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得たものの大きさ [2013年02月28日(Thu)]

今日、インドでの任期が終わって春に帰国することを、ナショナル・フォーラムの中心メンバーに伝えた。
ナルサッパには1月中旬に伝えていたが、他のメンバーにきちんと話したのは今日が初めて。

打合せの場で伝えた後、ホテルの廊下でゴパールさんがそっと近づいてきて聞いた。

「帰国は組織の決断? それとも自分の決断?
来月日本でササカワさんに会う時に、もう少しインドにいられるように私から話をしてもいいか?
もしあなたがそれを希望しないなら言わない」

思わず目頭が熱くなった。



何かを手に入れるということは、何かを失うということだ。
それはインド赴任の話が持ち上がった時にも何度も考えた。

今、日本への帰国を前にして、また同じことを考える。
そしてこのインドで得たものの大きさに改めて気づく。


インドで得たもの。

途上国で働くという経験、
受益者視点からの金銭感覚、
政府役人への話の通し方、

いくつか挙げられるけれど、何よりも大きいものは、
気が遠くなるほど長時間のマラソン・ディスカッションと、純粋菜食主義の野菜カレーとチャパティの夕食を何度も何度も繰り返して、時間をともにして築いたナショナル・フォーラムのメンバーとの信頼関係。
それ以上に価値のあるものは無い。



この時期の帰国は、組織の判断だけれども、自分の判断でもある。
決して楽しいことばかりではなかったインド赴任を2年前に選んだことを後悔していないように、
今帰国を選んだことも後悔はしていない。



ゴパールさんが上の言葉をかけてくれたことは純粋に嬉しかった。
そしてその語り口と気遣いに、さすが多くの人望を集めてここまで組織を引っ張ってきた方だなと感服した。

自分の娘よりも年が離れた生意気な小娘の言うことに、2年3ヶ月の間、辛抱強くよくつきあってくれたと思う。

他の人が彼に対して口が裂けてもいえないような、気に障るような発言も何度もしたと自覚している。

それでも聞く耳を持ってくれたのは(私がドナーから派遣された人間だということは別として)、その諸々の失礼な発言の背後に、ナショナル・フォーラムをさらに良い方向に持っていきたいという気持ちがあることを理解してくれていたからだろう。

ただひたすら、頭が下がる。

photo (6).JPG

2年かけて手に入れたものを、帰国後も今までと同じようにとまではいかなくても、なくさないようにするには、インドに住んでいる今以上に配慮と努力を要することを、胸に刻む。