「中山間地域ネットワーク推進シンポジウム」を開催いたしました。
[2014年02月25日(Tue)]
「中山間地域ネットワーク推進シンポジウム」を開催いたしました。
ご来場いただき、誠にありがとうございました。
■日時 平成26年2月2日(日)13:30〜16:30
■会場 高梁市文化交流館 中ホール
■主催 岡山県、岡山県中山間地域協働支援センター
■当日のご報告
中山間地域における「地域づくり」。
社会情勢や人口動態が変化する中、
「そこに住む地域住民一人ひとりがいきいきと暮らす」ためには、
日常生活における住民同士の「見守りの仕組み」、
そして様々な主体による「支え合いの体制づくり」が必要です。
今、それぞれのステークホルダーに求められる機能は果たして何なのか。
基調講演とパネルディスカッションを通じて考えました。
●基調講演
まず始めに、
公益財団法人さわやか福祉財団理事長の
堀田力(ほった つとむ)さんにお話をいただきました。
テーマは、「支え合う豊かな地域を目指して」。
【講演内容の要旨とキーワード】
東日本大震災の被災地もほとんどが中山間地域で、地域を出た若い世代は戻ることが出来ず、残った高齢世代は何とか地域を支えていくことと、「自分の代で終わりだ」という覚悟で、「自分たちの老いを支えていく方法」のみを考えている地域もあります。
現在、介護保険制度の見直しによって福祉全般のあり方が大きく変わり、「子どもも障がい者も高齢者も生活困窮者も、みんな地域で温かく包んでいこう」という方向へ、日本はガラッと変わりつつあります。
堀田さんから来場者の皆さんへの、『「私は最期まで自宅で暮らし、最期を自宅で迎えたい」と思っている方は今日の会場にどの位おられますか?』という問いには、3割以上の方が挙手されました。高梁市は全国でも稀に見る温かい、住みよい地域とも言えるのではないでしょうか。
『高齢者だけではない』
・子どもに関する行政施策は一変し、幼稚園と保育園が近い将来一体化されます。
・地域に子育て拠点を作り、地域全体で子育て支援を行う方向へ進むことになります。
『「究極の介護」だけでは足りない』
・高齢者の方は生活の世話をしてもらっても、それ以外の時間を一人で過ごすということでは寂しい。
・「一緒に食事をする家族がほしい、話をする仲間がほしい。」介護サービスではそんな気持ちや寂しさは満たされません。それを支えるのは「地域」。一人暮らしだとしても、地域に温かい繋がりがあれば、最期まで地域で生きていくことができます。
『中山間地域ネットワーク推進のこれから』
様々な助け合いの仕組みがあり、どれが自分の地域に合っているのかよく相談して導入していく必要があります。
温かい助け合いで支え合える嬉しさは生きていく上での大切な財産で、お金では買えないものです。ぜひ皆で新しいふれあい社会を作りたいと思っています。
困ったときにはお互い様の精神で助け合える社会を作りたいという夢を持ち、22年間ずっと活動してきました。今後も、力が続く限り、この活動を続けていきたいと思います。
●パネルディスカッション
テーマ:「みんなで支え合う元気な地域づくり〜地域で元気に暮らし続けるために〜」
コーディネーター:徳田恭子(岡山県中山間地域協働支援センター長)
県内で活動するNPO法人、社会福祉協議会、大学から
6名のキーパーソンの皆さんにお越しいただきました。
國米 彰氏(NPO法人スマイル・ちわ)
宇野 均恵氏(認定NPO法人子ども劇場笠岡センター)
佐藤 満香氏(美作大学ボランティアセンター職員)
熊岡 亜美氏(美作大学ボランティアセンター学生スタッフ)
眞木 貴久恵氏・谷元 理恵子氏(美咲町社会福祉協議会・地域福祉担当)
各団体の活動紹介ののち、以下つのテーマについて、
フリップディスカションを行いました。
@ 活動を経て感動したことは?
➁ 運営上、活動上の課題やポイントは?
B 今後地域で支え合い活動をはじめる人に、伝えたいことは?
