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ゆりかご日記
171223 アンパンマン NEW ことばずかん DX [2018年01月28日(Sun)]

(追記:技術研修の報告)

171223_DX_0.JPG今回は正直、修理不能の報告です。

新品では1万円近い値段ですが、非常に人気がありロングセラー商品です。
メーカーサポートでは修理対応よりも、センサーペンの代替品を有償提供する場合が多いようです。
(類似品も多く、何回かバージョンアップあり、要注意。)

ネットで検索すると、先輩おもちゃドクターで治療完了した報告もたくさんありましたが、当方では診療技術・診察器材・経験不足のため、今回は修理不能と判断しました。
171223_DX_1.JPG
アンパンマン おしゃべり いっぱい! NEW ことばずかん DX
2012年 JAN/EAN:4979750792458
本をペンで読み取り、言葉が出るはずが、スタート音だけしか出ません。ペンタッチの音が出なくなりました。中身の本はヨレヨレで破れている状態です。

171223_DX_2.JPG
本の読み取り面を拡大接写した画像。極小のドットが規則的に並んでいる。カラーコピーではドットが潰れてしまう。

171223_DX_3.JPG
治療開始、ネジは大3本、小2本。嵌め込みは軸部3か所、先端2か所。センサーは正常だが、赤外線の光が出ない。

171223_DX_4.JPG
最初にセンサーの向きを覚えておくこと。ケミコンやスピーカ回路は異状なし。基板の裏面もチェック。両面実装基板。

171223_DX_5.JPG
センサー入出力部をルーペで拡大すると、トランジスタは「1AM」のマーク、入手困難。白い粉を吹いていた。粗悪な半田か? この時点で正直、私の技術では修理不能だとの予感がありました。

そこで私は、保育園の子どもたちの笑顔を思い浮かべ、同等代替品を探して寄付することで何とか前向きな気持ちを保ちながら、 Facebook を使って全国の先輩おもちゃドクターに助言を求めました。

171223_DX_6.JPG
こちらは、(おもちゃドクター技術研修用として入手した同等代替品の)正常な商品の参考画像。ペン先の赤外線の光が出ているときは、スマホのカメラにて目視確認できる。

(以下、技術研修の結果報告)

故障品の方は、治療の途中で大失敗! 
各部電圧チェックの際に、うっかり(スイッチ手前に入っていた)ガラス管ヒューズを飛ばしてしまいました! 本当は回路図を作って、もっと徹底的に点検したいのですが、今回は初歩的な失敗もあり、少し焦っております。ゆえに、技術研修は次回送りにして、治療に専念します。
元のヒューズは1A25Vの刻印でしたので、抵抗型1Aヒューズに入れ替え更新しました。

コメリセレクト ドライタイプお客様に電話連絡で、故障前の使用状況をあらためて問診しましたら、子どもさんが「ペンを落としたり、ペン先を口に入れて舐めていた」とのこと。
ペン先に付いた だ液 の湿気や埃と塩分が結晶化して「トラッキング現象」が起きた可能性があります。

接点復活洗浄剤まず、粉を吹いた基板をアルコール洗浄して汚れを洗い流してみたら、それで赤外線が発光し始めました。
使用した洗浄剤スプレーは、アウトドア派の弟から借用(借り貰い)したもの(写真参照)。

今度は慎重に基板を元に戻して、おしゃべり動作の回復を確認しました。
これも、先輩ドクター各位の迅速で的確なアドバイスの賜物と、感謝申し上げます。


ところが、(内心、ホッとしたまま、1年半後には)また読取りが出来なくなりました!
やはり最後まで、最大限の努力で根本治療を目指すべきだったと反省します。


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Tracked on 2018年12月13日(Thu) 21:34
コメント
先日、ひまわり病院に訪問診療した際、まったく同じ型のタッチペンが「電源が入らない」との症状で入院。
前回の技術研修で一時的に音声が出るようになったタッチペンと見比べようとしたら、また、読み取り不能でタッチのおしゃべりも出ない状態に戻っていました。根本治療をせずに電池を入れたままだったので液漏れが発生して、さらに腐食が進んだものと思われます。
こうなったら、両方とも徹底的に原因追求して、完治させるべく頑張るしかありません。
Posted by:ToyDr.わたなべ  at 2019年05月29日(Wed) 00:00
後日、先輩ドクターのブログで同じおもちゃの修理記事を拝読して感嘆しました。
一昨年末から「PICで電子オルゴール+音声再生」の技術研修でご指導いただいている、名張市つつじが丘おもちゃ病院(Dr.大泉院長さま)のブログです。(下記URLを参照)

→アンパンマンことばずかんの修理(センサーピン半田クラック)
http://tutujith.blog.fc2.com/blog-entry-233.html

患者様の不調原因を徹底的に究明する姿勢は、まさにスーパードクター!!
Posted by:ToyDr.わたなべ  at 2018年02月07日(Wed) 00:00
 おもちゃクリニック ゆりかご の弱点が見えてしまいました。
おもちゃリサイクル用の回収箱「ゆりかご」の中に、壊れたおもちゃを置いてもらうシステムなので、問診は「診察申込書」に記入されたチェック項目だけが頼り。

それを補完する意味で、担当のおもちゃドクターは治療開始の前にお客様に電話連絡して、詳しい使用状況を聴き取り調査したうえで治療方針を説明して、事前のご了承を得ることが、必須でした。

医療機関に求められる「インフォームド・コンセント」の手法、おもちゃの治療でも同じはず。
(重大な手術の前には、必ず「同意書」を求められますよね。)
Posted by:ToyDr.わたなべ  at 2018年01月28日(Sun) 17:00