チャイルドラインしまねの電話受け手養成講座の第3回、第4回が開催された。
第3回は、「最近の子どもの虐待から見えてくる保護者の抱える問題」の演題で、出雲児童相談所所長、石橋昌彦さんのお話を聞いた。
虐待は、身体への外傷などの影響はもちろん、発育の不良、知的な発達の遅れ、情緒の不安定、対人関係の不安定さ、落ち着きがない、他動、非行、自傷などさまざまな問題が起こりやすくなり、その子の成長を妨げることにつながる。また、命を失う危険もある。児童虐待相談の件数は、全国的には増える傾向にあるが、島根県内では、この3年では、少しづつ減っている。(島根県内4児童相談所+市町村…H20年319人・H21年251人・H22年233人)
国の社会保障審議会専門部会第6次の報告では死亡した子どもの年齢は、0歳児が心中以外では39人と他の年齢がそれぞれ0から8人となっているのにくらべて圧倒的に多くなっている。
虐待する人の成育歴の調査では、虐待された経験のある項目がもっとも多くなっており、また、DVの加害者、被害者も養育者が抱える問題として最も多くなっている。これに対して、島根県でもDV対策基本計画の見直しをしたり、デートDVなどについての啓発の強化などの取り組みがされている。
また、児童相談所では、子ども本人が保護者からの虐待を訴えてきたり、保護を求めてきた場合には、「極めて切羽詰った状態で救助をもとめている状況」と受け止め、早急に対応すべきレベルのケースとして考えている。ただ、保護者からのさらなる虐待をおそれて電話を途中で切ってしまうこともある。
もし、虐待と思われる相談を受けた場合は、勇気を出してよく電話をかけてきたことをまず、伝え、次に話の矛盾や混乱があっても、子どものつらい思いや不安な思いに寄り添いながら子どもの話を傾聴し、その上で、児童相談所や市町村の対応窓口へきちんとつないでくれる、身近で信頼できる学校の先生などへの打ち明けをぜひすすめる、ことを最後にお聞きした。
第4回は、「不登校 引きこもり〜外向きの心、内向きの心」の演題で、臨床心理士 小村俊美さんのお話を聞いた。
お話の最初に、東北に支援に入ったことについて報告があった。神戸の震災以来、子ども、特に学校への心理カウンセラーの配置などが強化された西日本にくらべて東日本は、整っていないという現状があった。地震後もその部分の対応が遅れているという印象だった。大災害のときに、学校がしなければならないのは、急性ストレス反応からPTSDに移行しないために子ども、保護者、教師に、それぞれの対応について起こりうること、それの対応などについての心理教育が必要、ということだった。
その後、テーマである不登校引きこもりについてについてのお話を聞いた。
不登校について、これまで捉え方もいろいろ変わり、そのたびに、学校現場の対応も変化してきた。「不登校=学校に行っていない状態」なので、優等生の息切れやつらいことから逃避するタイプの登校拒否だけでなく、精神病初期・親も子も学校に魅力を感じない積極的拒否・非行の子・ネグレクトも表面的には不登校。家庭の問題を含んだ不登校も最近は増えている。また、学校は、たとえると、背の高いものにも低いものにも同じ高いところに釘を打つことを要求し釘に届かない背の低い子どもたちがつらくなっていたり、そのまわりの子どもたちも厳しい状況におかれている。
問題が起きたときの解決は、いろいろな先生が関わることができる中学校よりも、担任制である小学校の方が一人の先生がしかる役、ケアの役をすることになりむずかしい。
子どもの情緒発達のためには、赤ちゃんのときにしっかり抱かれる、失敗したときにも誰かが暖かく見守っているなどの育まれ体験が基礎となるが、児童虐待やDV、子どもはこうあらねばならないなどという強い規範性と支配がそれを拒むことになってしまう。
思春期は自己変革の時期であり、自立と依存の異なる課題に直面する時期でもある。自意識過剰や、親を否定する、社会否定、社会規範とのたたかい(ちゃんとする、というルールの否定→服装などにあらわれる)を経て自己から脱皮したり、自尊感情や自己愛性を獲得できる。このとき、母親がDVを受けていたり、虐待を受けていたり、立派すぎる親がいたりすると安心して否定できなくなる。
子どもたちのつらい思いを聞くときには、
・ゆっくりと
・話を折らない
・対比しない
・感情を受け止める
・罪悪感を取り除く
などをこころがける
Posted by childlineshimane at 11:54 |
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