▼@活動を経て感動したことは?▼
『新たな人が関わることにより人が変わる、生きがいが生まれる』
『地域の方の人柄が素晴らしい』『地域の人と家族になれる』
『人とのつながりの中に居られることの嬉しさ』が挙げられました。
小さな活動が重なることで、
多くの生きがいや社会のつながりを生んでいることが分かります。
▼➁運営上、活動上の課題やポイントは?▼
『ボランティアをする人の交通手段』
『設備や機械のための資金を循環させること』などが挙げられました。
継続することにこそ意味がありますが、
助け合いの仕組みを作るには
中間支援組織、コーディネーターなど、真ん中に立つ人の存在が不可欠です。
▼B今後地域で支え合いをはじめる人に伝えたいことは?▼
國米さん:『人・心』。人は宝です。人をどうやって大切にしていくかに尽きます。
佐藤さん:『本音で話せる、通じあえる関係づくり』です。
活動の継続には、地域の人との信頼関係づくりが大切です。
熊岡さん:『地域を好きになること』。義務感ではいいボランティアができません。地域のことを好きになれば、自主的な気持ちが生まれ、継続した活動につながります。
宇野さん:『人を地域をつなぐ』。安心して生活できる地域づくりをするとミッションに掲げています。そのためには人が鍵を握っていて、その人たちを地域とつないでいきたいです。
眞木さん:『老後はなしと考える』です。あるサロンで78才の方が、「まだ私は老後のことは考えていない、85才くらいからが老後かな」と言われていました。社会福祉協議会の活動では高齢者の方にご協力いただくことも多いですが、それが彼らの生きがいにもなっています。
谷元さん:『おだて上手、発掘上手』です。地域のリーダーさんは、地域の誰にどんなことを頼めば上手く行くかということをよくご存知だと思うので、そういう調整能力をさらに発揮してもらえれば、皆が主役になれる地域が出来ていきます。
パネリストの皆さんは、自らがコーディネーターの役割をされながら、
支え合う地域づくりを体現しています。
堀田さんの講演と、4団体のキーパーソンの皆さんのお話から、
地域の「居場所」をつくっているのは地域の一人一人だということ。
それを今後引き継いでいくべきは、他の誰でもない自分自身だということ。
本会を通じて、共有と問題提起をすることができたのではないでしょうか。
会場入り口には「おかやま元気!集落」の概要や取組を紹介する
パネル展示コーナーを設けていました。
42もの「おかやま元気!集落」の取組内容は、地域ごとに特性があります。
▼集落情報は、こちらからもご覧いただけます。
おかやま元気!集落とは?(中山間地域協働支援センターのHPより)
https://sites.google.com/a/okayama-genki.jp/12/home/about
本会には非常に多くの方にご来場いただき、熱気のあふれる時間となりました。
今後もおかやま元気!集落をはじめ、
行政機関、社会福祉法人、NPO法人、企業、大学ら様々な主体がお互いに強みを活かして、連携の輪が広がる取り組みを実施していきたいと思います。
お越しいただいた皆さま、
ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
ご来場いただき、誠にありがとうございました。
■日時 平成26年2月2日(日)13:30〜16:30
■会場 高梁市文化交流館 中ホール
■主催 岡山県、岡山県中山間地域協働支援センター
■当日のご報告
中山間地域における「地域づくり」。
社会情勢や人口動態が変化する中、
「そこに住む地域住民一人ひとりがいきいきと暮らす」ためには、
日常生活における住民同士の「見守りの仕組み」、
そして様々な主体による「支え合いの体制づくり」が必要です。
今、それぞれのステークホルダーに求められる機能は果たして何なのか。
基調講演とパネルディスカッションを通じて考えました。
●基調講演
まず始めに、
公益財団法人さわやか福祉財団理事長の
堀田力(ほった つとむ)さんにお話をいただきました。
テーマは、「支え合う豊かな地域を目指して」。
【講演内容の要旨とキーワード】
東日本大震災の被災地もほとんどが中山間地域で、地域を出た若い世代は戻ることが出来ず、残った高齢世代は何とか地域を支えていくことと、「自分の代で終わりだ」という覚悟で、「自分たちの老いを支えていく方法」のみを考えている地域もあります。
現在、介護保険制度の見直しによって福祉全般のあり方が大きく変わり、「子どもも障がい者も高齢者も生活困窮者も、みんな地域で温かく包んでいこう」という方向へ、日本はガラッと変わりつつあります。
堀田さんから来場者の皆さんへの、『「私は最期まで自宅で暮らし、最期を自宅で迎えたい」と思っている方は今日の会場にどの位おられますか?』という問いには、3割以上の方が挙手されました。高梁市は全国でも稀に見る温かい、住みよい地域とも言えるのではないでしょうか。
『高齢者だけではない』
・子どもに関する行政施策は一変し、幼稚園と保育園が近い将来一体化されます。
・地域に子育て拠点を作り、地域全体で子育て支援を行う方向へ進むことになります。
『「究極の介護」だけでは足りない』
