の日曜日、時々お邪魔している炭焼き名人のT.O.さんが、蔵王山麓に別荘を持つ方から毎年依頼を受け、届けている薪ストーブ用の薪の伐採があるというので、その山に一緒に連れて行っていただきました。
薪ストーブ用の木は勿論広葉樹。火持ちが良いクヌギやナラが一般的です。炭焼きが盛んに行われていた頃は、薪炭林の里山は萌芽更新され、10年から15年周期ぐらいで山を守り続け、炭にちょうどよいサイズで伐採を繰り返し、山を守ってきました。
しかし、炭は化石燃料に変わり、薪炭林の広葉樹は巨木化し、伐採されても萌芽更新されずに、運がよければ落ちたドングリで新たな芽を出し成長するのでしょうが、笹や雑木に駆逐されるのが現状のようです。
今回はT.O.さんと、その材料となる木の伐採の依頼を受けたプロの杣人のSさんご夫妻も一緒です。たった一日の作業でしたが、プロの道具や技を拝見することが出来ました。

樹齢は50年以上と思われるナラです。周りに生い茂るシノダケは背丈以上に。

これまで大きくなると萌芽更新はなされにくくなるそうです

休憩時間は木の話や道具のことなど・・・・。18才までこの地で育った私ですが、30年以上の都会生活で方言となまりで1/3は意味がよく分からず頷いてばかりでした。

木が好きで、この仕事に就き、そして木を生業としているSさん(中)と知り合ってご結婚され、今でもチェーンソーを回している奥さん(左)の愛嬌たっぷりのヘルメット
炭を作る技【8】 [2008年10月09日(Thu)]
Oさんの炭焼き窯が空っぽになった状態を見せていただきました。奥行きは手前の燃焼室を入れないで約4m、横幅の最も長いところで約2.5m。どちらも正確に採寸した訳ではありません。内部は何となく無花果の実のような形をしています。



原木はあれほど焼けて炭になってしまうのですが、天井が全く煤けてもいなく、ましてやタールなども全く付いていないのが不思議です。

そして、もう一つ不思議なのが外の煙突に通じる地面側に空けられた穴。丁度レンガをたてから見たような小さなサイズです。炭焼きは弘法大師が伝えたとされる説もあり、この穴のことを大師穴とか弘法穴と呼ばれています。

点火した燃焼室から出た熱が天井側を通り、一番奥のこの小さな穴から煙が抜ける。その間に通る高温になった煙によって原木に自然着火され、最後全て燃え盛った後に、空気の入り口と出口を閉めて蒸されて炭になるといわれています。

炭焼き窯を作る工程が詳しくでているサイトです
三重県「青川炭焼きの会」
http://www.aogawa.jp/html/sumiyaki_kyohon.htm
炭を作る技【7】 [2008年10月08日(Wed)]
今回炭出しを行った窯にカボチャを2個入れていました。一斗缶に大鋸屑を敷き、焼けたときに形が崩れないようにカボチャの周りにまた大鋸屑と入れ、原木と一緒に缶ごと入れておきました。

いよいよ一斗缶のフタを開けます。上手く出来ているかどうか・・・・。原木や炭を扱うときに手袋もしないOさんの男の腕っ節です。

ご覧のように無事完成です。約18センチあったカボチャが12センチぐらいになってきれいに焼けています。中の種まで全て炭になっているそうです。

Oさんに二個とも記念に持っていっていいよと言われ、早速家に持ち帰り母に見せると、大変驚いていました。

ほんのちょっとの体験でしたが、炭焼きの不思議さと奥の深さを改めて実感させられました。Oさん、奥さん、お忙しい中をいろいろとお付き合いいただきありがとうございました。また寄らせていただきます。

(次回はOさんの炭焼き窯の構造をご紹介させていただきます)
炭を作る技【6】 [2008年10月08日(Wed)]
以前本ブログで炭焼き窯に原木を入れるまでの工程をご紹介しましたが、いよいよ焼けた炭を出すからと、Oさんから連絡が入り、行ってきました。奥さんとの共同作業で焼けた炭はどんどん窯の中から外へ出されていました。相変わらず息の合った奥さんとの流れ作業です。

今回の炭を窯の中に入れ、火入れを行ったのが10月25日、そして今回焼きあがった炭を出したのが11月7日。この窯の場合ひと焼きするのに約2週間の工程になります。季節や天候や原木の質などによっても多少前後するようです。


運搬用クローラーにどんどん積まれていきます。

クローラーの荷台の大きさは原木のサイズになっていますが、炭になるとこのように約80%ほどに収縮します。作業は真っ黒になり粉塵が舞っている中での作業ですが、焼けた炭はとても軽くなり、体力的には詰め込み作業よりは少し楽かなと感じました。しかし、窯の中はまだ熱くOさんは汗を滝のように流しながらの作業です。

身体中真っ黒になりながらの炭焼き作業。本当にお疲れ様でした。美味しい焼き鳥など炭火焼料理を口にする時、Oさんのような数少なくなった炭焼き職人さんたちの苦労を少し思い出しててみてください。

(次回はあのカボチャと驚きの窯の内部構造をご紹介します)

炭を作る技【5】 [2008年09月29日(Mon)]
点火とほぼ同時に前方(点火室の反対側)の煙突から煙が出てきます。木酢液を採取する場合にはこの煙突に細工をします。T.O.さんは特の採取はしていません。

数十分程度で勢いよく燃え出し、泥の隙間からも煙が出てきます。焚きはじめのころはその隙間をさらに泥で塞いでいきます。

点火室で火を燃し続けるのが約一日半。翌日の8時ごろ窯を見に行ったら勢いよく燃えていました。この火の管理も中々大変な作業で、内部は相当高温になっているのが外からもわかります。なので暑い夏には特に大変そうです。

今後のおおよその工程は、
 1)点火室で1日半薪を焚き
 2)おおよそ1週間後に煙の状態から判断し、空気の取り入れ口を塞ぎ
 3)そのまたおおよそ1週間後に窯を開け、炭を取り出す作業になります

次回の《炭焼きの技》は、炭出しをアップします。あのカボチャがどうなっているのかが楽しみです!画像にはありませんが、この作業のすべて、奥さんとの絶妙なコンビネーションで行われていました。
T.O.さん、お忙しい中、お付き合いいただきありがとうございました。またお邪魔させていただきます。
(注:本作業は全て9月25日に行われたものです)
炭を作る技【4】 [2008年09月28日(Sun)]
点火室を上から見たところです。

点火用の薪をいれ

熱が窯の中に入っていくように上には厚い鉄で出来た蓋をします

点火室の熱が逃げないようにやはり隙間という隙間に泥を詰めていきます。点火室もかなりの温度になります。

そして、空気の取り入れ口からいよいよ点火!

(つづく)
炭を作る技【3】 [2008年09月28日(Sun)]
今回は炭焼き窯の「点火室」についてです。

炭を焼く窯側(灰化室側)に石を組み泥で隙間を埋めながら擁壁を作ります。上部は火が入り込むように10センチ幅程度の隙間がが開けてあります。


窯側の擁壁ができました。

次に点火室の焚き口側の壁を作ります。

赤の矢印が空気の取り入れ口、青の矢印が追加する薪の放り込み口です。

(つづく)