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勉強が苦手な子どもたちのために

勉強が苦手な子どもたちがいます。教えても自分でやるとできなかったり、そもそもちゃんと聞いているのか、わかっているのかもあやしかったりします。

保護者や先生たちが一生懸命になっても、それが叶うとは限りません。そんな現実を受け入れることができず、私たちはついカッとなり、子どもにあたってしまうこともあるでしょう。

そして、子どももきっと辛い思いに苛まれているはずです。

ここでは、勉強の苦手な子どもに何とか寄り添った教え方ができないか。「技術」・「理論」・「心理」など様々な切り口で考えていきたいと思っています。

特定非営利活動法人 CEセンター 理事長 野田弘一


教科書通りに教えなくても。 [2016年03月29日(Tue)]
〇教科書通りに教えなくても。

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教科書は基本的に日常的な場面から始まります。例えば、三年生の野田君がみんなにミカンを配ろうとしたら、同じ数だけ配ることができずに困ってしまうという場面から始まります。そして授業では子どもたちの意見を引き出しながら、最終的に「あまりのある割り算」を学んでいきます。

このようなスタイルは、計算のやり方(法則)から教えてしまうと、その成り立ちの理解がおろそかになってしまうという反省から生まれました。丸暗記して覚えるだけでは論理的な思考力が育たないという意見も、このようなスタイルを支持してのものです。

最近多くの学校で取り組んでいる「問題解決学習」という授業方法も、同じ考え方から生まれています。

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ところが、この方法は成り立ちが理解でたり、子ども自身で考える機会が増えるというメリットがある反面、子どもたちの頭の中を日常的な場面から「あまりのある引き算」にもっていくのが難しいというデメリットも持ち合わせています。

能力が高く単元のねらいに気がつく子どもは、授業を受けているうちに後半がポイントであることに気がついたり、どのような答え方を期待されているかを先読みしてしまうことがあります。さらにいろいろな条件が重なると、真面目に取り組まない子どももでてきてしまいます。

また、勉強が苦手な子どもには、日常の場面を言葉で説明されると、言語的な情報量が多すぎて、ポイントが理解できないということが起きてしまいます。すでに算数嫌いになっている子どもは、これまでの経験から「どうせできない」と察しますから、最初から見向きもしなくなります。

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教科書はこうしたことを想定していて、できるだけイラストを多用しいろいろな課題を視覚で補うことで解決をしようと努力していますが、それでも理解できない子どもは出てきます。

このように、教科書にもまだ克服しなければならない課題があるわけです。勉強が苦手な子どもに教えるときは、無理に教科書の流れに合わせる必要はないと思ってください。

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そこで、教科書とはまったく逆の流れを意識して、まず「あまりのある割り算」の計算方法を最初に教えて、できるようになったら日常的な場面(文章題)に挑戦するという方法を使ってみると良いと思います。

計算に限らず長さの単位や表の書き方を初めに教えてできるようにする。それもなんとかできるというレベルでなく、サクサクできるようになることを目指します。

できるようになったことがわかれば、それを道具のように見立てて実際に活用していくわけです。

この方法のメリットは、言語的な情報量が多くなると理解しにくくなる子どもには負担が少なくてすむこと、自分でできたという実感が比較的早くもてるので、成功体験の少ない子どものモチベーションを高める意味でも期待がもてます。

いっぽうのデメリットとして、時間の制約などから計算ができるようになる段階で終わってしまい、日常的な場面(文章題など)で活用してみる機会がないままになってしまう可能性があります。

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子どもに限ったことではありませんが、人の話が理解できたことよりも、自分でやってできた成功経験のほうが満足度が高い傾向があります。

勉強が苦手な子どもに対して、辛い思いをさせて乗り越えることを重視する教育方法をよく耳にしますが、勉強を通じて新しい知的な発見や体験を優先したほうが、私は良いと思います。

子どもは、「自分でもできるんだ」という自信が生まれ、「次はどんな発見や体験ができるの?」という期待感につながり、そして継続的に取り組むことができる可能性が高くなるからです。


Posted by ookubo at 17:36 | 理論編 | この記事のURL
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