・高齢者の方は生活の世話をしてもらっても、それ以外の時間を一人で過ごすということでは寂しい。
・「一緒に食事をする家族がほしい、話をする仲間がほしい。」介護サービスではそんな気持ちや寂しさは満たされません。それを支えるのは「地域」。一人暮らしだとしても、地域に温かい繋がりがあれば、最期まで地域で生きていくことができます。
『中山間地域ネットワーク推進のこれから』
様々な助け合いの仕組みがあり、どれが自分の地域に合っているのかよく相談して導入していく必要があります。
温かい助け合いで支え合える嬉しさは生きていく上での大切な財産で、お金では買えないものです。ぜひ皆で新しいふれあい社会を作りたいと思っています。
困ったときにはお互い様の精神で助け合える社会を作りたいという夢を持ち、22年間ずっと活動してきました。今後も、力が続く限り、この活動を続けていきたいと思います。
●パネルディスカッション
テーマ:「みんなで支え合う元気な地域づくり〜地域で元気に暮らし続けるために〜」
コーディネーター:徳田恭子(岡山県中山間地域協働支援センター長)
県内で活動するNPO法人、社会福祉協議会、大学から
6名のキーパーソンの皆さんにお越しいただきました。
國米 彰氏(NPO法人スマイル・ちわ)
宇野 均恵氏(認定NPO法人子ども劇場笠岡センター)
佐藤 満香氏(美作大学ボランティアセンター職員)
熊岡 亜美氏(美作大学ボランティアセンター学生スタッフ)
眞木 貴久恵氏・谷元 理恵子氏(美咲町社会福祉協議会・地域福祉担当)
各団体の活動紹介ののち、以下つのテーマについて、
フリップディスカションを行いました。
@ 活動を経て感動したことは?
➁ 運営上、活動上の課題やポイントは?
B 今後地域で支え合い活動をはじめる人に、伝えたいことは?
▼@活動を経て感動したことは?▼
『新たな人が関わることにより人が変わる、生きがいが生まれる』
『地域の方の人柄が素晴らしい』『地域の人と家族になれる』
『人とのつながりの中に居られることの嬉しさ』が挙げられました。
小さな活動が重なることで、
多くの生きがいや社会のつながりを生んでいることが分かります。
▼➁運営上、活動上の課題やポイントは?▼
『ボランティアをする人の交通手段』
『設備や機械のための資金を循環させること』などが挙げられました。
継続することにこそ意味がありますが、
助け合いの仕組みを作るには
中間支援組織、コーディネーターなど、真ん中に立つ人の存在が不可欠です。
▼B今後地域で支え合いをはじめる人に伝えたいことは?▼
國米さん:『人・心』。人は宝です。人をどうやって大切にしていくかに尽きます。
佐藤さん:『本音で話せる、通じあえる関係づくり』です。
活動の継続には、地域の人との信頼関係づくりが大切です。
熊岡さん:『地域を好きになること』。義務感ではいいボランティアができません。地域のことを好きになれば、自主的な気持ちが生まれ、継続した活動につながります。
宇野さん:『人を地域をつなぐ』。安心して生活できる地域づくりをするとミッションに掲げています。そのためには人が鍵を握っていて、その人たちを地域とつないでいきたいです。
眞木さん:『老後はなしと考える』です。あるサロンで78才の方が、「まだ私は老後のことは考えていない、85才くらいからが老後かな」と言われていました。社会福祉協議会の活動では高齢者の方にご協力いただくことも多いですが、それが彼らの生きがいにもなっています。
谷元さん:『おだて上手、発掘上手』です。地域のリーダーさんは、地域の誰にどんなことを頼めば上手く行くかということをよくご存知だと思うので、そういう調整能力をさらに発揮してもらえれば、皆が主役になれる地域が出来ていきます。
パネリストの皆さんは、自らがコーディネーターの役割をされながら、
支え合う地域づくりを体現しています。
堀田さんの講演と、4団体のキーパーソンの皆さんのお話から、
地域の「居場所」をつくっているのは地域の一人一人だということ。
それを今後引き継いでいくべきは、他の誰でもない自分自身だということ。
本会を通じて、共有と問題提起をすることができたのではないでしょうか。
会場入り口には「おかやま元気!集落」の概要や取組を紹介する
パネル展示コーナーを設けていました。
42もの「おかやま元気!集落」の取組内容は、地域ごとに特性があります。
▼集落情報は、こちらからもご覧いただけます。
おかやま元気!集落とは?(中山間地域協働支援センターのHPより)
https://sites.google.com/a/okayama-genki.jp/12/home/about
本会には非常に多くの方にご来場いただき、熱気のあふれる時間となりました。
今後もおかやま元気!集落をはじめ、
行政機関、社会福祉法人、NPO法人、企業、大学ら様々な主体がお互いに強みを活かして、連携の輪が広がる取り組みを実施していきたいと思います。
お越しいただいた皆さま、
ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
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